ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

ANITA O'DAYとIRENE DAYが聴ける

2008年11月21日 | 女性ボーカルO
COLUMBIA/CL6017/GENE KRUPA/10inch

このアルバムですが、ジャケットに写真もないしGENE KRUPAとあるだけで実に地味なジャケットのデザインでまず興味が涌かないアルバムだろうと思います。僕はそう思いながら裏面のノートを見るとGENE KRUPAの事ばかり書いてあって読みながら棚へ戻そうかと思った時、最後の一文にANITA O'DAYとIRENE DAYのVOCAL云々と書かれているのを読んで即購入したアルバムです。価格も躊躇いもなく買える金額で4ドルぐらいじゃなかったかと思います。ジャケットは地味なアルバムですが、その内容はANITAがクルーパ楽団のシンガーとして歌っていた頃ですから1940年初頭(1941年)に吹き込んだ"Let Me Off Uptown"等が収録されていて、彼女の若い頃の初々しいボーカルが楽しめます。もしもアニタだけを聴きたいのであれば, 同じ頃の録音だと思いますので、67camperさんのブログに掲載されているVERVE/DRUMMER MAN/GENE KRUPAを聴くのもお薦めです。かくいう僕もこのVERVE盤12inchアルバムを入手したのは67camperさんの記事を拝見してからの事でした。67camperさん、その節にはお世話になりました、今も大いに参考にさせてもらっていますが(感謝)。つけ加えると例えば10inch盤のBOOGIE BLUESは演奏時間が3分18秒程度で、VERVE12inchの同曲は3分45秒ぐらいの演奏時間ですので全くの同じ音源というわけではなさそうです。VERVEとCOLUMBIAのレーベルの違いから全く同じというわけにはいかないのでしょうね。

この頃のアニタはまだ技巧の粋を凝らした歌い口ではなくいかにも若々しいボーカルです, それでも当然充分に上手いしそのハスキーな声はその当時もその後も変わりはなかったようです。このアルバムには8曲が収録されていますが、アニタのボーカルが聴けるのは3曲です。さらにもう一人IRENE DAYという短期間だけクルーパ楽団でシンガーを務めていた彼女のボーカルが2曲収録されていますが、このIRENE DAYのボーカルが聴けるのも嬉しいアルバムです。このイレーヌ・デイというシンガーのボーカルがなかなかに聴けるんであります。アニタの声をもう少ししっとりと大人にした感じの歌い口です。このIRENE DAYというシンガーの詳しい事は知りません。さらにRとLの違うILENE DAYというシンガーもいるのですがあいにく未入手のアルバムでこちらのシンガーの事は更に知りません。IRENEとILENEの事をご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたいです。後はROY ELDRIDGEが歌うのが1曲とクルーパ楽団のインスト演奏が2曲という内容になっています。このアルバムを最初に聴いた時に嬉しかったのはA面の最初がBOOGIE BLUESで始まるのですが、この曲はアニタが63年に来日した際のDVD盤“LIVE IN TOKYO '63”のテーマ・ソングとして扱われていて、時は違いますがその時の彼女の動きや表情を思い浮かべながら聴けました。LET ME OFF UPTOWNではアニタとロイの掛け合いで始まるボーカルですが、これが聴いていて実に楽しくアニタのボーカルと肉声トークも聞けて僕にとっては嬉しい1曲です。
A-4のDRUMMIN' MANはイレーヌ・デイとクルーパのドラムのやり取りが楽しい1曲です。彼女での2曲目となるB-2のDRUM BOOGIEではDRUMMIN' MANの時の彼女とは違う印象を受けます。どんなのかというと、ちょっと元気がよくてDRUMMIN'MANの彼女のボーカルの方が僕は好きです。

収録曲
A面/☆1, BOOGIE BLUES/☆2, THAT'S WHAT YOU THINK/☆3, LET ME OFF UPTOWN/◎4, DRUMMIN' MAN/B面/1, TUXED JUNCTION/◎2, DRUM BOOGIE/ #3, KNOCK ME A KISS/4, LEAVE US LEAP (注;☆印=ANITA, ◎印IRENE,#印ROY, 無印はインスト)

ANITA O'DAY

2008年10月30日 | 女性ボーカルO
ARS/G-426/ANITA O'DAY/ANITA SINGS FOR OSCAR/

ブログの更新が今月は特にできませんでした。出張が多くて自宅にいる日も少なかったです。やっぱり自宅それも古本屋のような匂いのする自室にいると落ち着きますね(笑)。ここに居座ってレコードを聴く事ができなくなると僕はどうやってストレス解消するんでしょうね、あまり考えた事がないんですが, 今晩はふとそんな事を考えてしまいました。以前は嫁さんもテーブルクロスをより部屋に合うものを見繕って買って来てくれたり、花を飾ってくれたりしていましたが自室が段々とレコードで占領され始めるとついに見放されたようで, 全く気をつかってくれなくなりました(残念)。

今晩のアルバムはアニタ・オディの一枚ですが、ANITA SINGS THE MOSTと言えば数ある彼女のアルバムの中でも傑出して聴き応えのあるアルバムだと評価されているようですし、僕もこのアルバムはお気に入りシンガーのアニタのアルバムの中でも大変気に入っています。このアルバムはよく知られていますし今さら僕ごとき下戸が内容を説明するとお叱りを受けそうですが、そこをあえて。TENDERLYやSTELLA BY STARLIGHT等のスタンダードな曲が収録されていますが、レコード全体を通して聴いてもいささかもダレる事なく次から次へと聴かせてくれるのがまずアニタは凄いと思い、またオスカー・ピーターソン等のバックの洒落た演奏も素敵で楽しいし小気味よいです。いずれにせよアニタの名盤である事は認められた一枚でしょう。

冒頭のアルバム写真というより小冊子ですが、ARS盤に入っている4ぺージの小冊子です。ARSはAMERICAN RECORDING SOCIETYの略ですが、僕はあまり知らないのですがARSのレーベルの下にはMANUFACTURED IN U.S.A. FOR HOME USE ONLYと印刷されているのですが、これはこのレーベルがVerve傍系会社の通信販売用レーベルであったとも聞きました。どなたか詳しくご存知の方がいらっしゃればご教授願いたいと思います。それでこのARS盤とVERVE盤のどちらが先に発売されたかという事ですが、実際はARS盤が先に製造されたのですがVERVE本体からクレームが入りしばらく販売を見合わせてVERVE盤が出た後にARS盤が出されたというように思っています(と言っても自分で調べたわけではなく友人やレコード店主等に聞いた話ですが)。しかしながらそういう経緯を考えるとこのARS盤の方がより初期という事になります。という事を考えながらVERVE盤とARS盤を見比べているとどちらが音が良いのかより陰影が深いのかより心に響くのかなどという些細な事が気になるわけです。両方を聴き比べて見ましたがどちらも録音が良く(当たり前ですが)メリハリのあるジャズを聴かせてくれます。でどうなんだ? 僕のタコ耳で聴いた場合に音の違いはあるのか?と言う事ですが、残念ながら明確な違いはありません、強いて言えばARS盤は音がクッキリしているがやや硬いように思え、VERVE盤は音がややまろやかで角がとれた音のような気がします。僕の好みではVERVE盤の方が音がまとまって総合点が高いように思えました。がこれも時間を置いて聴き比べた場合には違いは感じられない範囲です。そんな程度の違いでしかないと思います。どちらで聴いてもアニタのボーカルを十二分に楽しむことが出来るでしょう。
↑ARS盤のレーベル
↑ARS盤ではジャケットはなくやや厚手のビニール袋に内袋と共に入れられている状態です
↑ VEREVE/MGV-8259/ANITA SINGS THE MOST(トランペット・レーベル/黒にシルバーのロゴ)のアルバム

パーソナル:ANITA O'DAY(vo), OSCAR PETERSON(p), HERB ELLIS(g), RAY BROWN(b), JOHN POOLE(ds), MILT HOLLAND(ds)
収録曲 A面/ 1. 'S Wonderful/They Can't Take That Away from Me/ 2. Tenderly/ 3. Old Devil Moon/4. Love Me or Leave Me/ 5. We'll Be Together Again/ B面 /1, Stella by Starlight/ 2,Taking a Chance on Love/3,Them There Eyes/4, I've Got the World on a String/5, You Turned the Tables on Me/ 6, Bewitched, Bothered and Bewildered/

ベーグルに入ったアニタ

2008年04月16日 | 女性ボーカルO
CLEF/EP-168/ANITA O'DAY/ANITA O'DAY SINGS/7inch

“ベーグルに入ったアニタ”などとタイトルに書くと何があったのかと思う方もいらっしゃるでしょうが、以下を読んでいただければ、そういう事が皆さんも経験されたんじゃないかと思いつつ書いてます。

アニタ・オディは僕がすごく好きな女性シンガーの一人、彼女が歌うとどんな曲でもジャズになる。もし彼女が東京音頭を歌ってもきっとジャズになってしまうんだろうなと思えるほどだ。この7inch盤は海外のショップで7$か8$で購入して6$か7$の送料を支払って送ってもらった代物。アニタのなら7inch,10inch,12inchを選ばず自分にとっての目新しいジャケットを見かけると入手したくなってしまう、これはきっとアニタ病というウィルスに感染しているに違いないと自分では思っている。この7inch盤を送られて受けとった時、切り抜いた2片の段ボールを取り除くと中からはベーグルの紙包みがそれもNEW YORK STYLEというのだからちょっと硬いベーグルの方、袋の中を見るとアニタのこの7inch盤が裸で入ってた。今迄にピザの箱にLPを入れて送ってくれたお店も2軒あったけど、ベーグルの袋は初めてだったのでしばらく捨てずにとっておいた。娘や息子に見せるとキャッキャッとなぜか喜んでいた。その袋もう捨てますが。そう言えば海外で入手したレコードはあまりレコードをキレイにせずそのまま送ってくるセラーが多い。猫の毛やベーグルかパンくずのようなカス、化繊ゴミやチリのような細かい汚れをつけたまま届くのが多い。日本のようにキレイにして送ってくる方が少ないと思う。拭けばキレイになるので僕はそんなに気にしない事にしている。
さてベーグルの香りただようわけはないが、この7inch盤には, NO SOAP, NO HOPE BLUES/ THE LADY IS A TRAMP/ SPEAK LOW/ STRAWBERRY MOONの4曲が収録されている。アニタは'52年にノーマン・グランツがヴァーブに録音する機会を与えてからスランプを脱したと言われてるが、そのNORMAN GRANZがライナーノートを書いているから当時の彼の力の入れ方が理解できるような気がするし、アニタの将来性を見抜いた眼力はさすがに確かなものだったと言える。収録されているこの4曲の中ではNO SOAP, NO HOPE BLUESやTHE LADY IS A TRAMPやSPEAK LOWというよく知られた曲も含めて気に入っていて7inch盤の気軽さでよく聴くのだが、例えば一番気に入っているとも言えるNO SOAP~BLUESではスキャットも雑えて歌うのだが, 決して頭で計算して歌っているわけではないはずなのに、計算されつくしたようなあるいは表現を変えればジャズに不要な要素は一切いれず必要な要素はすべて含んで歌っていて隙間なくジャズ・ボーカルのテイストが濃縮されているように感じる彼女のボーカルが好きだ。この7inch盤にはパーソナル等の記載がないので正確かどうか未確認だが多分ANITA O'DAY COLLATES/10inch盤のB面の4曲を7inch盤にしたものだろうと思う。であればパーソナルは、ROY KRAL(P)iano, EARL BACKUS(g), JOHN FRIGO(b). BOB LOINBERG(ds), JIM WILSON(bongos)という事になる。

ANITA O'DAY

2008年01月28日 | 女性ボーカルO
CLEF/MGC-130/ANITA O'DAY/COLLATES/10inch

今晩はまたも雪が降っています。この調子だと朝まで降り続くでしょう。となると明日朝の交通は大混乱です。明日は今月最後の取引先訪問があり北九州まで行く予定です。それで忙しかった1月の出張も終りなんですが新幹線はどうでしょうか。あまり遅れずに運行して欲しいのですが。

このアルバムは12inchは持っていたのですが、10inchは所有しておらず,やはり欲しくて探していました。数カ月前に海外のオークションで見つけ、誰も札入れしないので僕が入れました。数十ドルでした。するとそのまま落札してしまいました(驚)。嬉しいような本当に品物は大丈夫なんだろうかと心配しながら、セラーに送料はいくらかとメールしました。すぐにセラーから返事があり“お前はこのアルバムを落札したけれど、自分は盤の状態やジャケットの状態を全然説明していない。にも係わらずお前は入札して落札したけれどそれでいいのか?普通は事前に盤の状態を尋ねてくるもんじゃないか? お互いに納得してからやりとりをするのがハッピーじゃないか!”という内容です。そう言われればそのとおりのお話で恐れ入りました。それで遅まきながら“親切に有難う。そのとおりですね、盤の状態を尋ねるのを忘れていました。それを確認させてください。もう一つ自分は既に12inch盤を持っているけれど、出品したアルバムは間違いなく10inch盤なのか?自分は10inch盤が欲しいんだ”とメールしたところ、セラーから“OK, それじゃ盤の状態を教えよう。これはあまり良くない、キズもかなり有るし、実は針飛びも一ヶ所あるんだ。10inch盤である事は間違いない”と来ました。針飛びするのかと今さらながら落胆して読み進むと “しかし俺はこのアルバムを2枚持っている。もし希望するなら自分用のを送ってやろう、それは小キズはかなり有るが針飛びはしないから、それでいいか?”というので“当然にそれを送って下さいませませ”と連絡したのです。それから送金の段取りをしたのですが、先方が送ってくれたINVOICEではなぜか落札価格+送料の合計になりません。このセラーはおかしいんじゃないかなとか、頭は大丈夫ですかっていう気にもなりましたが、さらに数度のやりとりを経て支払いがようやく完了しました。支払い完了した後にセラーは“お前はシュアーな奴だなぁ”とか言われましたが、あなたは完全に計算違いしてらっしゃったのですよ。それから待つ事, 数週間後に届いたアルバムです。僕にとってはやきもきさせられたり冷や汗ものだったりした苦労が思い出されます。盤の状態はA面の最初の一部がチリパチ音が多く、音が少し曇っていますが、それ以外はそう気になるほどの雑音もなく聴けました。そういう思い出のあるアルバムです。無事届いてみると、あの価格でキチンと送ってくれて本人はもっと高値を期待していたんだろうなぁ~、あのセラー真面目な人だったんだなぁ~と思える僕でした。

この10inch盤と12inch盤に収録されている内容は曲数は違うのですが同じ内容です。このアルバムの中で僕がアニタって凄いなぁ~と思ったのは、どちらのアルバムにも収録されているA-1の ROCK'N ROLL BLUESで僕の好みの曲ではないのですが後半にアニタがスキャットでバックに併せて或いはバックを煽るかのようにバックと対等にそれ以上に歌うのが感嘆しました。また彼女のスキャットがバックと寸分狂わずピタッと合っているのにも驚きました。この曲は好き嫌いを越えて彼女のスキャットを一度は聴く価値があると思います。

以下は以前の記事です。
NORGRAN盤でAnita O'day の“SINGS JAZZ”1952年録音です。アニタはノーマングランツが52年にバーブに録音するチャンスを与えてからスランプを脱し54年の“ANN EVENING WITH ANITA”から本格的に開花したと言われています。これはその以前の録音ですが, このアルバムでもすでにアニタ節ともいえる色気とキュートな魅力があり、あねごスタイル風をも感じさせますが、アニタ節を確率させる前の模索している部分も感じられますし、若い頃の活発なアニタもあります。
↓NORGRAN/,GN-1049/ANITA O'DAY/SINGS JAZZ/12inch盤 若干ジャケットの色が違うようにも思えますが、あまり変わりません(パソコンの画面上ではどう映るでしょうか)
曲目ごとのパーソナルは下に記しました。

収録曲 *印が10inchに収録されている曲です。
A面
1, ROCK'N ROLL BLUES *
2, LOVE FOR SALE *
3, LULLABY OF THE LEAVES *
4, LOVER COME BACK TO ME *
5, NO SOAP,NO HOPE BLUES *
6, SPEAK LOW *
B面
1, PAGAN LOVE SONG
2, AIN'T THIS A WONDERFUL DAY
3, SOMEBODY'S CRYING
4, VAYA CON DIOS
5, THE LADY IS A TRAMP *
6, STRAWBERRY MOON *

Lover Come Back to Me, Lullaby of the Leaves, Rock and Roll Blues, Love for Sale
Roy Eldridge (tp) Bill Harris (tb) Budd Johnson (ts) Cecil Payne (bars) Ralph Burns (p, arr) Al McKibbon (b) Don Lamond (d) Anita O'Day (vo) NYC, January 22, 1952

No Soap-No Hope Blues, Speak Low, The Lady Is a Tramp, Strawberry Moon
Roy Kral (p), Earl Backus (g), Johnny Frigo (b), Red Lionberg (d), Jimmy Wilson (bgo), Anita O'Day (vo) Chicago, IL, July, 1952

Pagan Love Song, Ain't This a Wonderful Day, Somebody's Cryin', Vaya con Dios
Andy Secrest (tp) Anita O'Day (vo) Larry Russell (dir) unidentified orchestra, including strings Chicago, IL, December, 1952

ANITA O'DAY

2007年11月09日 | 女性ボーカルO
CORAL/CRL 56073/ANITA O'DAY/SINGIN' AND SWINGIN'/10inch/

今晩は。どうも一人前に風邪をひいたようです。今年は僕の地方では例年よりはやく風邪引きさんが多いようで、どこかでいただいたようです。今日から長女と孫が家に帰ってきており、また明日には次女が短期で帰省してきます。咳も熱もありませんが、なんとなく身体がだるい感じがあり, 別件でかかりつけの医者にいったところ胸の音には痰が絡んだ音がするとか言っていましたので初期症状でしょうか、早めに休んで出来るだけ軽く済ませたいと思います。

今日の紹介のアルバムはANITA O'DAYの10inch盤なのですが、このアルバムの存在を知ってから探し当てて入手するまで、かなりの時間を要しました。レア度と言う観点からどの程度のレア度かは不明な僕ですが、簡単に探し出せるアルバムでもないように思えますのでレア度三星か四星ぐらいかなと想像しています。本アルバムの発売は1951年ではないかと思いますが、録音年は分かりません。収録の一部の曲は ’47年シグネイチャー原盤の“ANITA O'DAY FIRST RECORDING”でHI HO TRAILUS BOOT WHIP”があり、RCA原盤FLYING DUTCHMANで“HOW HIGH THE MOON”がありとどれも若い時のアニタ節が聴けるのですが、それぞれの曲がそれらの原盤からのと同じ収録かどうかはシグネイチャー原盤やRCA原盤を聴いていないので不詳です。が '51年までのSP盤も含めた録音から選んで収めたアルバムになっているのではないでしょうか? 彼女は '47年後半から薬に逃げるようになるのですが、収録曲を見るとその前後からの録音に間違いないのではないかと思います。オーケストラ伴奏ですが曲ごとに指揮が異なっています。指揮者の名前を挙げると, BENNY CARTER, WILL BRADLEY, RALPH BURNS, ALVY WEST, SY OLIVERとなっていますが、これも音源が一つではないという事で曲によって録音状態が異なるのですが再生音は悪くありませんし, 盤の状態も50年以上前のものとは思えないくらいキレイです。ジャケットに使われている彼女の写真は“ANITA O'DAY WITH GENE KRUPA”に使われている写真と同じ髪形・ドレスです。それではお休みなさい。

収録曲
A面
1, KEY LARGO
2, HI HO TRAILUS BOOT WHIP
3, I AIN'T GETTIN' ANY YOUNGER
4, MALAGUENA
B面
1, HOW HIGH THE MOON
2, SOMETIMES I'M HAPPY
3, ACE IN THE HOLE
4, WHAT IS THIS THINGS CALLED LOVED

PAT O'DAY

2007年08月25日 | 女性ボーカルO
SPINORAMA/MK 3080/PAT O'DAY/CAN CAN

パット・オディは僕のブログではGOLDEN CREST盤の“WHEN YOUR LOVER HAS GONE”に続いて2枚目のアルバムとなります。こういうアルバムがあるとは知らなかったのですが、ある晩にネット徘徊している時に偶然に見かけ、こういうジャケット写真も悪くないと思いましたし、何よりパット・オディのアルバムという事で入手した次第です。ジャケットを見ていただければお判りと思いますが、ブロードウェイー・ミュージカルのCAN CANを彼女が歌ったものです。内容はGOLDEN CREST盤のアルバムがもちろん充実していますが、こういうアルバムもあるんだと自分が知らなかった覚えがあるので紹介させていただく次第です。全曲を彼女が歌っているわけではないのですがA-1の長いメドレー前奏に続いて歌う C'EST MAGNIFIQUEやB-3のALLEZ-VOUS-ENは彼女の可愛らしい歌い口が楽しめます。偶然に入手したアルバムなので苦労もなかったわけですが、そう入手難というほどのアルバムではないと思います(?)。それにしてもコールポーターのCAN-CANというとMGM盤のLILO/C'EST MAGNIFUQUEのアルバムジャケも同じような網タイツのジャケットですが、自分は網にかかる雑魚のようなものでなぜか魅かれます(失礼しました)。もっともこちらのアルバムはLILOのとは違ってパット・オディ本人の写真ではなく, モデルによる写真ですが。

収録曲
A面
1, C'EST MAGNIFIQUE*
2, IT'S ALL RIGHT WITH ME
3, I LOVE PARIS*
4, COM ALONG WITH ME
B面
1, LIVE AND LET LOVE*
2, I AM IN LOVE
3, ALLEZ-VOUS-EN*
4, CAN-CAN*
*印を彼女が歌っています。

ERIN O'BRIEN

2007年08月08日 | 女性ボーカルO
CORAL CRL57194/ERIN O'BRIEN/SONGS FROM THE HEART OF/MONO

1935年カリフォルニア州LOS ANGELES生まれの彼女ですが、僕はこのアルバムしか持っていないし彼女の他のアルバムは見かけた事がないのでよく知りません。他にもアルバムはあるんだろうか?そんなにレアでもないと思いますが、このアルバム僕が出会うまでには結構時間がかかりました。あまり期待もせず聴き始めたのですがメゾソプラノの声が実に心地よいボーカルです。僕は甲高い声やオペラ風のボーカルはあまり得手ではありませんが彼女の感情が届くような歌い回しは格別の味わいでした。この実力はアーサー・ゴッドフリーのタレント・スカウト・ショーで優勝しただけのことはあると納得できました。といって彼女は声域が広いようで低いところでの声も表現力があります。ビクターヤングの名曲であるA-1のMY FOOLISH HEARTはもともとこの曲自体が好きなのですがドナー・フラーの控えたボーカルも大好きですが, エリン・オブライエンの歌い上げるボーカルも聴かせてくれます。ジャケットの写真の彼女から受けるイメージと聴いたボーカルのイメージがあまり違わないアルバムで、どの曲も情感のこもった彼女のボーカルが楽しめます。

CHARLES BUD DANTによるオーケストラ伴奏
収録曲
A面
1, MY FOOLISH HEART
2, LET ME LOVE YOU
3, FORBIDDEN LOVE
4, LOVE LETTERS
5, THIS LOVE OF MINE
6, I'M GLAD THERE IS YOU
B面
1, WHEN I FALL IN LOVE
2, THESE FOOLISH THINGS
3, MAYBE IT'S BECAUSE
4, MY ROMANCE
5, EV'RY TIME
6, WHERE'S THE HAPPY ENDING

Anita O'day

2006年11月25日 | 女性ボーカルO
今日の新聞でAnita O'DayがL.A.の病院で23日, 肺炎の為に87歳で亡くなったとありました。それで何か彼女のアルバムをと思って棚を見て最初に手にしたのがこのアルバムでしたので今晩は彼女の本アルバムにします。また一人大好きなシンガーが逝ってしまいました。たくさんの歌を有難うございましたと伝えたいです(合掌)。

VERVE盤でANITA O'DAYの“TIME FOR TWO”1962年録音・レコード重量165g

彼女のボーカルは最高峰と言われても間違いではないと思います。器楽奏者に劣らぬ巧さがあるし、そのアドリブ唱法は聴けばすぐ彼女とわかるものでしょう。A-3のJust In Timeは特に彼女らしくこなした一曲だと思います。このアルバムは好きな曲の一つであるA-4のUnder A Blanket Of Blueが収録されているのも私には嬉しいです。久し振りに本アルバムを聴きましたが、1960年代になってからは彼女の声も多少衰え,1962年当時は調子を落としていたと言われていますが、声の衰えは別として私にはその不調の感触は識別できません。相変わらず上手いし聴かせると思います。


パーソナルは, Anita O'day(vo), Cal Tjader(vib), Lonnie Hewitt & Bob Corwin(p), Freddy Schreiber(b), Johnnny Rae(drs)

収録曲
A面
1, Thanks For The Memory
2, It Shouldn't Happen To A Dream
3, Just In Time
4, Under A Blanket Of Blue
5, That's Your Red Wagon
6, Peel Me A Grape
B面
1, Occasional Man, An
2, Party's Over
3, I Believe In You
4, Mr. Sandman
5, Spring Will Be A Little Late This Year
6, I'm Not Surprised To Be Blue Blues

Helen O'connell

2006年05月15日 | 女性ボーカルO
DECCA盤でHelen O'connellの“Latin American Favorites”です。録音年はわかりません。彼女の経歴や歌よりもこのアルバムのどこが気に入ったかというと写真の彼女の服装です。上着の前が大きく割れており豊かな胸が誇らしげに存在感を訴えています。この写真を眺めながら彼女の歌声に耳を傾けるというのも悪かろうはずがありません。

Jimmy Dorseyのオーケストラ伴奏。

収録曲は
A面が
1, GREEN EYES
2, THE BREEZE AND I
3, SIX LESSONS FROM MADAME L ZONGA
4, AMAPOLA
5, TANGARINE
6, MARIA ELENA
B面が
1, YOURS
2, ALWAYS IN MY HEART
3, LATINS KNOWS HOW
4, BRAZIL
5, TROPICAL MAGIC
6, AT THE CROSS ROADS

HELEN O'CONNELL

2006年04月28日 | 女性ボーカルO
DECCA盤でHELEN O'CONNELLの“REMEMBER JIMMY”です。アルバム題名から想像するにJIMMY DORSEYへの追悼アルバムでしょうか?JIMMY DORSEYのオーケストラ指揮で彼女のヒットした曲がBOB EBERLYと共にO'CONNELLが歌っています。BOB EBERKYという歌手の事は判りませんが低い落ち着いた声の持ち主で彼女の声とよく合い、おもしろい構成になっています。1曲を二人が交互に歌うのもあり、曲ごとに歌い手が変わるというアルバムになっています。

収録曲はA面が,
1GRENN EYES
2,THE BREEZE AND I
3,SIX LESSONS FROM MADAME LA ZONGA
4,MY PRAYER
5,I SAID NO
6,BRAZIL
B面が,
1,AMAPOLA
2,I UNDERSTAND
3,ARTHUR MURRAY TAUGHT ME DANCING IN A HURRY
4,YOURS
5,EMBRACEBLE YOU
6.TANGERINE

Helen O'connell

2006年04月24日 | 女性ボーカルO
VIK盤でHelen O'connellの“ Green Eyes” 1957年録音です。彼女は1920年オハイオ州生まれで、アイルランド系の家に生まれた金髪の美人歌手と本には紹介されていますが、このアルバムの写真を見るとそれに異を唱えることはできません。'41年には“アマポーラ”でミリオンセラーを記録しましたがその後に結婚して引退したそうですが、ほどなくカムバックし'80年にはローズマリークルーニーとツアーに出て大成功を収めたという事です。このアルバムは彼女のアルバムの中でも人気が高いものでしょう。彼女の得意とする歌が選曲されているようで、聴くとのびのびと自信に溢れた歌い回しをしています。どちらかと言うと声量を活かして歌い上げる歌手ですが、余力を充分に残しながら押さえた表現になっているところが好ましいところです。バンドシンガーの花形としての華やかさも感じられますし、ドリスデイーと並ぶお気に入りの歌手です。

指揮はMarion Evans
収録曲はA面が
1.Star Eyes
2.Not Mine
3.Tangerine
4.Green Eyes
5.Yours
6.When The Sun Comes Out
B面が
7.All Of Me
8.Jim
9.Amapola
10.Time Was
11.Embraceable You
12.Brazil

余談ですが、以前にも投稿して申し上げましたが、このブログを始めて改めていろんなアルバムを聞き直す機会が増え、アルバムの良さを再認識しています。よほど好きでないアルバム(例えば個人的にはMARLA SMITH)以外には好み以外のアルバムでも良さは感じられると思います。時代を経て残ったアルバムはどれも良いということでしょうか。

RUTH OLAY

2006年04月18日 | 女性ボーカルO
EMARCY盤でRUTH OLAYの“OLAY!”1957年録音です。1927年SF生まれの彼女は1951年にLAでベニーカーター楽団に入ってデビューし、カーターの口利きで後にジェリーフィールデイング楽団にも在籍したとボーカル本にはあります。彼女の歌はビブラートを多様したり(あまり好きではありません)清楚にも可憐にも歌いますし憂いを秘めた歌い方もしますし自由自在といった印象です。A面の1曲目のSINGIN' IN THE RAINがビブラート多様でフェイクもあり“これは好きじゃないな”と判定を下したのですが曲が進むうちにだんだと良くなってきて印象を持ち直してくる不思議なアルバムです。

PETE RUGOLOのプロデュースで伴奏陣は、SHELLY MANNE(ds),BUD SHANK(afl)等が名を連ねています。
収録曲は
A面が
1,SINGIN' IN THE RAIN
2,SLOW BUT SURE
3,LOVER MAN
4,WHEN THE SUN COMES OUT
5,LICKY DAY
6,IT NEVER ENTERED MY MIND
B面が
1,YOU MAKE ME FEEL SO YONG
2,I LET A SONG GO OUT OF MY HEART
3,LOVE FOR SALE
4,I'M GLAD THERE IS YOU
5,AFTER YOU'VE GONE
6,I WANNA BE LOVED

ANITA O'DAY

2006年04月15日 | 女性ボーカルO
VERVE盤でANITA O'DAYの“PICK YOURSELF UP”1956年録音です。彼女は1919年イリノイ州シカゴ生まれ。ジャズボーカリストはシカゴ生まれが結構多いですね。39年からプロ活動を開始し、スタン・ケントン楽団を経てソロとして独立し、ヴァーヴ時代に数多くの録音を残し歌手としての地位を築いた。クリスコナーをはじめ彼女の影響を受けた歌手は多い。まるで草書体のようにくずした歌い口調とシットリとした深みのある声質や時々裏声になってしまうのでは思わせる危うい所(本当は全く危うくないのですが)が好きなところでもあります。いつ聴いても上手いなあと思います。

収録曲
1. Don't Be That Way
2. Let's Face the Music and Dance
3. I Never Had a Chance
4. Stompin' at the Savoy
5. Pick Yourself Up
6. Stars Fell on Alabama
7. Sweet Georgia Brown
8. I Won't Dance
9. Man With a Horn
10. I Used to Be Color Blind
11. There's a Lull in My Life
12. Let's Begin

*本日は雨の中のゴルフでやや疲れましたのと明日もゴルフですので早めにお休みします。また月曜日にお会いしましょう。お休みなさい。


Anita O'day

2006年04月06日 | 女性ボーカルO
VERVE盤のANITA O'DAYの“swings COLE PORTER with Billy May”録音は1959,1960年です。本アルバムでは、ジャズヴォーカルの真骨頂とも言えるのではと思えます、全曲スタンダードナンバーを艶やかに歌っています。

収録曲
A面
1.Just One Of Those Thing
2.You'D Be So Nise To Come Home To
3.Easy To Love
4.I Get A A Kick Out Of You
5.All Of You
6.Love For Sale
B面
1.Get Out Of Town
2.I'Ve Got You Under My Skin
3.Night And Day
4.It'S De Lovely
5.I Love You
6.What Is This Thing Called Love