ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

江利チエミ/ERI CHIEMIですが、よろしいでしょうか?

2010年05月20日 | 女性ボーカルC
(JAPAN)KING/LKF1149/CHIEMI ERI/CHIEMI AND CARL JONES/10inch/1961年

美空ひばり、江利チエミ、雪村いずみと言えば自分が子供の頃の超人気3人娘です、美空ひばりについては、彼女がテレビに出て歌うたびに祖母が美空は歌がうまいのぉ~とよく褒めていました。美空ひばりの事は当時の僕にはよく理解できませんでした。江利チエミは父が彼女のデビュー曲であるテネシー・ワルツのシングル盤を買って来て聴いていたのをかすかに記憶してますが、それがビニールのEP盤だったのかSP盤だったのかは記憶がなく、いつの間にか割れたか紛失したのか、後年に蔵を探しても江利チエミのレコードは出てきませんでした。美空ひばりは僕が中年の域を越えたあたりから聴く気になって時々聴きますが上手いなぁ~と思います。江利チエミはあまり聴く機会がないままでしたが、本アルバムを入手して以降は時々聴いています。雪村いずみは僕の嗜好には合いそうもないので未だ聴く事がありません。本アルバムは地元のレコード店(本店は健在ですが、地元支店は撤収してます)で長く飾られていたもので、最初に見た時はかなり高い値がついていました。買おうかなと思いつつ値段と購入欲度に差があって見るだけに留めていました。それが少しづつ安くなり始め支店が撤収するセールの時に2割引だったか3割引になったので入手したアルバムです。
江利チエミや美空ひばりの名前を挙げると美空ひばりですかとか江利チエミかぁ~という方もいらっしゃると思いますが、彼女等もジャズを歌っていた時期もありますし、ジャズの範疇にはあらずと端から除外してしまうのもちょっと厳しすぎるのではと思います。欧米のシンガーもポップやジャズの狭間で活躍している人がいると思いますので広く受け入れて欲しいものと思います。それに江利チエミも美空ひばりも持ち味は違いますが聴かせるという意味で歌は格段にうまく近年の女性歌手には、こういう味わいのボーカルを求めても満たしてくれそうもありません。

江利チエミの所属レコード会社はKINGでしたが、彼女と契約したのはKING1社だけであとのレコード会社には断られたらしいです。本アルバムには8曲が収録されていますが、彼女は6曲で歌っています。CARL JONESとのデュエットもありますし、彼女のソロもあるのですがデュエットもCARLが控え目なので江利チエミのヴォーカルを邪魔する事なく楽しめます。最初にCHEEK TO CHEEKを聴いた時は今から約50年前の日本にも洒落たボーカルLPがあったんだなぁと嬉しくなりました。江利チエミのボーカルにはどこかに明るさが表現されていて、晴れた歌声が僕を元気づけてくれます。不遇な事が多かった彼女ですがその歌声にはそういう影は微塵も感じさせずに聴かせてくれます。CHEEK TO CHEEKの曲の始まりから本アルバムは聴ける楽しめると確信させてくれます。AGAINも好きですが、この曲でナンシー梅木がデビューしたとは知りませんでした。今は店も無くなりましたが自由が丘のグリーン・スポットの故いソノてルヨ氏のライナーノートで知りました。DREAMもゆったりと歌って好感が持てます、彼女は英語が結構上手いですね。A-4はCARLのソロ。B-2のTHE NEARNESS OF YOUは彼女のソロで、この曲あたりが一番の聴きものかな。彼女の更にジャズ・テイストあふれたLPアルバムがもう2~3枚あればもっと嬉しいんですけど。

年末のNHK紅白歌合戦も江利チエミや越路吹雪が出なくなってからは次第に見なくなりました。また子供の頃、サザエさんシリーズのテレビを見ながら江利チエミの鼻の形が、僕の母親に似ていると思ったので感じたままを言うと母はそうかァ~?と不機嫌な表情になりましたが、今でも江利チエミの写真を見ると母を何となく連想してしまいます。


収録曲/A面/1,CHEEK TO CHEEK/2,AGAIN/3,DREAM/4, UNDER PARIS SKIES/B面/1, THE NEARNESS OF YOU/2, YOU.YOU.YOU/3, LOVE HER/4, STOMPIN' AT THE SAVOY/

伴奏者について触れると原田信夫がテナーを、伏見哲夫がトランペット、ピアノの大西修、竹内弘のベース、武藤敏夫のドラム、或は与田輝男、福原彰のトランペット、それにフルート・オーボエ・クラリネット・ハープを加えた伴奏で、編曲は服部克久、それにキング・オールスターズ・オーケストラです。

(お遊びで) 僕がこの女性のジャズ・ボーカルとしてのアルバムがあればなぁと思う西田佐知子ですが、そのスモークな歌声でも聴いてみてください。

こんなCEIL CLAYTONも! 一枚だけじゃなかった。

2009年09月15日 | 女性ボーカルC
米NORMAN/NL-107/CEIL CLAYTON/I MEET THE NICEST PEOPLE/

長女に2人目の子供ができたようで悪阻がひどく帰省してきています。2歳と3ヶ月の孫は朝から廊下を走り回って元気一杯。歩くという事はまずしない孫ですが、食べるかしゃべるか寝るの生活パターンですがすべてに全力を出しきっています。おかげで世話をする嫁さんはもう毎日ぐったり、時々相手をする僕も自分の時間がとれず毎日疲れ気味ですが楽しい毎日です。

セントルイスのノーマンという小さなレコード会社から出されている彼女のアルバム、人気盤でもあり弱小メーカーゆえの発売枚数の少なさもありで相当なレア盤がCEIL CLAYTON/CEIL CLAYTONですが、今晩のアルバムはそういう彼女のもう一枚のアルバムでこちらもかなりのレアで出会うチャンスは少ない盤です。このアルバムはネットでいろんなショップを見ている時に出会った一枚でCEIL CLAYTONは一枚きりじゃなかったのかと少し驚きもしましたし、これって再発盤か何かとも思いましたが、ノーマンのオリジナルで間違いはないようです。レーベル番号から言えば本日の彼女のアルバムの方が番号が若いので先に出されたと解釈するのが自然なんでしょうが、録音内容はどちらが先なんだと感じるところもあり、情報が少ないシンガーですから、そういう部分に疑問を持ち始めると釈然としない状態が続く事になります。
録音内容ですが、A面はセントルイスのMERRY-GO-ROUNDというクラブでのライブ録音です。A-1のI MEET THE NICEST PEOPLEから始まるのですが、この曲は同じNORMANのNL300/CEIL CLAYTONのA-1に収録されているYOU MEET THE NICEST PEOPLEと同じ曲ですが曲題をちょっとひねっているようです。出だしの言葉数が違うのを補う為か、YOU MEET THE NICESTと歌うのと、WELL~I MEET THE NICESTと歌い始める違いは有りますが同じ曲です。本アルバムの方がテンポがやや早くより軽く歌われている感じがします。パーソナルは本アルバムの方はヴォーカルとピアノの彼女を含めてトリオでの演奏になっています。ライブでの演奏ですが、伸び伸びと彼女らしく歯切れの良いボーカルを展開してくれているのが嬉しいA面です。ACE IN THE HOLEやMISTYも僕は好きですねぇ。お客も乗っていて“GO-GO-GO-GO!!”という掛け声も聞こえてきます。A面最後のTHE SWEETHEART TREEのスローで甘いメロデーィには泣かされそうになります。
面が変わってB面ですが、これは一部の曲が全くNL-300/CEIL CLAYTONと同じです。でどちらが先に発売されたんだろうかと考えてしまうのですが、想像ですが録音されたのは同じ時期にされたのではと思うのですが、これは確証がありません。アルバムのまとまりとしてはNL-300/CEIL CLAYTONの方があると感じますが、こちらのライブ録音盤も捨てがたいです。B面のNIGHT LIFE, PEOPLE, I CAN'T SAY NOの3曲はスタジオ録音でRUSS DAVID指揮のオーケストラ伴奏となっていますが、この3曲の中ではNIGHT LIFEが好きですね。その他NEVER LEAVE FOUR SUGAR, YOU DON'T HAVE TO BE A BABY TO CRY, I WANT A LITTLE BOYの3曲はNL-300のアルバムと同じ音源だと思います(演奏時間も同じ)。

パーソナル:CEIL CLAYTON(p. vo), RALHF DEROUSSEI(b), RICH O'DONNELL(ds)

収録曲/A面/1, I MEET THE NICEST PEOPLE/2, WHAT KIND OF FOOL AM I?/3, ACE IN THE HOLE/4, BYE BYE/5, THE SWEETHEART TREE/B面/1, NIGHT LIFE/2, NEVER LEAVE FOUR SUGAR/3, PEOPLE/4, YOU DON'T HAVE TO BE A BABY TO CRY/5, I CAN'T SAY “NO”/5, I WANT A LITTLE BOY/

あなたの部屋で歌ってくれるDORTHY CARLESS

2009年02月02日 | 女性ボーカルC
COMMODORE/FL20.026/DOROTHY CARLESS/SINGS INFORMALLY/10inch

英国生まれのドロシー・ケアレスのアルバムは今までにもMIXED EMOTIONS等を紹介させていただいています。また彼女の妹はCAROLE CARRという事も皆さんご存知のとおりです。

このレコードは昨年に新宿のDUで輸入盤の列を漁っていると在庫としてあったものです。古めかしいジャケットでお世辞にもきれいな状態ではなかったのですが、状態を考慮しても値ごろ感ある売値であったので入手した記憶があります。収録年は1953年ですからHI-FI/MIXED EMOTION(1958年)より早く本アルバムが彼女のデビュー盤なんでしょうか? 収録内容は彼女のピアノ弾き語りとなっているのですが、このピアノ以外の伴奏がない為に自宅の1室で彼女が演奏し歌っているかのような錯覚に陥りそうになります。それに加えて彼女の素のボーカルが味わえるアルバムと思います。A面はHAROLD ARLENの作品をB面はKURT WEILLの作品を歌っているのですが、どの曲もじっくりと聴けるわけですがLAST NIGHT WHEN WE WERE YOUNGやIT NEVER WAS YOUは中でも好きですね。また彼女はピアノも上手いんだと今更ですが、あらためて気づかされました。一つだけ残念なのはチリ音が少し多いのと時々パチ音があるのが口惜しいですが、COMMODOREは材質の関係かどうかそういうのが多いような気がします(当たりが悪いのかなぁ~)。

収録曲/A面/1, LET'S FALL IN LOVE/2, LAST NIGHT WHEN WE WERE YOUNG/3, IN THE SHADE OF THE NEW APPLE TREE/4, MY SHINING HOUR/B面/1, MY SHIP/2, THIS IS NEW/2, IT NEVER WAS YOU/4, FOOLISH HEART/

PAULA CASTLE

2009年01月05日 | 女性ボーカルC
BETHLEHEM/BCP-1036/PAULA CASTLE/LOST LOVE/10inch/

このポーラ・キャッスルの唯一のアルバムと言われている本盤ですが、幸いなことに昨年、オリジナルを入手できましたので改めて記事を書き加えさせていただきます。以前に記事でオリジナルは相当高価なのではないかと書いていますが、実は思っていたほどの値ではなく海外から入手できました。盤も傷がほとんど目立たずセラーのEX+に偽りはなかったと安堵した代物です。本盤と再発盤では音の濃さとか粒立ちが違います。特に際立つのがフルートの音色の生々しさはかなり違うと思います。このフルートの音色だけでも楽しめるのではと思います。それにドラムのブラシの音もかなり違って、音が立っています。先日に針を交換しましたからその効果も倍増のような気がします。↓ジャケット裏の写真

↓以下は以前の記事です。
BETHLEHEM盤でPaula Castleの“LOST LOVE”1955年録音or発売です。このアルバムは再発の12インチ盤だろうと思っているのですが。オリジナルは10インチ盤という事ですが未だお目にかかった事がありません。もしあったとしてもとんでもない値段だろうと思います。彼女はN.Y.生まれで、N.Y.のクラブで歌っていたとボーカル本にはあります。ライナーノーツにもcity kid in N.Y.と紹介されていますし、今でもそこに住んでいると当時のノートには書かれています。また彼女は楽譜が読めなかったのですが一度聴いた音楽をすぐ正確に歌う事ができたとありますので日本の美空ひばりと同じような才能があったようです。ジャケットは再発盤ですので色合いがもう一つですが大きな噴水の右端に白く剥げたように見えるのが失恋して横たわっている男性らしき像です。
 収録内容は実に素晴らしい演奏で私のお気に入りの一枚です。彼女のややハスキーで暖かみがある声に潤いと安らぎが感じられ非常に味わい深いアルバムと思います。パーソナルは下記にあるとおりですが、Sam Mostのフルートが主として彼女のボーカルの相手を務めているのですがお互いの掛け合いにより彼女の歌の味わいがさらに高められています。このフルートがまたいい旋律を奏でるんですよ。Ronnie Selbeyのピアノや Herb Wassermanのドラム, Chet Amsterdamのベースも主張し過ぎず且つしっかりと演奏してボーカルを引き立てています。録音も非常に良いと思います。一聴の価値あるアルバムと思います。

パーソナルは, Paula Castle(vo), Sam Most(fl), Ronnie Selbey(p), Chet Amsterdam(b), Herb Wasserman(ds)
収録曲/A面/1, I'm Shooting High/2, Yesterday's Gardenias/3, Here I Am In Love Again/4, Moutain Greenery/B面/1, Lost Love/2, You Don't Know What Love Is/3, Love Is A One Way Street/4, Why Can't I ?

SUE CHILDS

2008年12月17日 | 女性ボーカルC
STUDIO4/ SS-200/ SUE CHILDS/INTRODUCING/

今晩の記事は以前(2006年3月14日)のものに書き加えたものです。以前は再発盤で聴いていましたが、最近オリジナルが入手できたので、オリジナルと再発盤のレーベルの写真を載せておきます。僕はこのアルバムのオリジナルと再発盤の見分け方がよく分からなかったものですから、それで誰だったか思い出せないのですが、ブログで教えてもらった次第です。azuminoさんだったかebiさんだったかそれとも他の人だったかがどうしても思い出せません。(大変申し訳ありません) もうご存知の方は必要ないと思いますが、僕のようにまだまだ知らない事が多い方もいらっしゃると思いますので。さてオリジナルと再発盤はレーベルの色が違うのと、どちらも浅溝ですが溝の数と位置が違うのが写真でお判りいただけるでしょうか。またオリジナルはジャケットが額縁仕様になっています。再生音はオリジナルと再発盤も歴然とした違いはないように思いますが、オリジナルの方が音がスッキリとしている印象です。再発盤の音も悪くないと思いますがオリジナルを聴いた後で再発盤を聴くと音の分離が甘いような気がしますが気持ちのせいかも知れません。久し振りに聴きましたが、彼女のボーカルも思い切りの良い歌い口で且つ上手く心地よく聴けますが、バックの演奏がこれまた聴かせてくれます。今晩は特にTONY SOTOSのフルートが心に沁みました。
                      上がオリジナルのレーベルで、下は再発盤のレーベルのです。

(以下は2006年3月14日の記事です)
飛行機出発まで少し時間があるので更新します。このアルバムもアメリカで購入したと思います。Studio盤で“Introducing Sue Childs”で1963年録音です。あまり見かけないアルバムでもあると思います。コンボの伴奏でテナーサックスのJ R モンテローザが2曲に参加しています。彼女はデトロイトで頭角を表したらしいです。歌は上手くテク二シャンで心地よいジャズを聴かせてくれます。他のアルバムがあるのかどうかは知りません。all or nothing at all とか honey-suckle roseや summer time が収録されています。お気に入りの一枚です。

収録曲A面/1, ALL OR NOTHING AT ALL/2, HONEYSUCKLE ROSE/3, OUT OF NOWHERE/4, YOU'LL NEVER KNOW/5, YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO/ B面/1, SUMMERTIME/ 2, LOLLIPOPS N' ROSES/3, YOU MAKE ME FELL SO NICE/4, LONESOME ROAD/5, THE GIRL FROM EPANMA/

IRMA CURRY

2008年04月18日 | 女性ボーカルC
COLUMBIA/CL1754/IRMA CURRY/LOVE IS A NECESSARY EVIL/1962年

このイルマ・カリィというにシンガーについてはよく知りません。ライナー・ノートを読むとどうもボルティモア出身のようでまず教会で歌いクラブで活動した後にライオネル・ハンプトン楽団のシンガーとして西海岸から東海岸までツァーしたとあります。彼女が黒人か白人かも分からないとジャズ批評で坂田氏もコメントしていらっしゃいますが、僕にそれ以上分かるはずもないわけです。本アルバムの彼女のボーカルを聴くとやはり黒人じゃないかなと思えるのですが粘りはなく滑らかな聴き心地で肌に馴染みやすいボーカルです。曲によってはブルース調のもありますが、大半の曲はジャズ・テイストを満たしたものになっています。曲によってはバック・コーラスに男性シンガーが加わります、これについては好き嫌いが分かれるところでしょう。僕の一番のお気に入りは軽快に歌われるCAN'T HELP ITや少しネットリとした歌い回しになりますがNO SPRING THIS YEARがしっとりと聴けて好きです。女心の寂しさを歌ったNO ONE CAME TO MY PARTYを聴くとついホロリとしそうな説得力があってこの曲も大好きです。ジャケットは判りやすいリンゴの写真で本来はリンゴの真ん中に貼られていないシールがあるのと右上に価格シールがあり価格はLIST PRICE $3.98, OUR PRICE$3.00となっていますが、これは剥がさずに温存しておくつもりです。

DON ELLIOTT指揮によるオーケストラ伴奏:MEL LEWIS, BARRY GALBRAITH, CHUCK WAYNE, JO JONES, HAL McKUSICKというメンバーが参加していますがソロはほとんどなくそれが残念です。
収録曲/ A面/ LOVE IS A NECESSARY EVIL/ A STRANGER IN THE CITY/ FORGET ABOUT THE BOY/ TOO MUCH TO SOON/ WHEN SUNNY GETS BLUE/ B面/ FOREGETFUL/ CAN'T HELP IT/ NO SPRING THIS YEAR/ AIN'T NOBODY HOME/ NO ONE CAME TO MY PARTY/ LEAVIN' TOWN/ LOVE IS A NECESSARY EVIL/

HELEN CARR

2008年03月05日 | 女性ボーカルC
BETHLEHEM/BCP-1027/HELEN CARR/DOWN IN THE DEPTH ON THE 90TH FLOOR/10inch/1955年録音

今晩は以前に記事にしたFS盤の写真を10インチ盤に差し替えて書き足しました。最初にFS盤を聴いた時から本アルバムの収録内容が気に入って10インチ盤を入手しようとしていたのですが, 何とか納得できるものを昨年の初夏の頃に入手できました。僕の10inch盤のお気に入りベスト3の一つです。再発のFS盤よりも格段に音が濃くて音の輪郭が明確でどの音もイキイキとして躍動感があるように聴こえます。一番違うのはボーカルとドラムの音でそれゆえに躍動感が違うように感じるのでしょうか。彼女のボーカルの生々しさの違いを表現すると襖の向こうで歌う彼女と目の前で歌う彼女の程度の違いは少なくてもあると感じます。盤の状態も非常に良いのでいつまでも聴き続けていきたいアルバムです。同じ10inch盤のLUCY ANN POLKのも大好きですがどちらが好きなどとは、比べ難くまた比較の意義も僕にはありませんが。
いつ聴いても本アルバムは出だしのA-1のNOT MINEからしてノリがイイので最初から引き込まれますね。続くA-2のI DON'T WANT TO CRYのしっとりと女心を歌う曲で癒されてから, A-3のTULIP OR TURNIPもスイング感があって大のお気に入りです、DONN FAGERQUISTのトランペットが効果的に間奏に入るのも聴けますねぇ~。このあたりは曲順が絶妙に選ばれていると感心させられます。B-1のDOWN IN THE DEPTHSにおける彼女のボーカルのしっとり感と艶やかさといったら僕は恍惚として聴入ってしまいます。続くB-2のYOU DRIVEING ME CRAZYはバックのドライブ感と彼女のボーカルとが実によく合っていてこれも聴けますねぇ、DONN TRENNERのピアノ・ソロに続いてCHARLIE MARIANOのサックス、DON FARGERQUISTのトランペットとソロが続くのも嬉しい仕上がりの曲です。
(以下は以前の記事の一部です)
彼女は1922年ユタ州ソルトレークシティ生まれで,本アルバムを録音しその後に同じレーベルから12inchLPで“WHAT DO I LOVE YOU”を吹き込んでから数年後に38歳で亡くなったらしいです。旦那さんのDONN TRENNERがピアノを務める本アルバムはどれも渋い曲ばかりです。彼女の歌い口は洗練された可愛さと思います。その歌い口は少しビバリーケ二ーに似たところがあるようにも思えます。そういう可愛いというか可憐とも言える声ですが落ち着いた歌い口に引き込まれます。バックの演奏も良く、それぞれのソロも楽しめます。ジャケットの写真は夜の高層ビルのとある一部屋にだけ灯がともっています。この灯のある一部屋が90階の部屋だと思って聴いています。またこのジャケット洒落たデザインではないでしょうか(?)

パーソナルは, Helen Carr(vo), Don Fagerquist(tp), Charlie Mariano(as), Donn Trenner(p), Max Bennett(b), Stan Levey(ds)
収録曲
A面
1, NOT MINE
2, I DON'T WANT TO CRY
3, TULIP OR TURNIP
4, MEMORY OF THE RAIN
B面
1, DOWN UN THE DEPTHS OF THE 90TH FLOOR
2, YOU'RE DRIVING ME CRAZY !
3, I'M GLAD THERE IS YOU
4, MOMENTS LIKE THIS

Rosemary Clooney

2008年02月10日 | 女性ボーカルC
(蘭)PHILIPS/B 07137 L/ROSEMARY CLOONEY/BLUE ROSE/1956年

今日は、長女次女と孫それに嫁さんのお供で岡山市内へ出掛けました。嫁さんの買い物に付き合うのはあまり得意じゃないのですが、これに次女が加わると最強タッグとなり徹底的に商品を吟味するので待たされる事、僕はこんな所で何をしてるんだろうというぐらいの気分にもなりました。こんな事ならレコードショップ巡りでもしておけば良かったとも思ったのですが、こういう機会もこれからはますます少なくなるでしょうから最後までつきあいました。“当たり前じゃないの”などと言わないでくださいませ。僕にしては良く頑張ったと思います。夕方に5人で和食のお店で食事をして帰ってきました。疲れましたが娘二人は喜んでいました、財布は福沢さんが何人か出ていき軽くなりましたが終わってみると楽しい一日でした。

今日のアルバムは以前の記事をかなり書き直したものです。
彼女ROSEMARYがDUKE ELLIINGTON楽団をバックに収録したアルバムです。本アルバムを収録した当時, 彼女は28才だそうで、ヒット曲はあったもののエラやビリーホリデイーのようなジャズ歌手とは見なされずスタンダードソングを上手に歌うポピュラーシンガーと考えられていたようです。それがエリントンとの共演アルバムを出すというのですから話題になったのではと思います。実際は彼女とエリントン楽団と同時に録音したわけではなく、まずエリントン楽団が演奏をして、その録音テープに合わせて彼女が歌い, それがレコードされたものですが, 本当の共演と言えるのかどうかは別としてテープに合わせて彼女が歌いレコード化されても違和感はないアルバムとなっています。ただじっくりと聴いていると彼女がバックの演奏に合わせている風な感じは若干感じるような気がします。上に掲げたジャケット写真はオランダPHILIPS盤で米COLUMBIA盤とはジャケットが違います。ご覧の皆さんはどちらのジャケットを選ばれるでしょうか? 僕は蘭PHILIPSのジャケットの方が洒落ていると思いますが如何でしょうか。この2枚のレコード, 僕の干しタコ耳には再生音での違いはあまり分からないほど違いがないように思えますが、ドラムとベースの音がCOLUMBIA盤の方が少し鮮明な気がします。
↑COLUMBIA/CL872/  本アルバムはエリントン・サウンドに乗って歌う彼女の人柄が滲み出したような率直なボーカルが好感が持てます。彼女のアルバムの中でもジャズ・テイストが有る1枚ではないでしょうか。僕はこのアルバムではやっぱりA-1のHEY BABYあたりが好きですが、A-3のME AND YOU, A-5のI LET A SONG GO OUT OG MY HEARTも悪くないと思います。一つ分からない所が, B-3のI'M CHECKIN' OUT-GOOMBYEの“GOOMBYE”なんですが、COLUMBIA盤ではGOOMBYEと表示されていますがPHILIPS盤ではGOODBYEと表示されています。GOODBYEの方は理解できるのですがGOOMBYEは誤植だろうかと思ったのですが曲を聴くと彼女はGOOMBYEと歌っているようです。どちらでも良い事なのかも知れませんが, 事情をご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたいと思います(拝)。

収録曲
A面
1, HEY BABY
2, SOPHISTICATED LADY
3, ME AND YOU
4, PASSION FLOWER
5, I LET A SONG GO OUT OG MY HEART
6, IT DON'T MEAN A THING
B面
1, GREIVIN'
2, BLUE ROSE
3, I'M CHECKIN' OUT-GOOMBYE
4, I GOT IT BAD
5, MOOD INDIGO

SAVANNAH CHURCHILL

2008年02月09日 | 女性ボーカルC
JAMIE/JLP 70-3016/SAVANNAH CHURCHILL/TIME OUT FOR TEARS

このサバンナ・チャーチルというシンガーは本来はブルース・シンガーじゃないかと思うほどブルースの味を持つシンガーですが、本アルバムはバラード好きには外せない一枚ではないでしょうか。彼女はニューオリンズ生れで、幼い時に家族と共にニューヨークへ移り住み、カトリック系の入学したのですが、その学校で歌い始めたそうです。その後にBENNY CARTER楽団でも歌い、ハーレムのSMALL'S PARADISEを始めとして各地のナイトクラブで活動したクラブ・シンガーです。彼女の歌い回しはジャズ+ソウル+ブルース÷3=彼女というイメージなんですが、やや低く乾いた声質で温かく包み込んでくれるようなボーカルで包容力を感じますし、バラードで彼女の良さというのが特に発揮されています。A-1のTIME OUT FOR TEARSはブルース調のアレンジですが僕はブルースも好きですしアルバムの出だしの曲としては押し出しがあって良いと思います。続くFOOLISH YOURSやI PROMISE IT WON'T HAPPEN AGAIN及び IS IT TOO LATE、B面に入ってはA-1のSUMMERTIMEは独特のアレンジで好き嫌いが分かれるのでは思いますが、B-2のIT'S TOO SOON TO KNOWから SHE'S ONLY GOT HERSELF TO BLAME、I KNOW I'M GOOD FOR YOU、A LITTLE PLACE IN YOUR HEARTと続くバラードは聴く人を引き込む魅力があります。僕はB-2の IT'S TOO SOON TO KNOWが一番のお気に入りでこののアルバム中では何度も聴いてしまいました。このアルバムはバラード好きには特にお薦めできる1枚かと思います。
ジャケット裏にある彼女の写真も載せておきます。レーベルは縦にゴールドと白に色分けされ深溝有りです。多分オリジナルだろうと思います。

ROBERT MERSEYアレンジ指揮によるコンボ伴奏
収録曲
A面
1, TIME OUT FOR TEARS
2, BE ANYTHING
3, FOOLISH YOURS
4, I PROMISE IT WON'T HAPPEN AGAIN
5, IS IT TOO LATE
6, I ALMOST LOST MY MIND
B面
1, SUMMERTIME
2, IT'S TOO SOON TO KNOW
3, SHE'S ONLY GOT HERSELF TO BLAME
4, I KNOW I'M GOOD FOR YOU
5, A LITTLE PLACE IN YOUR HEART
6, I WANT TO BE LOVED 

MARIA CREUSA

2008年01月29日 | 女性ボーカルC
(BRAZIL)RCA-VICTOR/103.0077/MARIA CREUSA/EU DISSE ADEUS/1973/stereo

マリア・クレウザの紹介は本アルバムで2枚目です。僕は彼女のアルバムは2枚しか持っていないんですが、これはとっておきの1枚です。以前に彼女のLESSAO NOSTALGIA/1974を記事にした時に、ken-kさんが彼女の中では本アルバムが一番のお気に入りとのコメントをいただきましたが、実は僕もこのアルバムがすこぶるお気に入りです。邦題は“リオの黒バラ”らしいのですが、EU DISSE ADEUSはI SAID GOODBYEという事らしいです。彼女は1944年生れですから本アルバムを収録した時は29歳という年齢でした。脂じゃなく歌に油が乗ってきた頃でしょうか。残念ながらポルトガル語が判らない為にバックのメンバーがよく判りません、ジャケット裏にはアレンジャーの名前はあるのですがその他の伴奏者名は無いようです。ギターやドラムを擁したオーケストラ伴奏とご理解ください(間違いかも?)
本アルバムを総括的に表現するならば何と言うしっとり感と儚さが表現されているんだろうという印象です。本アルバムはジャズアルバムではなくボサノヴァそれもサンバカンソンだと思いますが、そういう範疇を越えて女性ボーカル好きの方なら本アルバムの彼女のボーカルに心奪われるはずです。A-1のFEIJAOZINHO COM TORRESMOのメロディーは楽しげながらどこか物悲しさを感じた時から本アルバムの虜になると思います。ギター伴奏で歌うA-2のAPELOはあの情熱的な南米気質の心の奥底に秘めた熱情を感じます。メロディーと時々入るギターの音色がきれいなA-5のNOSSOS MOMENTOS。アントニオ・カルロス作のA-6のDESESPERO(絶望?)は切なく可愛い歌い口で僕のお気に入りです。ポツポツと歌うB-1のBOBO FELIZですが曲間に入るギターもいいですよ。B-3のCHAO DE ESTRELASこういうバラード調の曲をサンバカンソンというのでしょうか。ここまで聴きながら書いていたのですがB-6のEU DISSE ADEUSを聴いているとサンバカンソンはボサノヴァの演歌だと思いました。メロディーこそ違いますが演歌そのものと言えるのではないでしょうか(?)
ジャケットは例によってペラジャケですが彼女の横顔と黒いドレスが物悲しさを表現しているようで、出来の良いジャケットと思います。

収録曲
A面
1, FEIJAOZINHO COM TORRESMO
2, APELO
3, CANCAO DA VOLTA
4, JANELAS AZUIS
5, NOSSOS MOMENTOS
6, DESESPERO
B面
1, BOBO FELIZ
2, A NOITE DO MEU BEM
3, CHAO DE ESTRELAS
4, OBSESSAO - NAO ME DIGA ADEUS - POIS E - A FLOR E O ESPINHO
5, SIMPLESMENTE
6, EU DISSE ADEUS


MARIA COLE

2007年12月22日 | 女性ボーカルC
KAPP/KL-102/MARIA COLE/A GIRL THEY CALL MARIA/10inch

本アルバムのシンガー“マリア・コール”は皆さんよくご存知のナット・キング・コールの2番目の奥さんでナタリー・コールの母親です。彼女は1922年ボストン生まれで、MARIA ELLINGTONが旧姓ですがDUKE ELLINGTONとは関係ありません。彼女は長じてビッグバンド・シンガーとして活動していました。ナット・キング・コールは大変な野球ファンでロスのドジャースのボックス席をずっとキープしていたそうですが、ロス滞在中のナイトクラブで彼女と出会い結婚に至ったわけです。彼女の両親は彼が“黒すぎる”という理由で反対したのですが彼等は結婚に踏み切りナタリーとキャロラインの二人の娘が誕生し、その後も男子に恵まれました(何人かは忘れました)。余談ですが彼女の夫のコールは1956年、白人優勢主義者によってステージでライブ中に襲撃もされていますから、当時の差別というのは今では想像もできないような過激なものだったんでしょう。
本アルバムはマリア・コールのアルバムの中でも初期のアルバムだと思いますが、僕にはファースト・アルバムだとかは確認できませんが結婚後のアルバムであるのは間違いないようですから, 1950年台にレコーディングされたと推察しています。このジャケットの彼女の写真はあまり美人とは言い難い感じを受けるのですが鼻筋とかナタリーコールに受け継がれているようです。ジャケット全体の色が赤っぽいのも彼女にとっては逆効果になっているかなと思います。
彼女のボーカルですがどことなくキング・コールに似ているところが感じられる僕です。やや低い声であまり力ず軽く柔らかく歌っているところが女キング・コールという印象を受けるのですが如何でしょうか。本アルバムのバックの演奏者はライナー・ノートに書かれていないので僕には判りませんが、ギターとピアノ、ベースを主とした編成にオーケストラのストリングが加わっています。僕のお気に入りはA-1のIT'S THE TALK OF THE TOWNやA-3のDARN THAT DREAMはしっとりと聴けます。B-1のTHERE MUST BE A WAYあたりも悪くありません。このアルバムを通して歌い口はしっとりと静かに歌われていて同じ曲調に思えるのがこのアルバムの唯一の難です、調子の違う曲を合間に入れれば変化が出てもっとよかったのにと、選曲とアレンジに対して残念に思えるところもあります。でもこの特徴がないのが彼女の特徴なのかも知れません。ジャケット裏の曲紹介と実際の収録順が全然違いますが、これも結構あることで別に気になりません。

収録曲
A面
1, IT'S THE TALK OF THE TOWN
2, I WENT OUT OF MY WAY
3, DARN THAT DREAM
4, I SEE YOUR FACE BEFORE ME
B面
1, THERE MUST BE A WAY
2, REMIND ME
3, DO YOU KNOW WHY
4, HERE'S THAT RAINY DAY

MARIA CREUZA

2007年12月17日 | 女性ボーカルC
(BRAZIL)RCA-VICTOR/110.0004/MARIA CREUZA/LESSAO NOSTALGIA/1974/stereo

このマリア・クレウザというシンガーの名前の読み方はクレウザでいいんでしょうか?それともクレウーザでしょうか?よく判らないまま僕はクレウザで憶えてしまってそう読んでいますがクレウーザと読む向きもあるようです。最初にこのジャケットを見た時は若い時の夏木マリに似ているなと思った僕です。連想の対象が古色的なのは僕もそうだからでしょう。彼女はサンバカンソン(ゆったりとしたテンポで演奏されるサンバと言えばヨロシイのでしょうか?)を得意とすると言われているシンガーですが日本にも1974年と1979年とで2度来ています。ヤマハ音楽祭に出場のためでそれぞれ賞をもらったらしいですが, 1974年といえば未だ僕は東京で学生でしたが, あの日に帰りたいです。その来日時に六本木の“ピット・イン”でライブもあったそうですが今から思えば行きたかったですね。でも貧乏学生で行けませんでした。当時の僕には赤坂や六本木は別の世界に近かったです。彼女はジャケットで見るように南米美人で、こういう女性をボニータと表現すればいいのでしょうか(?)。本アルバムは彼女の楚々としたボーカルが感じられて心地よいです。まだ色気を全開にしていない頃のアルバムで、それを小出しにしているところが好感を持てます。彼女の声質はやや高く線が細いような部分もありそれが女性の弱さと儚さを演出しているように思えます。
本アルバムでの僕のお気に入りは, 出だしのA-1のPARA FALAR A VERDADEの朴訥とした歌い回しというかやや寂しげなボーカルがかなりのお気に入りです。A-5の5, DE CONVERSA EM CONVERSAも単語の端々にほのかな色気が感じられてたまらない曲です。ギター伴奏が印象的なB-2/COM ACUCAR COM AFETO, 本アルバムの中で一番アップテンポで歌われるB-5のPE DE VALSAや続くB-6のCOM QUE ROUPAも楽しく歌われています、こういう音楽を聴きながら現地の海岸べりの木陰で昼寝をしてみたいという気になります。

LADO-A
1, PARA FALAR A VERDADE
2, VUNGANCA
3, LUZ NEGRA--O SOL NASCERA
4, DUAS CONTAS
5, DE CONVERSA EM CONVERSA
6, NO MEIO DA FESTA
7, SESSAO NOSTALGIA
LADO-B
1, DESMAZELO
2, COM ACUCAR COM AFETO
3, NINGUEM ME AMA
4, O QUE TINHA DE SER
5, PE DE VALSA
6, COM QUE ROUPA
7, PRA DIZER ADEUS

HOLLY COLE

2007年10月18日 | 女性ボーカルC
T&M/T&M 1039/HOLLY COLE/HOLLY COLE/2006年

最新盤のアルバムです。45回転盤LPを探している時に本アルバムを偶然見かけたのでジャケットに誘われて入手しました。まだ販売されているようです。本アルバムのレーベル等ですが購入した先のHPではレーベルがT&M,アルバムナンバーがAT&M80808とされていたのですが、レベールにはT&M1039と番号が表記されていたのでT&M1039が正しいのではと思います。このアルバムは米国では輸入盤とされていましたが国名は書かれてありませんでしたが、レコードの片面表示はSEITE A,Bと表示されているのでドイツのでしょうか(?) ジャケットに魅かれて入手したのですがしばらく後に本アルバムのジャケットと同じ構図のジャケットをネットで見かけました、確かビリーホリディーのアルバムでモデルが同じようなポーズでジャケットを飾っていたと思うのですが確かではありません。となればビリーホリディーのジャケットが先駆デザインという事になるのでしょう。両開きのアルバムの中にはカラーで彼女の写真が載せられています。その写真が印象的だったので載せておきます。目がでかくて目頭の切れ込みが大きくて僕はちょいと苦手であります(撤収)。

彼女は硬派のジャズ通の諸先輩の中ではジャズシンガーではないと言われている向きもあると思います。確かに彼女はジャンルを問わずに歌いそしてそこにジャズテイストを少し加えるというノージャンルのシンガーだと思います。がその彼女が本アルバムではよりジャズに回帰してきていると思えます。彼女独特のやや太く低い声で、よくスイングしています。僕は彼女の以前のアルバムではボーカルが暗くで低温度で怠い感じを受けてあんまりお気にではなかったのですが、本アルバムでは遅まきながらちょっと見直しました。B面の LARGER THAN LIFEを聴くとおおイイじゃんと思え、本アルバムでは一番のお気に入りです。これから歳を重ねるごとにもっと深みを出して欲しいと思います。まだ若いしと言っても彼女もすでに四十路ですが(笑)

パーソナル:HOLLY COLE(vo), GIL GOLDSTEIN(p), GREG COHEN(b), STEVEN WOLF(ds), MARTY EHRLISH(as), LENNY PICKETTT(ts), ROBERT DEBELLIS(bsax), JOHN ALLRED(trb), VINCENT CHANCEY(fench h)

収録曲
SEITE A
1, THE HOUSE IS HAUNTED BY THE ECHOR OF YOUR LAST GOODBYE
2, CHARADE
3, I WILL WAIT FOR YOU
4, WATERS OF MARCH
5, ALLEY CAT SONG
SEITE B
1, LARGER THAN LIFE
2, BE CAREFUL, IT'S MY HEART
3, IT'S ALRIGHT
4, YOU'RE MY THRILL
5, LIFE IS JUST A BOWL OF CHERRIES
6, REACHING FOR THE MOON

MINDY CARSON

2007年05月14日 | 女性ボーカルC
ROYALE/18168/MINDY CARSON/MINDY CARSON with ORCHESTRA/10inch

10inch盤が続きます。彼女のアルバムは僕のブログで二枚目になります。以前にBABY,BABY, BABYを紹介させていただいていますので、そちらも合わせてご覧下さい。このアルバムはあまり録音は良くないように聴こえるのですが, SP音源でも集めたものでしょうか?却ってそれがノスタルジックな味わいを出しているかも知れませんが、彼女のノリが良いボーカルが味わえのるのは変わりありません。A面が彼女のボーカルで恋の歌を歌っています, B面はすべてマンボの曲で彼女のボーカルはありません。A-2のI CAN'T BELIEVE THAT YOU'RE IN LOVE WITH MEも好きですが, I HATE TO LOSE YOU~という歌い出しのA-3のI HATE TO LOVE YOUは複雑な女性の心情を歌って秀逸な1曲です。軽快なテンポで歌うA-4の YOU TOOK ADVANTAGE OF MEもいいですね。このROYALEの本アルバムはジャケットもペラジャケで安普請な感じです。所有盤だけの事かも知れませんが, 僕のはジャケットの表の天地と裏の天地が90度ズレています。こういうのもある意味珍しいかもです。

収録曲
A面
1, WHAT DO YOU WANT TO MAKE THOSE EYES AT ME FOR
2, I CAN'T BELIEVE THAT YOU'RE IN LOVE WITH ME
3, I HATE TO LOVE YOU
4, YOU TOOK ADVANTAGE OF ME
B面
1, OLD GRAY MARE MAMBO
2, AFRON MAMBO
3, LA PALOMA MAMBO
4, MIXED UP MAMBO

HELEN CARR

2007年05月12日 | 女性ボーカルC
BETHLEHEM/BCP1028/MAX BENNETT/MAX BENNETT/10inch/1955

このアルバムは、ジャケットの黄色主体のシマウマの写真も興味を魅かれたのと, ヘレン・カーが2曲歌っているので入手した一枚です。MAX BENNETTについてはこのアルバムを聴くまでは正直言って知識もないし聴いた事もありませんでした。ジャズ人名事典では, 彼は1928年生まれでベニーグッドマンやチャーリー・ベンチェラ等との共演等の後でケントン楽団に参加, ウエストコーストを中心に活動しながらサラ・ボーンやペギー・リーの歌伴もした後にJATPのツアーにも参加、1970年にはスタジオミュージシャンとしての活動となったようです。本アルバムに参加しているメンバーではチャリー・マリアーノがいますが彼が欧州へ行く前の演奏で聞くところでは, 欧州以降チャーリーはリードを硬いものに変えたので音と多少スタイルが変わったようですがその前の演奏です。このマックス・ベネットというベーシストは堅実な演奏で僕から見れば主役のヘレン・カーのボーカルの盛り上げ役に徹しているようです。僕にとっての主役のヘレン・カーですが, このアルバムを聴いて改めて彼女のボーカルの魅力にますます引き込まれました, この2曲では足りません。それで彼女の同じレーベルのDOWN DEPTHS 90th FLOORを今まではFS盤で我慢していたのですが, やっぱり10inch盤で聴きたくなり注文したのですが, SELLERと連絡がつかず難儀しています(倒れたのかな?)。一度電話して上手くいかなければ仕切直しになるかも知れません(笑)がこういう事は僕は初めてです。彼女のボーカルに話が戻りますが, その柔らかさと甘さと情感のこもった様には堪えられせんね。A-3のTHEY SAYもB-3のDO YOU KNOW WHYも僕にとってはいとおしく切なくなるほどの聴き物です。なおボーカルなしの演奏も楽しめるアルバムである事も申し上げておきます。

パーソナルは, HELEN CARR(vo), CHARIE MARIANO(as), STAN LEVEY(ds), CLAUDE WILLIAMSON(p), FRANK ROSOLINO(trb), MAX BENNETT(b)
収録曲
A面
1, RUBBERNECK
2, JUST MAX
3, THEY SAY ***
4, JEEPERS CREEPERS
B面
1, T.K.
2, I'LL NEVER SMILE AGAIN
3, DO YOU KNOW WHY ***
4, SWEET GEORGIA BROWN
***印がHELEN CARRのボーカル