ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

美空ひばりもアナログが宜しいかと・・

2012年02月12日 | 女性ボーカルH
日本COLUMBIA JPS-5058/美空ひばり/HIBARI sings JAZZ SONGS/ (これは以前のものに加筆した記事です)

コロンビアオリジナル盤の美空ひばりだ。本当はコロンビアではなく正確にはコロムビアと同社では今でも呼称している。そのコロンビア、多摩川下流の六郷橋の下手の川崎市港町に工場があった。その工場の屋上に設置された巨大な音符入りのネオンサインが夜には大変に目立った。残念だったが平成になって川崎工場は外資系に売却されそのネオンサインも撤去された。そのコロンビアの専属歌手でもあった美空ひばりだが彼女が亡くなってからコロンビアも大黒柱を失ったかのように元気をなくしたように思える。

美空ひばりがまだ若かった頃、祖母が“美空はほんまに歌が上手いのぉ~”とテレビで歌う美空を見ては感心していたが、小中学生の頃の僕に歌謡曲の良さは理解できず美空のどこがえんじゃろう、歌う表情も自慢げにしてからにと思っていたし、当時は美空よりポップシンガーであるコニー・フランスのカラーに口紅や可愛いベイビーやルイ・アームストロングのペットとボーカルの方がよほど良かったわけです。美空ひばりもいいなぁと思い始めたのは彼女が大病から回復なって再度歌い始めた頃かな、愛燦燦や川の流れのようにを聴いた頃だから彼女に対しては奥手の僕だった。それ以降に江利チエミや美空のレコードを探したがレコードは見かけなかったのでCDを買って聴いていた。その1枚が一番下に記事にしたCDだった。

本アルバムの再発盤が発売になった時は早速大阪の店に予約注文した。欲しかったオリジナルというべき本アルバムを最初に見たのは新宿の廃盤店で新品同様のピカピカだったが値段も相当に高かったし他にもっと入手欲をそそるレコードがあったのでその時は購入をあきらめた。それから数年は美空のORIGアルバムを見ることはなかったが今から3年ぐらい前に東京のレコード店で見かけて入手した1枚。値段も最初に見た時よりかなり安かったように思う。
オリジナルと再発盤の音がかなり違う事がオリジナルを入手して聴いてから初めて分かった。オリジナルは中域がしっかりしていて土台がある再生音で聴ける。美空の歌声も本来の骨太さで聴けるのだ。それに比べると再発盤は中域が抜けて歌音にも芯が感じられないような物足りない再生音になっている。再発盤とCDの音はあまり変わらない。どちらも美空のボーカルだけが浮き出てバックの演奏が妙に奥に引っ込んで遠慮がちに聴こえる。
こちらのジャケ写真が再発盤のであるがジャケ写真が再発らしい複写独特の鮮明さがないものとなっている。美空の顔もハレーションを起こしたような状態でドレスの色や鮮明さも違う。両開きのジャケットは基本的にオリジナルも再発も同じような作りではあるがオリジナルはペラジャケの両開きである。昔のオリジナルが手安く入手できる状況でないのは承知しているがもし機会があればORIGで聴いてもらえれば美空ひばりの魅力が更に味わえると思う次第です。


↓以下は、以前のCDをアップした時の内容
これはLPではありません。日本コロンビアからのCDでアルバムタイトルは“HIBARI sings JAZZ SONGS”副題がナットキングコールをしのんで 発売日1998年となっています。初版のLPはもっと以前だったのでしょうか?よく知りません。しかし、このCDでの収録が嬉しい事にコロンビアより重量盤LPとして発売されることになりました。予約限定販売で第一回販売日が10月中旬です。それが再発盤にあたるのだろうとは思いますが、美空ひばりのLPが一枚くらいあってもよかろうと申し込みをしています。このCDの録音は伴奏が原信夫とシャープス アンド フラッツ及びコロンビア ストリングスですが、ヒバリの歌は彼女の持ち味を生かして歌っているのですが演奏(録音が?)がヒバリに気がねして完全に引いてしまっているのが惜しいアルバムです。多分LPも同じ味付けとは思いますが、多少は味付けを変えて発売してくれるかなという淡い期待もあるのですが如何なるでしょうか。それから美空ひばりの英語発音は悪くないですよ。青江三奈は発音はあまり良い出来とは思いませんでしたが。このアルバムの中ではkuirenは“ペーパームーン”が一番好きです。録音は1965年のようです。

収録曲/1, スターダスト/2, ラヴ/3. 魅惑のワルツ/4, 歩いて帰ろう/5, トゥ・ヤング/6, ペイパー・ムーン/7, 恋人よ我に帰れ/8, プリテンド/9, 月光価千金/10, 慕情/11, ロンリー・ワン/12, 夕日に赤い帆


下記の2つのリンクも参考になります。興味のある方はどうぞ!

岩浪洋三氏による美空ひばりの感想


↓訪問と同時に彼女の“スターダスト”が聴けます。
美空ひばりの公式サイト

シンガーの売り物はヴォーカルです for SONYA HEDENBRATT

2010年06月15日 | 女性ボーカルH
(Sweden)MEGAFON/MFEP11/SONYA HEDENBRATT/DU SONYA/7inch/

今日の主役は1931年スウェーデン生まれのボーカリストSONYA。SONYAをどう発音していいのか分からないままです。本業はシンガーだと思うけど映画にも出演していたようで、アクトレスとしても紹介されている。(天国のSONYAさん失礼しますが)ジャケ写真の彼女を見て若さとか美しさとかで勝負していない女性だと理解できるのではないだろうか? 同じようなタイプとして連想するのは日本代表としては天童よしみ、米国代表ではジャニス・ジャップリンJANIS JOPLIN。どの女性もお世辞にも美人とは言えないけれど何故かしら親近感を感じさせる。そして彼女達は容姿で補えない分、更に歌に磨きをかけ自身のボーカルで聴衆を引きつける力を伸ばしてきたのではなかろうかとさえ思えてくる。その反対は同じスエーデンのMONICA ZETTERLUND, 得してるなぁ~と思う。さてLPアルバムの話題で脱線してこのSONYAとMONICAが直接共演したわけではないと思うが同じイヴェントでステージに立って歌った曲が収録されているのが、(Sweden)GAZELL盤の“HAPPY JAZZ”というアルバム。こちらも近いうちに紹介します。
7inchだが本アルバムは彼女の初アルバムと思っていたのですが、どうも間違いのようです。録音は1968年と思う(1962年と説明するお店もあった)が、どちらが正確かは知らない。彼女の別のLPアルバムではTON ART/SONYA HEDENBRATTも聴いてみたくなり注文したが、未だスエーデンから届いていない。本アルバムは英語で歌われる部分もあるが極く一部で基本的にスエーデン語で歌われているのが少し残念。これで英語で歌っていれば本アルバムは更に人気が出たろうにと思う。
バックを務めるのはJAN JOHANSSON TRIO。このスエーデンのピアニストも有名という事だけど、彼の他のアルバムを聴いていないので詳しく知らないが、歯切れの良いプレイで聴かせてくれる。そのピアノとドラム、ベースというバッキング。彼女のヴォーカルを聴くとA-1のPIAは歌い口がMONICA ZETTERLUNDを連想させる、これはスエーデン語で歌われているのもそう感じさせるのかも知れない。A-2のSA NARA SOM NUは英語ではTHE NEARNESS OF YOUだけどすべてスエーデン語、けれども静かな歌い出しから始めるが腹の底から津から強さを感じさせるようで、この収録曲はお気に入りです。盤を裏返してB面-1のKARS I TAKETはデキシー調というのかホンキートンク調というのか、いま一つ感じない部分もある。B-2のSA NARA SOM NU(英語でEMBRACEABLE YOU)がこのアルバムで一番出来が良いと思う。前半は英語で後半がスエーデン語で歌っている、英語で歌っている唯一の曲なので馴染みやすいのもあるだろうが大のお気に入り。シャウトしているわけでもないのに時々魅力的なハスキー・ヴォイスになるのも良い。サラ・ヴォーンの同曲も好きだが、こちらの一曲も秀逸の出来栄えで本アルバムを入手して良かったと思えた。

ジャケット裏には彼女のコメント付きサインがある。文面の内容は分からないが、あまりキレイでもない字で書いてある。その字を見ると大らかそうな人柄に思えてしまう。その中に62という数字があるので、ひょっとすると1962年の事だろうかと思う。もしそうなら録音或は販売は1962年という事になるが確証が持てない。本アルバム、冗談伯爵へ行った時に店主殿がカウンターの下から出してくれた一枚だった。恥ずかしい話だが、この7inch盤がいくらかしたか全く覚えていない。覚えているのは他の数枚との合計金額だけという相変わらずネジが緩んだオヤジです。

収録曲/1, PIA/2. SA NARA SOM NU(The Nearness Of You)/3, KARS I TAKET/4, EN BRA SABLA DU(Embraceable You)

追記訂正(2010.6.16)SONYAが彼女の初アルバムではないかと記述したのですが、METRONOMEから1955年に7inch盤が出ていました。こちらの彼女はさすがに若くジャケ写真ではキレイな女性に写っています。30歳前後から激しく太ったんでしょうね。

LURLEAN HUNER

2008年12月25日 | 女性ボーカルH
VIK/LX-1061/LURLEAN HUNTER/NIGHT LIFE/

僕のブログでは初めての紹介ですが、皆さんの方がよくご存知と思いますルーリーン・ハンターのアルバムです。彼女は1928年ミシシッピー州生れで、シカゴのクラブシンガーとして成功した後に、ニューヨークへ出てヴィレッジ・ヴァンガードなどでも歌ったそうです。ジャズ批評で坂田氏は小唄派と表現されていますが、言い換えれば情感に満ちたソウルフルシンガーとも表現できるのではと思います。かなり以前にブログ先輩のebiさんが本アルバムを紹介されています。ebiさんの短い文章に本アルバムの聴きどころが紹介されていますのでリンクさせていただきました。リンク先には67camperさんの同盤もTBされていますので併せてご覧いただければと思います。彼女のボーカルは細かい描写部分は細心の注意を払って丁寧に歌われ、歌い上げる部分は大胆に歌い綴っていると思います。やはり非常に上手いし巧みであると思います。オーケストラ伴奏ですが、メンバーにはジョー・ニューマン、アル・コーン、ハンク・ジョーンズ、ミルト・ヒントン他も参加しており彼等のソロも短いけれど楽しめます。A-4のIT'A THE TALK OF THE TOWNは勿論上出来の曲と思いますが、その他の曲も彼女の味わいあるボーカルでアルバム全体が楽しめます。所有盤は美盤美品とは言えません。ジャケットは若干の黄ばみが有りますし、盤にはスレ傷がそこここに有りますが、そのわりには雑音が少なく音はクリアーに聴けるのが嬉しい一枚です。

収録曲/A面/1,GEORGIA ON MY MIND/2,WHAT A DIFFERENCE A DAY MADE/3,HAVE YOU MET MISS JONES/4, THAT OLD FEELING/5,IT'S THE TALK OF THE TOWN/6,GENTLEMAN FREIND/B面/1, NIGHT LIFE/2,IT COULD HAPPEN TO YOU/3,MOONDRIFT/4,SUNDAY/5,LIKE SOMEONE IN LOVE/6,THIS TIME THE DREAM'S ON ME/

GITTE HAENNING

2008年11月03日 | 女性ボーカルH
DENMARK HMV 45-X 8439/GITTE HAENNING/STORMY WEATHER/7inch

このシングル盤はエクステンドの4曲入りではなく、たったの2曲しか収録されていませんが、その2曲とも彼女の可愛いボーカルでしかもジャズの味わいも詰まっているという秀逸なシングル盤です。このシングル盤に収録されているのは、下に写真を載せたアルバムからの抜粋だと思いますが佳作だけをよくぞピックアップして収録してくれたものだと思います。
上記のアルバムもその成り立ちがよく判らないのですが彼女の若い時から1960年代までの曲の収集したアルバムのようではあります(ライナー・ノートが僕には読解不能であります)。
本シングルはデンマーク盤ですが、片面のSTORMY WEATHERはJOHS.ナントかという人(すみません、よく分かりません)によるアンサンブルでの伴奏、そしてもう一つの片面はオスカー・ペティフォードによる伴奏となっています。オスカー・ペティフォードといえばヘレン・メリルのアルバムが思い浮かぶ僕ですが、その彼がバックを務めているわけですからジャズ・テイストに不足があろうとは思えません。彼女の愛くるしいボーカルで聴ける2曲でした。

STEPHANIE HAYNES

2008年04月11日 | 女性ボーカルH
TREND/TRCD-556/STEPHANIE HAYNES/with THE CEDAR WALTON TRIO/

このアルバムはLPではなくCDです。LPを探していたのですが発売されていないのかも知れませんが, 探し当たらず諦めてCDで入手しました。ジャケット写真は雨の中で傘の花が開いているデザインですがCDではやはり小さくて物足りない感じはします。このステファニーという歌手については全く知らないとも言えます。ご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたいところです。ノートに写真がありましたので載せておきます。写真を見るかぎりではちょうど油がのってきてボーカルに円熟味が増す年代ではないかと見受けられます。経歴や年齢の事はわかりませんが, 録音がされた場所などから主に西海岸で活動していたのでは想像されます。このステファニーというシンガーのボーカルは落ち着きがあってまたほど良く練れた歌い口で彼女の経験の深さを感じさせるボーカルです。CDなのが残念ですがLPが見つからないので今のところは致し方ないと我慢しています。またKENNY DORHAMやART BLAKEYその他のバンドにも参加して経験豊富なCEDAR WALTONのピアノ伴奏も熟達の味わいで楽しめます。でもやっぱりLPで欲しいアルバムです。
パーソナル:STEPAHNIE HAYNES(vo), CEDAR WALTON(p), AL McKIBBON(b), BILLY HIGGINS(ds)

収録曲/ IT COULD HAPPEN TO YOU/DARN THAT DREAM/HERE'S THAT RAINY DAY/DEEP IN A DREAM/LIKE SOMEONE IN LOVE/ IMAGINATION/ CALL ME IRRESPONSIBLE/ I'LL ONLY MISS HIM WHEN I THINK OF HIM/ SUDDENLY IT'S SPRING/ FOR A MOMENT OF YOUR LOVE/ I COULD HAVE TOLD YOU/ MOONLIGHT BECOME YOU/ ALL MY TOMORROWS/ I THOUGHT ABOUT YOU/

SU HOLLIDAY

2008年01月25日 | 女性ボーカルH
英COLUMBIA/SU HOLLIDAY/I WANNA SAY HELLO/1966

今宵は久し振りに自宅で音楽を聴きながら、ブログの内容を書いています。やはり僕の居場所は自宅が一番、それも自室がベストであります。4~5日自宅で音楽を聴かないと、皆さんの場合は禁断症状が出てきませんか? 僕は早く帰宅して自室で自分のスタイルでボーカル物を聴きたくでウズウズしてきます。出張先で聴いたジャズはレコードTOPSと新宿のDUぐらいでしたが、自宅で聴くのが一番寛げます。再生音も自宅のが一番良いように感じます、きっと僕の耳はそれに馴れ切っているのと自室にあった装置になっているのでしょう。

このアルバムはシンガーの名前は全く知りませんでしたが、店頭でアルバムを見た時に表と裏を見て良さそうな感じがしたので購入したものです。不見転で買った一枚でしたが内容は期待を裏切りませんでした。スー・ホリディーというシンガーの生れや経歴は知りません。ライナーノートの裏には“赤ん坊の時に揺り籠の中で既に彼女は歌い始めていた”という役に立たないけれど妙に説得力のある文章とその他が書かれていましたが具体的説明はないようです。家系的な事は判りませんが彼女はヘレン・シャピロの従姉妹だそうです。
彼女の歌い口ですが英国の白人女性ボーカリストにしては少しブラックな味わいがありますが、それはほんの多少という意味です。判りやすく表現するならばサラ・ボーンに歌い回しが似ているのですがサラほど味が濃くないです。アルバム最初の曲、ボンゴの演奏で始まるA-1のTAKE THE “A”TRAINですが、この1曲を聴いただけでも入手して良かったと納得できると思います。続くA-2のEARLY AUTUMNもしっとりとした曲の持ち味を生かしながらしっかりと歌っています。A-4のDARK STREETS ON SUNDAY、こういう物悲しく歌うのが彼女には合っているのでしょうか。いろんな表情を感じさせながら歌われるA-5のDON'T GET AROUND MUCH ANYMOREもイイですよ。アルバムのタイトルになっている曲B-2の“I WANNA SAY HELLO”はスローバラードですが聴く回数につれて良さが深まってくるようです。B-4のBABY DOLL I LOVE YOUも思い入れが存分に感じられます。録音は非常に良く、パーカッションが生々しく鳴り、ブラッシングの音も後ろでハッキリと主張しています。

パーソナル:SU HOLLIDAY(vo), JERRY ALLEN(p), RONNIE VERALL(ds), BOBBY ORR(ds), BARRY MORGAN(perc), BRIAN BROCKLEHURST(b), IKE ISAACS(g), LEON CALVERT(tp), TONY COE(ts)

収録曲
A面
1, TAKE THE “A”TRAIN
2, EARLY AUTUMN
3, HAPPY TALK
4, DARK STREETS ON SUNDAY
5, DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE
B面
1, THE REASON MUST BE YOU
2, I WANNA SAY HELLO
3, JET SONG
4, BABY DOLL I LOVE YOU
5, SING FOR YOUR SUPPER

MARTHA LOU HARP

2007年11月11日 | 女性ボーカルH
COLUMBIA/CL 6258/MARTHA LOU HARP/DREAM TIME/10inch

僕がこのマーサ・ルー・ハープと言うシンガーを知ったのはそう昔の事ではありません。ただ知った当時はHARMONY盤/HL 7050/12inchの彼女の横顔がジャケットを飾っているアルバムとしてです。このアルバムを入手すべく探していたのですが見つけても手が届かず逃していた時に、友人が彼女のアルバムはこれも有るよとポンッと示されたのが、本アルバムだったのです。この友人は僕の心を見透かしたかのごとく欲しいアルバムをタイミング良く指し示してくれるので有難く感謝していますと、同時に僕が持っていないアルバムを持っているので本心は羨ましいのです。それからは両アルバムを探したのですが先に入手できたのが10inch盤の本アルバムです。ジャケットはHARMONY盤の方が魅力を感じているのですが未だ入手できずにおります。そのうち何とか手に入るだろうと願っておりますが。

ライナーノートによると彼女はジョージア州の出身でニューヨークへ出て来てドレス・デザインの勉強をしていたのですが、ナイトクラブやラジオで歌っている内にシンガーとして身を立てる道を見出したようです。彼女の声質はやや低く落ち着いたもので地味とも表現できますし渋いとも表現できます。このアルバムを全曲聴いてみるとその地味さ渋さが伝わってくると思いますが、アルバム全体が同じ曲調なのがやや中ダルミさせるところかもと感じますが、まるく暖かく包んでくれる歌声がそれを救っています。バックのメンバーは詳しく判りませんが、オルガンのGENE PERAZZA並びにハープのGLORIA AGOSTINIの表記はありますがその他の説明がありません。オルガンとハープのバックと聞くだけで想像ができるかも知れませんが、ジャズ・テイストはやや薄いアルバムです。彼女のシンガーとしての実力や魅力という点で彼女をみると、勿論上手いシンガーでしょうが当時を思うと全米各都市にいた練れたクラブシンガーの一人だったんだろうなぁと思うのです。できればもう少し華のあるボーカルを聴かせてくれればなぁ~と思うのは僕だけでしょうか?

収録曲
A面
1, NOW I LAY ME DOWN TO DREAM
2, PARADISE
3, AUTUMN LEAVES
4, HARBOR LIGHTS
5, I HADN'T ANYMONE TILL YOU
B面
1, WHEN YOU'RE A LONG, LONG WAY FROM HOME
2, IF I FORGET YOU
3, BY THE BEND OF THE RIVER
4, MEMORY LANE
5, NOW I LAY ME DOWN TO DREAM

DOLORES HAWKINS

2007年11月03日 | 女性ボーカルH
EPIC/LN119/DOLORES HAWKINS/MEET DOLORES HAWKINS/10inch

このアルバムもジャケットに魅かれて入手した一枚です。彼女のアルバムは以前にDOLORESを紹介していますのでそちらもご覧下さい。どうもこのシンガーは肩から胸や腕にかけてがチャームポイントはたまたセールスポイントか,どちらのアルバムもそれらをアピールするようなジャケットになっています。本アルバムには6曲が収録されていますが6曲しか収録されていないというのも少ないですねぇ、もうプラス2曲は欲しいところですがジャケ買いをした後で残念がっても始まりません(笑)。A-1のANYTHING CAN HAPPENはマンボの曲です。A-2のNO SUCH LUCKはしっとりとした曲調で僕はこのアルバムの中では一番好きです。A-3のSMOKY MORNINGはちょっぴりジャズ味が感じられる曲です。B-1のHERNANDO'S HIDEWAYはラテンの曲、B-2のHEY THEREはゆったりと歌い込まれて聴けます。B-3のI'M A RHYMERはポップ調の曲。と6曲を紹介するとこんな感じです。このアルバムは海外通販で入手したのですが、その前に探していた時は、とある国内専門店にWANTを入れたのですが“現在4人の先客がいて5人目で良ければお受けします”と言われ、他で探すことにしたアルバムでした。もしそのまま5人目で入荷を待っていたら何年先になったでしょうか、しかも値段も安くは入手できなかったと思います。海外で手っ取り早く比較的廉価で入手できてよかったと納得のアルバムです。でも、いつ入荷するか判らない中古盤の世界で4人もの入荷待ち先客がいるとは結構な人気があるアルバムかとも思った次第です。

(オーケストラ伴奏)
収録曲
A面
1, ANYTHING CAN HAPPEN
2, NO SUCH LUCK
3, SMOKY MORNING
B面
1, HERNANDO'S HIDEWAY
2, HEY THERE
3, I'M A RHYMER

SHIRLEY HORN

2007年10月01日 | 女性ボーカルH
STERE-O-CRAFT/#16/SHIRLEY HORN/EMBERS AND ASHES/1960

ニューヨークヘ短期で出て来た時にスモールレーベルに収録された本アルバムがシャーリー・ホーンのファースト・アルバムなのですが、僕のブログでは以前に彼女のMERCURY盤SHIRLEY HORN with HORNも紹介していますので、そちらもご覧下さい。このアルバムの収録の後には彼女はニューヨークへ出て来てヴィレッジ・バンガードへの長期出演で人気が出てくるわけですが、それをお膳立てしたのがマイルス・デイビスであったのです。特にマイルスは本アルバムを聴いていたく気に入り彼女に直接電話をかけてニューヨークへ来る事を強く勧めたと織戸氏がジャズ批評の解説で述べておられます。後年, 彼女もマイルスに捧げるアルバム「I REMEMBER MILES」を出してしますが、そのアルバムが1999年にベスト・ジャズボーカル・グラミー賞を受賞したのはみなさんもご存知のとおりです。
そういった彼女が26歳の時の本アルバムですが, “SHIRLEY HORN with HORN”のアルバムでは僕は「歌い口は燻銀の味と言えば良いのでしょうか、艶がありながら乾いたようなくすんだような声がとても心地良く耳に入ってきます。懐の深い歌い方も独特で、間の取り方が絶妙で美しさを感じさせます」と表現させてもらいました。本アルバムでもその印象は変わりませんが、今アルバム聴きながらブログを書いているのですが、彼女のボーカルはとにかく渋い。クール。ピアノのタッチも渋いです。きっとマイルスがボーカリストをするならば彼女のように歌いたいと感じたのではないでしょうか。そういう想いで聴いていると彼女のピアノやボーカルがマイルスの音楽に通じるものが有るような気もするのです。

A-1のLIKE SOMEONE IN LOVE, ジョー・ベンジャミンの歯切れの良いブラシに続いて彼女のピアノが始まり歌い始めますが、カッコいいですよ。多分この一曲目からこのアルバムは聴けると思えるはずです。A-3はピアノのみの演奏ですが、彼女のピアノ演奏は切れがあって且つ男性にはないしなやかさが感じられます。A-4の I THOUGHT ABOUT YOUは決してそうではないと思いますが自然に流して歌っているような感じがあるのですが, 急所は外さないというボーカルで僕は凄みを感じてしまいます。A-5のMOUNTAIN GREENERYはスインギーに歌いますが、続くA-6がこれまたスローテンポでじっくりと歌われ曲に緩急があって飽きることはありません。B-2のDAY BY DAYやこの曲をこんなに乾いた声で渋く粋に聴かせ色気すら感じる事はあまりないのでは思います。B-4のWILD IS THE WINDも静かに歌っていますが情がほとばしっています。全部は書き切れませんが全曲聴き物ですから是非聴いていただきたいアルバムの一枚です。

パーソナル:SHIRLEY HORN(vo. p), JOE BENJAMIN(b), LEWIS POWERS(b), HARRY SAUNDERS(ds), HERBIE LOVELLE(ds)
収録曲
A面
1, LIKE SOMEONE IN LOVE
2, HE NEVER MENTIONED LOVE
3, SOFTLY
4, I THOUGHT ABOUT YOU
5, MOUNTAIN GREENERY
6, GOD BLESS THE CHILD
B面
1, BLUE CITY
2, DAY BY DAY
3, IF I SHOULD LOSE YOU
4, WILD IS THE WIND
5, COME RAIN OR COME SHINE
6, JUST IN TIME

GITTE HAENNING

2007年09月28日 | 女性ボーカルH
独VERABRA/VERA BRA no20/GITTE HAENNING/OUT OF THIS WORLD/1968

追記:このブログの記事を見て友人からメールをもらいました。写真のアルバムは再発盤でオリジナルはこれこれしかじかと教えてもらいました。あれっ、このアルバムもあるぞというわけで下にジャケット写真を追加しました。オリジナルの方はかなり以前に入手して一度か二度聴いただけで棚に収まったままで、ジャケ違いのアルバムに気を取られていたようですと言い訳させてください(恥)

本アルバムは最近入手したのですが、オリジナルではなく独再発盤なのではとも思っています。というのもジャケットもレコードも40年前の物にしてはピカピカさらさら過ぎるのですが、レーベル等はオリジナルのようでもあるし、これ以上は薄識の僕ですので正確な事は知らぬ存ぜぬ訳です。

このアルバムはビッグバンドでのバックで豪華なスイング感が楽しめますし好メンバーがバンドを固めています、下のパーソナルもご覧下さい。彼女のボーカルは顔の表情が愛らしいというか幼い印象も受けますが、歌い回しもキュートであったり年増女のようであったり, 厚みのあるボーカルを聴かせたりとさまざまな表現をする多彩な味わいのシンガーです。ビックバンドらしい爆発的出だしで始まリ彼女の可愛いボーカルがつづくA-1のMY KINDA WORLDやビートルズのA-3 A WORLD WITHOUT LOVEもバンドと彼女のボーカルが良く絡み合っています。スローテンポで抑えて歌うA-5のIMAGINATIONはバックの演奏も楽しめますが残念ながら誰がどこをというのは僕にはさっぱりです。A-1のPLEASE SEND ME SOMEONE TO LOVEはビックバンドの迫力あるノリで一気に歌い、タイトル曲であるB-2のOUT OF THIS WORLDにつなぎます。本アルバムで僕の一番のお気に入りはアルバム最初の曲 MY KINDA WORLDというところでしょうか。

パーソナル:GITTE HAENNING(vo) and THE KENNY CLARKE-FRANCY BOLAND BIG BAND
BENNY BAILEY(tp), IDREES SULIEMAN(tp), DEREK WATKINS(tp), DUSKO GOJKOVIC(tp), AKE PERSSON(trb), NAT PECK(trb), ERIC VAN LIER(trb), DEREK HUMBLE(as), JOHNNY GRIFFIN(ts), RONNIE SCOTT(ts), TONY COE(ts), JOHN SURMAN(ss. bs), JIMMY WOODE(b), KENNY CLARE(ds), FRANCY BOLAND(p. arrange)

収録曲
A面
1, MY KINDA WORLD
2, A SACKFULL OF DREAMS
3, A WORLD WITHOUT LOVE
4, GO TO HELL
5, IMAGINATION
B面
1, PLEASE SEND ME SOMEONE TO LOVE
2, OUT OF THIS WORLD
3, MARRIAGE IS FOR OLD FOLKS
4, I LOVE THE LIFE I LIVE
5, NOVEMBER GIRL


僕の所有盤は英EMI COLUMBIA/SCX6421/STEREOで、友人のは独HORZU/SHZE280です、勿論独盤が本家本元のオリジナルだと思います。再生音は英EMI盤も独VERABRA盤も差は感じられません。今度独HORZU盤を聴かせてもらって違いを感じてみたいものです。




PUG HORTON

2007年08月11日 | 女性ボーカルH
BODESWELL BW 102/PUG HORTON/ DON'T GO AWAY/1979

バグ・ホートンというシンガー, 地味な存在じゃないかと思いますが、7歳から歌っていたそうですから芸歴の長さに裏打ちされた実力あるシンガーだと思います。取り立てて美人でもないし華も感じられないのですが、A-1のIFの静かな語り口から始まるボーカルを聴いた瞬間からこのアルバムは聴けると感じるはずと思います。ピアノのローランド・ハナの演奏も楽しめますし、ミント・ヒントンのベースがよく効いていてアルバム全体を引き締めていると思います。リードの音色が安らぎを加えていますが、奏者のボブ・ウィルバーは彼女の夫君だそうです。彼女の歌い回しはあまり技巧を労せず素直にさらりと流しているように感じます。落ち着きのあるボーカルで好感がもてます。僕はA-1のIFやA-2のBREEZIN' ALONGがA面ではお気に入りですが続く曲も好きですし、B面ではミント・ヒントンのベースのバッキングで始まるB- 1のBY MYSELFが良くそのまま全曲聴ける好盤と思います。このアルバム、ハッキリとは覚えていないのですが海外のショップから入手したもので10$もしなかったと思います。でも船便送料が6$ぐらいかかって忘れた頃(3ヶ月後ぐらい)に届いたのはよく覚えています(笑)

パーソナル:PUG HORTON(vo), ROLAND HANNA(p), MINT HINTON(b), BOB WILBER(reeds)

収録曲
A面
1, IF
2, BREEZIN' ALONG
3, I CAN DREAM
4, SEND A LITTLE LOVE MY WAY
5, MELANCHOLY
6, DON'T GO AWAY
B面
1, BY MYSELF
2, SWEETHEART O'MINE
3, I'LL STRING ALONG WITH YOU
4, I FOUND A NEW BABY
5, MISS MY LOVIN'TIME
6, TIPPERARY

JEAN HOFFMAN

2007年05月30日 | 女性ボーカルH
FANTASY/3260/JEAN HOFFMAN/SINGS and SWINGS

今日のジーン・ホフマンのジャケット写真をご覧になってどのようなボーカルを想像されるでしょうか?僕の主観で聴く前に想像したボーカルと収録されている内容やボーカルの差が相当に大きかったのが本アルバムです。彼女は1930年オレゴン州生まれで5歳から音楽を学びました。学生の時にピアノを学んだ先生に楽譜よりもリズムを大切にする考え方を学んだという事です。このアルバムは彼女のトリオによるピアノ弾き語りですが、ピアノ以外にも電気ピアノも使用しています。この電気ピアノというのは今のエレクトーンのようなものでもなく彼女が録音時に持参した携帯式の電気ピアノだとノートには書かれてありましたが、オモチャというとひどい言い方ですが単純な音が今となっては新鮮に聴こえます。彼女のボーカルですが見ると聴くでは大違いという典型です。ジャケットの写真を見ると歯を剥出した写真があまり良い印象を与えず太い声で張り上げて歌いそうですが、実際はそうではなくなぜか可愛いのです(笑)。このギャップにやられてしまいます、ピアノプレイもリズミカルでジャズテイストに溢れた演奏で, 何より魅力に感じるのは彼女がリラックスして歌いたいように歌い, 演奏したいようにピアノを弾いているような内容となっているように感じられ, その波動が伝わってきて聴いているこちらも不思議に楽しくリラックスしてくるのであります。どこかで見かけたら躊躇わずに入手されて是非聴いていただきたい一枚です。アルバムのどの曲を聴いても楽しめます。このFANTASYというレーベルは僕はLUCY REEDのTHIS IS LUCY REEDやビルエバンスの歌伴として有名なTHE SINGING REEDが思い浮かぶのですが、どちらもレッドビニールですが、本アルバムも赤盤となっています。当時のFANTASYでは赤盤がお約束だったのでしょうか。なお本アルバムは, 非常に良い録音で音に不満を感じることはないと思います。



収録曲
A面
1, DANCING ON THE CEILING
2, THE WORLD IS WAITING FOR THE SUNRISE
3, I'VE GOT IT BAD AND THAT AIN'T GOOD
4, WHAT IS THERE TI SAY?
5, MAKIN' WHOOPEE
6, SOMETIMES I'M HAPPY
B面
1, BLUEBIRD OF HAPPINESS
2, BEWITCHED,BOTHERED AND BREWILDERED
3, TIME WAS
4, YES SIR, THAT7S MY BABY
5, STREET OF DREAMS
6, MY BUDDY

RITA HOVINK

2007年05月28日 | 女性ボーカルH
Holland MEDIUM(POLYDOR)/2441043stereo/RITA HOVINK /from RITA wuth love/1973

今晩聴いているのはオランダのリタ・ホビンクです。本アルバムは彼女の二枚目のアルバムだと思います。彼女のファーストアルバム(LOVE ME OR LEAVE ME)も欲しいのですが, これは未入手なので本アルバムを紹介します。彼女は1944年生まれで母国オランダでは名歌手として知られています。最初は国軍兵士を前に歌い始め人気が出た後に放送局の目にとまり自身の番組を持つようになりトップ歌手となりました。彼女の声質はややハスキーで落ち着いた力強いものですが情感も充分に表現されており僕は好きなシンガーです。ただA-1のALLENTOWN JAILだけは好きではありません。最初にこれを聴いた時はガッカリしましたがご安心ください。次のA-2のLET'S DO ITからはジャズテイスト溢れたボーカルを聴かせてくれます。ささやくように歌うA-5のLITTLE MANなんかも良いです、国軍兵士には絶人気の1曲だったのでしょう。バンドをバックに伸びやかに歌うA-6のTHE LADY IS A TRAMPも盛り上がります。スキャットを交えて歌うB-2のBLUE MOONも良いですし, 懐かしい曲をリズミカルに謳うB-4のBUTTONS AND BOWSも好きですね。短い仕上がりの曲となっていますがストリングも入ってしっとりと歌うB-5のI'LL WALK ALONEはグッと迫ってきてお気に入りです。このリタというシンガー, 僕はスローバラードが特に好きでゾクッとしますが, 何を歌っても聴かせるシンガーだと思います。なお本アルバムは再発盤も出されているようです。

パーソナルは, RITA HOVINK(vo), LOUIS DEBIJ(ds), KOOS SEROERSE(b), HANS HOLLESTELLE(g), ROB VAN KREEVELD(p), HERMAN SCHOONDERWALT(as), WIM ABMA(as), KAREL REYS(ts), GYS HENDRIKS(bart sax), FONS DIERCKS(tp). JOHN BANNET(tp), EDDY ENGELS(tp), JAAP LEBEN(tp), HANS DE RUYTER(trb), JAN VAN WOUW(trb), FRED VOLMER(trb), JAN ELSINK(trb) *バックの演奏者は曲によって変動しています。
収録曲
A面
1, ALLENTOWN JAIL
2, LET'S DO IT
3, NATURE BOY
4, FRANKIE AND JOHNNY
5, LITTLE MAN
6, THE LADY IS A TRAMP
B面
1, BLUES IN THE NIGHT
2, BLUE MOON
3, JOHNNY GUITAR
4, BUTTONS AND BOWS
5, I'LL WALK ALONE
6, WHEN A MAN LOVES A WOMAN

HELEN HUMES

2007年05月11日 | 女性ボーカルH
CONTEMPORARY/M3571/HELEN HUMES/HELEN HUMES/1959

このジャケット写真の彼女を最初に見た時に, 僕は成長したミニラ(ゴジラの子供)を連想してしまいました。変な連想になりましたが, このジャケ写真に岩のようなどっしりガッチリとした風格を感じたのです。どちらかというとジャケ買いなどとはあまり縁がないアルバムでしょう。が 地元のレコード店で, このアルバムを手にした時に“人の行く裏道に花あり”という言葉が浮かびボーカルを聴いてみたくなり値段も, まま美盤にしてはとても廉価だった為に購入したのです。その彼女ですが1913年ケンタッキー生まれで、スカウトされベイシー楽団へ入団した等の事は後から知ったのです。本アルバムは彼女がCONTEMPORARYに在籍した1959年から1961年の最初の年に収録されたもののようです。彼女の歌い回しですが声を張って歌う部分も多いのですがやや高い声で歌う時に甘さと上手さが増し魅力が増すように感じます。ジャケット写真を見ると粘った声を聴かされそうな印象がありそうですが、そういうアクの強さもなく僕にはエラの声を少し高くした感じに思えます。軽快なテンポで歌うA-1のYOU CAN DEPEND ON MEやA-3のAMONG MY SOUVENIR, 少しブルージな味わいでしっかりと歌い上げるA-5の STAR DUST, 曲間にリラックスした様子で鼻歌まじりで歌い聴いていると知らぬうちに幸せな気分になるB-1のWHEN I GROW TOO OLD TO DREAM, 抑えてスローに歌いアンドレプレビンのピアノ伴も光るB-3のBILL,あたりの曲がお気に入りです。バックの豪華なメンバーの演奏も楽しめますし, 録音も悪くありません。

パーソナルは, HELEN HUMES(vo), BENNY CARTER(tp), FRANK ROSOLINO(trb), TEDDY EDWARDS(ts), ANDRE PREVIN(p), LEROY VINNEGAR(b), SHELLY MANNE(ds), MEL LEWIS(ds)
収録曲
A面
1, YOU CAN DEPEND ON ME
2, TROUBLE IN MIND
3, AMONG MY SOUVENIRS
4, AIN'T MISBEHAVIN'
5, STAR DUST
6, BILL BAILEY
B面
1, WHEN I GROW TOO OLD TO DREAM
2, A GOOD MAN IS HARD TO FIND
3, BILL
4, TAIN'T NOBODY'S BIZ-NESS IF I DO
5, I GOT IT BAD AND THAT AIN'T GOOD
6, WHEN THE SAINTS GO MARCHING IN

DOLLY HOUSTON

2007年05月05日 | 女性ボーカルH
UNIQUE/LP107/DOLLY HOUSTON/DOLLY'S LULLABY

今日は5月5日子供の日という事でジャケットが子供にちなんだモノを紹介します。幼い少女がベビーベッドに人形を寝かせて子守唄でも唄っているのでしょうか、そんな印象のジャケットです。子守唄というのは古今東西もっとも親しまれ子供が最初に耳にする音楽の一つではないでしょうか。母親と子供を愛情あふれるやさしさといつくしみでもって繋いでいる音楽が子守唄です。このアルバムは題名にもあるようにそんなLULLABYを詰め込んだ一枚となっています。本アルバムのシンガーであるドリー・ヒューストンの詳しい経歴があまり分かりません。ライナーノートによると5歳の頃に彼女のホームタウンであるブリッジポートでA&P主催の会場で歌ったのがプロとしての初デビューだったようです。12歳の時に地方のラジオ局で自分の番組を持ち1回の出演で5ドルを得ていたとありました。その後, 18歳の時何百人の応募の中から選ばれてベニーグッドマンのバンド付シンガーとなったのですが、これが大きく活動を広げることになりました。彼女の声質は素直な中域の落ち着いた声で澄んだ声と表現できると思います。歌い回しは譜面に添って忠実に歌っているように思えます。彼女のボーカルが入っているアルバムは他にもあるようですが、彼女自身が全曲歌っているのは, このアルバムだけのように思いますが, ご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたいと思います。LULLABYのアルバムですのでスローなテンポで幼子を包み込むように歌っていてジャズテイストは乏しいアルバムですが、A-1のDOLLY'S LULLABYやA-6のSLEEPY-EYE LULLABY, B-1 LITTLE MAN YOU'VE HAD A BUSY DAY, B-5のSTARS ARE THE WINDOWS OF HEAVEN, B-6のSLEEPなどは彼女のやさしい母性あふれるボーカルに包まれるようで好きです。

収録曲
A面
1, DOLLY'S LULLABY
2, OVER THE RAINBOW
3, LITTLE CURLY HAIR IN A HAIGHER CHAIR
4, SCARLET RIBBONS
5, LITTLE BUFFALO BILL
6, SLEEPY-EYE LULLABY
B面
1, LITTLE MAN YOU'VE HAD A BUSY DAY
2, MARY HAD A LITTLE LAMB
3, HUSH-A BYE
4, TOY LAND
5, STARS ARE THE WINDOWS OF HEAVEN
6, SLEEP