ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

一音一声が心に届くAUDREY MORRIS

2010年07月31日 | 私的Rare盤
X/LXA-1028/AUDREY MORRIS/BISTRO BALLADS/1955

まず独り言です。最近僕のブログにコメントしてくれたApril Amesさん、この方はご本人だろうか気になっています。返事しようかとも思ったんですが本人かどうか確認できないので、保留状態です。彼女が健在かどうか僕には分かりません、健在なら77歳という事なんですがネットできるんでしょうか????。

2月末から出産で帰省してきていた長女が東京へ帰りました。ほぼ5ヶ月ぐらい家にいた計算ですが長く実家へ帰らせてもらって有り難いことだと思います。同じく出産で帰省していた次女も来週には同じく東京へ帰ります。孫がいなくなると、もとの静かな生活へ戻りますが家内と二人だけだと(長男は大体は家にはおりません、ほとんど行方不明状態)侘寂の世界となります。レコードはゆっくりと聴ける状態にはなるはずです。


本題へ戻ります。これは彼女のデビュー・アルバム。以前はFS盤で聴いていたのだが運良くオリジナルが入手できた。(注:僕が本ブログで入手価格をある程度具体的に記している時はすべて本人が安く入手できたと思っている場合で、入手価格に言及していない時は高価格で入手しているか、或いは更に相当に高価格で入手していると本人が自覚している場合です。苦笑) かなりレアな部類に入るアルバムと思う。彼女のアルバムではやはり初期の頃のアルバムの方がより彼女の持ち味が発揮されていると思う。このシカゴのXレーベル僕が持っているのは本アルバムだけ、詳しい事は知らないが1950年から1960年台まで存在していたようだ。彼女オードリー・モリスはシカゴ出身でクラブシンガーとして5年ほど歌った後に本アルバムの収録に至ったとノートにはある。ジャケットの彼女の大写し写真は眼チカラがあって良いのだが、ブルーと赤の割り付けがダサい感じがあってあまり好きじゃない。割り付けが横ではなく縦にブルーと赤で構成されているのがATLANTIC/JOHN LEWIS & SACHA DISTELのAFTERNOON IN PARISこれもダサいと思う。こちらは仏盤や英盤はそういう色の割り付けをしていないので、かすむエッフェル塔がバックで生きて雰囲気のある良い出来栄えだ。ただ彼女の本アルバムは仏盤や英盤は見た事がないので多分発売されてないんだろうと思う。
本アルバムを自宅で聴くとまるで彼女が一人で自室に来てくれてピアノを弾き語りしているような錯覚におちいるほど、ほぼ彼女のピアノ弾き語りのみといった内容。再生音は良いのでそばで歌ってくれているような気分になる。ベースはほとんど目立たず遠慮して引っ込んでいる。シンバルにいたってはアルバム全体を通してもその存在が感じられにくいほどに粛々とブラッシングしている。
本アルバムでの彼女の弾き語りですが、ピアノは長弾きせずに単音の積み重ねに歌い慣れた曲を丁寧に歌い綴っている。アルバム・タイトルでもあるバラードで全曲が構成されているので、やや一本調子に感じるのは致し方ないところかな。彼女の得意な分野がバラードを主体としたゆったりとした曲調なのだろう。彼女のアップ・テンポな曲があったかなと記憶を巡らしているのですが、すぐに出てこない。彼女のBETHLEHEMのTHE VOICE OF AUDREY MORRISの方がMATY PAICHのアレンジ指揮という事もありアルバムの構成はこちらが良いとは思うが、本アルバムは彼女の素のままのヴォーカルが味わえる1枚という事で満足しておこう。

パーソナル:AUDREY MORRIS(vo), JOHNNY PATE(b), CHARLES WALTON(cymbals)

収録曲/A面/1, NOBODY HEART BELONGS TO ME/2, WHERE ARE YOU/3, GOOD MORNING HEARTACHE/4, COME IN OUT OF THE RAIN/5, SWEET WILLIAM /B面/1, BLAH,BLAH,BLAH/2, GUESS WHO I SAW TODAY/3, GUESS I'LL HANG MY TEARS OUT TO DRY/4, APRIL FOOL/5, THE END OF A LOVE AFFAIR/

数あるDINAH W.の中でお薦めアルバムの一つがコレ!?

2010年07月26日 | 女性ボーカルW,Y,Z
EMARCY/MG36011/DINAH WASHINGTON/FOR THOSE IN LOVE/1955年

ブルースの女王ダイナ・ワシントンの数あるアルバムの中でも僕のお気に入りの一枚“FOR THOSE IN LOVE”。そのブルースの女王が歌うジャズ・アルバムでは“AFTER HOURS WITH MISS D/” やクリフォード・ブラウンとの共演盤“DINAH JAMS”ももちろん文句はないのですが、本アルバムもそれ等に劣らぬジャズ・アルバムとしての名盤。
昔は国内盤で聴いていたのだが、WYNTON KELLYのを探していた時に出会ったアルバムでオリジナルでもあったし、且つ安かったので(50人ぐらいのGeorge Washingtonだったと思う)即買いしたアルバム。それで届いたのがシルバー・リムのオリジナルでかなり嬉しくちょっと驚いた次第。
彼女のボーカルには独特のクセがあってそれが好きでないという人もいると思う。僕も最初はちょっと馴染めない感じもあったが、それが今は全くない、それどころか人によってはその馴染めない部分こそが彼女の魅力なのだと今では思う。彼女のヴォーカル、人によっては甲高い声という人もあるだろう。でもその良く伸びる高音で天を真っ二つに切り裂くようなヴォーカルは快感である。加えてフレージングの巧みさと滑らかさ,精密さは流石と感じさせられる。国内盤に替わって入手した本アルバムだが思いがけずの1stオリジナル盤で加えて非常にキレイな盤面で僕の所有しているEMARCYの他のオリジナル盤とくらべても本アルバムの盤面が一番キレイ。気になるチリパチ雑音もなく、ターン・テーブルに載せて聴き始めた時にあまりの高再生音に思わず表情がゆるんでいくのが自分でも分かった。そして本アルバムは米国からのプレゼントのような想いがした。思いがけず聴けば聴くほど気に入ったアルバムをあらためて聴く時の幸せな気分はどなたにもお有りではなかろうか。本アルバムが録音されたのが1955年という事だから彼女は数度の結婚離婚を繰り返して当時は独り身だった頃だろうか、そういう恋多い女王が歌った本アルバムのタイトルFOR THOSE IN LOVEを直訳すれば“恋してるそれらのために”となるのかな?そういう恋多き女王が歌うアルバムをあらためて聴いてみて下さい。バックのメンバーもいい顔ぶれでしょう。その演奏もそれぞれがしっかりとソロ演奏をしていて楽しめます。それからWYNTON KELLYのピアノもやっぱり好きだなぁ~。

パーソナル:DINAH WASHINGTON(vo), CLARK TERRY(tp), PAUL QUINICHETTE(ts), JIMMY CLEVELAND(trb), CECIL PAYNE(bsax), KETER BETTS(b), BARRY GALBRAITH(g), JIMMY COBB(ds), WYNTON KELLY(p)

収録曲/A面/1, I GET A KICK OUT OF YOU/2, BLUE GARDENIA/3, EASY LIVING/4, YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS/B面/1, THIS CAN'T BE LOVE/2, MY OLD FLAME/3, I COULD WRIGHT A BOOK/4, MAKE THE MAN LOVE ME/

レコードの仕分け

2010年07月10日 | 世間話
この2週間ほどの間は夜に時間があればレコードの整理をしています。A,B,C~X,Y,Zまでの分類の再整理(分類違いのところへ収納したアルバムもあったので)。そして一番の目的は、スペインのFRESH SOUND盤や米OJC盤、日本NORMAやM&M盤及びその他の日本盤を棚から選別してケースにひとまず収納しました。一つのケースに60枚から65枚が収まるので,約8ケース分として500枚前後。500枚の内訳はヴォーカル関係は少なく100枚足らずで、それ以外はインストもの。棚に残ったのはすべてがオリジナル盤というわけでもなくセカンドやそれ以降のも有るのですが、この整理した500枚を棚に収納するスペースがなく分類したわけです。このケースに収納されたレコードは体力に余裕のある時に蔵に移動させるつもり。これで棚に多少のゆとりができたが、これもしばらくするとキツクなってくるんだろうと思う。整理している時に久し振りに手に取ったオリジナルと思い込んでいたアルバムが日本再発盤だったりして記憶の不確かさにがっかりした。そういったオリジナルと思い込んでいた盤で早速買い直したアルバムも数枚ある。その数枚はどれもポピュラーなアルバムなので探し回ることもなく、入手が容易だったのは有り難かった。ただ日本盤と分かっていたが、オリジナルを入手しようという意識がなく文字どおり店晒しになっていたアルバムを久し振りに手にした時に、一度か二度見かけた事があるのに全く動意がなかったのが、今となってだが口惜しい、今更探しても簡単には見つかりそうもない(涙)。

ゴードンとの息の合ったKARIN KROG

2010年07月09日 | 女性ボーカルK
(Sweden)SONET/SLPS 1407/KARIN KROG/SOME OTHER SPRIG(BLUES AND BALLADS)/stereo 

NORWAY生まれのカーリン・クロッグの代表的な一枚。昔は再発盤で聴いていたアルバム。このアルバムで思い出す事と言えば、本SONET盤を入手してターンテーブルにレコードを載せ針を下ろしヴォリュームを上げた、ヴォリュームをいつもより少し上げ過ぎたのだろうか、いきなりDEXTER GODONのテナーがブウォ~ときて慌ててヴォリュームを絞った印象が今でも残っている。それくらい彼のサックスの印象が強い。KARIN KORGは1937年ノルウェーのオスロ生まれ。60年代初頭から地元オスロやストックホルムで活動を始めヨン・クリステン、ヤン・ガンバルク、アリルド・アンデルセン達と共演し注目を集める。64年のフランス、アンティーヴ・ジャズ祭で世界デヴューした。また70年にはアルバート・マンゲルスドルフ、ジョン・サーマンらと万博で初来日しました。71年にはデクスター・ゴードン、77年にはアーチー・シェップとレコーディングもおこなった。彼女の歌はちょっとクセが強過ぎてというか捏ね回す部分があって好きになれないという人もいるようです。kuirenも大のお気に入りかというとそこまでは言えないけどで特定のアルバムを除いては好きなアルバムもあり、その一枚が本アルバム。


本アルバムは彼女の母国オスロでの収録。彼女のヴォーカルもさることながら、共演のDEXTER GORDONの演奏も実にリラックスしているように聴こえる。彼はヴォーカルでも参加しておりKARIN KROGとDEXTER GORDONの息のあった共演盤といった方が判りやすいかとも思う。
ちょっと投げやりともとれる彼女のヴォーカルですが、それが嫌みではなく良い意味での個性として発揮されているアルバムだと思う。DEXTER GORDONの良く歌うサックスが心地よい塩梅でバッキングしてます。KARIN KROGのアルバムの中でも一番のお薦めだと思う。

パーソナル:KARIN KROG(vo), DEXTER GORDON(ts, vo), KENNY DREW(p, organ), NIELS HENNING(b), ORSTED PEDERSEN(b), ESPEN RUD(ds)

収録曲/A面/1. Some Other Spring/2. Blue Monk /3. How Insensitive/4. Blues Eyes/B面/1, Jelly Jelly /2. Tribute To Jimmy Scott-- I Wish I Knew / Everybody's Somebody's Fool/3, Shiny Stockings





DSMジャケのMARY ANN MAcCALL

2010年07月05日 | 女性ボーカルM
NORGRAN/MGN-1013/MARY ANN MAcCALL/ANOTHER EVENING WITH CHARLIE VENTURA and MARY ANN MAcCALL #2/1951年録音

本アルバムはMARY ANN MAcCALLのボーカルを聴く為というのも入手動機の一つですが、DSM(DAVID STONE MARTIN)のジャケットも好きなので入手したかったというのが入手の動機のもう一つの理由。彼女のヴォーカルは本アルバムに2曲しか収録されていない。WE'LL BE TOGETHER AGAINとTHERE'LL BE SOME CHANGES MADEのみであるから彼女のヴォーカルをもっと楽しみたい向きは、REGENT盤MG6040のEASY LIVUNGやJUBILEE盤/DETOUR TO THE MOONがもっと満足できるかもと思う。DSMジャケ目当てで入手したこのアルバムだが #2 とあるので #1 もあるんだろうか、その辺りはよく分からないkuirenです。最初は、本アルバムの内容も10inchのNORGRAN盤MGN-20と内容は同じじゃないかと思っていたのだが、それは違った。本アルバムを入手する以前から、一番下に写真を載せたDSMのイラスト画を入手して額装し部屋に置いていた。本当はDSMのイラスト画で一番入手したかったのはCELF盤CHARLIE PARKER/MAGNIFICENTのだが探しても見つからなかった。新宿のHAL'Sの壁にはそれが掛けられている、それは原画だと思うけれど原画の価格は見当がつかない。本題に戻ってそのイラスト画と同じジャケだったので入手したのが本アルバム。


2曲しか彼女のヴォーカルは聴けませんが、メランコリーな味わいは変わらずでいつの間にか聴き手の気持ちに入り込んでくる歌い回しが憎いところ。
このイラスト画はたしか100ドル超ぐらいで入手したような記憶がある。地元で額を買ったらほぼプラス60ドルになってしまった。食堂へ掛けておいたら自分のスペースへ飾ってと意見されトホホのkuirenでした。#2があればつい#1もと揃えたくなるのが人情で、知らず#1を探している自分に気づいた。#1はあるようには思えないのだが(苦笑)。

1951年・1952年・1954年の録音でメンバーも入れ替わっている。録音時のメンバーは下記のとおり
Charlie Ventura (ts, bars, bass sax) Ralph Burns (p) Chubby Jackson (b) Louis "Chick" Kenny (d))/ NYC, August 6, 1951/
収録曲/ Lover/ Yesterdays/

Charlie Ventura (as, ts, bars) Gene Kutch (p) Ace Tesone (b) Chick Kenny (d)/ NYC, December 22, 1952
収録曲/ Jersey Bounce/ Deep Purple

Charlie Shavers (tp) Kai Winding (tb) Lenny Hambro (as, bars) Charlie Ventura (ts, bars) Danny Bank (bars, fl) Dave McKenna (p) Perry Lopez (g) Bob Carter (b) Sonny Igoe (d) Mary Ann McCall (vo)/ NYC, August 16, 1954
収録曲Swingin' On A Star/Charlie's Venture/ The Breeze And I/ Soft Touch/ We'll Be Together Again/ There'll Be Some Changes Made/ It Don't Mean A Thing

じっくり聴きたいANN BURTONのスローバラード集

2010年07月02日 | 女性ボーカルB
蘭ARTONE/XDJ S-5020/ANN BURTYON/BALLARDS & BURTON/Stereo/ (この記事は以前のに加筆して再アップしたものです)

リタ・レイスも有名で人気あるけど, このアン・バートンもオランダを代表する女性ジャズ・シンガーの一人。本アルバムは、BLUE BURTONと並ぶかそれ以上の彼女の代表アルバムだと思ってます。彼女の名前でおもしろいのはBURTONというのは彼女の好きな役者リチャード・バートンからとったのだと岩波洋三氏の著書で読んだ記憶があります。本アルバムで気になる事があるのは、国内外オークションにおいて蘭盤ARTONEがオリジナルにもかかわらず、後発のCBS盤をオリジナルとして売りに出しているセラーがいる事。それは正確ではないと思いますので、もしご存知でない方がいらっしゃればご留意いただきたいところです。ジャケットの彼女の顔の大写し写真を見ると、彼女の意思の強さが表れているような固い印象を受けますが、姿よりも彼女の歌唱力を楽しみたいと思いう。本アルバムを入手したのは、今はもう閉店してしまいましたが、大阪難波のBIG PINKで、その閉店セールを催している時に店主に掛け合って半額にしてもらった思い出の品物。店主殿その後もお変わりなく元気でお過ごしでしょうか?その節は大変お世話になり有難うございました。

バラードが得意な彼女です、アルバムのどの曲を聴いても彼女の暖かみが感じられるようなバラードが心に染み入ってくる。特に最初の曲“A LOVELY WAY TO SPEND ANN EVENING”は好きなボーカル曲ベスト10の上位を今でも占めています。他の曲もどれも楽しめます。まさに大人のバラードの味わいで、こういうスローバラードを聴かせるシンガーも少なくなったと思う。

バックのLOUIS VAN DYKEのピアノもバラードによく合わせて一音一音を大切に弾き、その一音が聴き手に心地良さを誘う。

パーソナル; ANN BURTON(vo), LOUIS VAN DYKE(p), JACQUES SCHOLS(b), JOHN ENGELS(ds), RUDY BRINK(ts)

収録曲/A面/1, A Lovely Way To Spend An Evening /2, Try A Little Tenderness/3, Bang Bang/4, Someone To Watch Over Me/B面/1, The Shadow Of Your Smile/2, It Never Entered My Mind/3, That Ole Devil Called Love/4, Here's That Rainy Day

*明日は西宮へ英国ロイヤル・バレー団を鑑賞に行きます。今回で同バレー団の鑑賞は2回目ですが楽しみにしています。。また日本は惜しくも負けましたが、今晩からは好カードのワールド・カップも見なけりゃいけないし睡眠時間が慢性的に足りないです。