さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

映画 『母(かあ)べえ』

2008-01-16 | 映画・ドラマ
 この元日、皆さまのお宅にも年賀状と一緒に配達されたのでしょうか。
 映画『母(かあ)べえ』の、はがき大のチラシです。

             



 私は昨年12月、伝手があってこの映画の試写を観ることができました。

 観てから1か月余り過ぎた今、いちばん心に残っている想いは、どんな境遇になっても慈しみ合う人間の尊さです。


 お父さんを「とうべえ」、お母さんを「かあべえ」、長女・初子を「はつべえ」、次女・照美を「てるべえ」と呼び合っている家族のお話です。

 原作は「てるべえ」の野上照代さん。
 黒澤明監督作品のスクリプターをしていた野上さんの自伝的小説『父へのレクイエム』。


 「あの絶望的な時代を懸命に生きた人々の、愛に溢れた笑い声や悲しい涙」と山田洋次さんはプログラムに書かれています。

 治安維持法が大手を振っていた時代の、庶民の物語です。

 背景に戦争というものがなかったら、貧しいながらも親子四人が暮らす日々の、温かく幸せなホームドラマになったことでしょう。

 「国家」が起こした侵略戦争は、仲睦まじく朗らかな家庭のささやかな暮らしを、無残に壊してしまう・・・。

 スクリーンを見ながら、何度も胸がつまりました。

 母べえの、深い愛情と揺るぎない姿は、私たちに大切なものを思い出させてくれます。


 吉永小百合さんの母べえ役は、吉永さんでなければ演じることはできなかったと思います。
 誠実で、ふんわりと周りの人を包みこむ温かさが伝わってきます。

 そのほかの俳優さんも、いいです。

 “やまちゃん”の浅野忠信さんが印象的です。


 映画『母(かあ)べえ』は、1月26日全国ロードショー。

 いま、この時代に、たくさんの人に観てほしい映画です。


     監督    山田洋次
     原作    野上照代
     音楽    冨田勲
     ソプラノ  佐藤しのぶ


          www.kaabee.jp/


 プログラムには、「治安維持法」などのキーワードや、時代背景の一覧表も載っています。
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