ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

ROZANA

2008年11月23日 | 女性ボーカルR
DISCOS RVV/RVV-S-1108/ROZANA

このアルバムはメキシコのLPです。このアルバムは訪問したレコード店専門店 渋谷のJAROでレコードを漁っていると店主殿がこれもお薦めですよ。と棚から取り出してくれた一枚です。見た事聴いた事がないアルバムでしたから、一度聴いてみようと思ってお薦めに従って入手したアルバムです。その時の店主殿の言葉が印象に残っていますが紹介するのは次の機会にしておきます。僕は『薦められたアルバムは所有していない場合は出来るだけ購入させてもらいます。またお店で試聴はしないことにしています。試聴すると自宅へ持ち帰って初めて聴く時のワクワク度が小さくなりますから』などと生意気な事を言ったような記憶があります。でもそれぞれのレコードを入手した時の思い出や入手するまでの経緯はそのレコードを手にした時には蘇ってくるのが自分の中だけのささやかではあるけれども満たされたような良い記憶として残っているのも嬉しいわけです。

このアルバムはメキシコの盤です。ROZANAの事を知らなかったので、調べてみるとネットにいくらか情報がありましたし、売り物として彼女の別のアルバムも少し有りました。その中の紹介文に印象に残ったのが“カルト・ボーカルファン”にお薦めという一文がありました。僕はカルトボーカルファンの領域に入りつつあるのか、そんな事もないだろうと楽しく思いを巡らせてしまいました。本アルバムは彼女のファースト・アルバムでセカンド・アルバムも出されています。ちなみにセカンド・アルバムはROZANA vol2というタイトルでとても分かりやすくなっています。正確な録音年は分かりませんが推測で'65年か'66年の録音と思われます。
裏面の彼女の顔写真を載せておきます。ご覧のようにかなりの美形で瞼を閉じればバサっと音がしそうな当時の流行の最先端メークアップです。そんな彼女はメキシコで女優、またクリスチャン・ディオールの専属モデルもしていたという事でショー・モデルでもありました。そんな彼女ですが声も顔に劣らずボーカルでも美声です。このファースト・アルバムではボサノヴァ等を歌っていますが聴けるですね。メキシコ盤だから音が良くないのかとも思ったのですが特別に良いとは思えませんでしたがブラジル盤と同じかそれ以上の音質ではあるように感じました。
スペイン語で歌うA-1のA BANDAとB-6のポルトガル語で歌うB-6のLA BANDAは僕の感性には響きませんでしたが、それ以外はしっとりと且つ逞しさを感じさせる歌い回しです。明るく軽快に歌われるA-2のA SORRIR、A-3のSAMBA DE VERAO(サマーサンバ)や続くサンバのVOCE, ボサノヴァ調で歌われるA-6のFLY ME TI THE MOONは好きです。B面はマシュケナダから始まるのですがB-3のMASCARA NEGRAが女心の切なさ激しさを感じられて好きです。後はB-5のCOPACABANAもいいですよ。

収録曲/A面/1. A Banda/2, A Sorrir/3, Samba de Verao /4, O Galo/5, Voce/6,Fly me to The Moon/B面/1, Mas Que Nada/2, Tristeza/3, Mascara Negra/4, Reza/5, Copacabana/6, A Banda

飾って眺めたいアルバム

2008年11月22日 | ジャズ以外
まず始めに今晩のアルバムは未所有のアルバムですのでご承知おき下さい。

全くのジャケット目当てだけのアルバムですが、海外オークションで見かけてこんなアルバムもあったのかと入手を試みようとしたのですが、あれよあれよと値段が上がって最後は600ドル近くで落札されたアルバムです。このANITA EKBURGのこのジャケット写真は僕にとっても素晴らしく吸引力があるように感じます。状態も良さそうなアルバムでしたが, それにしても6万円とは・・・、そんな相場なんでしょうかねぇ~? もう言う事はありませんです(苦笑)。

下のアルバムはJUNE RUSSELLカバーのアルバムですが、これはANITA EKBERGほどの値にはなりませんでしたが、それでも400ドル近くにはなったように思います。僕のブログを訪問してくれている方の中には、この2枚のアルバムの事を生々しく記憶していらっしゃる方がおられるのではと思います。この2枚のアルバム共に, アメリカにあっていくらでもプリントできるブロマイド写真(古い言葉が出てきました)と比べても比較にならないぐらいにジャケ写真の出来栄えが魅力的ではありますが、しかしです。ボヤキが多いですね今日は。いつ来るか判らない次を楽しみにしておきます。

ジャケット買いと言うとCHS盤/TINAもTINA LOUISEの魅力的なジャケットで人気がありあまり見かける事がないアルバムですが、上記の2枚ほどの過熱した値ではなかったように記憶しています。金融危機や不景気とか関係ない世界があるんですね。これに懲りずにというかさらに凝り固まっていきたいと思います。この三枚を以てジャケ買いアルバムのkuiren的ベスト3としたいと思いますが、しばらくするとまた別の魅力的なジャケットと出会うんでしょうね。手に入れたいものが有ることは素晴らしい事です。

ANITA O'DAYとIRENE DAYが聴ける

2008年11月21日 | 女性ボーカルO
COLUMBIA/CL6017/GENE KRUPA/10inch

このアルバムですが、ジャケットに写真もないしGENE KRUPAとあるだけで実に地味なジャケットのデザインでまず興味が涌かないアルバムだろうと思います。僕はそう思いながら裏面のノートを見るとGENE KRUPAの事ばかり書いてあって読みながら棚へ戻そうかと思った時、最後の一文にANITA O'DAYとIRENE DAYのVOCAL云々と書かれているのを読んで即購入したアルバムです。価格も躊躇いもなく買える金額で4ドルぐらいじゃなかったかと思います。ジャケットは地味なアルバムですが、その内容はANITAがクルーパ楽団のシンガーとして歌っていた頃ですから1940年初頭(1941年)に吹き込んだ"Let Me Off Uptown"等が収録されていて、彼女の若い頃の初々しいボーカルが楽しめます。もしもアニタだけを聴きたいのであれば, 同じ頃の録音だと思いますので、67camperさんのブログに掲載されているVERVE/DRUMMER MAN/GENE KRUPAを聴くのもお薦めです。かくいう僕もこのVERVE盤12inchアルバムを入手したのは67camperさんの記事を拝見してからの事でした。67camperさん、その節にはお世話になりました、今も大いに参考にさせてもらっていますが(感謝)。つけ加えると例えば10inch盤のBOOGIE BLUESは演奏時間が3分18秒程度で、VERVE12inchの同曲は3分45秒ぐらいの演奏時間ですので全くの同じ音源というわけではなさそうです。VERVEとCOLUMBIAのレーベルの違いから全く同じというわけにはいかないのでしょうね。

この頃のアニタはまだ技巧の粋を凝らした歌い口ではなくいかにも若々しいボーカルです, それでも当然充分に上手いしそのハスキーな声はその当時もその後も変わりはなかったようです。このアルバムには8曲が収録されていますが、アニタのボーカルが聴けるのは3曲です。さらにもう一人IRENE DAYという短期間だけクルーパ楽団でシンガーを務めていた彼女のボーカルが2曲収録されていますが、このIRENE DAYのボーカルが聴けるのも嬉しいアルバムです。このイレーヌ・デイというシンガーのボーカルがなかなかに聴けるんであります。アニタの声をもう少ししっとりと大人にした感じの歌い口です。このIRENE DAYというシンガーの詳しい事は知りません。さらにRとLの違うILENE DAYというシンガーもいるのですがあいにく未入手のアルバムでこちらのシンガーの事は更に知りません。IRENEとILENEの事をご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたいです。後はROY ELDRIDGEが歌うのが1曲とクルーパ楽団のインスト演奏が2曲という内容になっています。このアルバムを最初に聴いた時に嬉しかったのはA面の最初がBOOGIE BLUESで始まるのですが、この曲はアニタが63年に来日した際のDVD盤“LIVE IN TOKYO '63”のテーマ・ソングとして扱われていて、時は違いますがその時の彼女の動きや表情を思い浮かべながら聴けました。LET ME OFF UPTOWNではアニタとロイの掛け合いで始まるボーカルですが、これが聴いていて実に楽しくアニタのボーカルと肉声トークも聞けて僕にとっては嬉しい1曲です。
A-4のDRUMMIN' MANはイレーヌ・デイとクルーパのドラムのやり取りが楽しい1曲です。彼女での2曲目となるB-2のDRUM BOOGIEではDRUMMIN' MANの時の彼女とは違う印象を受けます。どんなのかというと、ちょっと元気がよくてDRUMMIN'MANの彼女のボーカルの方が僕は好きです。

収録曲
A面/☆1, BOOGIE BLUES/☆2, THAT'S WHAT YOU THINK/☆3, LET ME OFF UPTOWN/◎4, DRUMMIN' MAN/B面/1, TUXED JUNCTION/◎2, DRUM BOOGIE/ #3, KNOCK ME A KISS/4, LEAVE US LEAP (注;☆印=ANITA, ◎印IRENE,#印ROY, 無印はインスト)

GENIE PACEのオリジナルと再発盤(海賊盤?)

2008年11月20日 | 私的Rare盤
JADE/JLP 1001/GENIE PACE/LOVE IN A MIDNIGHT MOOD

この記事は以前の再々投稿です。このアルバムのオリジナルと再発(海賊盤?)の違いが判別しにくいにではないかと思いましたのでレーベルの写真を追加で添付しました。一番下をご覧ください。

今日は会社の飲み買いがあって先程帰宅しました。もう遅くなったということもあり、お酒も入って眠くもあります。
二番煎じになりますが、今日の紹介は以前(去年の11月)のブログの書き直し版です。先日、海外から本アルバムが届きました。届いてみると以外に美盤でレコードも傷みが少なく幸運に喜んだのです。もっともこういうラッキーな事ばかりでもなく思いがけず盤質が悪い事もありますが。本オリジナル盤と以前から所有の再発盤(これがよく分からない再発盤で)オリジナル盤と違うところは深溝があるかないか、レーベルがオリジナルはブラック地にイエローゴールド文字、再発盤はブラック地にシルバー文字ぐらいの違いでしょうか。ジャケット全体の色がやや薄いか濃いか、盤が重量盤かどうかぐらいの違いでしょうか。一昨日の記事TINA LOUISE/IT'S TIME FOR TINAではオリジナルと再発盤の違いがあまりに明らかで判りやすかったのですが、今日のアルバムは再生音もあまり違いはないように思えます。音質の違いは気持ちの持ち方の違い程度かなと言う事で以前から所有の再発盤はJADEから再発されたアルバムではないかと考えているのですが、はっきりとは分かりません。ジャケット写真はオリジナル盤のに差し替えました。本アルバムのジャケットは単色調のジャケットですのでオリジナル盤と再発盤の差が出にくいのですがオリジナルは写真がくっきりしています。音質の差は上記に述べたようによくわからないので音楽だけを楽しむのであれば再発盤でも満足できるのかなとも思います。

以下、以前の内容です。
このアルバムはオリジナルではなく米再発盤、海賊盤という話も聞きますが正規に再発されたものか海賊盤として発売されたものか不詳です。オリジナルが欲しかったのですが縁なく、また再発盤も見かける事がありませんでした。先日ある通販店のリストを見ていると、このアルバムが掲載されており未だ在庫であるようだったので再発盤でも良しとして入手しました。私の現在所有しているアルバムで一番入手期日の新しいアルバムです。彼女GENIE PACEは高校卒業後にタイピストとして1953年にCBSで働き始めました。勤めている間に彼女の父親の友人であるピアニストFRANKIE FROEBAが彼女の歌を聴きその素質に気づきヴォーカルトレーナーのJIMMY RICHに推薦したのが歌の道に入るキッカケでした。彼女はCBSで働きながら歌のレッスンを重ね、1954年にクラブで歌い始めるようになります。そのクラブで本アルバムのレーベルであるJADEのJIM BRIGHTと出会い、本アルバムの吹き込みとなったとライナーノートにあります。ボーカル本にも記述がありますが、彼女はドリス ディとケイ スターに憧れていたらしくその歌い口を知らず習ったようです。その彼女のボーカルですが、しっとりとした歌い口ですが伸び伸びとしたところもあり、また情感に溢れたところもありと実に聴かせてくれるシンガーです。このアルバムを聴き始めると最後までのめり込んしまいます。魂を抜かれるとまでは言いませんが、聴き手に気をそらさせる事はしないシンガーであります。是非聴いていただきたい一枚です。

↓こちらがオリジナルのレーベル写真です。レーベル地色は黒に文字色はゴールドがかったベージュ色というような色合いの文字色で、両面に深溝があります。

↓こちらは再発盤(海賊盤という話も聞きます)のレーベル写真です。レーベル地色は同じく黒で文字色はグレーです。深溝はありません。盤の作りをみると再発盤は英国やイタリアの盤のつくりに酷似していますが、ジャケットはオリジナルと全く同じ作りで。レーベルも文字色の違いと深溝が有る無しの差ですから、この再発盤を非常に状態の良いオリジナルと勘違いする可能性もあるかと思います。ので特にオリジナルを求める場合には要注意ですね。


FRANK METISのアレンジ指揮によるオーケストラ伴奏
収録曲
A面
1, WEE SMALL HOURS
2, MAY I NEVER LOVE AGAIN
3, THE ONE I LOVE BELONGS TO SOMEBODY ELSE
4, I GET ALONG WITHOUT YOU VERY WELL
5, I REMEMBER APRIL
6, ONE FOR MY BABY
B面
1, THE LONESOME ROAD
2, LOVER MAN
3, MY MELENCHOLY BABY
4, I GOT IT BAD AND THAT AIN'T GOOD
5, BODY AND SOUL
6, STREET OF DREAMS

GITTE HAENNING

2008年11月03日 | 女性ボーカルH
DENMARK HMV 45-X 8439/GITTE HAENNING/STORMY WEATHER/7inch

このシングル盤はエクステンドの4曲入りではなく、たったの2曲しか収録されていませんが、その2曲とも彼女の可愛いボーカルでしかもジャズの味わいも詰まっているという秀逸なシングル盤です。このシングル盤に収録されているのは、下に写真を載せたアルバムからの抜粋だと思いますが佳作だけをよくぞピックアップして収録してくれたものだと思います。
上記のアルバムもその成り立ちがよく判らないのですが彼女の若い時から1960年代までの曲の収集したアルバムのようではあります(ライナー・ノートが僕には読解不能であります)。
本シングルはデンマーク盤ですが、片面のSTORMY WEATHERはJOHS.ナントかという人(すみません、よく分かりません)によるアンサンブルでの伴奏、そしてもう一つの片面はオスカー・ペティフォードによる伴奏となっています。オスカー・ペティフォードといえばヘレン・メリルのアルバムが思い浮かぶ僕ですが、その彼がバックを務めているわけですからジャズ・テイストに不足があろうとは思えません。彼女の愛くるしいボーカルで聴ける2曲でした。