ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

ゴードンとの息の合ったKARIN KROG

2010年07月09日 | 女性ボーカルK
(Sweden)SONET/SLPS 1407/KARIN KROG/SOME OTHER SPRIG(BLUES AND BALLADS)/stereo 

NORWAY生まれのカーリン・クロッグの代表的な一枚。昔は再発盤で聴いていたアルバム。このアルバムで思い出す事と言えば、本SONET盤を入手してターンテーブルにレコードを載せ針を下ろしヴォリュームを上げた、ヴォリュームをいつもより少し上げ過ぎたのだろうか、いきなりDEXTER GODONのテナーがブウォ~ときて慌ててヴォリュームを絞った印象が今でも残っている。それくらい彼のサックスの印象が強い。KARIN KORGは1937年ノルウェーのオスロ生まれ。60年代初頭から地元オスロやストックホルムで活動を始めヨン・クリステン、ヤン・ガンバルク、アリルド・アンデルセン達と共演し注目を集める。64年のフランス、アンティーヴ・ジャズ祭で世界デヴューした。また70年にはアルバート・マンゲルスドルフ、ジョン・サーマンらと万博で初来日しました。71年にはデクスター・ゴードン、77年にはアーチー・シェップとレコーディングもおこなった。彼女の歌はちょっとクセが強過ぎてというか捏ね回す部分があって好きになれないという人もいるようです。kuirenも大のお気に入りかというとそこまでは言えないけどで特定のアルバムを除いては好きなアルバムもあり、その一枚が本アルバム。


本アルバムは彼女の母国オスロでの収録。彼女のヴォーカルもさることながら、共演のDEXTER GORDONの演奏も実にリラックスしているように聴こえる。彼はヴォーカルでも参加しておりKARIN KROGとDEXTER GORDONの息のあった共演盤といった方が判りやすいかとも思う。
ちょっと投げやりともとれる彼女のヴォーカルですが、それが嫌みではなく良い意味での個性として発揮されているアルバムだと思う。DEXTER GORDONの良く歌うサックスが心地よい塩梅でバッキングしてます。KARIN KROGのアルバムの中でも一番のお薦めだと思う。

パーソナル:KARIN KROG(vo), DEXTER GORDON(ts, vo), KENNY DREW(p, organ), NIELS HENNING(b), ORSTED PEDERSEN(b), ESPEN RUD(ds)

収録曲/A面/1. Some Other Spring/2. Blue Monk /3. How Insensitive/4. Blues Eyes/B面/1, Jelly Jelly /2. Tribute To Jimmy Scott-- I Wish I Knew / Everybody's Somebody's Fool/3, Shiny Stockings





若いGREETJE KAUFFELDの2nd.ALBUM

2010年05月24日 | 女性ボーカルK
独COLUMBIA/SMC 84080/GREETJE KAUFFELD/SUNDAY MELODY/1965年録音

今日はオランダ出身のドイツで活躍した女性シンガー“フリーチャ・カウフェルト”のアルバムです。彼女は1937年生まれですから、本アルバムは28歳時の録音という事になります。彼女のアルバムは再発盤のAND LET THE MUSIC PLAY(1973年録音)と、HE WAS A KING UNCROWNED(1976年録音), SOME OTHER SPRING(1980年録音)の3枚は今までに所有して聴いていたのですが、本アルバムは大阪梅田巨匠のお店で薦められて入手したアルバムです。巨匠のお話ではあまり出回らないという事でしたが、僕も初めて見ましたが、その一因は彼女のアルバムをあまり店頭で気にかけたりネットで検索しなかったのが見かけなかった理由かも知れません。DUでは本年のゴールデン・ウィークの売り出し分の延長として本アルバムがネット販売されていました。こちらでもレアである旨のコメントがありますが、僕自身は探し求めたという意識がないのでレアという感覚が薄いのです。
彼女のHPでは本アルバムが、EMI盤HALLO PAULCHEN! HALLO GREETJE!の次に掲載されているので、本アルバムがセカンドだと思うのですが、間違いあればご指摘ください。ただHALLO PAULCHEN!は彼女のソロもありますがデュオも有るので、ソロとしての彼女のアルバムはこれがファーストという事になります。
本アルバムでの彼女のボーカルはさすがに若々しく可愛ゆいですが、ジャズ・アルバムというよりもPOP and BOSSAそして曲によってはJAZZと言う内容ではあります。タイトル曲のSUNDAY MELODYは明るく溌剌としてボサノヴァ・テイストを織りまぜながら歌われていて、この曲もいいですが、スキャットだけのA-6のLI'L DARLINGも雰囲気があって僕は好きです。他にもビッグ・バンドをバックに歌うB面のMUSIK LIEGT IN DER LUFTなども良ろしいです。このアルバムでは暗いイメージの曲はありません。どの曲も明るくて楽しいアレンジになっています。所有アルバムはSTEREO盤ですがMONO盤があるかどうかは知りません(多分ないのではと推測しています)。録音はすでに現代に近いもので文句は全くなく彼女のボーカルが楽しめます。

収録曲/A面/1, SUNDAY MELODY/2, SOMMERWIND/3, TRANEN UM MITTERNACHT/4, AN EINEM ABEND IM APRIL/5, ER HOLT KEINE STERNE/6, LI'L DARLING/B面/1, MUSIK LIEGT IN DER LUFT/2, UBER DIE BRUCKE DER TRAUME/3, WALZER MIT JONNY/4, BLUMEN FUR DIE DAME/5, GESTERN/6, WELL DAS SO SCHON IST/

若々しい KARIN KROG

2009年03月17日 | 女性ボーカルK
(Norway)PHILIPS/631.062 PL/KARIN KROG/BY MYSELF/

今日は暑いぐらいの天候でした。車に乗ると汗ばむぐらいでもう冬物衣料をしまおうかと思うぐらいの天気でした。僕のBODY and SOULもすっかり春です。
 今晩は1937年ノルウェーのーオスロ生まれのシンガー“カーリン・クロッグ”を聴いています。彼女のアルバムではデクスター・ゴードンと共演した“SOME OTHER SPRING”が一番人気あるんですかね。あのアルバムも僕は気に入ってますが彼女が27歳の時、1964年の本アルバムもいいですよ(早くも結論づけてしまいました)。本アルバムはLPとしての彼女の初アルバムです。ところでカーリン・クロッグは前衛的なボーカルでスキャット多用するんで余り好みじゃないとおっしゃる方もいるでしょうが、そういう方は、SONET盤の“JOY”でアバンギャルド(おばんギャルどではありません)なスキャット・ボーカルを聴いてちょっと引いた人ではないでしょうか。JOYはボーカルを楽器として位置付けして挑戦したアルバムと思えばまた聴き所もあるアルバムでした(僕も回数重ねて聴いていませんが)。本アルバムは彼女の初に相応しく初々しいボーカルが聴けますが、すでにちょっと気怠さを感じさせる歌い口は当初から同じだったようです。
高田敬三氏は彼女のボーカルがジミー・スコットに似たことがあるとどこかで書かれていらっしゃいましたが、B-2のMOOD INDIGOを聴くとそう言われれば似ているように思います。がやはり彼女のボーカルの方が柔らかいです。収録曲についてはB-1のGEE,BABY AIN'T I GOOD TO YOU"ではミュートトランペットの口真似でアドリブをしたりして当時から多才なところを披露していますが、僕にとって本アルバムでの聴きどころはタイトル曲でもあるA-1のBY MYSELF、彼女のボーカルとバックの演奏特にドラミングの際立つ歯切れの良さが印象的です。またA面最後の“I FALL IN LOVE TO EASILY”でこの曲を唄う時の初々しさと歌い口が心にしっとりと沁みてきます。1964年という関係もあるかも知れませんが本盤は録音が特に良く北欧特有の澄んだ音質が感じられます。
PERSONNEL:: KARIN KROG(vo), EGIL KAPSTAD(p), KURT LINDGREN(b), PER LOBERG(b), JON CHRISTENSEN(ds)

収録曲/A面/1, BY MYSELF/2, LOVER MAN/3, KARIN'S KICK/4, I FALL IN LOVE TO EASILY/B面/1, GEE.BABY.AIN'T I GOOD TO YOU/2, MOOD INDIGO/3, 'DEED I DOO/4, I GUESS I'LL HANG MY TEARS OUT TO DRY/5, ALL BLUES/

7インチ盤の2曲 GRETHE KEMP

2009年02月10日 | 女性ボーカルK
(DENMARK)COLUMBIA/45-DD-717/GRETHE KEMP/OSCAR PETTIFORD+GRETHE KEMP/7inch/

日曜日の夜遅く帰ってきて月曜日火曜日と仕事に追われましたねぇ。「仕事には追われるな、仕事は追え」と先輩からはよく言われましたがいつまで経ってもしょっちゅう仕事に追われてしまいます。確かに仕事に限らず追われるより追いかける方が楽しいですが。追われながらもなんとかなってる間が花でしょうか。

今晩は記事が遅くなってしまいましたが、正直に白状しますと時間に追われるようになると僕のブログは停滞し始めるのであります。あっ?失礼ながらそれはどなたも同じでしょうか。本アルバムは海外から入手したEP盤ですが、このGRETHE KEMPのボーカルが聴けるのはこの一枚だけと最近まで思っていましたが、まだあるらしくネットから拝借した彼女のEP盤のスリーブ写真を載せておきますが, まだこの2枚以外にも彼女のアルバムはあるのかも知れません。↓
彼女のボーカルはスリーブの写真から想像したのとは違って明るく弾んだものです。僕は米国のヤング・ポップ・シンガーがジャズを歌っているようなイメージを持ちました。TALKIN' ABOUT“HAY NOW”は彼女とオスカーの二人の掛け合いボーカルで始まります。少しジャズ・テイストは薄くややポップがかった1曲になっています。もう1曲のI GET THE MESSAGEの方が彼女のボーカルを楽しめると思います。こちらはスイング感もあって僕はこっちの方が好きですね。バックの管楽器の演奏も楽しめます。もう一枚のEP盤をどこかで見かけたらまた僕は入手してしまうんでしょうか?今回は自問自答していますが、多分入手しようとするんでしょうね、それで区切りをつけたいと思います(苦笑)。

パーソナルは、GRETHE KEMP(vo), OSCAR PETTIFORD(bs+vo), ALLAN BOTSCHINSKY(tp), ERIK NORSTROM(ts), JAN JOHANSSON(p), LARS BLACH(g), JORN ELNIFF(ds)

BEVERLY KENNEY

2008年04月23日 | 女性ボーカルK
ROOST/RLP2212/BEVERLY KENNEY/COME SWING WITH ME/

本アルバムが彼女の6枚の中で最後に入手したもので、これで6枚のアルバムがオリジナルで揃いました(嬉)。ちなみに6枚のアルバムを順に列挙すると、SINGS FOR JOHNNY SMITH/ROOST 2206/1955、COME SWING WITH ME/ROOST 2212//1956、WITH JIMMY JONES AND “THE BASIE-ITES”/ROOST 2218/1956、SINGS FOR PLAYBOYS/DECCA DL8743/1957、BORN TO BE BLUE/DECCA DLP8850/1958、LIKE YESTERDAY/DECCA DLP8948/1959となります。このCOME SWING WITH MEは彼女の2枚目のアルバムですが6枚の中では他のアルバムと比べて少し人気がなかったんでしょうか?それとも販売枚数が彼女の他のアルバムと比べて少なかったのでしょうか?僕の場合ですが許容できる程度のジャケと盤のものに行き当たるまで時間を要しました。ジャケットの彼女の写真が他のと比べて写真映りがきついようにも感じます。でもそれも彼女の他のジャケと比べてという程度ですが。それより彼女のアルバムのジャケ写真はそれぞれ印象が違いますね。BORN TO BE BLUEとLIKE YESTERDAYでは彼女は金髪になっていますし, ヘヤーもロングありショートありでそれぞれイメージが違うのが面白いというかよく変わっているというかです、僕がビヴァリー・ケニーが好きなのは少し舌ったらずな歌い方と声質そのものが可愛いというのも確かにあるのですが、それに加えて彼女のボーカルはどのアルバムもジャズ・シンガーとして歌っているからでもあります。いつも彼女に心のどこかをくすぐられながら聴いています。

パーソナル:BEVERLY KENNEY(Vo), RALPH BURNS’ORCHESTRA
収録曲/ A面/ GIVE ME THE SIMPLE LIFE/ I GUESS I'LL HANG MY TEARS OUT TO DRY/ THE TROLLEY SONG/ VIOLETS FOR MY FURS/ THIS CAN'T BE LOVE/ SCARLET RIBBONS/ B面/ IF I WERE A BELL/ WHY TRY TO CHANGE ME NOW/ SWINGING ON A STAR/ YOU GO TO MY HEAD/ IT AIN'T NECESSARILY SO/ YOU MAKE ME FEEL SO YOUNG/

BEVERLY KELLY

2008年03月29日 | 女性ボーカルK
AUDIO FEDELITY/AFLP 1874/BEVERLY KELLY/BEVERLY KELLY SINGS/stereo

このビィバリー・ケニーは可愛い声のBEVERLY KENNEYと名前がよく似ていますね。間違いを防ぐためだと思いますが彼女はBEV KELLY(ベブ・ケリー)と呼ばれているようですが、アルバムではちゃんとBEVERLY KELLYと表記されています。こっちのBEVERLYは可愛いボーカルが売り物ではなく、よりジャズを聴かせるタイプです。彼女の声質はややハスキーで特に高音へ伸びていくときのカスレ具合が艶っぽさを感じさせます。本アルバムはスコット・ラファロがベースをつとめているという事でそちらから本アルバムを入手した方もいらっしゃるでしょうが、僕はアルバムを入手して聴いた後しばらくしてから、その事を知りました。ライナー・ノートにはWITH PAT MORAN TRIOとあるだけでメンバー紹介は全くされてないので当初は分かりませんでした。知ってからはよりベースの音が耳に入ってくるようになりましたが(苦笑)。収録されている曲目はスタンダードばかりで馴染があるためか聴きやすいと思いますし, 歌い込むタイプの彼女のボーカルが楽しめるアルバムです。僕のお気に入りはA-2のTHE MAN I LOVE, B-2のBUT NOT FOR MEやB-5のEMBRACEABLE YOUというあたりでしょうか。特にTHE MAN I LOVE では出だしがベースの先導で始まりしばらくは彼女のボーカルとベースで進行していくのが好きですね。曲名を挙げていないその他の曲も好演です。それから僕はこのレコードを実は2枚持っています。最初に入手したのはジャケット無しのレコードのみが販売されている時、もちろんジャケットなしという事で超特価安だったので入手、このレーベルがシルバー地に黒ロゴでAFSD-5874stereo。もう一枚は後で入手した写真を掲載したジャケット有りのアルバムに入っていたゴールド地に黒ロゴでAFLP-1874/mono。どちらもオリジナルだと思うのですが間違いでしょうか?またジャケットは人気の見開きジャケではなくごく普通のジャケットです。STEREOとMONOでレーベルの色を分けているのでしょうか?それともどちらかは後発盤でしょうか?ご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたいのですが。最後に当たり前のことすぎて誠に恐縮ですがレコードにジャケットは絶対必要です。本アルバムもジャケットを手に取れば, 黒バックに彼女の白い肌がより冴えてキレイなジャケと思います。

パーソナル:BEVERLY KELLY(vo), PAT MORAN(p), SCOTT LAFARO(b), JOHNNY WHITED(ds)

収録曲:A面/LOVER COME BACK TO ME/ THE MAN I LOVE/ I GET A KICK OUT OF YOU/ I WISH I KNEW/ YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS/ I'M GLAD THERE IS YOU/ B面/ SOMETIMES I'M HAPPY/ YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC/ BUT NOT FOR ME/ THIS LOVE OF MINE/ EMBRACEBLE YOU/ SPRING IS HERE/

PEGGY KING

2008年03月20日 | 女性ボーカルK
COLUMBIA/CL 713/PEGGY KING/GIRL MEETS BOY/

このアルバムはPEGGY KINGのアルバムというわけではなく、PEGGY KING・FELICIA SANDERS・JERRY VALEの共演盤です。アルバムがラブ・ストーリー仕立てになっていてパーシー・フェイス楽団のバックで, THE BOY NEXT DOORから始まりLET' FALL IN LOVEするのですが, TEMPTATION誘惑されて他の女性へよろめき(古い表現ですねぇ)、それでも以前の彼女が忘れられずJUST ONE MORE CHANCEと復縁した結果LOVE IS HERE TO STAYとなりメデタシめでたしという男にとってはまことに都合の良い理想的展開のストーリーを歌で綴ったアルバムです。一途に想い続ける女性をPEGGY KINGが歌い、誘惑する女性をFELICIA SANDERSが歌っています。こういう風に表現するとお判りと思いますが、純情な歌を唄うPEGGY KINGはより純情可憐に、誘惑する妖しい魅力を持つ場面ではFELICIA SANDERSが対比するかのごとくに色気を感じさせながら唄うということになっています。なおモテモテの男性として歌うJERRY VALEは毒にも薬にもならないストーリー展開上の進行役としてピッタリかと思います。本ジャケットのイラストは一コマ漫画のようになっていて上真ん中から右そして下へとストーリーが描かれています。こういうアルバムも時々聴いてみるのもおもしろいものですね。

曲順:A面 THE BOY NEXT DOOR, WOULD YOU LIKE TO TAKE A WALK, ALL I DO IS DREAM OF YOU, LET'S FALL IN LOVE, YOU BETTER GO NOW, GOODNIGHT MY LOVE  B面:I WANNA BE LOVED, TEMPTATION, IT'S EASY TO REMEMBER, JUST ONE MORE CHANCE, LOVE IS HERE TO STAY

BEVERLY KENNEY

2007年12月19日 | 女性ボーカルK
ROYAL ROOST/LP 2206/BEVERLY KENNEY/SINGS FOR JOHNNY SMITH/

最近どっぷりとお気に入りのビヴァリー・ケニーのファーストレコーデイング・アルバムです。最近入手できた本アルバムですが、これで残すところROYAL ROOST/COME SWING WITH MEが入手できれば彼女のアナログ・アルバム6作がオリジナルで揃う事になり楽しみにしつつ日夜ヒマをみては検索に励んでいます。彼女のどこがいいかと言うといろんなブログ等で語り尽くされているので同じ事を僕が述べるのも気がひけるのですが、僕の最も気に入っているところは力みを感じさせず自然にサラっと歌っているように感じられるところと, 彼女本人は意識してないのでしょうが, 聴く側はその可愛さにやられるんでしょう。彼女は本アルバムのような小編成のバックで歌うのがその魅力がより味わえて一番聴かせてくれると思います。(レコードではなくCDの話になりますが、下にCDの“TEA FOR TWO”が収録されているアルバム“SNUGGLED ON YOUR SHOULDER”の写真を載せましたが、このCDはトニー・タンブレロのピアノ伴奏だけで歌っていて(音源はデモ・テープだったでしょうか?)自然さといえばこのCDの方がもっと自然体で歌っているように感じます)
本アルバムに戻りますが、やはりギターの伴奏というのは女性ボーカルにはよく合いますね。ジョニー・スミスも彼女のボーカルによく添ってもり立てています。このアルバムどの曲も聴けないところはありませんが、気に入っているのはA-3のLOOKING FOR A BOY, この曲コニースティーブンスも可愛いく歌っていますが. こちらのも極上に思えます。A-2のTIS' AUTUMNやA-5のDESTINATION MOONやA-6のBALL AND CHAIN、B-1のALMOST LIKE BEING IN LOVEが本アルバムでの今日現在の一番のお気に入りです。B-3のTHERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU, B-4のTHIS LITTLE TOWN IS PARIS,B-6のSNUGGLED ON YOUR SHOULDERもお気に入りです。再生音はA面の一部で溝の底にすこしチリ音がありますがあまり気になりません。B面はキレイな再生音で彼女の唇や舌の動きを感じながら聴けます。

パーソナル:BEVERLY KENNEY(vo), JOHNNY SMITH(g), BOB PANCOAST(p), KNOBBY TOTAH(b), MOUSIE ALEXANDER(ds)
収録曲
A面
1, SURREY WITH THE FRINGE ON TOP
2, TIS' AUTUMN
3, LOOKING FOR A BOY
4, I'LL KNOW MY LOVE
5, DESTINATION MOON
6, BALL AND CHAIN
B面
1, ALMOST LIKE BEING IN LOVE
2, STAIRWAY TO THE STARS
3, THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU
4, THIS LITTLE TOWN IS PARIS
5, MOE'S BLUES
6, SNUGGLED ON YOUR SHOULDER
↑このCD中の4曲目であるMOE'S BLUESで冒頭に彼女が少し笑ってしまうのですが、その笑声さえも可愛いです。極め付けは続く5のCAN'T GET OUT OF THIS MOODで歌い出しがうまく合わず歌い直すのですが、それさえ含羞んではいるものの楽しそうな雰囲気が伝わってきます。本来ならこういう音源をアルバム化はしないのかも知れませんが、彼女の自然体を一番感じられて僕は好きですね。歌い直すなどとプロにあるまじきとお叱りになりませんように(拝)

SUNNY KNIGHT

2007年11月12日 | 女性ボーカルK
GEMINI/6-6675/SUNNY KNIGHT/SHADES OF KNIGHT

今晩のアルバムはマイナーなシンガーのマイナーなレーベルから出された一枚です。僕もこのサニー・ナイトというシンガーの名前は聞いた事がなかったし、ジャズ雑誌等で見た事もなかったのですが、ネットで偶然に見かけてこういうシンガーもいるんだという気持ちで簡単なセールス文を読んでいると悪くないのではと考えたあげく駄目元と思い切りをつけて入手しました。こういう場合五分五分の確率よりもさらに低い確率で好盤に当たるのは少ないのですが、本アルバムはマイナーにしては好盤と思いましたのでここにアップする事にしました。本アルバムは自費制作アルバムではと思えるのですが不詳です、或いは極く限られた範囲内で配られたプライベート盤かもと思いますが。
彼女サニーはライナーノートによるとノースカロライナの出身で16歳の時からプロシンガーとして活動を始めました。マイアミビーチやニューヨーク、ハバナのナイトクラブをサーキットしていたそうです。当時たくさんのピアノ弾き語りの女性シンガーがいたと思いますが、彼女もその中の一人にすぎなかったのでしょう。ジャケット写真では彼女の容姿がつかみにくいと思いましたので、下に彼女の太っちょ写真を載せておきます。
皆さんはこの彼女の写真をご覧になってどのようなボーカルを思い浮かべるでしょうか?僕はこのジャケット裏の彼女の写真からパンチの効いたシャウトしながらアクの強いボーカルを連想しながら盤をターンテーブルに載せて聴き始めました。ながれて来た歌声は想像と全く違うソフトで軽く流しながら滑らかに歌声を綴るものでした。バラードの時のハスキーなボーカルも魅力があります。フェザー・タッチと表現すれば適切なボーカルでしょうか。写真から勝手に想像するとシッペ返しをくらう内容でした。A-1のWHEN SUNNY GETS BLUEや続くA-2のI'LL TAKE ROMANCE、B-3のHAPPINESS IS A THING CALLED JOEあたりが彼女の魅力が発揮されている部分で、今は思い切って入手して良かったと満足しています。こういう埋もれたシンガーが数え切れないぐらい存在していたのではないかと思うとこれからも楽しみです。また彼女のようなシンガーが多くの人に紹介されるような機会があれば女性ボーカリストの裾野がさらに広がるのではないでしょうか。

パーソナル:SUNNY KNIGHT(vo. p), FREDDIE GARVEN(ds), OZZIE FRANSKO(b)
収録曲
A面
1, WHEN SUNNY GETS BLUE
2, I'LL TAKE ROMANCE
3, SUMMERTIME
4, MT FUNN VALENTINE
5, ALL ABOUT RONNIE
6, HAVE A GOOD TIME
B面
1, THE SHADOW OF YOUR SMILE
2, YOU'VE CHANGED
3, HAPPINESS IS A THING CALLED JOE
4, LOVE FOR SALE
5, I SHOULD CARE
6, SO LONG

BEVERLY KENNEY

2007年11月08日 | 女性ボーカルK
DECCA/DL 8850/BEVERLY KENNEY/BORN TO BE BLUE

今日は、調整の為にお里帰りしていたパワーアンプを受け取りに夕方の数時間がを費やしました。夜に帰宅して食事をして、この日曜日の来客の為に部屋を片づけ掃除してアンプを運ぶともう11時過ぎになってしまいました。日頃から部屋の片づけをこまめにしていないので、たまの掃除の時は気になるところがここそこにあって手間がかかります。オーディオとレコードを置いてある部屋には嫁も入ってきませんので、自分の部屋の掃除は自分がやらなくてはなりません。↓下の写真が帰ってきたアンプです。機器の入れ替えは来週でしょうね、楽しみです。

遅い時刻になったので, 以前の記事を補足して今晩はアップします。ビヴァリー・ケニーの“BORN TO BE BLUE”ですがANGEL盤で我慢しながら聴いていたのですが、海外からオリジナル盤が届いてからはやっぱりオリジナル盤ばかり聴いています。これは安く入手できたと思っています。しかも思った以上の美盤でした(嬉)。彼女のボーカルは爽やかで可愛くてやはり蕩けそうなほどヨロシイですね。

収録曲
A面
1. BORN TO BE BLUE
2, ISN'T IT PARTY
3, FOR ALL WE KNOW
4, IT ONLY HAPPEN WHEN I DANCE WITH YOU
5, AGAIN
6, I WALK A LITTLE FASTER
B面
1, GO AWAY MY LOVE
2, BEYOND THE NEXT HILL
3, IT'S A BLUE WORLD
4, VANITY
5, SOMEWHERE ALONG THE WAY
6, WHEN CAN I GO WITHOUT YOU


*以前の記事です。曲紹介が一部間違っていたので、今回訂正しました。
彼女の事は以前に“Like Yesterday”で紹介していると思うので省略しますが、若くしてホテル火災(今でも真実かどうか不明な部分もあるらしい、マリリンモンローの他殺説と似たようなものでしょうか?)で亡くなったのは残念ですがアルバムは残しているのが慰めでしょうか。ところでこのアルバムはPORTUGALの再発物ANGEL盤STEREOですが、原盤はDECCA盤でアルバム名は“BORN TO BE BLUE”1958録音です。PORTUGAL盤は高音が強調されていてあまり良い音とは言えないと思いますが聴くに堪えないというほどでもありません。このアルバムでの彼女は先に紹介した“LIKE YESTERDAY”よりさらに可愛く歌っています。全くもって彼女の初々しさ可憐さが楽しめるアルバムとなっており、オーケストラ伴奏でしっとりとやや舌足らずにバラードを歌っています。Hall Mooney,とCharlie Albertineの二人によるアレンジ指揮となっています。Againではメロデイーの美しさと彼女の声の愛しさがかさなり、寺島靖国氏評するところの“抱きしめたくなる”と言うのには全く同意できる私であります。

収録曲
A面
1, YOU COULD'T BE CUTER (オリジナル盤にはこの曲は収録されていません)
2, BORN TO BE BLUE
3, ISN'T IT PARTY
4, FOR ALL WE KNOW
5, IT ONLY HAPPEN WHEN I DANCE WITH YOU
6, AGAIN
7, I WALK A LITTLE FASTER
B面
1, GO AWAY MY LOVE
2, BEYOND THE NEXT HILL
3, IT'S A BLUE WORLD
4, VANITY
5, SOMEWHERE ALONG THE WAY
6, WHEN CAN I GO WITHOUT YOU

EARTHA KITT

2007年05月13日 | 女性ボーカルK
RCA VICTOR/LMP3062/EARTHA KITT/EARTHA KITT/10inch

アーサ・キットというシンガーは悪女とか言われているらしい(?)。古くから悪女というのはセクシーでキレイなのがお決まりの約束事ですが, 彼女がキレイかどうかは主観が分かれる所でしょう。でも彼女のボーカルがセクシーである事は本アルバムについては間違いないことだと思います。彼女は1928年サウスカロライナ州生まれですが主にフランスでが人気あり数カ国語で歌うらしいのですが、フランス語で歌うのが彼女のヴィブラート唱法と仏語がよくあって魅力を感じます。彼女は1953年にRCAビクターと契約するのですが、その後にトルコ語で歌ったUSKA DARAでデビューして, 仏語で歌ったC'EST SI BONで人気となったのです。本アルバムは彼女のそういう曲を収録したファースト・アルバムではないかと思うのですが未確認です。彼女の声質ですがよく通る美声でヴィブラートを多用します。ジャズ批評で小川正雄氏がチリメンジャコ風ヴィブラートと評されていましたが細かいヴィブラートでまさにチリメンジャコ風かも知れません。聴きモノはやはりA-2のC'EST SI BONでしょう, セクシーな語りを交えながらフランス語の優雅さでも聴かせてくれます。この曲の出来がセクシーな悪女シンガーと評される事になったのだと推測しています。A-4のAVRIL AU PORTUGALも美しい旋律で好きです。B-4のLILAC WINEの最後に含みのある声でウフウフフフ~と笑って本アルバムが終わりますが, この含み笑声も実にセクシーで芸達者振りを発揮しています。英語, 仏語, トルコ語その他の言語でも歌っているのかも知れませんが僕には分かりませんが、色んな言語で歌われた曲を聴くのも楽しいものですね。

収録曲
A面
1, I WANNA BE EVIL
2, C'EST SI BON
3, ANGELITOS NEGROS
4, AVRIL AU PORTUGAL
B面
1, USKA DARA
2, AFRICAN LULLABY
3, MOUNTAIN HIGH-VALLEY LOW
4, LILAC WINE

Bev Kelly

2007年01月22日 | 女性ボーカルK
BETHLEHEM原盤でBEV KELLYのと言うよりもPAT MORANの“THE PAT MORAN QUARTET”1956年録音・レコード重量120g

このブログは女性ボーカルを主体にとらえていますので, 本来ならばPAT MORANのアルバムとすべきところでしょうが、BEV KELLYのアルバムとさせていただきます。このアルバムは, PAT MORANグループにBEV KELLYが参加していた当時の録音でBEV KELLYはその後の1958年に独立してソロ活動へ入りました。ソロ活動の時に録音したのが以前に紹介させていただきましたがVGM盤の“YOU GO TO MY HEAD”です。PAT MORANは1932年オクラホマで音楽家一家に生まれ、大学でピアノを学んだ後に最終的にジャズピアニストに転向したそうでオハイオ州のクラブに出演した時にBEV KELLYと出会い、BEVとPATは最初はデュオで活動した後にボーカルもこなせるベース奏者JOHN DOLINGとドラム奏者JOHNNY WHITEDを加えてカルテットとなったようです(青木啓氏のライナーノートより)本アルバムではBEVが自由闊達に伸び伸びと歌っているボーカルが聴けます。特にA-3のWHAT A DIFFRENCE A DAY MAKESなどはフェイクを巧みに加えられていますが聴きものと思います。PAT MORANの力強くて情感豊かなピアノプレイはB-4で堪能できます。本アルバムは国内盤で, トリオからのBETHEHEM復刻盤ですが音質は悪くなく楽しめます。

パーソナルは, BEV KELLY(vo), PAT MORAN(p&vo), JOHN DOLING(b&vo), JOHNNY WHITED(ds&vo)

収録曲
A面
1, THIS CAN'T BE LOVE
2, A FOGGY DAY
3, WHAT A DIFFRENCE A DAY MAKES
4, HAVE YOU MET MISS JONES
5, I SHOULD CARE
6, GONE WITH THE WIND
B面
1, SOMEBADY LOVES ME
2, THE BEST THINGS IN LIFE ARE FREE
3, SUNDAY KIND OF LOVE
4, MEDLEY
SPRING IS HERE, IT MIGHT AS WELL BE SPRING
5, TWO SLEEPY PEOPLE
6, PICK YOURSELF UP

Kitty Kallen

2006年09月18日 | 女性ボーカルK
COLUMBIA盤でKitty Kallenの“If I Give MY HEART TO YOU”1959年録音・175g

このアルバムのジャケット写真は彼女の眼がギョロリと強調されている感じであまりいい出来とは思えません。別名プリティ・キティ カレンと呼ばれ人気のあったシンガーです。“プリティ・キティ カレン”呼称の際に語呂がいいですね。10歳頃からラジオ番組に出演していたのですから長いキャリアの持ち主で、スィング全盛時代はジミー ドーシーやハリー ジェイムスの専属シンガーとしても活躍しました。このアルバムは後年のものでややポップス調ではありますが、落ち着いてしっとりとしたボーカルは納得ができます。裏面の写真を見ると上品そうな佇まいの女性で好感が持てます。

MILTON DE LUGS指揮によるオーケストラ伴奏

収録曲
A面
1, NEED ME
2, DRIFTWOOD ON THE RIVER
3, YOU ARE ALWAYS IN MY HEART
4, NEVER IN A MILLION YEARS
5, BECAUSE YOU'RE MINE
6, GOT A DATE WITH AN ANGEL
B面
1, IF I GIVE MY HEART TO YOU
2, BLUES IN MY HEART
3, THAT OLD FEELING
4, VAYA CON DIOS
5, BLUE DOLL5
6, LOVE IS A SACRED THING

Lois Kahn

2006年09月14日 | 女性ボーカルK
JUBILEE盤でLois Kahnの“YES, SIR ! THAT'S MY BABY ! ” 1958年録音・レコード重量200g

このLOIS KAHNというシンガーは作曲家であるGUS KAHNの子息DONALD KAHNの奥さんだそうで、アルバムも副題がsongs of GUS KAHNとなっています。作曲は父親、オーケストラ指揮は旦那のDONALD KAHN,ボーカルが彼女というファミリーなアルバムで裏面にはA FAMILY TORIBUTEと記されています。ライナーノートを見ると手紙の様式になっていて父GUSに宛てた内容です。その内容ですが少し紹介します“Mister Gus Kahn 1958 Avenue of The Heaven Somewhere,Up there ”が宛先住所でその後にDear Gus と本文が続きます。1958年は録音年ですがそれを亡きGusへの宛て先の住所番号にしてSomewhere, up thereでユーモアというか何というか思わず頬が緩んでしまいました。ジャケットは懐かしいセルロイドの青い目をした人形の写真でこれは珍しいです。彼女の顔はこの人形とは全く似ていませんで、高い細い鼻とキリっとした切れ長の目の持ち主です。相当に誇張して良く言えばオードリーヘップバーンに似ているかなぁ(?) 彼女のボーカルの方は伸びがあり声に厚みを感じさせますが、やや高く細目の声で歌うこともできるようです。それとJUBILEE やっぱり盤はごついです。

DONALD KAHNによるアレンジ指揮でオーケストラ伴奏
収録曲
A面
1, YES SIR ! THAT'S MY BABY
2, I WONDER WHERE MY BABY IS TONIGHT
3, MAKIN' WHOOPEE
4, IT HAD TO BE YOU
5, MY BABY JUST CARES FOR ME
6, LIZA
B面
1, ALL GOD'S CHILLUN GOT RHYTHM
2, AIN'T WE GOT FUN
3, I'LL SEE YOU IN MY DREAMS
4, CAROLINA IN THE MORNING
5, LOVE ME OR LEAVE ME
6, TOOT. TOOT. TOOTSIE !




Beverly Kenny

2006年09月10日 | 女性ボーカルK
これはCDです。最近発売されたばかりですが、三具保夫氏のライナーノーツによると、本アルバムは1954年頃のデビューする前のデモ録音が発売されたのではないかという事を書いています。またこのライナーノーツにはビル リード氏のライナーノーツの訳文もあり何でも昔彼女の恋人だったという人物の話まで登場させ彼女がピストル自殺するまでの推測話や元恋人と称する人物のどこまで真実か疑わしい話も載っています。

元恋人と称する人物の話は興味がないので話を変えますが、このアルバムはトニータンブレロのピアノ伴奏のみで歌っていますので彼女の初々しさが際立っています。収録曲は彼女のデビューアルバムの“Beverly Kenny sings For Johnny Smith”に収録されている曲が多いのですが、同じ録音ではありませんからもう一度楽しめます。このアルバムでは彼女の“TEA FOR TWO”を初めて聴きました。私には、この“二人でお茶を”だけでも本アルバムの価値はあります。

Beverly Kenny(vo), Tony Tamburello(p)

収録曲
1, TEA FOR TWO
2, THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU
3, THE THINGS WE DID LAST SEMMER
4, MOE'S BLUES
5, CAN'T GET OUT OF THIS MOOD
6, THE SURREY WITH THE FRINGE ON TOP
7, SNUGGLED ON YOUR SHOULDER
8, THAT'S ALL
9, BALL AND CHAIN( SWEET LORRAINE )
10, A FOGGY DAY
11, GAY CHICKS