ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

どう表現すれば無難だろうかMARIE MOORに思案するの巻

2010年04月27日 | 女性ボーカルM
仏POLYDOR/887 363-7/MARIE MOOR/PRENDS-MOI, PRENDS-MOI/7inch/

この女性シンガーの存在は女性シンガー大百科Vol.2で坂田氏が, CD盤の“AIGRE-DOUCE”を紹介されていましたので知っていましたが、当時は入手しようとか欲しいとかは思いませんでした。最近になってBARNEY WILENのアルバムを物色している時に本アルバムを見かけてあまり財布の事を気にせず入手できる価格だったので一度聴いてみようと購入した一枚です。彼女の事は何にも僕は知りません分かりません。ネットで検索すると、nightly氏の夜ごとの美女で彼女の事に言及されていました。それを読ませていただくと、彼女は当時BARNEY WILENの恋人だったようです。そう思ってアルバムを聴くと興味が増しますが、本アルバムでBARNEY WILENがバックをつとめているとは言うものの彼が吹くのは時々って感じでそれも短い時間で、時にはブウォ~とやって終わりって感じで彼の演奏はあまり楽しめません。というのもこの頃の彼はジャズを離れてパンクロッカーとかと共演していたので、こんなものかとも思います。
ジャケ写真の表と裏で小さな物語になるようにつくられています。一つの恋(或は情事というべきか?)の始まりのようなジャケ仕立てになっているのかと思います。こういう所はフランス物らしく洒落ていますね。MARIE MOORの化粧が西洋風歌舞伎チックなところはあまり馴染めませんが。

パーソナルは、MICHEL MOERS(syns), BARNEY WILEN(sax), JEROME BRAQUE(syns), MICHEL ARICH(g)というメンバーでシンセサイザー2台でピアノとドラムの代わりを演奏しているって感じです。肝心の彼女の歌はあまり上手いとは思えません。器用な素人って感じですが妙に色気があって途中で聴くのを止められないアルバムです。ジャズというよりジャズ+ポップ+ボッサの融合というとカッコ良いのですが、そういうのが混じり合った内容です。アルバムのタイトルの“PRENDS-MOI”は意味が分からなかったので調べると“TAKE ME”という事らしいですが、その単語が連なっているので、僕の解釈としては“連れてって!奪って!”という事かなと感じてます。MARIE MOOR とBARNEY WILENのお二人にお好きにどうぞと言いたい盤でした。なお録音は1988年です。という事はBARNEY WILENが50歳を超えた頃という事ですが、MARIE MOORの生年月日は分からないので当時何歳だったのかも知る事は出来ませんが、写真で見ると何歳ぐらいでしょうか?音楽に関係ない三面記事的内容という事でTHE ENDです。

↓以下は僕自身への参考の為です。BARNEY WILENの公式サイトにあった同じくMARIE MOORとの共演EP盤ですが、こっちの方が僕は興味が湧きますが見かけた事は今まで一度もありません。1983年発売の“FALLING LOVE IN AGAIN”ですが、見かけたことがないもの道理で公式サイトでは、ILLUSIONS VERY RAREとされています。超幻盤ってことでしょうね。持ってないけど日本VENUSのベサメ・ムーチョのジャケ写真の女性も彼女でしょうか?

やっぱりオリジナルは良かった!MONICA ZETTERLUND

2010年04月25日 | 女性ボーカルW,Y,Z
SWEDEN PHILIPS/P 08222L/MONICA ZETTERLUND/WALTS FOR DEBBY/mono

僕の記事の再々追加です。このアルバムを最初にアップしたのは2007年10月19日ですが、当時の再生装置と現在の再生装置が少し変化しています。2007年と比べて変わった部分と言えば、ALTECのウーファーの後方にフンドシをぶら下げて低音をより強くより締まった音を出せるようにした事。POWERアンプの真空管をTELEFUNKEN/EL34からWE350Bにした事。主体として使用しているプリアンプMARANTz#7(内緒ですが昨年後半TELEFUNKEN/ECC83が2本オシャカになってアンプ・ドッグ入りした際に少しいじられたらしい、もはやオリジナルとは言えないかも。詳しくは分からないけれどコンデンサーとか換えたのかな?オリジナルFANの方には失礼します)が内部に変化があったかもの事。の3点です。今晩と言ってももうすぐ日付が変わりますが、久し振りにモニカの本アルバムを聴くと、以前に感じた低音が強すぎるという印象がなく低音がよく効いたスッキリとした再生音ではありませんか。どこがどう作用したのかは僕には分かりませんが結果良しとして嬉しくなったので加筆しています。SONORA盤や日本フォンタナ盤はまだ聴いていませんが、聴いて印象が変わったと思えた時にはまた書き込みさせてもらおうと思います。オリジナル盤の再生音に怪しい部分があったのではなく、それは僕の再生装置が2007年当時はその領域に達していなかったのだと思った次第です。うううぅウレシィ~です。
(以下は以前の内容です)

今日はいわば記事の再発版です。去年の3月25日の記事の上に書き加えました。去年の記事を読んでいただくとお判りいただけると思うのですが、フォンタナの復刻盤は音があまり良くないのではないかという思いがあり出来ればオリジナルを聴いてみたいものだと以前から願っていました。今年になって幸いにも状態の良いオリジナルを入手できましたので聴き比べて感想を報告したいと思います。またオリジナル盤を入手する以前ですがSONORA盤も有ったのでこれも入手し、聴き比べてみました。以下は干しタコ耳のkuirenの感想です。

まずオリジナル盤はさすがに音の輪郭も明解でモニカの声もキレが良く、ピアノ+ベース+ドラムもそれぞれよく録音されていると思います。ただこのオリジナルでも低音が強く入力されていてプリアンプで低音を少し絞って聴いています。低音を絞らなくても聴けるのですが僕の好みでの選択と言うべきかも知れません。モニカの声も素晴らしく良く捉えられていると思います。もちろん音の歪みとかも感じられません。ただ去年と比較すると僕の装置も変わりました。JBL4343→ALTECへ、マイ・パワーアンプが調整中の為に臨時の借り物でALTEC1288, プリはレビンソンLNP-2Lを休ませてマランツ#7という構成になっていますので、去年の音と同じ環境下での再生ではありませんが。
それからオリジナルを入手するまでの間に良く聴いていたオリジナル盤の発売から数年後に出されたSWEDEN/SONORA盤(RED 23)monoです。自分では準オリジナル盤ぐらいのつもりです。がオリジナル盤と聴き比べると違いがあります。再生音はどれも明確な輪郭を描き出すのですがオリジナル盤と比べると低音が適度にカットされています。まとまりが良いのはこのアルバムの方かも知れません。エバンスのピアノをはっきりと聴きたいのなら、このSONORA盤がお薦めです。再生装置で違いが出ると思うので断言できませんが僕の現装置での印象です。ジャケットの写真はこのSONORA盤のが自然な色で印刷され顔色や肌の色が一番白くきれいだと思います。

最後にフォンタナ復刻盤ですが、良く出来た復刻でオリジナルに忠実に近づけた再生音と言えます。ただマスターテープの劣化による音のボヤケというのがあるように思えます。音の輪郭が若干薄くなった感じで、エバンスのピアノ音が一番劣るのがこのアルバムだと思いますが40年以上前のマスターテープからですから致し方ないのではと思います。僕も40年前と比べると相当劣化弱体化しましたから(笑)ジャケット写真はモニカの顔色と肌色が一番紅みを帯びています(それも若干という程度、良く出来ています)。

   *以下は2006年の3月25日のものです。
Monica Zetterlundの“WALTZ FOR DEBBY”1964年録音です。ビルエバンスとの共演で超有名盤ですから、このアルバム自体の説明は必要ないかと思います。本アルバムもオリジナルではなくて最近発売されたフォンタナ/フィリップス幻の名盤シリーズからの1枚です。オリジナルなら今いくらぐらいするのでしょうか?売り物をあまり見た事もないですが。先のリタライスのところでも述べたのですがこのシリーズは何が原因か、私の装置のせいかも知れませんが低音が強調され過ぎているように思えます。聴く時はプリの低音を少し絞って聴いています。でないと低音がぼこぼこと出過ぎて音楽全体のバランスを崩してしまうのです。
彼女はスウェーデンの女優でヴォーカリスト。60年代に来日しているらしい。このアルバムの大半は英語で歌われていますが、当地の民謡をジャズにアレンジしてスウェーデン語で歌った数曲はビル エバンスのセンスも素晴らしいと思いますがモニカの声とスウェーデン語の響きに魅了されます。

パーソナルは、Monica Zetterlund(vo), Bill Evans(p), Chuck Israels(b), Larry Bunker(dr)
収録曲
A面
1.COME RAIN OR COME SHINE
2.JAG VET EN DEJLIG ROSE
3.ONCE UPON A SUMMERTIME
4.SO LONG BIG TIME
5.MONICA VALS(WALTZ FOR DEBBY)
B面
1.LUCKY TO BE ME
2.VINDARNA SUCKA
3.IT COULD HAPPEN TO YOU
4.SOME OTHER TIME
5.OM NATTEN

このモニカもいいでっすぅよ

2010年04月21日 | 私的Rare盤
(Sweden)BFB/BFB1040/MONIKA WAHLBERG/MONIKA WAHLBERG/7inch

スエーデンのモニカと言えば誰しもMONICA ZETTERLUNDがすぐ思い浮かぶとおもいますが、スエーデンにもう一人いるモニカ(MONIKA)です。彼女の事は調べても分かりませんでした。どうもLPの発売もないようです。もしLPが有るとどなたかご存知なら教えていただきたいと思います。彼女モニカのボーカルは、MONICAに決して負けてない魅力有るものです。人によってはMONICAよりこちらのMONIKAの方が好きという人もいるのではないでしょうか。歌唱力もしっかりとしています、そして彼女の最大の魅力は可憐で可愛らしい歌声でしょう。英語で歌っているアルバムが少ない中で、本アルバムは全曲英語で歌っているのも馴染み易いです。ジャケットは一部ラミネートが浮いてやや白濁しているのが惜しいのですが、それでもこのジャケットも雰囲気のあるジャケットです。本アルバムは国内専門店で入手しました。ジャケットの浮きで比較的廉価な設定だったように思います。


GOSTA THESELIUS指揮のオーケストラ或はROLF LARSSON QUARTETT
収録曲/BLUES IN THE NIGHT/CHEEK TO CHEEK/TOO CLOSE FOR COMFORT/IT'S D'LOVELY/
スタンダードを歌っていてどれもいい出来ですよ。あえてお気に入りを言えば僕はCHEEK TO CHEEKとかIT'S D'LOVERYが中でも好きです。
以下はついでに僕の現在所有の彼女のアルバムを列記します。彼女の未入手はあと1枚でBFB1048/ALDRIG PA EN SONDAGですがそのうちにはなんとか入手できるんじゃないかと期待してます。冒頭のアルバムがあれば僕としてはかなり満足できています。


BFB1029/番号からいっても彼女の最初のアルバムでしょう。このアルバムの中では何といってもLET'S LOVEとP.S. I LOVE YOUがお気に入りです。ただし全曲がスエーデン語で歌われています。でも歌い口ガしっかりしてるのに加えてかわゆいんですよね。収録曲/ LET'S LOVE/ DU AR KAR I MEJ/ P.S. I LOVE YOU/ FORST NAR JAG MOTTE DEJ/(注/実際の収録順と表記順が異なります)

こちらはBFB1042/僕の所有MONIKAアルバムの中ではジャケが一番傷んでいる一枚です。収録曲は, MILORD/ OH OH BABY/ TIDIG SERENAD/ NAR NAN GAR IFRAN EN/ このアルバムも全曲スエーデン語で歌われています。ジャケ写真の中でもMONIKAの若さと若い時の美しさが際立つジャケだと感じます。収録曲もどちらかと言うと溌剌としたボーカルです。

BFB1035/このアルバムは、ジャケットも気に入っています。スエーデンってこんな感じなのかと思えるようなジャケ写真という印象です。収録曲は, DET KARLAK/ LULLABYE IN RAGTIME/ SOUVENIRS/ KARLEKSPRAT/ 僕としては4曲中では断然映画“五つのの銅貨”挿入歌として知られている LULLABYE IN RAGTIME が宜しいです。全曲スエーデン語で歌われています。


以上、ジャケットも秀逸で魅力的な彼女のアルバムでした。どのアルバムも20ドルから50ドルぐらいの適価で入手できるんじゃないかと思いますので、どこかで見かけられたら是非聴いてみては如何でしょうか。

これも合同結婚式の1種かな?

2010年04月19日 | 世間話
今、中国青島へ来ています。青島は写真のように霧か、はたまたスモッグかかなり煙っている天気で、日が射さずかなり寒い日が続いています。昨日は日曜日で、日頃の運動不足解消の為に海岸辺を同僚達と歩く事にしました。この海岸沖で北京オリンピックのヨットレースが開催された場所です。東西の海岸辺の歩道を端から端まで歩くと訳40キロ超の長い距離になります。全行程を歩くのはマラソンの距離に近くなるので眺めの良い比較的歩きやすい場所6キロほどを歩きました。歩いていると結婚式を控えたカップルが記念撮影をしています。それも一組二組でなくたくさんたくさんのカップルが撮影しています。撮影に適した場所ですでに撮影開始しているカップルはまだ恵まれた方で場所取りに遅れたカップルは風の当たらない場所で待機しています。朝から化粧着付けして撮影場所を数カ所周り記念撮影して数万元を支払うわけです。どのカップルの映画俳優なみの演技を発揮しています。おそらく日本人ならこんな場所で記念撮影となると尻込みしてしまうのではないでしょうか。

上の写真の岩場にカップルが何組いるでしょう。8組はカップルがいるように見えますが、歩いた海岸沿いには100組以上のこうした撮影隊が寒さをものともせず撮影していました。中には海の中に立ち新婦を抱きかかえている新郎もいました。お疲れさまです、これからもさらなる苦労がつづくけど頑張って下さいと言いたい気持ちでした。

我が家は被占領状態だぁ~!

2010年04月17日 | 世間話
長女に第2子が誕生しました。今後も男の子です。最初の子はもうすぐ3歳になります。毎晩私の隠れ部屋へ来て僕が座るイスを占領し自分でリクライニングにしてリラックスしています。彼のお気に入りはDEXTER GORDON/GETTIN' AROUND。ノリが良くて聴きやすいんでしょうね。僕の本音は夜は早く寝て欲しいのですが出て行けというわけにもいかず我が隠れ部屋への毎晩の小さな訪問客を歓迎しています。真空管のトランスなどは特に危険なので、アンプ類だけには絶対触らせないように気をつけています。コラコラ、そんなに素早く動くから写真がおおボケになっちゃったではないか。

昨日の午前2時前に誕生した第2子です。こうやって写真で見ると本当に赤くて赤ん坊と呼ばれる意味がよく理解できます。今回も長女は超安産でした。午前12時に産科病院入り午前2時前には出産完了でした。娘によると最初の出産時よりも今回の方が少し苦労したという話でしたが、今回は早産の可能性があるという事であまり運動を控えて安静にしていた為と思われます。
 6月には長女に続いて次女が出産で帰省してきます。という事で我が家の賑やかさは当分続きます。

脇美人という事でよろしいでしょうか? SHELLEY MOORE

2010年04月16日 | 女性ボーカルM
英)STARLITE/ST.E.P.1/SHELLEY MOORE/PORTRIT OF SHELLEY/7inch/

数年前に同じSTARLITE盤の彼女の別のEP盤であるTHE COOOL KANARYを入手した頃に、本アルバムをヤフオクで見かけて入手しようかとも思ったけど、予想以上に値が上がったので手を出さずにいたアルバムです。それ以来は見かける事もなく(見逃しはあるかも)数年が経過して、思いもかけずに海外から入手できた一枚です。しかも郵送料の方が高いという.....嬉し泣けるほど安かったです。アルバムの内容は濃度から言えば多分COOOL KANARYがすこっち聴けるように思いますが、こちらもジャケットの魅力では負けていません。レコード番号は本アルバムは1番ですからこっちの方が発売が早かったんでしょうね。


パーソナル/SHELLY MOORE(vo), BILL POVEY(flu, bass clar), JIMMY BUCK(french horn), WALTER HAYWARD(harp), MARTIN SLAVIN(vib), IKE ISAACS(g), COLERIDGE GOODE(b)

収録曲/WHERE IS THE BLUEBIRD?/ EVERYTHING IS GONNA BE ALL RIGHT NOW/ GONE ON THE GUY/ YOU'VE TIED ME UP/

彼女のボーカルはどれも甘いです。辛口好きの人には口に合わないかもしれません。ジャズ・ボーカルをあまりにも期待して聴くと裏切られるかも知れませんから、甘党に人には聴いていただきたい内容です。

整流管MULLARD/GZ32

2010年04月15日 | オーディオ
久しぶりの更新ですが、今日は僕が使っている真空管の一つを紹介します。

どうも僕もブランドに弱いと言われる日本人の一人なんでしょうが、使用している整流管の英国MULLARD/GZ32です。厶ラード、テレフンケン、ウエスタンと聞くとつい触手を伸ばしたくなってしまう僕です。真空管の中でもTELEFUNKEN/ECC83, WE350Bは別格のお気に入りです。こういった真空管のご紹介は次の機会にゆずるとして、このMULLARD/GZ32もお気に入りの管です。整流管を替えると音がかなり変わってくるのはご存知でしょうが、このGZ32は密度が濃く輪郭をくっきりと感じさせながらも香り高い楽音を聴かせてくれると思っています。最初にこのGZ32を聴いてからは気に入ってしまい。、整流管の寿命が一番短いという事で複数セットを予備に入手しました。MULLARDのロゴ入りののペアーを2組と軍用のペアを3組です。真空管は所詮消耗品ですからあまり高価なモノには僕は手が出せません。特にWEの274Bこいつは巷の相場は1本8万ぐらいでしょうか、高過ぎます(怒ってます、俺にも聴かせて欲しい、手が届くところへ降りて来ておくれ)。そういう恐ろしい値を比べるとこのGZ32はその十分の一ぐらいの価格ですから音質と価格で満足指数は相当に高いです。
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上写真の整流管は同じGZ32ですが重症患者でもう治癒不可能です。肺(ガラス面)が黒ずんでしまっていて雑音が発生。なのですぐ交換しました。このヘタッた真空管はアンプに挿したときからちょっと不安定でした。結局使用時間は約3日ぐらいで使用不可状態になってしまいました。音は出ますが使うのは、とても怖いので使用禁止品として飾り物状態です。
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上写真は軍用品番CV593です。どこで厶ラードと判別できるかというとR71/B7A5のファクトリー番号で判ります。ちなみにこの番号は1967年生産でMULLARDのBLACKBURN工場分という事で間違いはないはずと自信はあまりないですがそう思っています。軍用という事で一般販売品と比べて信頼性が高いという事もあるのかなと思いますが、僕にはその違いは全く感じ取る事はできません。

厶ラードという真空管メーカーは1920年に設立され、1927年には早くもオランダPHILIPS傘下に入りしました。1970年には真空管の生産を中止しています。厶ラードというブランドも1988年に消滅してしまいました。レレレッとちょっと待てよ~、最近ではロシア製の厶ラードEL34が売られていたではないかという事ですが、このロシア製の厶ラードEL34はブランド問題でトラブルがあり直近では輸入はされていないようです。既に入荷済分は売られているようです。ロシア製ですから本家のEL34の音には価格も音質も全く及ばないはずです(オリジナルの厶ラードEL34を揃えて聴いた事はありません)WE350Bも揃えるわい、厶ラードのEL34も揃えるわいという程の財力が僕にはありません。話が脱線しましたがこの真空管の続きは後日という事にさせてください。


ANN BURTONのデビュー盤

2010年04月04日 | 私的Rare盤
蘭DECCA/BU70017/ANN BURTON/7inch/

(追記です)
ちょっと驚いた事があります。本アルバムが海外のオークションでなんと1600ドルで落札されていました。(1300ドルは間違いでした) もちろんスリーブも傷みがなく盤は新品同様というセラーの説明内容の8掛で受け取ったとしてもかなりの美品美盤でしょうが、それにしても1600ドルとは。1600ドル出せば赤のROSYも青のROSYもMILLICENT MARTINも楽々入手できるのではと思うのですが、どうしても入手したい人が最低2人いて競うと予想ももしない高額落札となるんでしょうね。多分セラーもビックリそして大喜びしているのではと思います。こういう落札があると二匹目のドジョウ狙いの出品が続きますから、それを安く入手しましょう。


今日のレコードも先日に続いてEP盤です。アン・バートンと言えば蘭ARTONEのBLUE BURTONとBALLADS & BURTONが人気盤でもあり、この2枚があればかなりに足りるのではとも思いますが、本EP盤はそのスリーブ写真の可愛さもあって、これまた人気があるEP盤です。彼女は高田敬三氏の評によると大変芯の強い頑固な面も感じられたと言われていますが、BLUE BURTONジャケ写真の彼女の眉間の皺を見ると頑固そうな印象も受けますし, BALLADS & BURTONの寡黙だけど芯の強そうな感じも同感できる気がするわけです。高田敬三氏といえばつい先日新宿のレコード・ショップで僕が店を出るのとすれ違いに入店されていました。お知り合いのお客と待ち合わせだったようです。氏の見かけた情報はさておき、そういう芯が強く音楽の事では妥協はしない頑固とも言える生真面目な彼女という事らしいですがBLUE BURTONとBALLADS & BURTONの2枚のジャケ写真にはそういう部分が感じられて印象がやや固いんですよね。それに比べると1965年録音の本EP盤の彼女の表情は魅力的で大袈裟に言えば愛くるしささえ感じてしまいます。1965年録音と言えばデビュー盤と言われているBLUE BURTONが1967年ですからLPとしてはこれがデビュー盤でしょうがEP盤も含めたものでは本EP盤がデビュー盤となるわけです。
彼女の歌い口はいつも自然体で感情豊か且つどこかしら温かかみが有ると思うのですが、本EP盤でもその印象は変わりませんが、ちょっと若い彼女を感じることができます。
バックはFRANS ELSENの指揮アレンジによるオーケストラ伴奏ですがジャジーに仕上がっています。SING A RAINBOWは歌詞を噛み締めるように歌われていますが歌詞をとても大切にしたという彼女の持ち味がここでも既に発揮されています。THE WILDEST GAL IN TOWNとMISS ORTIS REGRETSは後の2枚のLPに繋がるような語り歌いで聴けば聴くほどに味が出てくるような2曲で彼女の渋さが感じられます。KANSAS CITYは力強いドラムに乗ってややパンチを効かせて歌っています。この1曲もジャジーで良いのですが彼女らしさという点で言えば少し持ち味からは外れているかもしれません。
が、このジャケ写真と内容だったら納得できるEP盤ではないでしょうか。

収録曲/A面/1, SING A RAINBOW/2, THE WILDEST GAL IN TOWN/B面/1, MISS ORTIS REGRETS/2, KANSAS CITY/