多喜二さん
2008-07-21 | 本
ね?噂の通りでしょ?
私がいつも利用する駅のビル1階にある本屋さんの光景、入り口を入ってすぐ目の前の一角がこうなっています。
私もここで『蟹工船』を買い、読みました。
何十年も前に読んだきりで、ほとんど内容を忘れていました。
初めてのストライキを前にして、十五、六歳の雑夫が演説しているのをききながら、「目尻を太い指先きで、ソッと拭っている中年過ぎた漁夫」。
ストライキに敗れて、「俺達全部は、全部が一緒にやった、という風にやらなければならなかったのだ。」と学ぶ労働者たち。
一人ひとりがバラバラにされ、いま苦しいのは自分が悪いからなのだと思わされてきた現在の若い人たちが、この『蟹工船』に出会って、どんなにびっくりし、力づけられていることでしょうか。
多喜二さんは、すばらしい作品を遺してくれました。