ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

数あるDINAH W.の中でお薦めアルバムの一つがコレ!?

2010年07月26日 | 女性ボーカルW,Y,Z
EMARCY/MG36011/DINAH WASHINGTON/FOR THOSE IN LOVE/1955年

ブルースの女王ダイナ・ワシントンの数あるアルバムの中でも僕のお気に入りの一枚“FOR THOSE IN LOVE”。そのブルースの女王が歌うジャズ・アルバムでは“AFTER HOURS WITH MISS D/” やクリフォード・ブラウンとの共演盤“DINAH JAMS”ももちろん文句はないのですが、本アルバムもそれ等に劣らぬジャズ・アルバムとしての名盤。
昔は国内盤で聴いていたのだが、WYNTON KELLYのを探していた時に出会ったアルバムでオリジナルでもあったし、且つ安かったので(50人ぐらいのGeorge Washingtonだったと思う)即買いしたアルバム。それで届いたのがシルバー・リムのオリジナルでかなり嬉しくちょっと驚いた次第。
彼女のボーカルには独特のクセがあってそれが好きでないという人もいると思う。僕も最初はちょっと馴染めない感じもあったが、それが今は全くない、それどころか人によってはその馴染めない部分こそが彼女の魅力なのだと今では思う。彼女のヴォーカル、人によっては甲高い声という人もあるだろう。でもその良く伸びる高音で天を真っ二つに切り裂くようなヴォーカルは快感である。加えてフレージングの巧みさと滑らかさ,精密さは流石と感じさせられる。国内盤に替わって入手した本アルバムだが思いがけずの1stオリジナル盤で加えて非常にキレイな盤面で僕の所有しているEMARCYの他のオリジナル盤とくらべても本アルバムの盤面が一番キレイ。気になるチリパチ雑音もなく、ターン・テーブルに載せて聴き始めた時にあまりの高再生音に思わず表情がゆるんでいくのが自分でも分かった。そして本アルバムは米国からのプレゼントのような想いがした。思いがけず聴けば聴くほど気に入ったアルバムをあらためて聴く時の幸せな気分はどなたにもお有りではなかろうか。本アルバムが録音されたのが1955年という事だから彼女は数度の結婚離婚を繰り返して当時は独り身だった頃だろうか、そういう恋多い女王が歌った本アルバムのタイトルFOR THOSE IN LOVEを直訳すれば“恋してるそれらのために”となるのかな?そういう恋多き女王が歌うアルバムをあらためて聴いてみて下さい。バックのメンバーもいい顔ぶれでしょう。その演奏もそれぞれがしっかりとソロ演奏をしていて楽しめます。それからWYNTON KELLYのピアノもやっぱり好きだなぁ~。

パーソナル:DINAH WASHINGTON(vo), CLARK TERRY(tp), PAUL QUINICHETTE(ts), JIMMY CLEVELAND(trb), CECIL PAYNE(bsax), KETER BETTS(b), BARRY GALBRAITH(g), JIMMY COBB(ds), WYNTON KELLY(p)

収録曲/A面/1, I GET A KICK OUT OF YOU/2, BLUE GARDENIA/3, EASY LIVING/4, YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS/B面/1, THIS CAN'T BE LOVE/2, MY OLD FLAME/3, I COULD WRIGHT A BOOK/4, MAKE THE MAN LOVE ME/

歌まねして本当に楽しそうなMONICA ZETTERLUND

2010年06月27日 | 女性ボーカルW,Y,Z
(Sweden)GAZELL/GMG-1223/HAPPY JAZZ/

今日のアルバムはSONYA HEDENBRATT(名前はソーニャと読むらしい)のアルバムを探している時に出会った一枚。SONYAは1曲しか歌っていないので見過ごそうかと考えたのだが、よく見るとMONICAも1曲収録されているので入手にいたったものだ。1970年のライブの収録のようだが詳しくは分からない。どうもクラリネットのOVE LINDを中心にした演奏のようではあるが、彼の事はスエーデンのクラリネット奏者という以外は詳しく知らない。演奏陣を記すと、OVE LIND(cla), LARS ERSTRAND(vib), ROLF LARSSON(p), ARNE WILHELMSON(b), EGLL JOHANSEN(tb), NICKE WOHRMAN(g), BARNIE PREVIN(tp)。
本アルバムでのSONYAは下に記したようにTHE NEARNESS OF YOUを歌っているのだが、先日紹介したMEGAFONのEP盤とは違って、ここでは英語で歌っているので掴みやすく感じる。紹介のコメントに続いて彼女自ら曲名を紹介してから歌い始めるのだが、彼女の体躯から発せられる声量豊かで、ほど良くハスキーなヴォーカルが堪能できる。バッキングもボーカルによく添って楽しめた。
B面の最後にMONICAが登場するが、紹介者がMONICAの名前を紹介してからBILLIE BOLIDAYのEAST OF THE SUNを歌うと告げると彼女のヴォーカルが始まるのだが、歌い始めてから“BLLIE HOLIDAYの”と紹介した理由が分かった。MONICAがBILLIE HOLIDAYの歌まねをして歌うのである。聴き比べるとBILLIE HOLIDAYより声が若くてSWEETな印象だけど、MONICAはBILLIEの特徴をよく真似して歌っていて、これは一聴に値するおもしろさだった。聴衆のノリもよくこのライブのトリにふわさわしい1曲だった。SONYAとMONICAの2曲が僕にとっては主な聴き物なアルバムだったけど廉価なアルバムだったし満足でき,聴いたあとでも楽しい気分にさせてくれる1枚だった。まさにHAPPY JAZZ
MONICAのEAST OF THE SUNを聴いて本家のBILLIE HOLIDAYのEAST OF THE SUNも聴いてみた。本アルバムでは、ご存知のようにEAST OF THE SUN(WEST OF THE MOON)としてA面の最初に歌われている。BILLIEのヴォーカルの方はやはり真似ができない部分があるのに気がついた。それは彼女のヴォーカルだけが持つ独特の重みである。これだけはMONICAも真似できない部分なのであろう。

収録曲と()内は主な演奏者/A面/1, CHINA BOY(OVE LINDS KVINTETT)/2, THE NEARNESS OF YOU(SONYA HEDENBRATT)/3, ST.LOUISE BLUES(BERNIE PREVIN-tp)/4, IMAGINATION(BREW MOORE-as)/B面/1, HOW AM I TO KNOW(OVE LINDS KVINTETT)/2, DEED I DO(BJARNE NEREM-ts)/3-A, MOMENTS LIKE THIS(OVE LIND-cla)3-B, OUR LOVE IS HERE TO STAY(LARS ERSTRAND-vib), 3-C, EVERYTHING HAPPENS TO ME(ROLF LARSSON-p)/4, EAST OF THE SUN(MONICA ZETTERLUND)

*このHAPPY JAZZの演奏の最後に “HAVE A NICE TIME, KEEP SWINGING, GOOD NIGHT”とアナウンスされます。この文言をそのまま僕のブログを読んで下さっている皆さんへ送らせていただきます。お休みなさい (と言ってもワールドカップ見てからですが)

女性添乗員MONICAさんですョ!のアルバム

2010年05月10日 | 女性ボーカルW,Y,Z
独TELEFUNKEN/BLE 14206-P/MONICA ZETTERLUND/THE EUROPEAN ALL STARS 1961/

『ハーイ、皆さま、お疲れさまでした。会場へお急ぎのところ申し訳ありませんが、記念になるので8ミリで撮らせてくださいね。このスナップ撮影が終わったら皆さまのお楽しみのワインパーティですから、もうしばらくのご辛抱ですことよん。(独り言で)わたしも早く飲んでリラックスしたいわぁー』とでも言ってるのか、変わり種ジャケットとも言える本アルバムです。このアルバムは, OSAKAの廃盤専門店でレコードを物色しながら店主と話を交わしていたのですが2枚ほどピックアップしてカウンターへ戻ると、店主の足下からこんなんもあるんですよと出てきた1枚です。恥ずかしい話、最初に見た時にジャケットの女性がMONICAとは一瞬では分かりませんでした。どっかで見た事がある人だなぁ~という程度で、立ち姿がどことなくあまり洒落てない感じの、本職ではない女性添乗員に見えました。MONICAだって事はアルバムを手にしてすぐ分かりましたけど。それでジャケット裏の収録曲を見るとMONICAが4曲歌っているように表記されています。じゃ、これもっていう調子で頂戴したアルバムです。他にも足下から出現したアルバムを複数枚この際と通天閣から飛び降りたつもりで頂きました。店主とMONICAの話をしていると彼女は2005年に寝タバコが原因で火事になり焼死したのですが酒も好きで酒代をかなり消費していたらしいです。ですから火事の時も相当飲んでいたんじゃないかと思われます。店主の所でもMONICAの所蔵アルバムを数回にわたり買い取ったという事ですが、MONICAの友人からアルバム代は全部酒に消えてしまうから、あまり金を渡さないでくれと言われたというエピソードも聞きました。

本アルバム、タイトルがTHE EUROPEAN ALL STARS 1961ですからヨーロッパの主なジャズメンが勢揃いして演奏を繰り広げる内容のアルバムです。さながらヨーロッパ・ジャズ選手権といったところでしょうか。参加メンバーは、ノルウェー代表のERIK AMUNDSEN(b), スエーデン代表ARNE DOMNERUS(as), MONICA ZETTERLUND(vo), 英国代表RONNIE ROSS(bs), ドイツ代表ALBERT MONGELSDORFF (tb), オーストリア代表HANS KOLLER(ts), ベルギー代表SADI(vib), フランス代表 MARTIAL SOLAL(P), デンマーク代表WILIAM SCHIOPFFE(ds), ユーゴスラビア代表DUSKO GOJKOWIC(tp), イタリア代表FRANCO CERRI(g), トルコ代表MUFAY FALAY(tp), スペイン代表TETE MONTOLIU(p)の名前がありますが、僕の知らない人が多くいて、実体は知らん分からんとギブアップです。僕は英語もよく分かりませんがスエーデン語となるとアラビア語と同等に理解不能ですので国表記違い等あるかも知れません。その際にはご容赦下さい。
本レーベルのTELEFUNKENといえば高品質の真空管やマイクというのが僕のイメージで、ECC83と言えばTELEFUNKENと、これを凌駕するECC83は未だにないと思っています。MULLARDのECC83も及ばずという感じです。アンプの雑音で悩んだらTELEFUNKENに換えたら即座に悩み解消というぐらい信頼されている真空管ですが偽物も多いのがTELEFUNKEN。残念なのは、未使用の小っちゃなECC83一本が1万円以上はします、最近はもっと値が上がってさらに高価になったんじゃないかな?。これはマランツ#7の必需品ですね。TELEFUNKENを使うか現行ロシア製のを使うかでオリジナル盤とコピー盤ぐらいの違いは生じると思います。但し抜け道はあって、同じTELEFUNKEN製のECC83でありながらFISHERブランドならTELEFUNKENブランドと比べると今なら約半額で入手できます。またECC83チューブ底のダイヤ・マークがないと真正じゃないとか言われていますが、本当でしょうかね??ダイヤ・マーク入りが真正品という説に疑問は持ちませんが、ダイヤ・マークがないのはすべて真正品ではないと言えるのでしょうか?これからも学習を続けていきたい部分です。

本アルバムの内容に戻るとA面はビッグ・バンド編成の演奏から小編成のトリオまで編成を変えてチャーリー・ミンガスやモンクの曲が収録されています。MONICA のボーカルはなくインストでの演奏のみとなっています。B面には5曲が収録されているのですが、がです。ジャケ裏の曲目紹介では5曲中4曲でモニカ(vo)と表記されているのですが、実際は1曲のみでMONICAが歌っているという事で、盤に収録された内容と表記内容の大きな違いがありMONICAのヴォーカルのみに期待していると肩透かしを喰らいます。MONICAの円熟したヴォーカルはAM I BLUEでのみ聴けます。インストではTETE MONTOLIUの軽快なピアノ演奏が印象に残ります。MONICA抜きならTHAT OLD DEVIL LOVEが各人のソロも聴けて嬉しい内容でした。アルバム全体を通して聴くとそれぞれにちゃんと出番があって12カ国13人それぞれに聴き所はあるアルバムです。アルバムの収録曲を聴きながらMONICAの添乗員風立ち姿ジャケットを眺めていると音楽に国境はないんだと何だか楽しくなってきます。

収録曲/side1/1, HAITIAN' FIGHTSONG/ 2, GONE WITH THE WIND/3, HITTIN' THE BLUES/4, BLUE MONK/ side2/1, AVERTISSEZ-MOI/2, AM I BLUE/3, THAT OLD DEVIL LOVE/4, 3+3/5, HIGH NOTE/

やっぱりオリジナルは良かった!MONICA ZETTERLUND

2010年04月25日 | 女性ボーカルW,Y,Z
SWEDEN PHILIPS/P 08222L/MONICA ZETTERLUND/WALTS FOR DEBBY/mono

僕の記事の再々追加です。このアルバムを最初にアップしたのは2007年10月19日ですが、当時の再生装置と現在の再生装置が少し変化しています。2007年と比べて変わった部分と言えば、ALTECのウーファーの後方にフンドシをぶら下げて低音をより強くより締まった音を出せるようにした事。POWERアンプの真空管をTELEFUNKEN/EL34からWE350Bにした事。主体として使用しているプリアンプMARANTz#7(内緒ですが昨年後半TELEFUNKEN/ECC83が2本オシャカになってアンプ・ドッグ入りした際に少しいじられたらしい、もはやオリジナルとは言えないかも。詳しくは分からないけれどコンデンサーとか換えたのかな?オリジナルFANの方には失礼します)が内部に変化があったかもの事。の3点です。今晩と言ってももうすぐ日付が変わりますが、久し振りにモニカの本アルバムを聴くと、以前に感じた低音が強すぎるという印象がなく低音がよく効いたスッキリとした再生音ではありませんか。どこがどう作用したのかは僕には分かりませんが結果良しとして嬉しくなったので加筆しています。SONORA盤や日本フォンタナ盤はまだ聴いていませんが、聴いて印象が変わったと思えた時にはまた書き込みさせてもらおうと思います。オリジナル盤の再生音に怪しい部分があったのではなく、それは僕の再生装置が2007年当時はその領域に達していなかったのだと思った次第です。うううぅウレシィ~です。
(以下は以前の内容です)

今日はいわば記事の再発版です。去年の3月25日の記事の上に書き加えました。去年の記事を読んでいただくとお判りいただけると思うのですが、フォンタナの復刻盤は音があまり良くないのではないかという思いがあり出来ればオリジナルを聴いてみたいものだと以前から願っていました。今年になって幸いにも状態の良いオリジナルを入手できましたので聴き比べて感想を報告したいと思います。またオリジナル盤を入手する以前ですがSONORA盤も有ったのでこれも入手し、聴き比べてみました。以下は干しタコ耳のkuirenの感想です。

まずオリジナル盤はさすがに音の輪郭も明解でモニカの声もキレが良く、ピアノ+ベース+ドラムもそれぞれよく録音されていると思います。ただこのオリジナルでも低音が強く入力されていてプリアンプで低音を少し絞って聴いています。低音を絞らなくても聴けるのですが僕の好みでの選択と言うべきかも知れません。モニカの声も素晴らしく良く捉えられていると思います。もちろん音の歪みとかも感じられません。ただ去年と比較すると僕の装置も変わりました。JBL4343→ALTECへ、マイ・パワーアンプが調整中の為に臨時の借り物でALTEC1288, プリはレビンソンLNP-2Lを休ませてマランツ#7という構成になっていますので、去年の音と同じ環境下での再生ではありませんが。
それからオリジナルを入手するまでの間に良く聴いていたオリジナル盤の発売から数年後に出されたSWEDEN/SONORA盤(RED 23)monoです。自分では準オリジナル盤ぐらいのつもりです。がオリジナル盤と聴き比べると違いがあります。再生音はどれも明確な輪郭を描き出すのですがオリジナル盤と比べると低音が適度にカットされています。まとまりが良いのはこのアルバムの方かも知れません。エバンスのピアノをはっきりと聴きたいのなら、このSONORA盤がお薦めです。再生装置で違いが出ると思うので断言できませんが僕の現装置での印象です。ジャケットの写真はこのSONORA盤のが自然な色で印刷され顔色や肌の色が一番白くきれいだと思います。

最後にフォンタナ復刻盤ですが、良く出来た復刻でオリジナルに忠実に近づけた再生音と言えます。ただマスターテープの劣化による音のボヤケというのがあるように思えます。音の輪郭が若干薄くなった感じで、エバンスのピアノ音が一番劣るのがこのアルバムだと思いますが40年以上前のマスターテープからですから致し方ないのではと思います。僕も40年前と比べると相当劣化弱体化しましたから(笑)ジャケット写真はモニカの顔色と肌色が一番紅みを帯びています(それも若干という程度、良く出来ています)。

   *以下は2006年の3月25日のものです。
Monica Zetterlundの“WALTZ FOR DEBBY”1964年録音です。ビルエバンスとの共演で超有名盤ですから、このアルバム自体の説明は必要ないかと思います。本アルバムもオリジナルではなくて最近発売されたフォンタナ/フィリップス幻の名盤シリーズからの1枚です。オリジナルなら今いくらぐらいするのでしょうか?売り物をあまり見た事もないですが。先のリタライスのところでも述べたのですがこのシリーズは何が原因か、私の装置のせいかも知れませんが低音が強調され過ぎているように思えます。聴く時はプリの低音を少し絞って聴いています。でないと低音がぼこぼこと出過ぎて音楽全体のバランスを崩してしまうのです。
彼女はスウェーデンの女優でヴォーカリスト。60年代に来日しているらしい。このアルバムの大半は英語で歌われていますが、当地の民謡をジャズにアレンジしてスウェーデン語で歌った数曲はビル エバンスのセンスも素晴らしいと思いますがモニカの声とスウェーデン語の響きに魅了されます。

パーソナルは、Monica Zetterlund(vo), Bill Evans(p), Chuck Israels(b), Larry Bunker(dr)
収録曲
A面
1.COME RAIN OR COME SHINE
2.JAG VET EN DEJLIG ROSE
3.ONCE UPON A SUMMERTIME
4.SO LONG BIG TIME
5.MONICA VALS(WALTZ FOR DEBBY)
B面
1.LUCKY TO BE ME
2.VINDARNA SUCKA
3.IT COULD HAPPEN TO YOU
4.SOME OTHER TIME
5.OM NATTEN

新橋の名妓とも言われた LEE WILEY

2009年02月11日 | 女性ボーカルW,Y,Z
COLUMBIA/CL6215/LEE WILEY/sings VINCENT YOUMANS/10inch

このリー・ワイリーというシンガーはジャズのセンスは郡を抜いている女性シンガーの一人ですが、それをひけらかす感じもなく淡々と歌う印象に大人のシンガーだと思わされます。彼女のボーカルについては、“エレガント”、“シック”、“都会的”と賛辞の評価が目白押しで、それに足してミルドレッド・ベイリーと並んで白人女性ジャズ・ヴォーカルの草分けとも言われているのは皆さんご承知のとおりです。その彼女の50年代初めの10inch盤の2枚ですが、この盤以外ではマンハッタン/CL6169が有れば彼女のアルバムとしてはほぼ満足すべきかとも思えるわけです。本アルバムの2枚のどちらも同じバックでピアノ伴奏をメインとしているので彼女のハスキーで趣味の良い大人のボーカルが充分に楽しめます。作曲家VINCENT YOUMANSの詳しい事は知らなくてもTEA FOR TWOを聴いた事がないという方はまずいらっしゃらないと思えるほどにスタンダード中のスタンダードといえる1曲を含んだアルバムです。TEA FOR TWOといえば、これまた僕が好きなドリス・ディが歌ってヒットした曲でもありそちらのイメージがより濃い方もいらっしゃるでしょう。ドリス・ディがやや甘く青春の甘酸っぱい季節を思い起こさせる歌い口に対して、リー・ワイリーの歌い口は落ち着いて冷静に判断しながらのTEA FOR TWOという印象を受けます。こういう印象の与え方が大人のボーカルを歌うシンガーと言われるのでしょう。ここでどちらがイイとかの感想は無意味なことで、どちらも上出来の良い1曲でしょう。

収録曲/A面/1, TEA FOR TWO/2, SOMETIMES I'M HAPPY/3, TIME ON MY HANDS/4, RISE'N'SHINE/B面/1, MORE THAN YOU KONOW/2, SHOULD I BE SWEET?/3, KEEPIN' MYSELF FOR YOU/4, WHY. OH. WHY?


COLUMBIA/CL6216/LEE WILEY/sings IRVING BERLIN/10inch
こちらのアルバムも同じバック奏者での録音盤でスタンダート曲が歌われています。どの曲も彼女のボーカルが楽しめるのは勿論ですが、あえて言えば僕は“HOW DEEP IS THE OCEAN”が特に好きですね。

収録曲/A面/1, HOW DEEP IS THE OCEAN/2, SOME SUNNY DAY/3, I GOT LOST IN HIS ARMS/4, HEAT WAVE/B面/1, SOFT RIGHT AND SWEET MUSIC/2, FOOLS FALL IN LOVE/3, HOW MANY TIMES/4, SUPPER TIME/

なお冒頭で彼女を“新橋の名妓”と称したのは油井正一氏でその表現を拝借させていただきました。三具保夫氏はこの2枚のシリーズを“A級ボーカリスト達が歌ったB級ソング”とB列車で行こうという本の中で以前に紹介されていますが、それは作曲家がB級という意味ではなく作品は有名だけれどもその作曲家の名は曲ほど有名ではないという意味でのB級という表現をされたのだと思います。それは、作曲家よりもその作品の方がより知られているのは作曲家冥利につきると言う事でしょう。

ただ1曲のみのボーカル? INGRID WERNER

2009年01月31日 | 女性ボーカルW,Y,Z
(独)MANHATTAN/66023C/INGRID WERNER/JAZZING IN BERLIN/7inch

この7inch盤は昨年に大阪の廃盤専門店で7inchコーナー漁っている時にポロリンコと出現したアルバムです。全く知らなかったわけではなくネットで色んなボーカルサイトを見ている時にEP盤というページが目にとまり何かと参考にさせていただきました。どなたのHPかは存じ上げませんが感謝しています。僕はこのページだけをブックマークした為かホームページに辿れなくなってしまいました(残念)。という経緯があって本レコードの事は覚えがあったので手にした時に数千円の価格だったので購入したわけです。申し訳ないのですが、この女性シンガーの事もバックのメンバーの事も全く知りません。MANNHATTANというレーベルはドイツのようでレコードもジャケットもMADE IN GERMANYとなっています。まだドイツが東と西に分かれていた時代の録音ですが、本アルバムのメンバーについては僕がそれこそ西も東も分からないという状況です。

このEP盤でINGRID WERNERは“I ONLY HAVE EYES FOR YOU”の1曲を歌っているわけです。この曲はJOH REDISKEのギターで始まるのですが彼女のボーカルに寄り添って演奏しています。彼女のボーカルは柔らかくて豊潤な印象を与えてくれます。ただこの1曲だけが残念でもう少し彼女のボーカルを聴きたいと思うのですが、ネットで検索してもまず有用な情報はないようです。このアルバムには他にインストで3曲が録音されているのですが、その中でもALL OF MEはKOTHAR NOACKの滑らかなでスイング感のあるテナーが心地よくお気に入りです。NACHT IN BERLINという曲もありますが最初はこれをナチと読んでいましたが、後でベルリンの夜と読むのだと知りました(笑)。録音も良く7inch盤だからと侮れない一枚だと思います。どこかで見かけたら迷わず入手しても後悔はないと思います。

パーソナルは, INGRID WERNER(vo), MONFRED BEHRENDT(b), KOTHAR NOACK(ts.cl), HEINZ NIEMEYER(ds), ALEXANDER SPYCHALSKI(p), JOH REDISKE(g)
収録曲/SHEIK OF ARABY/I ONLY HAVE EYES FOR YOU/NACHT IN BERLIN/ALL OF ME/

可憐な歌声のMARLENE WIDMARK

2009年01月08日 | 女性ボーカルW,Y,Z
(SWEDEN)ODEON/E062-34172/MARLENE WIDMARK/I LET A SONG GO OUT OF MY HEART/

去年の4月に、彼女のEP盤を記事にしています。彼女の事はそちらに書いていますので先のEP盤の記事も宜しければご覧ください。EP盤は本アルバムから抜粋された曲が収められているのですが、こちらのEP盤のジャケ写真と本アルバムのジャケ裏の左下隅の写真と同じものが使用されています。EP盤をアップした時は未だLPを未入手で是非入手したいと思っていましたが先頃入手できたLPでもあります。彼女は若い頃からプロ・シンガーとして活動していましたが、最後はクラブのオーナーに落ち着いたんだと冗談伯爵の店主からお聞きしました。クラブのオーナーがレコーディングするのは、そう珍しい事ではないんでしょうね。クラブのオーナーの録音と言えばイネス・キャヴァノーのアルバムもありますし。どちらもテディ・ウィルソンが共演しているのも不思議な一致です。


下に収録曲の部分の写真を掲げておきます。本アルバムはステレオ盤ですが録音が良く再生音に不満はありません。STAFFAN BROMSのリズムを刻むギターの音色がよく聴こえますし、勿論テディ・ウィルソンの優しいピアノやROWLAND GRENNBERGのミュートを効かせたトランペットもいい端役を演じています。クラリネット・アルト・テナー・バリトンの4管も奥行きと深みを醸し出しています。バックのメンバーは曲によって多少入れ替わりがありますので下の写真を参照ください(ちゃんと見えるといいのですが)。彼女のボーカルは線が細い印象はありますが、それがまた楚々としていて可憐な雰囲気を与えてくれます。北欧なまりのある英語で歌うのも可愛ゆいです。アルバム全曲が楽しめますが、その中でも僕のお気に入りはA-3のI HAD THE CRAZIEST DREAM LASTやB-2のLET'S FALL IN LOVE、テンポの良いB-4のI CONCENTRATE ON YOU, B-6のGONE WITH THE WINDあたりでしょうか。


WANDA WARSKA

2008年12月11日 | 女性ボーカルW,Y,Z
(POLAND)MUZA/L0246/WANDA WARSKA/JAZZ '58/10inch

ポーランドのアルバムですが、このアルバムの事を知ったのはジャズ批評/女性ボーカル大百科No.2を読んでからです。僕はこのWANDA WARSKAのアルバムはこの1枚がベストと思っているのですが、他の彼女のアルバムはというと, 未所有のEP盤を一度見た事が有る事と同じピアニストのメンバーでボーカルとして参加している12インチアルバム(このアルバムについては後述)を所有していますが, それ以外にアルバムが有るのかどうか、僕には確かでより詳しい情報はありません。本アルバムを最初に見た時は海外通販店で20$程度で売りに出されていたのですが、その時はあまり興味が涌かずに通り過ぎてしまいました。次に同店を見た時は売れていました。それから2年ぐらいは探しましたがなかなか見つかりませんでした。女性シンガー大百科No.2で星野秋男が記述されているとおり、ちょっと珍しい部類には入るアルバムでしょうが、だからといって高価なアルバムではないはずとおっしゃる通りのようです。見つからないままに, 結局は大阪の廃盤オリジナル専門店(デューク・ジョーダンを捩ったネーミングのお店, 皆さんよくご存知ですよね)でレコードを漁っていると店主殿が足元あたりからワンダ・ワースカも有りますよと示してくれた品で、僕はその場で“ハイ、それもいただきます”と返事して思いがけず入手できたのでした。

ワンダ・ワースカ、実は最近まで僕は恥ずかしながらWANDA WASAKA(ワンダ・ワーサカ)と覚え込んでいたのですが、正直言うとこの記事を書く直前までですが。アルバムをよく見るとWANDA WARSKAが正しい事に気がついた僕のボケ度は直りそうもないです。本アルバムですがジャケットのイラストは当時の流行のスタイルで踏襲されているようで, 他にも似た感じのジャケットがかなりあったと思います。収録内容は彼女とANDREJ KURYLEWICZのトリオでの演奏。僕はこのKURYLEWICZというピアニストの事は知識がありませんが、星野氏の解説によると本来はトランペッターでポーランドを代表する演奏者だとか、この人、写真で見ると画家のダリを若くしたような感じで顎髭と口髭を生やしてます。この若いダリのような風貌のピアノ演奏も歯切れのよいタッチで楽しめました。その勢いで12インチ盤のMUZA/KURYLEWIGZ,WARSKA,NIEMENというアルバムも入手したのですが、こちらはフリージャズで、残念ながら僕の趣味ではありませんでした(苦笑)。ワンダの写真は見る機会が少ないと思いますので彼女の顔写真だけ別のアルバムからのを載せておきます。1960年代の写真だと思いますので本アルバムの7~8年後の写真でしょうか。
肝心の彼女のボーカルですが、収録曲は馴染のあるスタンダードを主としているので聴きやすいです。肝心の彼女のボーカルですがやや粗削りというか特にヴィブラートをかけて歌う部分で未熟なところは確かに感じられますが、懸命にというか誠実にスコアーどうりに歌っているようなところがジャズ黎明期のポーランドのジャズ・ボーカルという印象があってそういうところに好感が持てます。彼女の声質ですが落ち着いた良い声をしています。つけ加えてB-1のCLASSIC DANCEやB-3及びB-5はインストだけの演奏ですがノリが良く歯切れよいピアノ演奏やドラム演奏も楽しめるアルバムに仕上がっています。どこかで売られていれば入手されて後悔する一枚ではありません。

パーソナル:WANDA WARSKA(vo), ANDREJ KURYLEWICZ(p), ROMAN DAILAG(b), ANDREJ DABROWSKY(ds)

収録曲 A面/ 1,MOONLIGHT IN VERMONT/ 2, SOFTLY AS IN A MORNING/ 3, APRIL IN PARIS/ 4, IT COULD HAPPEN TO YOU/ B面/ 1,CLASSIC DANCE/ 2, OVER THE RAINBOW/ 3, BALLAD/ 4, LOVE FOR SALE/ 5, FIRST BLUES/

MONICA ZETTERLUND

2008年07月03日 | 女性ボーカルW,Y,Z
(norway)HMV/SGLP 506/MONICA ZETTERLUND/MONICA ZETTERLUND/

このアルバムは彼女の1958年~1960年のEP盤を中心にLP盤にまとめたものです。1960年のはB面MED ANDRA ORDの1曲だけであとは'58年と'59年からとなっています。僕の所有アルバムはLPがノルウェー盤でカバーがスェーデン印刷となっています。本アルバムはこの組み合わせとなっているが本来のものと聞いたことが有りますが、詳しくは分かりません。彼女の自然な歌い口で透明感を感じさせるボーカルはいつもどおりですが、B面のLOVE LIPSはいつもの彼女とは違い幾分力の入ったボーカルとなっていてこの曲だけは歌い口が少し違って彼女の違う一面を感じた気がしました。僕のお気に入りは軽やかに歌いフェイクも交えながらのA面冒頭の I COULD WRITE A BOOKやDARN THAT DREAMがお気に入りです。B面のMED ANDRA ORDは本アルバムのゆっくりと進行する滑らかなボーカルで、勿論好きですがLARS GULLINとの共演盤EPからこのLPに入れられた曲というのは分かりました。少し枯れた味わいで歌われるLOVE LIPSも聴くほどに味わいが増してきます。I DINA KVARTER, 英題がON THE STREET WHERE YOU LIVEでしょうがスエーデン語で歌われているのこの曲や続くLOVE FOR SALE(これはSWEDISH SWEETからの曲?、僕はこのEP盤は持ってないので)も好きです。豪華なサウンドをバックを歌うI LOVE YOU PORGY(PORGY and BESSからの曲)もいいですね。こうして改めて聴き通してみるとEP盤をLPにしたのですから録音日やバックもそれぞれに違うので各曲に微妙な違いが感じられますが、それは気にはならず, むしろ違いを味わうのが楽しいアルバムです。蛇足ですがEP盤とLP盤では音源は同じでもやはりLP盤の方が再生音が少し伸びやかなのが再確認できました。

収録曲:A面/ I COULD WRITE A BOOK/ JAG KUNDE DANSAT NATTEN LANG/ YOUR LOVE WAS SPRUNG ON ME/ DREAM OF YOU/ GOR DET/ DARN THAT DREAM/ B面/ MED ANDRA ORD/ LOVE LIPS/ I DINA KVARTER/ LOVE FOR SALE/ DET VORE VALAN FR'UNDERBART/ I LOVE YOU PORGY/

PAT WINDSOR

2008年06月01日 | 女性ボーカルW,Y,Z
FORMAT/CDR-101/PAT WINDSOR/THIS IS PAT/

このアルバムは2006年6月の書き直しと写真の取り直しです。2年前のカメラと今のカメラ(勿論デジカメです)を比べると解像度から色んな機能が格段に進歩して使いやすく写真もキレイに撮れ、撮影べたの僕にもそれなりに何とか撮れるようです。特に手ブレ防止というか補正機能は僕には誠に有難い機能であります。

もともとこのアルバムもこういう歌手がいるのかという程度で入手したものです。以前から知っていて購入したわけではありません。入手してからPAT WINDSORと言うシンガーの事は調べてもあまり分かりませんでした。ジャケット裏のノートを参考にすると彼女はクラブで歌っていたようですが、N.Y.のプラザホテルのパリジャンルームに出演してから人気が出たようです。ジャケット写真で舞台栄えのする衣装を着ている彼女は実際は小柄であったようです。アルバムの裏面の写真を見ると品の良い近所の奥さんという感じです。ジャケットから受ける印象では声を張り上げて歌うシンガーのように思えましたが、実際に彼女のボーカルを聴くと決して派手とか必要以上に声を張り上げるという事でもなく、ややハスキーで趣のある声質で歌に味があります。ジャケットが結構派手で内容との差異が僕には感じられますが。このアルバムでは主にスタンダードを歌っていますがややジャズ・テイストは薄いものの聴いて後悔するようなアルバムではありません。ただこのアルバムは僕が入手して以降はお店とか国内外のオークションとかで見た事がないような気がします。FORMATというレーベルもニューヨークのである事は表記されているのですが、それ以外は知りません。レーベル・ガイドを見ても載っていないしかなりマイナーなレーベルと考えるべきでしょうか。彼女のこのアルバムもこれ一枚きりということなのかも知れません。本アルバムでの僕のお気に入りは元気良く歌うJADAやムードたっぷりのFLY ME TO THE MOON, リズミが小気味よいI'M IN THE MOOD, ポップなアレンジですがBUTTERFLY,軽快に歌われるDANCING IN THE DARKというところでしょうか。

NICK PERITOの指揮アレンジによるオーケストラ伴奏ですが、他の主なパーソナルは,Bernie Glow+Doc Severenson+Clarke Terry(tp), Erbie Green(trb), Dick Hyman Bernie Leighton(p), Bob Haggart George Duvivier(b), Bob Rosengarten(drs)
収録曲
A面/ BREEZIN' ALONG WITH THE BREEZE/ MY FUNNY VALENTINE/ JADA/ FLY ME TO THE MOON/ MR.WONDERFUL/ ONE BLADE OF GRASS/ B面/ I'M IN THE MOOD FOR CHA CHA CHA/ I'LL REMEMBER APRIL/ BUTTERFLY/ MUSKRAT RAMBLE/ I'M GLAD THERE IS YOU/ DANCING IN THE DARK

SANDY WARNER

2008年05月14日 | 女性ボーカルW,Y,Z
Mayfair/97335/Sandy Warner/Steve Allen Presents Fair and Warner/

更新が途切れてしまい訪問いただいている方には申し訳ありませんでした。先週末に娘の婚礼があり8日より11日まで東京に滞在していました。何とか無事に式も終り帰宅したのですが、疲れも有りまた色んな先々へのお礼の連絡等や溜った仕事に追われていました。一区切りつきましたので今晩よりまたぞろマイペースで再開です。

今晩のアルバムは数多くのジャケットを飾ったSANDY WARNERですが、モデルやアクターとして活動していたのは皆さんよくご存知ト思います。特にMARTIN DENNYのアルバム写真では彼女の写真は使われていた事で有名です。彼女は髪の色を変え化粧も工夫して色んな表情の女性のモデルを演じています。コレが全部かほとんどが彼女ですよ。まさに化けているとしか言えませんね。僕はMARTIN DENNYのアルバムは一枚も持っていないのですが一枚ぐらいは入手してもいいかなと思っているところです。所有のアルバムはジャケット右上にMAYFAIRの表示があり、盤はイエロー盤ですが、同じ仕様でジャケット右上にTOPSの表示があるアルバムも見かけます。どちらがオリジナルとか後発盤とかは僕には認識できていません、ご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたいと思います。
さてモデルやアクターのをして活動いた彼女がシンガーとして全曲を歌った本アルバムですが、彼女のボーカルも聴けますよ。ジャズテイスト溢れるとはとても言えませんが、落ち着いた声質でスコアーどおりに歌っているので一味違うボーカルを好きな場合は物足りないかも知れませんが、僕には上手く歌っていると思えます。このアルバムで僕のお気に入りはキュートに歌うA-1のIn the Afternoonや伸びやかに歌うA-3のBut I Haven't Got Himです。

A面
1, In the Afternoon
2, The Girl with the Long Black Hair
3, But I Haven't Got Him
4, Sunshine Face
5, This Is Where I Came In
6, I'm Plannin' to Stay Right Here
B面
1, Every Dog Has His Day
2, Siempre Manana
3, Forbidden Love
4, C'est Tres Joli
5. Mambo, Tango, Samba, Calypso, Cha Cha Blues
6, Crazy Kisses


MARLENE WIDMARK

2008年04月13日 | 女性ボーカルW,Y,Z
ODEON/E006-34169/MARLENE WIDMARK/MARLENE WIDMARK/7inch

このマリーン・ウィドマークというシンガーは1942年スウェーデン生れが、ティーンの頃からスウェーデンで活動し60年代にはシリアで活動していたらしい。この7inch盤(1970年録音)はそのシリアからスウェーデンへ帰ってきた後に録音されたODEON/I LET A SONG OUT OF MY HEARTというアルバムからの2曲ではないだろうかと思っているのですが、なにせそのLPを未所有なのでハッキリとは確認できません。曲目もバックのメンバーも似通っているのですが。テディ・ウィルソンをゲストメンバーに迎えてコンボをバックに歌っています。コンボのメンバーにはモニカ・セッテルンドのバックとして演奏していたLARS GULLINもいます。彼女のボーカルですが声質がビヴァリー・ケニーをハスキーにしたような感じで歌い口は清々しさを感じさせるものですが、そこに可愛らしさも感じます。この7inch盤はEXTED盤でなく2曲しか彼女の曲が聴けないのが残念です。僕がLPを是非入手したいシンガーです。

MARLENE WIDMARK(vo), ROWLAND GREENBERG(tp), OVE LIND(cl. arr), LENNART JANSSON(as), BJARNE NEREM(ts), LARS GULLIN(brs). TEDDY WISON(p), STAFFAN BROMS(g), ARNE WILHELMSSON(b), PELLE HULTEN(ds)

収録曲/KEEPING OUT OF MISCHIEF NOW/GONE WITH THE WIND/

DINAH WASHINGTON

2008年03月25日 | 女性ボーカルW,Y,Z
EMARCY/MG36073/DINAH WASHINGTON/IN THE LAND OF HI-FI/

彼女ダイナ・ワシントンの事ならebiさんのこの曲、この人、この一枚のページの左にあるBLACK ROYAL QUEENをご覧ください。彼女のアルバムがズラリと並んでいます、その数31枚と圧巻です(最近はブログの方は更新されてないようなので是非更新していただければと思います)。僕はその三分の一ぐらいしか彼女のアルバムを持っていません。でも,しばらく聴いていないと思い出したようなタイミングで彼女のスケール感のある味付けの濃いボーカルが聴きたくなります。そこで久し振りに聴いた彼女のアルバムが今晩のものです。このIN THE LAND OF HI-FIというタイトルはEMARCY3600盤台の専売かどうか同レーベルにはSARAH VAUGHAN(MG-36058), PATTI PAGE(MG-36074), CANNONBALL ADDERLEY(MG-36077)があります、他にもあったかも知れません。特に本アルバムとPATTI PAGEのはレーベル番号が続いているのですから驚きです。SARAH VAUGHANのがヒットしてそのシリーズに乗ったということでしょうか(?) キャノンボールがメンバーに入っているのはサラのもダイナのも同じです。ダイナという女性、お世辞にも美人とか可愛いとか言えないこのジャケット写真ですが、でも見ていると力強いインパクト感がその表情からも伝わってくるような気がします。彼女のボーカルで特に気に入っている部分は高域に伸びていく時の迫力と低域での粘り強さ、そして全域にわたって少し柔らかくなりかけたバターを捏ねる時のようなネットリ感と間の取り方が絶妙な上手さを感じます。その強力な個性的魅力に取り憑かれるとさらりと歌う自然派のボーカルばかり聴いていると物足りなくなってしばらくすると聴きたくなるという事を繰り返すようになる可能性が大いにあります。A-1のOUR LOVE IS HERE TO SATYも華やかにアレンジされて出だしに相応しい出来栄えの1曲ですが、このアルバムでのお気に入りはゆったりとしたテンポのLET ME LOVE YOUやB-2のWHAT'LL I TELL MY HEARTのバラードも好きですし, B-3のSUNNY SIDE OF THE STREETも好きですが、このアルバムでは I'VE GOT A CRUSH ON YOUが彼女の魅力をもっとも味わえると思います。残念なのはCANNONBALLやJUNIOR MANCEのソロがほとんど無いに等しいことです。

パーソナルは, DINAH WASINGTON(vo),CANNONBALL ADDERLEY(as), JUNIOR MANCE(p), HAL MOONEY(arr, cond)

収録曲:A面, OUR LOVE IS HERE TO STAY / LET ME LOVE YOU / THERE'LL BE A JUBILEE / MY IDEAL / I'VE GOT A CRUSH ON YOU / LET'S DO IT B面, NOTHING EVER CHANGES MY LOVE FOR YOU / WHAT'LL I TELL MY HEART / SUNNY SIDE OF THE STREET / SAY IT ISN'T SO / SOMETIMES I'M HAPPY / IF I WERE A BELL

MONICA ZETTERLUND

2008年01月17日 | 女性ボーカルW,Y,Z
COLUMBIA/SEGS47/MONICA ZETTERLUND/SWEDISH SENSATION/7inch

久し振りのEP盤です。以前にモニカのMED ANDRE ORD/EP盤を紹介していますが、彼女のEP盤としてはこちらの“SWEDISH SENSATION”の方が“SWEDISH SWEET”と並んで人気も有りよく知られているアルバムではないでしょうか。このEPは1958年に販売されたもので彼女のデビュー・アルバムであるように記憶しているのですが確認はできていません。50年を経てまだ当時とほぼ同じような音楽を聴かせてくれるのも嬉しいものです。大切に扱われたレコードの寿命はこれからも生き続けるんでしょうね。下にパーソナルと曲名を表記しましたがジャケット裏のノートはすべてSWEDEN語で書かれている為に伴奏者の楽器名は推測です。もし間違いあればご指摘ください、訂正させていただきます。曲名は間違いありません。本アルバムに収録されている内容ですが、モニカはシンガーであったと同時に女優(当時は女優の卵ですかね?)でもあったわけですから、曲への情感の込め方がやはり上手いように感じます。4曲とも甲乙つけがたくどの曲も聴かせてくれます。4曲入りのEPは, 収録曲数の少ない10inchとあまり違いないような感覚もします。目がねを口元に持っていっている若い彼女(当時21才)のキレイな顔写真も人気のジャケットです。盤は傷んでおらず以前からのオーナーに感謝したいところですが、ジャケットはさすがに経年により表面が少し荒れています。

パーソナル:MONICA ZETTERLUND(vo), AKE PERSSON(trb), JOE HARRIS(ds) ARNE DOMNERUS指揮によるオーケストラ伴奏

収録曲
1, I SHOULD CARE
2, IT'S ALLRIGHT WITH ME
3, EASY STREET
4, IMAGINATION

*明日より江戸へ旅に出ますので日曜日までお休みさせていただきます。よろしくお願いします。

JERRI WINTERS

2007年12月16日 | 女性ボーカルW,Y,Z
FRATERNITY/F-1001/JERRI WINTERS/WINTER'S HERE/

仕事の都合で久しく更新ができませんでした。
先日からCYUGOKUへ行っていたのですが、最近古くて新しい事に気がつきました。この国の都市を歩いていると歩道や陸橋でよく吐かれた反吐を見かけます。以前はそう思わなかったのですが、今回時間があった時に某デパートへ行きウインド・ショッピングをして帰ろうと降りるエスカレーターに乗っていた時に、僕の後方2~3段に小学生ぐらいの男の子とお母さんが乗っていました。エスカレーターが中段あたりまで降りて来た時に、子供が“お母さん、気持ちが悪い~、吐きそう~”との声が聞こえました。僕はとっさに来たなと思ってエスカレーターを駆け降りた瞬間に子供が激しく吐いてしまいました。子供の前にいたオバサンはそのおかげを被ってしまいました。こういう事は彼の国では特に珍しい事ではありません。以前は気にならなかったのですが、今回はなぜそんなに嘔吐する人が多いのかと考えましたが、僕の推測ではやはり食べてはいけないものを食べているんじゃないかと思いました。本人は知らないけれど屋台や小さな店では衛生管理はかなりズサンで賞味期限もあろうはずもなく、食べない方が良い食物も提供されているのでは思うに至りました、そうでなければあんなにも多くの反吐があちこちにはないのではないかと思います。でも彼等はタフです、反吐を吐いた後はケロリとして元気を取り戻します。人間が本来持つ自己防衛能力の一つでしょうか。

今日の本題ですが、以前に紹介したジェリ・ウィンタースのファースト・アルバムであるWINTER'S HERE(1955)です。このFRATERNITYというレーベルはあまり聞かないのですがシンシナティの会社でアルバム番号からいうと本アルバムが第一号の発売アルバムではないでしょうか。ネットで見るとF-1001からF-1028までのアルバムが有るようですがジャズ専門レーベルというわけでもなさそうです。彼女の2ndアルバム/BETHLEHEM/SOMEBODY LOVES MEやCHARLIE PARKER/WINTERS AGAINの方が人気があるのかも知れませんが、僕は本アルバムも好きで彼女の太めで低く安心感を与えてくれるボーカルを時々は聴きたくなるわけです。本アルバムのジャケットは素っ気ないデザインであまりにもシンプル過ぎて物足りませんが、彼女のアルバムのジャケットは僕の好みではないのが多くそれが残念です。“SOMEBODY LOVES ME”のジャケットも彼女を座らせている為に魅力半減と感じています。本アルバムの内容ですが録音は悪くありません。DON COATAアレンジによるオーケストラ伴奏とクィンテット伴奏とに分かれているようですが詳しくは判りません。やはりクィンテット伴奏による曲が歯切れが良くてよりリズミカルに聴けます。リズムギターの音とトロンボーン(BILLY BYERS)の伴奏も魅力的で、またチャイム(と言えば良いのでしょうか?)の音が効果的に使われています。このチャイムの音の高音がとても澄んだ音に聴こえ彼女の低い声に良く添った音色だと思います。僕の本アルバムでのお気に入り曲は順不同ですが“I COULD WRITE A BOOK”・“THE THRILL IS GONE”・“ALONG WITH ME”・“DON'T TAKE YOUR MEANNESS”・“IN LOVE IN VAIN”あたりの曲です。ジャケット写真が白地が多く物足りないのでジャケ裏の彼女の顔写真を下に載せておきます。

収録曲
A面
1, LIKE SOMEONE IN LOVE
2, DON'T TAKE YOUR MEANNESS
3, OH, YOU CRAZY MOON
4, IN LOVE IN VAIN
5, BLAH, BLAH, BLAH
6, THE WORLD IS YOUR BALLOON
B面
1, THIS TIME THE DREAM'S ON ME
2, THE THRILL IS GONE
3, SPRING CAN REALLY HANG YOU UP THE MOST
4, ALONG WITH ME
5, HERE I AM IN LOVE AGAIN
6, I COULD WRITE A BOOK