ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

BETTY ST. CLAIRE

2007年10月29日 | 女性ボーカルS
JUBILEE/LP 1011/BETTY ST. CLAIRE/WHAT IS THERE TO SAY

以前に彼女のアルバム“at BASIN STREET EAST”を紹介したつもりだったのですが探したのですが見つからず諦めました。自分のレコードも棚を入れ間違えて次には探せ出せない事も多々ある僕ですからどこかに紛れているかも知れません(苦笑)。それとも記事にしたつもりでしていないかも知れません、その場合はボケが進行しています。このベティというシンガーは黒人の血統でありながら黒人のような粘っこさがなくサラリとした声質なんですが, そのボーカルには甘さもあり時折感じさせる可愛さもあり, 情緒が篭っていて聴く人の心に寄り添ってくれるようなシンガーです。歌い回しはフェイクも多用しますが、それが全く嫌みではなく, むしろ曲の良さをより強調しているような崩し方です。その彼女の歌い回しが端的に表れているのがA-1のTHAT OLD BLACK MAGICだと思います。この曲を最初に聴いた時はすぐにもう一度聴き直したほど新鮮でしたし, スイング感あふれるボーカルでした。上品なボーカルで洗練された印象を与えます。是非一度聴いていただきたいと思うアルバムです。アルバムを通してどの曲も楽しめると思います。なお, このアルバムは同じJUBILEEからのジャケット違い(ベンチで男女が寄り添っている写真のジャケット)も有りますが、本アルバムがオリジナルと思います。それにしてもBURT GOLDBLATTの写真とデザインによるこのジャケットはなんて粋なんでしょうか。(コンボ伴奏)

収録曲
A面
1, THAT OLD BLACK MAGIC
2, WHAT IS THERE TO SAY
3, EAST OF THE SUN
4, PRELUDE TO A KISS
5, OUT OF NOWHERE
6, I HADN'T ANYONE TILL YOU
B面
1, ALMOST LIKE BEING IN LOVE
2, HERE COMES TROUBLE AGAIN
3, MY ONE AND ONLY LOVE
4, WHY TRY TO CHANGE ME NOW
5, SKYLARK
6, GIVE ME THE SIMPLE LIFE

CHESSECAKEって KAY MARTIN

2007年10月27日 | 女性ボーカルM
ROULETTE/R-25014/KAY MARTIN/AND HER BODY GUARDS

海外のネットでレコードを漁っていると、時々CHESSECAKEという表記をされてアピールしているアルバムがありますが、その場合のCHESSECAKEとは、こういうアルバムを意味しているようです。最初にこのアルバムを見た時はモデルによるジャケット写真と思いましたがセラーの説明文によるとシンガーである彼女自身が撮られているとありました。っっつと赤提灯に誘われるように入手したアルバムです。このKAY MARTINというシンガーはチェロキーの血が入っているカリフォルニア生まれで元々はモデルの仕事をしていたので表紙のような写真も抵抗はなかったのでしょうか。HER BODY GUARDSの一人であるJESS HOTCHKISS(b)に誘われて歌を唄うようになったとライナーノートにはあります。彼女は結構アルバムを出しており6枚はあるはずと海外のブログで読みましたがどうも確証はないようです。どちらにしてもこのケイ・マーチンというクラブシンガーはアダルト向けのエンターテイナーとして一定の人気があったようで歌の実力よりも歌も含めたエンターテイメント性で魅せていたのは疑う余地がないでしょう。下にもう一枚彼女のアルバムのジャケ写真を載せておきます。つけ加えると彼女のアルバムで一番人気はFAX盤で“I KNOW WHAT HE WANTS FOR CHRISTMAS...”というアルバムという事でしたがそれは米国内での話です。彼女の歌の実力ですが飛行機から飛び降りたようなジャケットのCUB盤のMARLA SMITHと同程度の実力のように思えますが声自体は悪くありません。僕は彼女のアルバムを2枚持っていますが上の写真のがファーストアルバムで、下に掲載したモノは, その後に出されたアルバムですが。内容的には下のアルバムでは彼女のボーカルが上手くなっています。それだけ最初は上手くなかったという事ですが、“LORELEI”のボーカルは酷くはありません。こういうアルバムは内容ウンヌンよりもジャケットを見てサラリとご笑納下さいませ。

                       ↑DYNA/D-104/KAY MARTIN/AT THE LORELEI


                        ↑彼女の顔を正面から拝見するとこのような感じです。

AND HER BODYGUARDSの収録曲
A面
1, FEVER
2, BLUE MOON
3, BIG MAMOU
4, CAN'T HELP LOVIN' DAT MAN
5, SENTIMENTAL JOURNEY
6, I AIN'T MAD AT 'CHU
B面
1, THE HEEL
2, SUMMERTIME
3, SWAMP GIRL
4, I GOT IT BAD
5, JOHNNY GUITAR
6, BABY, DID YOU HEAR

HELEN MERRILL

2007年10月26日 | 女性ボーカルM
MERCURY/MG 36134/HELEN MERRILL/THE NEARNESS OF YOU/1958録音

久し振りのヘレン・メリルです。ターンテーブルに載せて彼女の歌を聴くのも久し振りで、この久し振りという時間のおかげでまた新鮮に感じたりするのが音楽の楽しみでもあります。このアルバムは僕にとってはアルバム全体が好きというよりもアルバム最初の曲“BYE BYE BLACKBIRD”の1曲と他の数曲で大満足というアルバムです。この曲自体も好きですし彼女のハスキーボイスでスイングして唄われているのがお気に入りです。MIKE SIMPSONのフルートでこの曲が始まるとゾクゾクします。DICK MARX のピアノ、JOHN FRIGO(b), FRED RUNDQUIST(g), JERRY SLOBRG(ds),というバックの顔ぶれが、これまた曲を盛り上げてます。上記のメンバーでTRACKの1,3,4,5,6,8,11が録音されており、同メンバーによるA-4のSOFTLY AS IN A MORNING SUNRISEも彼女の魅力が存分に発揮された1曲と思います。5のDEARLY BELOVEDも軽快にスイングして好きな曲です。7の“ALL OF YOU”こちらのバックはBOBBY JASPAR(flu), BILL EVANS(p), OSCAR PITTIFORD(b), GEORGE RUSSELL(g), JO JONES(ds)という豪華メンバーで,バックの演奏も充分楽しめます。このメンバーでTRACK2,7,9,10,12が録音されています。まったりと唄われるアルバムの表題になっている“THE NEARNESS OF YOU”もいい出来ですね。

収録曲
A面
1, BYE BYE BLACKBIRD
2, WHEN THE SUN COMES OUT
3, I REMEMBER YOU
4, SOFTLY AS IN THE MORNING SUNRISE
5, DEARLY BELOVED
6, SUMMER TIME
B面
7, ALL OF YOU
8, I SEE YOUR FACE BEFORE ME
9, LET ME LOVE YOU
10, THE NEARNESS OF YOU
11, THIS TIME THE DREAM'S ON ME
12, JUST IMAGINE

LYNN TAYLOR

2007年10月25日 | 女性ボーカルT
GRAND AWARD/G.A. 33-367/LYNN TAYLOR/I SEE YOUR FACE BEFORE ME

この記事も書き直しですが、去年の5月にこのアルバムを記事にした時にはオリジナルではなく、再発盤?でしょうかそれもはっきりとしないアルバムの写真を載せていました。オリジナル盤とそのアルバムの違いはレコードの重量とセンターレーベルの色がオリジナル盤はえび茶色で再発盤かしらと思えるモノはその色が茶褐色という違いと、深溝が有るか無いかの違いでした。期待して入手したオリジナル盤の音質を期待してターンテーブルに載せてA-1のI SEE YOUR FACE BEFORE MEから聴き始めたのですが、彼女のボーカルがぽっかりと前に浮かび上がりいい感じと思ったのも束の間で、どこか怪しい音がします。特にSとかTHとかZの発音の時に普通ではありませんでした。そうなんです。これは僕が初めて遭遇した“風邪引き盤”だったんですね。今までに風邪引き盤に当たらなかったのも不思議かも知れませんが、当たりたくはない初体験にガッカリもしましたが、こういう体験もいつかはするもんだろうなと受けとめていました。そんなに重症ではなく軽い風邪引き盤のようですが、気持ちよく鑑賞できる範囲は超えています。それからプリアンプをいじったりしましたが効果はありません。それでモノラル針で聴いていたのをステレオ針で聴いてみました。そうすると気になる余計な音が抑えられ何とか聴ける再生音になりました。理由はよく分かりませんがステレオ針の接地面がモノラルより小さい為に余計な音を拾わないのではと想像しているのですが、どうなんでしょうか?風邪引き盤でないオリジナルを聴いた事がないので違いの度合いが判らないのですが、再発盤?を聴いてもマスターテープのヒスノイズが同じ部分で入りますしSとかTHとかZの発音はやはり少し強調されて聴こえますので、ステレオ針での再生で我慢することにします。本アルバムでの風邪引き盤の応急的聴き方でしたが、どの風邪引き盤にも使える手法ではないと思いますし盤それぞれで風邪引きの症状が違うと思います。が試してみる価値はあると思うのですが重症の風邪引き盤には役に立たないんでしょうね。


これが以前から聴いていたどこかの再発盤のです。どこを探してもFS盤とかの表示はありません。USプレスという事で入手したように記憶しています。

*以下、以前の記事です。
Grrand Award盤でLynn Taylorの“ I See Your Face Before Me”1957年NYにての録音です。彼女のアルバムはこれ以外にはCORAL盤があるようですが4曲が収録されているだけのようで、全アルバムを歌っているのは本アルバムだけのようです。彼女の事は少し調べたのですが判りません。ただ彼女の歌は素晴らしいです。声は可愛いというか可憐なのですが甘えた感じでもなく暖かみがあってみずみずしさを感じます。本格的アルバムがこれ一枚というのが本当に残念です。お勧めの一枚です。

パーソナルは、Lynn Talor(vo), Buddy Weed(p), Billy Butterfield(tp), Bob Alexander(tb), Stanley Webb(fl), Barry Galbraith(g), Arnold Fishkind(b), Johnny Cressi(ds)
収録曲は
A面が
1. I See Your Face Before Me
2. Then I´ll Be Tired Of You
3. It´s All Yours
4. Haunted Heart
5. By Myself
6. You And I Know
B面が
1. Thief In The Night
2. High And Low
3. Beautiful Dreamer
4. Oh But I Do
5. Something To Remember Yo
6. Wandering Heart

NORA EVANS

2007年10月24日 | 女性ボーカルE
NOREEVA/ST-1215/NORA EVANS/DON'T EXPLAIN/Stereo

このアルバムは最近入手したものです。以前から欲しいなぁと思っていたのですが、何回かを入手し損なってしまいました。それからしばらくは見かける事がなく、所有している友人にアルバムを借りて聴いたのです。その時はさほどいいなぁとは感じずに返却したのです。それからは特別に入手したいという気持ちが少し薄れました。その後見かけた時に高くないので入手しておこうかという程度でさほどの思い入れもなく入手したアルバムです。自分の手に入れてから判りました。アルバムは自分のアルバムでないと本当の意味で味わえないことが。友人から借用のアルバムでは遠慮があるのか自分の物以上に気をつかうのが災いして心からリラックスして楽しめなかったのでしょう。いま自分の物であるアルバムを聴きながらそういう事も考えていました。
ところで本アルバムのレーベルの事もシンガーの経歴も僕には分かりません。どなたかご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたいと思います。アルバムにはライナーノートもなく曲目紹介とレコード会社の住所等があるでけの素っ気ないものです。彼女のボーカルはあっさりとした味わいで、僕は友人から借りて聴いた時はそのあっさり度に途中で一度聴くのを止めたほどです、結局もう一度最後までは聴きましたが。ところが自分のアルバムを聴く段になるとその素っ気なさというかあっさり具合が聴くほどに味が出てくるボーカルです。ジャケット写真の彼女はすこし若く可愛い美人顔に写った写真が使われていますが、アルバム裏の顔写真が濃い~ぃオバサン顔のように思えます。本アルバムでは軽快なテンポのA-1のOUR VERY OWNが始まりの曲としてノリやすく好きですし、アルバム表題にもなっているA-2のDON'T EXPLAINもムードたっぷりで上手いと思いますが僕はこれよりB-1のLITTLE GIRL BLUEの方が好きですね。B-3のSTREETS OF LONDONも心に滲みるようで好きです、こういう曲は聴けば聴くほどよくなってくるのではないでしょうか。

収録曲
A面
1, OUR VERY OWN
2, DON'T EXPLAIN
3, QUIET PLEASE, THERE'S A LADY ON STAGE
4, PICTURES
B面
1, LITTLE GIRL BLUE
2, FEEL THE WARM
3, STREETS OF LONDON
4, WON'T YOU COME AND DANCE WITH ME

FREDA PAYNE

2007年10月23日 | 女性ボーカルP,Q
MGM/E4340/FREDA PEYNE/HOW DO YOU SAY I DON'T LOVE YOU ANY MORE/1966年

このフリーダ・ペインというシンガーは女優としても活動していて、彼女のアルバムで人気といえばファーストアルバムのIMPULSE/AFTER THE LIGHTS GO DOWN LOW/1963年だと思いますが、特にB面がI CRIED FOR YOUや’ROUND MIDNIGHTが歌われていて僕も好きなのですが、今日は彼女のアルバムの中でもジャケット買いした本アルバムを聴いています。彼女のアルバムジャケットは美貌を売りにしたデザインが多いように思います。CAPITOL/HOTやABC DUNHILL/PAYNE AND PLEASUREなどそういう範疇に入るアルバムと思いますが特にPAYNE AND PLEASUREはソファーの上で寝そべり太股剥出しで挑発しています。彼女は初期にはジャズスタンダードを歌っていたのですが本アルバムあたりからはポップやR&B調の曲調となりましたが、70年台後半からは再びジャズに回帰しているようです。彼女の声質はやや高目で歌い通すような発声が特徴です。本アルバムはそのポップ等を歌ったアルバムですのでジャズテイストはありません。ポップとR&B調の曲が収録されています。ついジャケットに誘われて入手したのですが正直に言うとこのアルバムを聴くのは今晩が二度目です。アルバム自体が駄目というわけではないと思いますがジャズをイメージして聴くと期待ハズレとなります。このジャケットの写真からしてMGM盤でありながらモータウン系の匂いがプンプンしているデザインですね。B面のTHAT LOVIN' FELLING'はシュープリームスやプレスリーも歌っていたと思う懐かしい曲です(違ったかな?)

BENNY GOLSONのアレンジ指揮によるオーケストラ伴奏
収録曲
A面
1, (HOW DO YOU SAY) I DON'T LOVE YOU ANYMORE ?
2, YESTERDAY
3, SAN JUAN
4, YOU NEVER SHOULD HAVE LOVED ME
5, LET IT BE ME
6, ON EASY STREET
B面
1, THAT LOVIN' FELLING'
2, IT'S HERE FOR YOU
3, FEELING GOOD
4, SAD SAD SEPTEMBER
5, IF YOU LOVE ME
6, TOO LATE

思いっ切りスイングしましょう!??

2007年10月20日 | 世間話
今日は久し振りのゴルフでした。久し振りってどれぐらいかと言うと、今年になって三回目か四回目ぐらいですか、実はゴルフに最近は凝りがなくてはっきりと覚えていません。春と夏にラウンドしているのは覚えているのですが後は朧です。久し振りのゴルフでしたが充分楽しめました。ただ風が強く天気は曇りで気温も低かったので疲れはしましたが、これは心地よい疲れというものでしょう。写真の僕の帽子の右上ちょうどドライバーヘッドの少し上にあたりにゴルフボールも写っているのですが、ご覧の皆さんの画面でお判りいただけるでしょうか?力感不足のフィニッシュですが、10回に一度ぐらいの気持ちいい当たりでした。

偶然かどうか、大阪の某オリジナル専門レコードショップの店主さんも、地元倉敷のオーディオ&レコードショップの店主さんも60歳は過ぎていると思いますが、お二人とも片手が以前の病のおかげでやや不自由そうなのですが、音楽を部屋にこもって聴き続けるというのは精神的には良いと思いますが、身体的にはどうしても運動不足になりがちで、まして趣味で聴いてる僕などとは違いショップの店主となればそれが仕事になるわけですから運動不足も一因で脳溢血とか梗塞になったりするのではないかと最近思い始めました。ですから近くの買い物には自転車利用で車は使わない、ゴルフに行ってもカートにはできるだけ乗らないように心掛けています。久し振りにゴルフで実に気持ちが良かったので、もう少し回数を増やして月2回ぐらいはゴルフしたいですね。スイングしてますか。

HOLLY COLE

2007年10月18日 | 女性ボーカルC
T&M/T&M 1039/HOLLY COLE/HOLLY COLE/2006年

最新盤のアルバムです。45回転盤LPを探している時に本アルバムを偶然見かけたのでジャケットに誘われて入手しました。まだ販売されているようです。本アルバムのレーベル等ですが購入した先のHPではレーベルがT&M,アルバムナンバーがAT&M80808とされていたのですが、レベールにはT&M1039と番号が表記されていたのでT&M1039が正しいのではと思います。このアルバムは米国では輸入盤とされていましたが国名は書かれてありませんでしたが、レコードの片面表示はSEITE A,Bと表示されているのでドイツのでしょうか(?) ジャケットに魅かれて入手したのですがしばらく後に本アルバムのジャケットと同じ構図のジャケットをネットで見かけました、確かビリーホリディーのアルバムでモデルが同じようなポーズでジャケットを飾っていたと思うのですが確かではありません。となればビリーホリディーのジャケットが先駆デザインという事になるのでしょう。両開きのアルバムの中にはカラーで彼女の写真が載せられています。その写真が印象的だったので載せておきます。目がでかくて目頭の切れ込みが大きくて僕はちょいと苦手であります(撤収)。

彼女は硬派のジャズ通の諸先輩の中ではジャズシンガーではないと言われている向きもあると思います。確かに彼女はジャンルを問わずに歌いそしてそこにジャズテイストを少し加えるというノージャンルのシンガーだと思います。がその彼女が本アルバムではよりジャズに回帰してきていると思えます。彼女独特のやや太く低い声で、よくスイングしています。僕は彼女の以前のアルバムではボーカルが暗くで低温度で怠い感じを受けてあんまりお気にではなかったのですが、本アルバムでは遅まきながらちょっと見直しました。B面の LARGER THAN LIFEを聴くとおおイイじゃんと思え、本アルバムでは一番のお気に入りです。これから歳を重ねるごとにもっと深みを出して欲しいと思います。まだ若いしと言っても彼女もすでに四十路ですが(笑)

パーソナル:HOLLY COLE(vo), GIL GOLDSTEIN(p), GREG COHEN(b), STEVEN WOLF(ds), MARTY EHRLISH(as), LENNY PICKETTT(ts), ROBERT DEBELLIS(bsax), JOHN ALLRED(trb), VINCENT CHANCEY(fench h)

収録曲
SEITE A
1, THE HOUSE IS HAUNTED BY THE ECHOR OF YOUR LAST GOODBYE
2, CHARADE
3, I WILL WAIT FOR YOU
4, WATERS OF MARCH
5, ALLEY CAT SONG
SEITE B
1, LARGER THAN LIFE
2, BE CAREFUL, IT'S MY HEART
3, IT'S ALRIGHT
4, YOU'RE MY THRILL
5, LIFE IS JUST A BOWL OF CHERRIES
6, REACHING FOR THE MOON

SERENA SHAW

2007年10月17日 | 女性ボーカルS
RAMA/RLP 5001/SERENA SHAW/CRY MY LOVE

昨日は仕事で大阪へ日帰りしました。本町で用件をすませた後、時間があったので2軒レコードショップを廻ってきました。最初に行ったお店はレコードは巾広いジャンルで国内盤から輸入盤まで大量に在庫してあるのですが、僕が欲しいと思うものはなく30分ぐらいで別の店へ。そこでボーカルの棚を漁っていたのですが、ここでもあまり欲しいのがありません。どうしようかなぁと店内を見渡すと、リタライスとモニカのきれいな再発盤が、と思ったのですが再発盤を誇らしげに壁に飾る店ではないので店主に尋ねるとオリジナルとの返事で、あまりにキレイだったのでとりあえず2枚をキープして他を漁ってから、さてどうしようかと考えたのですが、僕は考える時は大体に購入してしまうのです。車を運転している時もアクセルかブレーキかで迷ったらアクセルを踏む方ですから(危)、で壁に飾ってあった2枚のうちの1枚とボックスから選んだ1枚の2枚を持ち帰りました。お店2軒訪問してアルバム2枚だけの持ち帰りとはいつになく少なかったです。こういう店のアルバムは高価ですが, 国内外の通信販売で入手するより, 店の暖簾をかけて店主が吟味しているのでまず間違いないのが安心ですね。といっても店にもよるでしょうが。

さて今晩のアルバムの話ですが、いつもお気に入りのシンガーばかりを紹介するのも偏ってしまうのではと思ったので、あまり聴かないアルバムをターンテーブルに載せて聴きながら書いています。このシンガーは多分このアルバム一枚切りだろうと思うのですが他にもアルバムがあるのかも知れません。彼女のボーカルですが広い音域を持っているようでしっかりとした習練を重ねた末に得た安定感や聴く者に無理を感じさせない余裕あるドライブ感があるのです。ただ僕には彼女のボーカルに隙が無いせいかどうか温度不足のように感じられます。多分このアルバムが店頭で売られた場合は“エキゾチック・ボーカル”というような寸評がつくのではないでしょうか。ジャケットには彼女の名前の下にA NEW VOICE A NEW SOUNDとありますから、それはそのまま内容を言い当てているような気もします。ライナーノートには広いレンジはYMA SUMACのようで、歌い上げるスタイルはSOPHIE TUCKERのようで、ムンムンした魅力はJOSEPHINE BAKERのようだと評されていますが、この辺りの表現もいま一つ僕にはよく分かりません。ただ彼女の歌い回しは正確で間違いなく不安定さは微塵も見せません。もう少し情感を感じさせてくれれば申し分ないと僕は感じているのですが如何でしょうか。僕にとって消化不良であったこのアルバムですが, この先しばらくして聴く時には、また僕の感じ方も違うかなと思える一枚でした。

収録曲
A面
1, SOLITARY BLUES
2, YOU GO TO MY HEAD
3, BLUE PRELUDE
4, ST.LOUIS BLUES
5, BALI HAI
6, I GOTTA RIGHT TO SINH THE BLUES
B面
1, TABOO
2, SOLITUDE
3, IT'S A LAZY AFTERMOON
4, WILLOW WEEP FOR ME
5, KISS ME
6, LOVE FOR SALE

NURIA FELIU

2007年10月15日 | 女性ボーカルF
(SPAIN)EDIGSA/CM150L/NURIA FELIU/LOU BENNETT I ELS SEUS AMICS/Stereo

先週は中国へ出張でしたが、彼の国の投資熱は加熱しています。僕が初めて中国を訪問したのが89年ですから、もうかなり前の話でまだ外国人専用通貨である兌換券なるものを否応なく使わされていました。当時のレートが兌換券1元=26円ぐらいだったように記憶していますが、換金しても買うものはなく景徳鎮の硯ぐらいを買うともう自分には欲しいものは中国にはありませんでした。その硯も最近はあまり上質のものはないように思います。最近は冒頭にも述べたように株投資熱は高まる一方で政府が口先介入しても熱はいっこうに冷めません。僕の知っている中国某中小会社のトップは株で儲けて、ベンツと腕時計(ピアジュ)を買いました。結構な事だと思いますが、僕ならそれだけの思い掛けない臨時収入があればブルーノートのオリジナルを買い集めたいところですが(笑)、そんなチャンスは有りっこありません。まぁ~,賭事も株も行きつくところまで行かないと止められないのでしょうね。彼等も賭事は大好き人種ですから。

今晩のご紹介するアルバムは,スペインのNURIA FELIUですが、彼女の事については知りません。ライナーノートを見てもすべてスペイン語なので読めません(笑)。このあたりのコメントはまことに失礼ながら坂田一生氏とほぼ同じ内容です。このEDIGSAというレーベルから彼女のアルバムはLP盤が2枚とEP盤3枚の合計5枚発売されていますが, 本アルバムはそのLPの一枚です。もう一枚のLPはTETE MONTLIU等がバックを務めているアルバムですが、このLPが未入手で歯痒い思いをしています。本アルバムは歌詞を印刷した別紙は入っていますがスペイン語です。共演がオルガンとピアノのLOU BENNETTですが、ギターやドラム・ベース担当などは僕には不明です。全曲をスペイン語で歌っている彼女のボーカルですが、声質はやや太い低い声で力強さと言葉の区切り方に情熱を感じさせながら、やや古くさいような印象を与えつつもあまり耳にした事がないボーカルを新鮮に感じさせる歌い口です。バックのLOU BENNETTのオルガンより彼女のボーカルの方がよりはっきりとスイングしているように思えます。彼が少し引いているのかも知れませんが、彼女の実力が高いという事ではないでしょうか。A-1のGEORGIA ON MY MINDで“ジョルジョ~”と始まるとB-5のAFTER YOU'VE GONEまで一気にアルバム全曲が聴けます。一度は聴いていただきたいNURIA FELIUでした。なおジャケットはこれ以下はないと思えるようなペラジャケです。

収録曲
A面
1, GEORGIA ON MY MIND
2, SPEAKE LOW
3, FROM HEART TO THE ETERNITY
4, I ONLY HAVE EYES FOR YOU
5, SATIN DOLL
B面
1, YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS
2, THEY CAN'T TAKE THAT AWAY FROM ME
3, NATURE BOY
4, PENNIES FROM HEAVEN
5, AFTER YOU'VE GONE

PETULA CLARK

2007年10月06日 | 私的Rare盤
英PYE(NIXA)/NPL 18007/PETULA CLARK/YOU ARE MY LUCKY STAR/1957

*明日から1週間出張しますので更新はしばらくできません。次の更新は多分15日ぐらいからと思っていますが、あまり当てにされませんように願います。

今晩のアルバムはPETULA CLARKのデビュー・アルバムです。このアルバムは以前から欲しくて欲しくて探し回っていたのですがなかなか出会えませんでした。何軒かのショップにWANTSとしてお願いしていたのですが、それも久しく連絡なくやはり自分で探し当てるしかないのかと諦めかけた時にメールが入りC5盤ですがよろしいですかという事だったのでオリジナルのNIXA盤ではなく英国の再発盤といえるC5盤でも良いと思ってまず入手したのが写真一番下のレーベルを載せているアルバムです。これでまずまず満足していたのですが、海外のオークションでPYE/NIXAの同アルバムを見つけてしまい、見るとやはり節操なく物欲に歯止めが効かず欲しくなってしまい入手に至った次第です。レーベルの写真を3つ載せていますが、仏VOGUE盤は自分は所有しておりませんが、こういうレーベルの同アルバムもあるんだという事で自分の覚えとして載せておきます。冒頭に述べたように本アルバムが彼女の25歳の時のファーストアルバムなんですが、内容は'29年から'40年台までの映画の主題曲を歌ったものです。ライナーノートの彼女の言葉によると子供の頃に聴いて印象に残っている映画音楽を大人になった今あらためて歌ってみたかったと語っています。ジャケットはその映画の主演俳優でしょうか12曲分の12人が左に配置されています。ジャケットは英国盤の伝統に沿ってペラジャケです。これがC5盤になると同じペラジャケでも少し厚手になりますがジャケットのつくりが違いますしジャケ写真も複写したものなのでしょう、鮮明さが欠けています。本NIXA盤の裏面には彼女のサインがあります。一般的にはジャケットにサインとか前オーナーの書き込みがあると嫌われて再販価値が下がると言われますが、僕は全く気にならず却って嬉しいぐらいです。本アルバムの彼女のボーカルですが若々しくて初々しくて可愛いくて新鮮さが溢れています(同じような形容が続いて恐縮です)ジャズ批評の坂田一生氏によるとI, YI, YI,YI,YIだけはC5から復刻されたCDに収録された同曲の方が出来が良いとおっしゃっていましたが、聴いてみたいとは思いますが, CDで聴く事は最近はますます少なくなってきましたので、坂田氏が述べておられるとおり同曲だけを入れ替えて復刻して欲しいものですが、英国のアルバムはこの復刻というのがかなり難しいようです。出だしのA-1のIT'S FOOLISH BUT IT'S FUNから彼女の弾けるようなボーカルに引き込まれ、本アルバムの全曲を通してぞくぞくするほど彼女のボーカルが愛おしく可愛くなる事だと思いますです。本アルバムは探し初めてから入手までに約2年以上要しました。もちろん未だ入手できていないアルバムもあるのですが, 現在の僕の所有盤の中では探した時間が最も長いアルバムです。

*英NIXAのレーベル→

*VOGUEのレーベル→

*英C5のレーベル→
再生音ですがC5はNIXAに比べると細かい描写がやや薄く粗いように感じ, 際立つのはバイオリンの音色が違い,盤も軽量盤となります。

収録曲
A面
1, IT'S FOOLISH BUT IT'S FUN
2, SONNY BOY
3, ZING WENT THE STRINGS OF MY HEART
4, ALONE
5, I. YI. YI. YI. YI.
6, GOODNIGHT MY LOVE
B面
1, I WISH I KNEW
2, SLUMMING ON PARK AVENUE
3, AS TIME GOES BY
4, IT'S THE NATURAL THING TO DO
5, AFRAID TO DREAM
6, YOU ARE MY LUCKY STAR

ジャケ買いの一枚

2007年10月05日 | ジャズ全般
CLEF/MGC-707/HANK JONES/URBANITY/1953年・1947年録音

今日はいつもながらですがジャケ買いのアルバムです。前から欲しいと思いつつなかなか出会えず、探し始めて半年ぐらいでしょうか海外のショップにあったのを見つけて(35ドルぐらいだった記憶?)入手したのです。デビット・ストン・マーティンのイラストが人気であまり出回ってはいないアルバムではないでしょうか。このアルバム、A面はHANK JONES, JOHNNY SMITH, RAY BROWNでの収録となっていてB面はHANK JONESのソロとなっています。B面のハンクのピアノソロも良いのですがジョニースミスとレイブラウンが加わったA面の方が僕はより楽しんで聴けました。特にジョニー・スミスのギターが聴けるのがエエですね。このアルバムはゆったりと落ち着いた曲調の演奏が多くガンガンにヒートアップするのではなく何回か聴いているとだんだんと身体に染み入ってくるような心地よさがある演奏と思います。残念なのは録音が良くない事、特にB面は良くないです。まぁジャケ買いしたのですから録音は我慢すべきかもしれませんが、これで録音が良ければもっと人気盤となったのかも。インストものは蘊蓄もない僕ですのでジャケ買い親父のジャケ披露という事で締めさせていただきます(笑)

パーソナル:HANK JONES(p), JOHNNY SMITH(g), RAY BROWN(b)
収録曲
A面
1, THAD'PAD
2, THINGS ARE SO PRETTY IN THE SPRING
3, LITTLE GIRL BLUE
4, ODD NUMBER
5, BLUES FOR LADY DAY
B面
1, THE NIGHT WE CALLED IT A DAY
2, YESTERDAYS
3, YOU'RE BLASE
4, TEA FOR TWO
5, BLUE ROOM

DODIE STEVENS

2007年10月03日 | 女性ボーカルS
DOT/DLP 3212/DODIE STEVENS/DODIE STEVENS/MONO

本アルバムはジャズではなくポップ系のアルバムでしょう。このドティー・スティーブンスは11歳の時にPINK SHOELACESを大ヒットさせたのですが、その曲は僕は覚えがないんです。彼女はポップ歌手には間違いないわけですが、本アルバムではメロディーがきれいな曲を集めたものとなっており、彼女の声質もきれいな声で歌い始めや終りも丁寧に歌い安定感があります。彼女がこのアルバムを収録した時は何歳だったんだろうとライナーノートを読んだのですが、ジェラルディン・アン・パスクォール(彼女の本名)は13年前にハウス・ペインターの父親とそのワイフに生まれた云々とか書いてあります。えっ、これで13歳ですか!僕にはよくわかりません。本アルバムのジャケット写真の彼女の顔は、目も鼻も口もつくりが大きいですね、そして長いお顔で写っているように見え、それが余計老けさせてみせるんでしょうか。最初にこのジャケットを見た時には失礼ながらカンガルーを思い出してしまったんです。でも当時ではローティーン・アイドルのハシリだったんでしょうか。ジャズボーカルとして期待して聴くと落胆するかも知れませんから最初からポップアルバムと割り切って聴いた方がよいと思います。でも単なるオールディーズではなくしっかりとしたシンガーのアルバムである事は間違いないと思います。

収録曲
A面
1, ONLY YOU
2, POOR BUTTERFLY
3, SMOKE GETS IN YOUR EYES
4, TWILIGHT TIME
5, MY PRAYER
6, P.S. I LOVE YOU
B面
1, THE GYPSY
2, CRY
3, NO OTHER LOVE
4, LULUBAY OF THE LEAVES
5, HAWAIIAN WEDDING SONG
6, GYPSY LOVE SONG
↑上が同じくDOT盤でPINK SHOELACESを収録したアルバムです。PINK SHOELACESはガチガチのポップですがA-2のTHE FIVE PENNIESなどは実に上手くしっとりと歌っています。とてもローティーンの歌とは思えませんが、年齢が若くても上手いシンガーは全米には至るところに存在していたんですね。

TINA LOUISE

2007年10月02日 | 女性ボーカルL
CONCERT HALL/TINA LOUISE/IT'S TIME FOR TINA/1957

今日のブログは去年の2月にアップしたものを書き直して写真を追加したものです。というのもずっとCONCERT HALL盤のオリジナルが欲しかったのですが、見かけたアルバムは状態が気に入らなかったり状態が良いものはその値段に手がでなかったりでした。先日やっと価格と状態の納得できるものに出会い入手したわけです。このアルバム、以前はどれがオリジナルかはっきりと認識しておらずURANIA盤かCONCERT HALL盤かが自分でもはっきりとしませんでした。以前に何かのジャズ本でURANIA盤がオリジナルと書かれたこともあったそうで、それが原因でURANIA盤がオリジナルと思っている人も多いようです。僕もそうかなぁという程度には思っていました。というのもネット等でURANIA/TINA LOUISEをオリジナルとして掲げているのを何度か見た事もあり, そうかとも思っていたのです。いつの時点かはっきりしませんがCONCERT盤をこれが本当のオリジナルと言うのを見て分からなくなったわけです。何軒かのジャズショップで尋ねたり友人に尋ねたりしたのですがCONCERT HALL盤がオリジナルとの信頼できる教えをいただきましたので間違いはないと思いますが、問題ありと思われる方は遠慮なくご一報くださいませ。下の写真が本アルバムのレーベルです。

以前から持っていたDIW盤(日本diskUNION製)もまだ手放さず所有していますが、やはりジャケット緻密さは比べ物にならないものがあります。音質はDIW盤も良くできていると思いますがティナの声が奥に引っ込んでいて明瞭さが薄れるのは致し方ないというところでしょうか、再発盤がオリジナルと同等ならオリジナルを求める意味も吹っ飛んでしまいますから。オリジナルは彼女のボーカルがぐっと前に出て来ます。また発音一つ一つが明確で唇を閉じたり開けたりする部分まで再現してくれます。これはたまりませんですなぁ~。
*以下、以前の文章と写真です。
北村公一氏著のジャズボーカル感傷旅行のシリーズの中にこのアルバムも紹介されています。北村氏は二の腕美人と表現していました。そう言われれば二の腕に健康的お色気も感じさせます。私はこのアルバムのA面の最初の歌が好きです。“今がそうよ、その時よ”というような感じでしょうか。若くとも老いようとも胸をときめかせるようなその時にたまには出会ってみたいものです。本アルバムは恋の始まりからその成就までが物語のように選曲され構成されているようです。彼女のアルバムやその他の女優が歌ったアルバムはジャズボーカルにはあらずと酷評する向きもあるように聞いていますが、もともとジャズもポップスもあまり壁を感じずに今まで聴いてきましたので、彼女の歌は立派なジャズとして私の気持ちの中では位置づけられています。ささやき系ジャズボーカルとしてはジュリーロンドンとこのティナ・ルィーズが今のところのお気に入りです。
↑上のジャケ写真がDIW盤です。それぞれのジャケットの違いがパソコン画面で伝われば良いのですが。
収録曲
A面
1, Tonight Is the Night
2, Hand Across the Table
3, Snuggled on Your Shoulder
4, Embraceable You
5, I'm in the Mood for Love
6, Baby Won't You Say You Love Me
B面
1, It's Been a Long Time
2, Hold Me
3, I Wanna Be Loved
4, Let's Do It (Let's Fall in Love)
5, How Long Has This Been Going On?
6, Goodnight My Love

SHIRLEY HORN

2007年10月01日 | 女性ボーカルH
STERE-O-CRAFT/#16/SHIRLEY HORN/EMBERS AND ASHES/1960

ニューヨークヘ短期で出て来た時にスモールレーベルに収録された本アルバムがシャーリー・ホーンのファースト・アルバムなのですが、僕のブログでは以前に彼女のMERCURY盤SHIRLEY HORN with HORNも紹介していますので、そちらもご覧下さい。このアルバムの収録の後には彼女はニューヨークへ出て来てヴィレッジ・バンガードへの長期出演で人気が出てくるわけですが、それをお膳立てしたのがマイルス・デイビスであったのです。特にマイルスは本アルバムを聴いていたく気に入り彼女に直接電話をかけてニューヨークへ来る事を強く勧めたと織戸氏がジャズ批評の解説で述べておられます。後年, 彼女もマイルスに捧げるアルバム「I REMEMBER MILES」を出してしますが、そのアルバムが1999年にベスト・ジャズボーカル・グラミー賞を受賞したのはみなさんもご存知のとおりです。
そういった彼女が26歳の時の本アルバムですが, “SHIRLEY HORN with HORN”のアルバムでは僕は「歌い口は燻銀の味と言えば良いのでしょうか、艶がありながら乾いたようなくすんだような声がとても心地良く耳に入ってきます。懐の深い歌い方も独特で、間の取り方が絶妙で美しさを感じさせます」と表現させてもらいました。本アルバムでもその印象は変わりませんが、今アルバム聴きながらブログを書いているのですが、彼女のボーカルはとにかく渋い。クール。ピアノのタッチも渋いです。きっとマイルスがボーカリストをするならば彼女のように歌いたいと感じたのではないでしょうか。そういう想いで聴いていると彼女のピアノやボーカルがマイルスの音楽に通じるものが有るような気もするのです。

A-1のLIKE SOMEONE IN LOVE, ジョー・ベンジャミンの歯切れの良いブラシに続いて彼女のピアノが始まり歌い始めますが、カッコいいですよ。多分この一曲目からこのアルバムは聴けると思えるはずです。A-3はピアノのみの演奏ですが、彼女のピアノ演奏は切れがあって且つ男性にはないしなやかさが感じられます。A-4の I THOUGHT ABOUT YOUは決してそうではないと思いますが自然に流して歌っているような感じがあるのですが, 急所は外さないというボーカルで僕は凄みを感じてしまいます。A-5のMOUNTAIN GREENERYはスインギーに歌いますが、続くA-6がこれまたスローテンポでじっくりと歌われ曲に緩急があって飽きることはありません。B-2のDAY BY DAYやこの曲をこんなに乾いた声で渋く粋に聴かせ色気すら感じる事はあまりないのでは思います。B-4のWILD IS THE WINDも静かに歌っていますが情がほとばしっています。全部は書き切れませんが全曲聴き物ですから是非聴いていただきたいアルバムの一枚です。

パーソナル:SHIRLEY HORN(vo. p), JOE BENJAMIN(b), LEWIS POWERS(b), HARRY SAUNDERS(ds), HERBIE LOVELLE(ds)
収録曲
A面
1, LIKE SOMEONE IN LOVE
2, HE NEVER MENTIONED LOVE
3, SOFTLY
4, I THOUGHT ABOUT YOU
5, MOUNTAIN GREENERY
6, GOD BLESS THE CHILD
B面
1, BLUE CITY
2, DAY BY DAY
3, IF I SHOULD LOSE YOU
4, WILD IS THE WIND
5, COME RAIN OR COME SHINE
6, JUST IN TIME