ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

防戦中

2007年12月29日 | 世間話
WESTMINSTER/XWN-18452/TCHAIKOVSKY/NUTCRACKER SUITE & PIANO CONCERTO No.1/

昨晩は会社の忘年会で飲み過ぎて, 今日になって飲み過ぎを反省しています。
今週の始め頃から嫁さんがインフルエンザにかかり熱がかなり出てダウン、今日になってもまだ熱がある状態で食事もとれず昨日からは点滴を受けています。嫁さんにダウンされると途端に弱ってくるのが平素は何もしない出来ない亭主というわけで、掃除・洗濯・食事の準備(といってもスーパーでおかずを買ってくる程度)・食事の後片づけとかなりバテてきました。
中国でSARSが流行した時に、未だその事を知らない僕は広州へ出張して歩き回っていましたし、その後に渡航延期勧告が出された時も北京やその周辺をうろうろしていましたが、その時よりも気をつけています。インフルエンザをうつされないように昼間も就寝時もマスクを着用しているので, 耳の後ろがマスクのゴムヒモで痛くなってきました。今晩には次女が帰省してきますし、年が明けると長女夫妻も来ますので風邪を引いて迎えるわけにはいかず、僕も長男も厳戒体制です。というわけでしばらく一週間ほどはブログの記事は書けそうもありません。我儘で申し訳ありませんが, ご容赦ください。

* 皆さん よいお正月をお迎えくださいませ

BEVERLY SHAW

2007年12月26日 | 女性ボーカルS
CLUB LAUREL/CLR 1001/BEVERLY SHAW/SONGS “TAILORED TO YOUR TASTE”/

今日は変わり種のアルバムです。このジャケットを見ても普通じゃないと感じられた方が多いと思いますが、ジャケットがメタリック仕上げになっているという凝ったものです。ですから見る角度で見えたり輝いたりするというジャケットです。正面から写真を撮った冒頭の一枚は見にくい部分もあるので, 別の角度から撮った一枚も下に載せておきます。
このビヴァリー・ショーと言うシンガーの経歴は知りません分かりません。'50年代にロスのフラミンゴクラブで歌っていたクラブ・シンガーですが、数年後にローレルというクラブを買い取りオーナー兼クラブ・シンガーとして十数年は活動したらしいですが、クラブ・ローレルのオーナーになった頃が絶頂期だったのでしょう。自分でアルバムを制作して販売したただ一枚のレコードが本アルバムです。ですからレーベルもずばり“クラブ・ローレル”です。ただ結構売れたらしく3万枚超が売れたとQUEER MUSIC HERITAGEには書かれていましたが、ご覧になると分かると思いますが, このページの主もちょいと趣味が違う男性のように思えます。ビヴァリー・ショーはどうも女性がお好みだったようで、そういう思いでジャケットを眺めるとマニッシュな服装もサマになっています。それにこのドハデハデのアルバム・ジャケットとくれば趣味が異界な女性であるとの状況証拠は揃ったでしょうか。とここまで書いたことはQUEER MUSICにほとんど書かれております。というのもライナー・ノートには知りたい事柄は書かれておらず褒め言葉ばかりが羅列された内容で読む必要は有りません。

本アルバムの内容ですが、まるで聴けないような危うい世界のボーカルかというとそうでもなくクラブの雰囲気が味わえるボーカル・アルバムです。彼女のボーカルですが少しベタつくような甘さのある声質でこれは好き嫌いが分かれるかも知れません。バックの演奏陣の事は僕は知りませんが、少し一本調子のような演奏に思えます。特にドラムは変化が少なくどうなんだろうなぁと思えますが、ピアノはボーカルに添ってイイ演奏しています。彼女の歌い回しは経歴どおり典型的なクラブ・シンガーのように思えます。多分彼女は歌を歌いながらウインクしたり流し目をしてクラブに集うお客を引きつけようとしていたのではないかと想像してしまうのですが、ボーカルの基礎はしっかりしてタダのマダム芸には終わっていません。このアルバムを収録したのは何年とか彼女が何歳の時とかが判らないのですが, 低音部分を歌う時に少し歳を重ねたようなところが見受けられます。クラブを買ってからの収録を考えると若くしてクラブが買えるわけではないと思いますので20歳30歳での録音ではなさそうです。経験を積んだのちに習得できるであろう有り余る色気というのをそのボーカルから感じられるアルバムです。B-2のCANADIAN SUNSET やB-4のJUST IN TIME あたりがバックの演奏もスイングして聴けます。B-6のWHERE DID THE NIGHT GOも声域が彼女に合っているのかこれはやや爽やかに終いを締めた良い曲です。


パーソナル:BEVERLY SHAW(vo), JAMES MCDONALD TRIO
収録曲
A面
1, I'M NOBODY'S BABY
2, IT'S ALL IN THE GAME
3, JEZEBEL
4, HONEY SUCKLE ROSE
5, DAY IN DAY OUT
6, SOMETHING I DREAMED LAST NIGHT
B面
1, LITTLE GIRL BLUE
2, CANADIAN SUNSET
3, SECRET LOVE
4, JUST IN TIME
5, UNCHANDE MELODY
6, WHERE DID THE NIGHT GO

BLOSSOM DEARIE

2007年12月25日 | 女性ボーカルD
BARCLAY/88001・74017/BLOSSOM DEARIE/BLOSSOM DEARIE PLAY“APRIL IN PARIS”(FRESH SOUND FSR-555)

ちょいと舌足らずな感じと囁きかけるような甘いヴォイスが魅力のブロッサム・ディアリーですが、本アルバムはボーカル無しのピアニストとしての彼女のです。ニューヨークに生まれて子供の頃からクラシック・ピアノを習っていたのがティーン時にジャズに転向し, 1952年にパリへ出て行きブルー・スターズというボーカルグループで歌ったのがプロとしての第一歩ですが、そのグループによってフランス語で唄われた曲“LULLABY OF BIRDLAND”が録音されたのが1954年。このアルバムはそれから約2年後の1955年・1956年に初のリーダー・アルバムとして録音されたものです。僕の所有盤はオリジナルではなくFS盤ですが、オリジナルは見た事がありません。このアルバムの翌年に人気盤のVERVE/BLOSSOM DEARIEが録音されています。またこのパリ滞在時に知り合ったプレイヤーであり, 本アルバムのバック陣の一人であるフルート、サックス奏者のBOBBY JASPARと後に結婚しています。
本アルバムの彼女のピアノ演奏ですが、結論から言うと“彼女はやっぱりボーカルもあった方がいい、VERVE以降は正解”と思います。彼女のピアノだけを抽出して聴くと少し弱く物足りないのですが、バックのBOBBY JASPARのフルート演奏が良く最後まで聴けるアルバムにはなっているように思えます。軽いカクテルピアノと思って聴けばイイんだろうかと思いますが、じっくりと聴きたい派には不向きかも知れません。

パーソナル:BLOSSOM DEARIE(p), BOBBY JASPAR(fl), BENOIT QUERSIN(b), CHRISTIAN GARROS(ds)1956年録音/主にA面
      BLOSSOM DEARIE(p), HERMAN GARST(b), BERNARD PLANCHENAULT(ds) 1955年録音/主にB面
A面
1, OLD DEVIL MOON
2, AUTUMN IN NEW YORK
3, FLAMINGO
4, THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU
5, THE CONTINENTAL
6, THE BODY NEXT DOOR
B面
1, THEY CAN'T TAKE THAT AWAY FROM ME
2, MOONLIGHT SAVING TIME
3, THE SURREY WITH THE FRINGE ON TOP
4, APRIL IN PARIS
5, BLUE MOON
6, DOWN THE DEPTHS OF THE 90th FLOOR

MERRY CHRISTMAS

2007年12月24日 | ジャズ以外
DECCA/SDW-10047/BING CROSBY/MERRY CHRISTMAS/国内テイチク盤

こんばんは、そしてメリークリスマス!です。最近のクリスマス・イブは昔と比べると随分と静かになったように思います。僕が小中学生の頃は今晩に街を歩くと赤い三角帽をかぶった上機嫌のおじさんが肩を組みながらフラフラと歩いていたのですが、そういう愛すべきおじさん芸も最近は見かける事が少なくなりました(笑)。ロースト・チキンもこの時でないと食卓にはのりませんでした。妹達と取り合いをして兄貴の立場を充分に発揮していた了見の狭い兄でした。
今晩はイブなので、僕のクリスマスの思い出深い曲についてです。僕が中学校へ入って二回目のクリスマスが近づいたある日の英語の授業で英語担当のN先生がポータブルレコード・プレイヤーと一枚のEP盤を持って教室へ入って来られました。先生は今日は英語の勉強の中の英語の歌の勉強をすると言って歌詞を教室の全員に配った後に、シンガーと曲の説明をしてくれました。それがビング・クロスビーの“ホワイト・クリスマス”だったのです。それからの3時限の英語の授業はもっぱら歌の練習でした。他のクラスの口悪連中からは「おめえらのクラスはええのう~、英語の授業で歌うたょんじゃけんの~」と言われてましたが、つごう3時限も練習するとさすがに歌詞も覚えてしまい、いつの間にか歌えるようになっていました。N先生ありがとうございました。この歌を聴くとクリスマスと, 何となく胸がもやもやとした中学生時代を思い出します。
このホワイト・クリスマスは、女性が歌うよりもやはり男性が唄う方が僕にはピンとくるわけです。遠く離れたところで一人クリスマスを迎える男が、家族を想い、家庭団欒を望み今日はクリスマスだからみんな仲良く幸せに過ごしておくれと願っている歌だとN先生からは聞きましたが、戦地にいる男が家族への思いを歌った曲だったでしょうか?そんな記憶があります。

収録曲
1, WHITE CHRISTMAS 2, JINGLE BELLS 3, SILENT NIGHT 4, SANTA CLAUS IS COMIN' TOWN

↓下のは同じ曲を歌っているパット・ブーンの10インチのアルバムです。ビングクロスビーのが良かったので。こちらも聴いてみようと入手したような憶えがあります。
こちらは、DOT/DOT-4001/PAT BOONE/WHITE CHRISTMAS/10inch/国内ビクター盤

収録曲
1, WHITE CHRISTMAS 2, JINGLE BELLS 3,ADESTE FIDELES 4, SANTA CLAUS IS COMING TO TOWN 5, SILENT NIGHT 6, O HOLY NIGHT 7, THE FIRST NOEL 8, HERE COMES SANTA CLAUS

DONNA BROOKS

2007年12月23日 | 女性ボーカルB
DAWN/DLP-1105/DONNA BROOKS/I'LL TAKE ROMANCE/

マイナー・レーベルのDAWN盤の本アルバムは以前はフレッシュサウンド盤で聴いていたのですが、後にオリジナルを入手したので改めて聴き直しています。彼女の生年とか出身地とかは僕は知りません。あまり資料がないシンガーの一人ではないでしょうか、どなたか詳しい方がいらっしゃれば教えていただきたいと思います。ライナーノートには両親は彼女を将来のオペラ歌手としてボーカルを学ばせていたらしいですが、本人にはその気がなくジャズ・シンガーになったようです。
彼女の声質ですがハスキーなボーカルが好みの方には外せないシンガーです。絶妙の枯れ具合というかハスキーボイスなんですがしっとりとした味わいもあり心地よいボーカルと思います。特に低音のハスキーな発声とそれをビブラートさせずに聴かせるあたりがストレートな魅力なんだろうかと感じます。
本アルバムはスタンダード・バラード中心の選曲となっていて, どこかのお洒落れなバーあたりで飲みながら、このアルバムを聴かせてもらいつつ酩酊していきたい感じです。バックの演奏者は僕は聴いた事がなく知らないのですがALEX SMITHのピアノ伴奏もボーカルによく添っています。ANGELO PAOLIのドラムの音がどのパーツのもよく聴こえてきて録音は良いです。アルバムの表題にもなっているA-1のI'LL TAKE ROMANCEもよいですが、A-3のOLD FOLKSやA-4のI DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WASが僕はさらに好きなようです。B-2のA STRANGER IN TOWNやB-3のTHE LAMP IS LOWも好きですね。僕のお気に入り以外の曲もこのアルバムの全曲はじっくりと聴いて楽しめる好盤と思います。(以前記事にしていたのですが、色々と書き足して再登場です)

こちらが最初に入手したフレッシュ・サウンド盤です→
このFS盤とオリジナルのジャケットの違いは割り付けも多少違いますが、題字の色の濃さが全く違います。再生音はこちらも悪くないです。オリジナルとの違いはこのFS盤の方が高音が強調された再生音のように思います。

パーソナル:DONNA BROOKS(vo), ALEX SMITH(p), PAUL WORTHINGTON(b). ANGELO PAOLI(ds)
収録曲
A面
1, I'LL TAKE ROMANCE
2, FULL MOON AND EMPTY ARMS
3, OLD FOLKS
4, I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS
5, YOU'RE NEARER
6, YOU'LD BE SO NICE TO COME HOME TO
B面
1, YOU MAKE ME FEEL SO YOUNG
2, A STRANGER IN TOWN
3, THE LAMP IS LOW
4, AN OCCASIONAL MAN
5, LOVE IS A FOOL
6, YOU CAN A LONG WAY FROM ST. LOUIS

MARIA COLE

2007年12月22日 | 女性ボーカルC
KAPP/KL-102/MARIA COLE/A GIRL THEY CALL MARIA/10inch

本アルバムのシンガー“マリア・コール”は皆さんよくご存知のナット・キング・コールの2番目の奥さんでナタリー・コールの母親です。彼女は1922年ボストン生まれで、MARIA ELLINGTONが旧姓ですがDUKE ELLINGTONとは関係ありません。彼女は長じてビッグバンド・シンガーとして活動していました。ナット・キング・コールは大変な野球ファンでロスのドジャースのボックス席をずっとキープしていたそうですが、ロス滞在中のナイトクラブで彼女と出会い結婚に至ったわけです。彼女の両親は彼が“黒すぎる”という理由で反対したのですが彼等は結婚に踏み切りナタリーとキャロラインの二人の娘が誕生し、その後も男子に恵まれました(何人かは忘れました)。余談ですが彼女の夫のコールは1956年、白人優勢主義者によってステージでライブ中に襲撃もされていますから、当時の差別というのは今では想像もできないような過激なものだったんでしょう。
本アルバムはマリア・コールのアルバムの中でも初期のアルバムだと思いますが、僕にはファースト・アルバムだとかは確認できませんが結婚後のアルバムであるのは間違いないようですから, 1950年台にレコーディングされたと推察しています。このジャケットの彼女の写真はあまり美人とは言い難い感じを受けるのですが鼻筋とかナタリーコールに受け継がれているようです。ジャケット全体の色が赤っぽいのも彼女にとっては逆効果になっているかなと思います。
彼女のボーカルですがどことなくキング・コールに似ているところが感じられる僕です。やや低い声であまり力ず軽く柔らかく歌っているところが女キング・コールという印象を受けるのですが如何でしょうか。本アルバムのバックの演奏者はライナー・ノートに書かれていないので僕には判りませんが、ギターとピアノ、ベースを主とした編成にオーケストラのストリングが加わっています。僕のお気に入りはA-1のIT'S THE TALK OF THE TOWNやA-3のDARN THAT DREAMはしっとりと聴けます。B-1のTHERE MUST BE A WAYあたりも悪くありません。このアルバムを通して歌い口はしっとりと静かに歌われていて同じ曲調に思えるのがこのアルバムの唯一の難です、調子の違う曲を合間に入れれば変化が出てもっとよかったのにと、選曲とアレンジに対して残念に思えるところもあります。でもこの特徴がないのが彼女の特徴なのかも知れません。ジャケット裏の曲紹介と実際の収録順が全然違いますが、これも結構あることで別に気になりません。

収録曲
A面
1, IT'S THE TALK OF THE TOWN
2, I WENT OUT OF MY WAY
3, DARN THAT DREAM
4, I SEE YOUR FACE BEFORE ME
B面
1, THERE MUST BE A WAY
2, REMIND ME
3, DO YOU KNOW WHY
4, HERE'S THAT RAINY DAY

WYNTON KELLY

2007年12月21日 | ジャズ全般
VEE JAY/VJLP-3004/WYNTON KELLY/KELLY GREAT/

このアルバムですが、ボーカル以外のアルバムはあまり所有していない僕ですが、彼のピアノ・タッチは好きで複数枚のアルバムを所有しているプレイヤーの一人です。彼の事は僕の薄っぺらな知識よりもよくご存知の方がたくさんいらっしゃいますので、僕の印象に残っている事だけを書かせていただきます。このアルバムは所有目的を持って探したものではなくボーカルアルバムを探している時にショップにあったので他のボーカルアルバムと一緒に購入しました。価格が安かった事もありますが、それも当然で本アルバムはオリジナルではなくレーベルの廻りがレインボー・カラーになっているもので、更にジャケット下部にWATER DAMAGEもすこし有るという代物でした。
このアルバムで気に入って聴くのは, B面の8分18秒の“JUNE NIGHT”で、とにかくカッコいいからというのが理由の第一なんです。もう一つ思い出すのが、恵比寿のライブ・バーで菅野邦彦が, ドラマーの中ではPHILLY JOE JONESが上手いというような事も言っていたように記憶しています。また菅野は自身の作曲で“BLUES FOR KELLY”という曲を作っていて, 彼のアルバム“MUSIC”にも収録されているのですが、菅野はこの曲はKELLYへ捧げる曲ではなくてKELLYの手くせのようなモノという事を語っているのですが、強弱のつけ方などKELLYのタッチと菅野のそれがどこかで結びつくように思えます。
このJUNE NIGHTはジョーンズのドラムから始まるのですが続いてケリーのピアノとリー・モーガンのミュートされたトランペットが加わるのですが、どれも渋くてカッコいいんです。チェンバースのベースもよく弾んで、それぞれのプレーヤーが織りなすプレーに何回聴いたでしょうか。僕としては一番印象に残るのはドラム・プレーでしょうか。

パーソナル:WYNTON KELLY(p), PHILLY JOE JONES(ds), LEE MORGAN(tp), WAYNE SHORTER(ts), PAUL CHAMBERS(b)
収録曲
A面
1, WRINKLES
2, MAMA“G”
B面
1, JUNE NIGHT
2, WHAT KNOW
3, SYDNEY

AXIOM80

2007年12月20日 | オーディオ
先日、AXIOM80のスピーカーを復刻品からオリジナルに替えました、と言うより替えてもらいました。未使用のオリジナルを複数台所有している人がいてその人が1組分を手放したそうで、僕にその話を伝えてもらったのでこの機会を逃してはいつ手にはいるか判らないと思いお願いした次第です。未使用のAXIOM80の音が聴けるとは思っていなかったので、その期待に胸ワクワクでした。スピーカーだけを取り換えに来てくれたのですが、オリジナルのコーン紙のよく動くのには驚きました。フッと息を吹きかけるとオリジナルはグッと動きます。それと比べると復刻品は同じようにしても動きません。このよく動くコーン紙のおかげでよく弾み繊細で密度の高い音が聴けるのでしょうか、僕は理論はよく判りませんがそういう音で鳴り音楽を楽しみ事ができるのは本当に嬉しいです。今の何千万もするようなハイエンド機器も良い音はするのでしょうが、支払う費用と耳にする音楽を比べる事を考えると僕にはそこまでお金をかけなくても充分楽しめるのにと思えます。AXIOM80の写真です↓ ただしこの掲載写真は僕のところのモノではありません。僕のは写真を撮るのを忘れて箱に収まってしまいましたのでNorbert Bayer'sからの無断借り物です。

しかしながらこのスピーカーにその本来の能力を発揮させるのはかなり難しいらしく、まずエンクロージャーを選ぶのとアンプも選ぶ必要があるようです。僕は6RA8のシングル・アンプで鳴らしていますが、その相性には非常に満足しています。オリジナルのAXIOM80の箱の中に説明書が入っていて、その内容の一部にエンクロジャーの図面が3つが掲載されていましたが、実際はその図面どおりのモノを制作しても思うように鳴らないと聞きました。どうも低音がうまく出ないようです。僕のエンクロージャはその図面とは全く違う設計となっています。ともあれ僕のところへ来たAXIOM80のオリジナルですが, 1年後~3年後に馴れてきた頃にはもっと枯れて深みのある音になるのではと楽しみにしています。

今回、いつもオーディオの事でよく話を聞かせてもらう某氏から、これにツイターをつけるとまた別世界の音になるという話を聞いてモノは試しとつけてみました。上に2つ乗っているのがそのツイターですが両方を聴き比べてみて右側のツイターの方が音がやわらかく自然な感じをうけたのでそれを繋いでいます。そのツイターはドーム型ツイターですがメーカー名が分からないという代物ですがドイツ製という事は聞きました。ツイターを付け足した再生音は高域が広がり、不思議なことに低域も以前よりしっかりした印象を受けましたが、その分中域がすこし痩せたように思え、これも一長一短じゃないかと感じます。またツイターを使いこなせてないので結論が出せませんが、抵抗を変えながらいろいろと試してみて納得の音が出ればとの期待感の方が大きい状態です。満足できない時はツイターを外せば済むことですからと気軽に考えるようにしています。

スピーカーを一つ配置する場合の図面→

スピーカーを2つ配置するための図面→

上記の設計図を参考にしてつくられたと思えるユートピア製のエンクロージャーです。キレイな仕上がりのようです。再生音はどうでしょうか、実際に聴いていないので“?”です。


BEVERLY KENNEY

2007年12月19日 | 女性ボーカルK
ROYAL ROOST/LP 2206/BEVERLY KENNEY/SINGS FOR JOHNNY SMITH/

最近どっぷりとお気に入りのビヴァリー・ケニーのファーストレコーデイング・アルバムです。最近入手できた本アルバムですが、これで残すところROYAL ROOST/COME SWING WITH MEが入手できれば彼女のアナログ・アルバム6作がオリジナルで揃う事になり楽しみにしつつ日夜ヒマをみては検索に励んでいます。彼女のどこがいいかと言うといろんなブログ等で語り尽くされているので同じ事を僕が述べるのも気がひけるのですが、僕の最も気に入っているところは力みを感じさせず自然にサラっと歌っているように感じられるところと, 彼女本人は意識してないのでしょうが, 聴く側はその可愛さにやられるんでしょう。彼女は本アルバムのような小編成のバックで歌うのがその魅力がより味わえて一番聴かせてくれると思います。(レコードではなくCDの話になりますが、下にCDの“TEA FOR TWO”が収録されているアルバム“SNUGGLED ON YOUR SHOULDER”の写真を載せましたが、このCDはトニー・タンブレロのピアノ伴奏だけで歌っていて(音源はデモ・テープだったでしょうか?)自然さといえばこのCDの方がもっと自然体で歌っているように感じます)
本アルバムに戻りますが、やはりギターの伴奏というのは女性ボーカルにはよく合いますね。ジョニー・スミスも彼女のボーカルによく添ってもり立てています。このアルバムどの曲も聴けないところはありませんが、気に入っているのはA-3のLOOKING FOR A BOY, この曲コニースティーブンスも可愛いく歌っていますが. こちらのも極上に思えます。A-2のTIS' AUTUMNやA-5のDESTINATION MOONやA-6のBALL AND CHAIN、B-1のALMOST LIKE BEING IN LOVEが本アルバムでの今日現在の一番のお気に入りです。B-3のTHERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU, B-4のTHIS LITTLE TOWN IS PARIS,B-6のSNUGGLED ON YOUR SHOULDERもお気に入りです。再生音はA面の一部で溝の底にすこしチリ音がありますがあまり気になりません。B面はキレイな再生音で彼女の唇や舌の動きを感じながら聴けます。

パーソナル:BEVERLY KENNEY(vo), JOHNNY SMITH(g), BOB PANCOAST(p), KNOBBY TOTAH(b), MOUSIE ALEXANDER(ds)
収録曲
A面
1, SURREY WITH THE FRINGE ON TOP
2, TIS' AUTUMN
3, LOOKING FOR A BOY
4, I'LL KNOW MY LOVE
5, DESTINATION MOON
6, BALL AND CHAIN
B面
1, ALMOST LIKE BEING IN LOVE
2, STAIRWAY TO THE STARS
3, THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU
4, THIS LITTLE TOWN IS PARIS
5, MOE'S BLUES
6, SNUGGLED ON YOUR SHOULDER
↑このCD中の4曲目であるMOE'S BLUESで冒頭に彼女が少し笑ってしまうのですが、その笑声さえも可愛いです。極め付けは続く5のCAN'T GET OUT OF THIS MOODで歌い出しがうまく合わず歌い直すのですが、それさえ含羞んではいるものの楽しそうな雰囲気が伝わってきます。本来ならこういう音源をアルバム化はしないのかも知れませんが、彼女の自然体を一番感じられて僕は好きですね。歌い直すなどとプロにあるまじきとお叱りになりませんように(拝)

ANNIE ROSS

2007年12月18日 | 女性ボーカルR
WORLD PACIFIC/WP-1253/ANNIE ROSS/ANNIE ROSS SINGS A SONG WITH MULLIGAN/1957

今日の内容は以前にアップした記事の色直しです。昨日にこのアルバムを聴いてあらためてイイ内容のアルバムだなぁ~と思ったものですからつけ加えさせていただきます。最初に本アルバムの感想をアップしたのは昨年の5月でしたからそれから既に一年半が経過して、僕のシステムも変更になっています。その結果以前に聴いた印象と今回の聴いた印象がかなり違うので書かせていただきます。一番に違うように思えるのがベースの音でより弾んでさらに曲全体がリズミカルに聴こえます、ですから前よりも楽しく聴けます。それとドラムのハイハットやスネアの音が以前より明瞭に聴こえて, よりジャジーに聴こえます。これはウーファーの変更によるところが大きいのでしょう。ウーファーがALTECに変わってからベースやギターの弦の音がより好みの方向へ近づいてきたと思いますし音が弾んでどれを聴いても楽しいです。また高域用ツイーターであるJBL1505Bも振動板が新らしい時は硬さもあったのが多少馴れてきたのではとも思います。チェット・ベイカーやアート・ファーマーのトランペット、マリガンのバリトン・サックスも以前より柔らかい音とも思えるけれど, しっかりとした硬い音も出せるように思えます。またサックスの音孔を開閉させる音が聞こえてよりリアルに聴こえる気がします。あらためて聴いた本アルバムでの僕のお気に入りはA-2の2, HOW ADOUT YOU・B-1のALL OF YOU・B-2のGIVE ME THE SIMPLE LIFEという曲あたりでしょうか。

*以下は以前の内容です。
彼女は1930年英国サリー生まれで、3歳でニューヨークに移住しニューヨークで女優になるための勉強を始めましたが17歳でイギリスに戻り、その後フランスで歌手として活動したという事です。アメリカに再び戻り次第に世界的にも大きな名声と評価を獲得した。60年代ににはイギリスのテレビやクラブなどでも活躍し72年にクルト・ワイルの三文オペラに出演するなど多方面で活躍したということです。本アルバムは彼女のソロアルバムでは最高の出来栄えと言われている一枚です。彼女のボーカルもさることながら、バックの演奏の顔触れがジェリー・マリガンのサックス、チェット・ベイカーとアート・ファーマーのトランペットが曲を1段と引き立てています。バックの演奏だけでも充分に聴けるアルバムとなっています。アニー・ロスはジャズ・フィーリングをしっかり発揮していて心地良く聴けます。A面の1曲目I FEEL PRETTYの出だしの伴奏と供に始まる彼女のスキャットからもうノリノリで聴けます。お薦めのアルバムの1枚です。アルバム写真の!マークの中に小さく亡霊のように写っているのがGERRY MULLIGANです。

パーソナルは, Annie Ross(vo), GERRY MULLIGAN(bs), ART FARMER(tp), CHET BAKER(tp), BILL CROW, HENRY GRIMES(b), DAVE BAILEY(ds)

収録曲
A面
1, I FEEL PRETTY
2, HOW ADOUT YOU
3, I'VE GROWN ACCUSTOMED TO YOUR FACE
4, THIS TIME THE DREAM'S ON ME
5, LET THERE BE LOVE
B面
1, ALL OF YOU
2, GIVE ME THE SIMPLE LIFE
3, THIS IS ALWAYS
4, BETWEEN THE DEVIL AND THE DEEP BLUE SEA
5, IT DON'T MEAN A THING

MARIA CREUZA

2007年12月17日 | 女性ボーカルC
(BRAZIL)RCA-VICTOR/110.0004/MARIA CREUZA/LESSAO NOSTALGIA/1974/stereo

このマリア・クレウザというシンガーの名前の読み方はクレウザでいいんでしょうか?それともクレウーザでしょうか?よく判らないまま僕はクレウザで憶えてしまってそう読んでいますがクレウーザと読む向きもあるようです。最初にこのジャケットを見た時は若い時の夏木マリに似ているなと思った僕です。連想の対象が古色的なのは僕もそうだからでしょう。彼女はサンバカンソン(ゆったりとしたテンポで演奏されるサンバと言えばヨロシイのでしょうか?)を得意とすると言われているシンガーですが日本にも1974年と1979年とで2度来ています。ヤマハ音楽祭に出場のためでそれぞれ賞をもらったらしいですが, 1974年といえば未だ僕は東京で学生でしたが, あの日に帰りたいです。その来日時に六本木の“ピット・イン”でライブもあったそうですが今から思えば行きたかったですね。でも貧乏学生で行けませんでした。当時の僕には赤坂や六本木は別の世界に近かったです。彼女はジャケットで見るように南米美人で、こういう女性をボニータと表現すればいいのでしょうか(?)。本アルバムは彼女の楚々としたボーカルが感じられて心地よいです。まだ色気を全開にしていない頃のアルバムで、それを小出しにしているところが好感を持てます。彼女の声質はやや高く線が細いような部分もありそれが女性の弱さと儚さを演出しているように思えます。
本アルバムでの僕のお気に入りは, 出だしのA-1のPARA FALAR A VERDADEの朴訥とした歌い回しというかやや寂しげなボーカルがかなりのお気に入りです。A-5の5, DE CONVERSA EM CONVERSAも単語の端々にほのかな色気が感じられてたまらない曲です。ギター伴奏が印象的なB-2/COM ACUCAR COM AFETO, 本アルバムの中で一番アップテンポで歌われるB-5のPE DE VALSAや続くB-6のCOM QUE ROUPAも楽しく歌われています、こういう音楽を聴きながら現地の海岸べりの木陰で昼寝をしてみたいという気になります。

LADO-A
1, PARA FALAR A VERDADE
2, VUNGANCA
3, LUZ NEGRA--O SOL NASCERA
4, DUAS CONTAS
5, DE CONVERSA EM CONVERSA
6, NO MEIO DA FESTA
7, SESSAO NOSTALGIA
LADO-B
1, DESMAZELO
2, COM ACUCAR COM AFETO
3, NINGUEM ME AMA
4, O QUE TINHA DE SER
5, PE DE VALSA
6, COM QUE ROUPA
7, PRA DIZER ADEUS

JERRI WINTERS

2007年12月16日 | 女性ボーカルW,Y,Z
FRATERNITY/F-1001/JERRI WINTERS/WINTER'S HERE/

仕事の都合で久しく更新ができませんでした。
先日からCYUGOKUへ行っていたのですが、最近古くて新しい事に気がつきました。この国の都市を歩いていると歩道や陸橋でよく吐かれた反吐を見かけます。以前はそう思わなかったのですが、今回時間があった時に某デパートへ行きウインド・ショッピングをして帰ろうと降りるエスカレーターに乗っていた時に、僕の後方2~3段に小学生ぐらいの男の子とお母さんが乗っていました。エスカレーターが中段あたりまで降りて来た時に、子供が“お母さん、気持ちが悪い~、吐きそう~”との声が聞こえました。僕はとっさに来たなと思ってエスカレーターを駆け降りた瞬間に子供が激しく吐いてしまいました。子供の前にいたオバサンはそのおかげを被ってしまいました。こういう事は彼の国では特に珍しい事ではありません。以前は気にならなかったのですが、今回はなぜそんなに嘔吐する人が多いのかと考えましたが、僕の推測ではやはり食べてはいけないものを食べているんじゃないかと思いました。本人は知らないけれど屋台や小さな店では衛生管理はかなりズサンで賞味期限もあろうはずもなく、食べない方が良い食物も提供されているのでは思うに至りました、そうでなければあんなにも多くの反吐があちこちにはないのではないかと思います。でも彼等はタフです、反吐を吐いた後はケロリとして元気を取り戻します。人間が本来持つ自己防衛能力の一つでしょうか。

今日の本題ですが、以前に紹介したジェリ・ウィンタースのファースト・アルバムであるWINTER'S HERE(1955)です。このFRATERNITYというレーベルはあまり聞かないのですがシンシナティの会社でアルバム番号からいうと本アルバムが第一号の発売アルバムではないでしょうか。ネットで見るとF-1001からF-1028までのアルバムが有るようですがジャズ専門レーベルというわけでもなさそうです。彼女の2ndアルバム/BETHLEHEM/SOMEBODY LOVES MEやCHARLIE PARKER/WINTERS AGAINの方が人気があるのかも知れませんが、僕は本アルバムも好きで彼女の太めで低く安心感を与えてくれるボーカルを時々は聴きたくなるわけです。本アルバムのジャケットは素っ気ないデザインであまりにもシンプル過ぎて物足りませんが、彼女のアルバムのジャケットは僕の好みではないのが多くそれが残念です。“SOMEBODY LOVES ME”のジャケットも彼女を座らせている為に魅力半減と感じています。本アルバムの内容ですが録音は悪くありません。DON COATAアレンジによるオーケストラ伴奏とクィンテット伴奏とに分かれているようですが詳しくは判りません。やはりクィンテット伴奏による曲が歯切れが良くてよりリズミカルに聴けます。リズムギターの音とトロンボーン(BILLY BYERS)の伴奏も魅力的で、またチャイム(と言えば良いのでしょうか?)の音が効果的に使われています。このチャイムの音の高音がとても澄んだ音に聴こえ彼女の低い声に良く添った音色だと思います。僕の本アルバムでのお気に入り曲は順不同ですが“I COULD WRITE A BOOK”・“THE THRILL IS GONE”・“ALONG WITH ME”・“DON'T TAKE YOUR MEANNESS”・“IN LOVE IN VAIN”あたりの曲です。ジャケット写真が白地が多く物足りないのでジャケ裏の彼女の顔写真を下に載せておきます。

収録曲
A面
1, LIKE SOMEONE IN LOVE
2, DON'T TAKE YOUR MEANNESS
3, OH, YOU CRAZY MOON
4, IN LOVE IN VAIN
5, BLAH, BLAH, BLAH
6, THE WORLD IS YOUR BALLOON
B面
1, THIS TIME THE DREAM'S ON ME
2, THE THRILL IS GONE
3, SPRING CAN REALLY HANG YOU UP THE MOST
4, ALONG WITH ME
5, HERE I AM IN LOVE AGAIN
6, I COULD WRITE A BOOK


お知らせ 白鳥の湖

2007年12月05日 | ジャズ以外
CLUMBIA/M 30056/LEONARD BERNSTEIN/ SWAN LAKE BALLET

こんばんは
しばらく更新ができず訪問していただいている方には大変失礼しています。
先週から叔父の不幸や次女の縁談と手抜きするわけにはいかない事柄が続いており、昨日は久し振りに大遅刻して出勤してしまいました(恥)。また明日からは中国へ出張です。どういうわけか忙しい時はますます集中してしまうというのはなぜなのかと思いますが、昔からの繰り返しですからこんなモンと受けとめています。

じっくりと音楽を聴く余裕を失っております。ということで全くジャズとは無縁のアルバムですがニューヨーク・フィル・ハーモニーとレナード・バーンスタイン指揮による“白鳥の湖”です。ジャズの事も大して詳しくない僕ですから、ことクラシックとなると中学校の時代に朝の掃除の時間に構内放送で聴かされた音楽ぐらいしか馴染がないジャンルです。このジャケットのニューヨーク・シティー・バレー団のVIOLETTE VERDAYによる素晴らしい白鳥をご覧くださいませ。

*しばらく更新できません。今月16日から更新再開の予定です。