ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

TEST盤

2009年06月27日 | 私的Rare盤
英EMI/ROSEMARY SQUIRES/EVERYTHING'S COMING UP ROSY

テストと言うと小学生の時から嫌いだった僕です。理由はただシンプルに勉強があまり好きではなかったからで、嫌々する事柄に成果が上がるわけもなく小学生から大学を卒業するまで成績はいつも低迷でした。そういう勉強嫌いの僕も高校の時に担任の先生に褒められたのは“kuiren君は毎期成績が芳しくないけど落第するほど悪くないね。このやり方もいいけどもう少し成績を上げて欲しいなぁ~”と言われた事。これはとても効率の良い今でいうエコ的成績の出し方ではなかったかと自画自賛してます(アホです)

そういうテスト嫌いの僕が好きなのは同じテストでもレコードのテスト盤。といっても一般に量産されているレコードと比べるとテスト盤は数枚しかないわけですから、そうそうお目にかかれる代物ではありません。僕が所有しているテスト盤は本アルバムともう1枚RED GARLAND/GROOVYですが、こちらは近年に制作されたACOUSTIC SOUNDS社45回転盤のテスト盤、オリジナルじゃないけどこれもテスト盤の内です。でオリジナルのテスト盤と言えるのはこの赤のROSY1枚きりです。本アルバムの僕なりの感想は、こちらのEVERYTHING'S COMING UP ROSYでご覧下さい。リンク先のアルバムを入手してから半月後ぐらいにこのテスト盤の売物があったのですが先に入手した盤とくらべると価格も似たようなものだったので聴いてみようと買ったわけです。よくテスト盤は音が良いとか言われますが、僕にはその違いは全く判りませんでした。装置のせいかも知れませんがそういうようにしか聴けませんでした。今日あらためて再聴しましたが大差ないです。やっぱり収録内容は抜群に素晴らしいとしか言えません。青のROSYより赤のROSYの方が僕は気に入っているような気がする今日この頃です。
          
テスト盤によく見られるレーベルは手書きの部分が多い簡単なものです。HIS MASTER'S VOICEレーベルではなくEMIレーベルとなっていますが、EMIはElectric and Musical Industries Ltdのことで英コロンビアと英グラモフォン(HMV)が合併してできた会社です。本テスト盤はそのEMIレーベルとなっています。
          
本アルバムは多くのテスト盤がそうであるように片面のみにプレスされています。したがって2枚組です。裏面は上の写真のようにのっぺらぼうな状態。

続 EVE BOSWELLです。

2009年06月26日 | 私的Rare盤
英PARLOPHONE/PMC1038/EVE BOSWELL/SENTIMENTAL EVE/

今日のアルバムも先日に続いてイブ・ボスウェルです。本日のアルバムを持ってイブの代表的な3部作品はほぼ完了と思います。3部作とは、本アルバムとFOLLOWING THE SUN AROUNDSUGAR AND SPICEの3アルバムを意味しているのですが、僕としては本アルバム“SENTIMENTAL EVE”の入手に一番手間取りました。手間は取りましたが価格はリーズナブルな範囲で納得できています。というような経緯でこれを私的レア盤とさせてもらっています。英盤SENTIMENTAL EVEを入手する以前に友人から米CAPITAL/THE WAR YEARSを譲ってもらいそれを聴いていましたので、そちらのアルバムのジャケ写真も下に載せておきます。PARLOPHONE盤とCAPITAL盤どちらも収録内容は同じですが曲順が違います。
          
彼女は1922年ハンガリーのブダペスト生まれで両親がミュージシャンだった為ヨーロッパ中をついて回り、主に学校はスイスで学び第二次大戦の時は戦火を避ける為に南アフリカで移ったとか、その南アフリカでボスウェル・サーカスで働いた時にボスウェルの親族と結婚してイブ・ボスウェルの誕生となり、当地のダンスバンド楽団で歌い始めたのがシンガーとしての始まりです。1950年台初頭にイギリスへ迎えられ後にソロ・シンガーとして英国での地位を確立したのですが、島国の日本ではまず想像できないキャリアです。
          
本アルバムに収録されている曲は第二次大戦中にヒットしたラブ・ソングが歌われています。それで米盤CAPITALではアルバム名もTHE WAR YEARSとして発売されたのでしょう。録音は1957年にロンドンのアビー・ロード・スタジオで行われたと坂田氏が国内盤のライナー・ノートで述べられています、同ライナー中で坂田氏も書かれていますが、彼女の日本での人気がいま一つ上がっていないのはなぜなんでしょうか? 僕が想像するにあまり聴く機会が少なかったからではと想像しています。聴けばその上手さや味わいが理解できると思いますので、きっと日本では紹介される事も少なかったのでしょう。そう言う僕も幼少の頃からドリス・ディーはラジオで聴いて知っていましたし、ルイ・アームストロングも父親の電蓄SP盤でよく聴かされて知っていました。が英国の女性シンガーは今から思えば一人も知りませんでしたしラジオでも英国女性シンガーのはあまり流されていなかったように思います。当時英国のシンガーで知っていると言えばポップ歌手のクリフ・リチャードぐらいでした。(1960年台のお話でした)
 話題が少し外れましたが本題に戻します。本アルバムに収録されている曲は聴きやすく馴染みのある曲が多く、また僕にとってはどこか懐かしいという気持ちになります。彼女の滑らかなボーカルでSENTIMENTAL JOURNEYやAS TIME GOES BYや IT'S BEEN A LONG, LONG TIME等の心温まる曲を聴くと癒されますが、僕はそれらの中でも I'LL BE SEEING YOUやYOU'LL NEVER KNOWを聴くと揺り籠の中でゆったりと揺られながら母親の歌を聴いているような気がしてきます。いいですねぇ~ イブ・ボスウェル.。
          
米CAPITOL/T10140/THE WAR YEARSのジャケット写真で下がそのジャケ裏の写真です。所有のCAPITOL盤は黒レーベルにレインボウ・バンドの米オリジナルかもと思います。ちなみに英盤も米盤も再生音はあまり変わりません。強いて言えば米盤の方は音が少しまろやかかなぁ~と思える程度です。ジャケットは英盤の方が僕は好きですね。米盤のは演出味が強すぎて自分の好みではありません。
          
例によってREG OWEN指揮によるオーケストラ伴奏。
収録曲/A面/1, SENTIMENTAL JOURNEY/2, A LITTLE ON THE LONELY SIDE/3, IT'S BEEN A LONG, LONG TIME/4, I'LL BUY THAT DREAM/5, BESAME MUCHO/6, AS TIME GOES BY/B面/1, I'LL WALK ALONE/2, I KNOW WHY/3, THERE I'VE SAID IT AGAIN/4, YOU'LL NEVER KNOW/5, AMORE/6, I'LL BE SEEING YOU/

(注) 収録曲順は英PARLOPHONEのものです。米盤は, I'LL WALK ALONEで始まりAS TIME GOES BYが最後の曲になっており曲順は全く異なっています。

七転び八起きだぁ~!とは関係なくEVE BOSWELL

2009年06月24日 | 女性ボーカルB
先日長女と孫が帰省してきました。数日を我が家で過ごした後に帰京しましたが、帰京してからメールに添付されていた動画がなんとも彼らしい動画だったので公開します。雨上がりの公園で遊具の周りの水たまりを走り回る彼ですが、予想どおりの結果に・・・。でも、泣くなよ。走り回るのは元気があってよろしい。経験を重ねて大きくなれよ!

英PARLOPHONE/PMD1039/EVE BOSWELL/SUGAR and SPICE/10inch

長女と孫が帰省している間は、ほとんどレコードを聴く時間がとれなかったのですが、ちょっと時間があった時に英PARLOPHONE/EVE BOSWELL/SUGAR and SPICEを聴いていると長女が部屋へ入ってきて“この曲いいわねぇ~”と言ったのがA面-2のSANTA LUCIAです。この曲もいいのですが、僕はB面-1のONCE IN A WHILE辺りが厶ーディーで好きなんです。どの曲がお気に入りとかは敢えて言っている感じもあるのですがA面1曲目のYOU GO TO MY HEADから彼女の柔らかいボーカルが流れるとそのやさしさと包容力に聴き入ってしまうと思います。伴奏はPARLOPHON盤/SENTIMENTAL EVEと同じREG OWEN指揮によるオーケストラ伴奏です。

収録曲/A面/1, YOU GO TO MY HEAD/2, SANTA LUCIA/3, MEXICAN HAT DANCE/4, APRIL IN PORTUGAL/5, SARIES MARAIS/B面/1, ONCE IN A WHILE/2, AUTUMN LEAVES/ 3, ANNA/4, GYPSY MOON/5, AUF WIEDERSEHEN MY DEAR/

針交換すると不思議な事が・・・起こる

2009年06月19日 | オーディオ
今晩はモノラルのDL102の針を交換しました。前回の交換が今年の1月2日ですから半年近く経過した為ですが、それよりも気になった事があったのです。DL102は以前から針と盤面との距離が比較的近く67camperさんが言うところのややシャコ短気味なカートリッジですが、ここ数日ほどそのシャコ短具合がひどくなったので子細に観察してみるとカンチレバーの根元部分、ダンパーっていうんでしょうか、それがへたって極端なシャコ短になっていました。冒頭の写真が新品(左)と極端なシャコ短になり今回交換したカートリッジ(右)の写真です。比べればその違いがお分かりいただけると思うのと同時にここまでなるまでに使っていた僕の無神経ぶりに自分で自分を叱ってやりたいです。

それで針(カートリッジ全体の交換)を交換してから数枚のレコードを聴いたのですが、最初がEMARCY/MG36005/CLIFFORD BROWNで僕が所有しているEMARCY盤の中でブルー・レーベルにシルバーリングのある盤ですが、針交換後はチリ音が格段に少なくなりました。まるでレコードのグレードがワンランク上がったみたいです。さらにもう一つびっくりした嬉しい事がGRAND AWARD盤/LYNN TAYLORを久しぶりに聴いてみると、何と以前に感じられた風邪引きの兆候が感じられないじゃありませんか。これには本当に嬉しいやらびっくりしました。やはり針がくたびれてくるといろんな部分に悪影響が出てくるんですね。

前回交換が1月2日、今日の交換が6月19日で次回交換はもっと早めに10月末ぐらいを想定しているのですが、今回の針はいつまで頑張ってくれるでしょうか。ほぼ毎日2時間から3時間ぐらい聴いてひと月に約23日ぐらいは聴いていますから月58時間とすると半年で348時間ですから、もっと早く換えるべきかもしれませんね。針先の摩耗よりもカンチレバーの根元部分のへたりにもっと注意しておきたいと思います。

ソウルの女王ジャズを歌う?

2009年06月18日 | 女性ボーカルF
COLUMBIA/CL1612/ARETHA FRANKLIN/WITH THE RAY BRYANT TRIO/

アレサ・フランクリンといえば記憶に新しいところでは今年の1月にオバマ大統領の就任式式典で歌うという栄誉を得たシンガーですが、僕にとっては高校生の頃にオーティス・レディングと並んでソウル・シンガーとして当時から双璧の存在でした。レディングの“ドック・オブ・ザ・ベイ”とアレサの"明日にかける橋”はどちらも印象に残っている曲です。日本でもラジオの深夜放送ではよく曲が流れていました。レディングの“ドック・オブ・ザ・ベイ”は今で言うクラブ(昔はディスコと称してしたものですが)でもよくかけられていたように思います。アレサのアーシーで魂を鷲掴みにされるような歌い方にFMラジオで聴き入っていたものです。
          
本アルバムはそういうどんな曲を歌っても立派なソウルになってしまうアレサがレイ・ブライアント・トリオを歌伴にしてジャズ(?)も歌ったアルバムです。1960年と1961年に録音され1961年に発売になった本アルバムですが、彼女のLPとしては2枚目のアルバムとなります。当時の彼女は18歳という事になりますが、すでに風格ある歌い口をしていることに驚かされます。アレサは当初はこのCOLUMBIAからアルバムを出したのですが、それは成功とは言えず後の'67年にアトランティックに移ってから人気が出たわけです。本アルバムは当時のCOLUMBIAがポップ&ジャズ・シンガーとして売り出そうとして企画したアルバムらしく, あまり受けず裏目に出たんでしょうね。いま聴けば決して悪くないアルバムなんですが。
          
ピアノ伴奏は主にはレイ・ブライアントですがアレサ自身も数曲でピアノを弾き語りしています。収録曲の内容ですが、WON'T BE LONGはアップテンポでソウルの味わいの方が強いかなという1曲、OVER THE RAINBOWが本アルバムでの一番の聴きものでアレサの伸びのあるボーカルでスローテンポで前半は抑えながら歌っています、後半はますます伸びやかにゴスペル的味わいも感じられます、僕のお気に入りの1曲です。LOVE IS THE ONLY THINGSとSWEET LOVERあたりはソウルの味わいの方が勝っているようです。WHO NEEDS YOU?/ARE YOU SURE/MAYBE I'M A FOOLの3曲ではアレサ自身がピアノを弾いています。続いてのお気に入りであるRIGHT NOWはアレサの持ち味が存分に味わえる佳曲ではないでしょうか。ARE YOU SURE/MAYBE I'M A FOOL/IT AIN'T NECESSARILY SOあたりはどう聴いてもソウルの女王が歌った曲となっています。BY MYSELFはアレサ節が再び炸裂していますが, こういう彼女ならではのBY MYSELFも良いですよ。最近はニッキ・パロットのようにあっさりとした歌い口が好まれる時代のように思えますが、たまにはアレサのように個性が強く味が濃いボーカルを聴くのもいいもんですね。

収録曲A面/1, WON'T BE LONG/2, OVER THE RAINBOW/3, LOVE IS THE ONLY THING/4, SWEET LOVER/5, ALL NIGHT LONG/6, WHO NEED YOU?/ B面/1, RIGHT NOW/2, ARE YOU SURE/3, MAYBE I'M FOOL/4, IT'S AIN'T NECESSARILY SO/5, BY MYSELF/6, TOAY I SING THE BLUES/

ANNIEの特にお気に入りジャケ

2009年06月06日 | 私的Rare盤
英NIXA/NJE.1035/ANNIE ROSS/NOCTURNE FOR VOCALIST/7inch

このEP盤は2連続KO負けをくらって三度目にベルトを奪還したというような一品です。というのは国内で最初に見かけた時は高額で手が出せずに見送りで初戦敗退。二度目は海外遠征したけれど敢えなくアウェーでノックアウト負けという感じ。三連続KO負けは引退を意味するという事で三度目の試合でようやく辛勝できたというような戦績で入手できました。(大きな声では言えませんが僕が入手した7インチ盤では2番目の高額入手盤でした) 誰がなんと言っても、僕にはこのモノクロのスリーブ写真には引き込まれるような魅力を感じます。
本盤は1956年の8月28日録音と記されてしますが、その前日にはNIXAの“ANNIE BY CANDLELIGHT”に収録された曲の録音が行われています。メンバーも全く同じなのですが, “BY CANDLELIGHT”には収録されていない4曲が本盤には収録されているわけです。その4曲の内容ですが、1曲目のPLEASE DON'T TALK ABOUT ME WHEN I'M GONEはスイング感に溢れた1曲でノリ良く歌われています。最後に彼女がGOOD BYEと裏声で叫ぶのが泣かせます。2曲目の“SKYLARK”抑えた曲調で歌われています。3曲目のMANHATTAN、リー・ワイリーが歌う同曲とは味の異なる小気味よいアニー姐の曲も聴き応えがあります。特にアレンジに特徴があるように思います。4曲目のI'VE TOLD EVERY LITTLE STARは曲の終盤に同じようなフレーズを繰り返しながらエンドとなるのですが単語を少しずつ変えて歌っているというか語っているように歌っているのが歌詞の内容と相まって魅力的です。それぞれに聴けるのですが、このAサイドとBサイドのどちらかだけしか聴けないとなれば、僕は迷うながらもBサイドを所望すると思います。
パーソナル:ANNIE ROSS(vo), TONY CROMBIE(p), ROY PLUMMER(g), BOB BURNS(clr), LENNIE BUSH(b)
収録曲/A面/PLEASE DON'T TALK ABOUT ME WHEN I'M GONE/ SKYLARK/B面/ MANHATTAN/ I'VE TOLD EVERY LITTLE STAR

*追記:NOCTURNE FOR VOCALIST/7inch盤とANNIE BY CANDLELIGHT/10inch盤のを合わせて収録したLPがPYE GOLDEN GUINEA/GGL0316/ANNIE BY CANDLELIGHTとして発売されています。下にそのジャケットの写真をつけ加えておきます。