ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

猫に似てます?のMARIZA

2009年01月13日 | 女性ボーカルA
(BRAZIL)COPACABANA/CLP-11.089/MARIZA/A SUAVE MARIZA/

このマリーザは1933年生まれで'50年初め頃からシンガーとしてデビューしたようです。ブラジルでもジャズ・テイストを持ったシンガーとして評価されていたようです。本アルバムの録音以前にも、ジョアン・ジルベルトのアルバムその他に参加していたようですが、冠アルバムとしては本アルバムが彼女のファースト・アルバムで1959年の録音です。デビュー当初はMARIZAと名乗っていたのですが, 後にMARISA GATA MANSAと名乗るようになりました。
このアルバムは以前にどこかで見た記憶があるのですが、それがよく思い出せません。猫と一緒のジャケが印象に残るアルバムです。猫と一緒のジャケというとDOT盤/JENNIE SMITH/JENNIEが頭に浮かんでくるのですが、今それ以外は思いつきませんが、まだ他にも有るんでしょうね。アルバムのタイトルであるA SUAVEはソフト(或いはSWEETという意味も含まれるのではと思います)という意味のようです。ジャケットの彼女の表情を拝見するとソフトというよりも溌剌というか俊敏そうな印象を受け猫によく似ていると思えるのですが如何でしょうか? このコパカバーナというレーベルは我々にすぐブラジルを連想させるネーミングで判りやすいですね。
本アルバムの収録についてですがほとんどがサンバ・カンソンとなっています。A-1のNana Meu Nenémはピアノのみをバックに静かに歌われますがどこか引きつけられるものがあるのですが、しばらく聴いていると彼女の発声の美しさに魅かれるのじゃないかと感じました。僕がメロディーを気に入っているA-3のVocê Não Sabe Amarや続くTempo ao Tempoはややアップテンポなんですが哀愁を感じさせ歌詞が判らなくても叙情的な内容を歌っていると想像できるようです。B-1の Olhe o Tempo Passandoでは彼女の高域でのボーカルの魅力に気がつかされます。再びピアノのみをバックに歌うB-5のBarquinho de Papelもじっくりと歌われていましB-6の Se Houver Vocêも聴いていると切なさが伝わってきます。ジャズとは違うボーカル・アルバムの内容になってしまいましたが、時には趣を変えて叙情的サンバの世界に耳を傾けてみられてはいかがでしょうか。本アルバムもジャケットと聴いた印象がちょいと違うアルバムでした。

パーソナル:Chaim Lewak(piano)/Irany Pinto, Damiao Guimaraes, Paschoalino Perrota, Andrea Ribeiro, Jorge Faini, Raymundo Loyola, Antonio Piersanti, Marcello Pompeu, Edmundo Bisaggio,Adolfo,Chimanovitch,Paulo,Soerbraum,Henrique,Morelembaum(violin)/Cesar Viola, Marcos Nisenson, Guido Cantelli(violas)/Eldo Peracchi, Edmundo Oliani, Guerra Vicente/(cellos)/Netinho, Emilio(sax alto)/Aurino, Jayme Ribeiro(sax tenor)/Orpheu(sax baritone)/Formiga(piston)/Nelsinho(trombone)/Jorge Marinho(bass)/Duduca(drums)/Waltel Branco, Freitas, Araujo(guitar)/Hans(oboe)/Copinha(flute)/Xuca-Xuca(vibraphone)/Geraldo, Pedro, Julio(percussion)

収録曲/A面/1, Nana Meu Neném/2, A Noite do Meu Bem/3, Você Não Sabe Amar/4, Tempo ao Tempo/5, Amar Em Segredo/6, Se Eu Tiver/B面/1, Olhe o Tempo Passando/2, Deixe Que Ela Se Vá/3, Pela Rua/4, Favela/5, Barquinho de Papel/6, Se Houver Você/

EDYTHE AYMES

2008年09月30日 | 女性ボーカルA
NRC/NRS-LPA4/EDYTHE AYMES/SONGS FOR A RAINY DAY/

ここ最近は我が晴れの国岡山でも台風の接近か気候変動の影響か雨降りが多くて夜の散歩(盛り場散歩ではありません、それは卒業させられました)ができずに身体がなまっています。雨降りの時にはこの一枚と取り出したのは、タイトルもそのものずばりの“SONGS FOR A RAINY DAY”というのですから、これ以上雨降りの夜に聴く音楽で最適のものはないというまさにしっとりしたというよりも, しっとりし過ぎたアルバムです。

と知った風に書いていますが実は入手したのは最近で、しかも友人にこんなアルバムもあるよと見せられたのが最初です。友人にそのアルバムを借りて聴いた後に探し当てて入手したものです。アトランタのNRCレーベルで思い出すのは.ZILLA MAYS/THE MAN I LOVEですが, そもそもこのNRCレーベルというのがかなりマイナーレーベルなんでしょうか?(よく知らずに感想を述べているだけですが)ZILLA MAYSも本アルバムも結構出回っていないようです。

本アルバムの主人公であるEDYTHE AYMESは主にピッツバーグ周辺を主に活動していたようでラジオで自分のショー番組も持っていたそうです。テレビのコマーシャル・ソングによってその名が全米に知られるようになったそうです。本アルバムの内容ですがタイトルどおり雨にちなんだ曲が収録されています。彼女のボーカルはゆったりとした歌い口でそれはアルバムを通して歌われますので正直なところやや中弛みの感があります。収録曲に変化を持たせればもっと彼女の魅力が出せたのではと残念に思えますが、雨降りにちなんだ曲という事であれば長雨のようなイメージになるのも止むを得ないのかも知れません。それにしても本アルバムのジャケットはかなりお洒落なデザインになっていて気に入っています。ジャケットも盤も新品同様でこれでオリジナルだろうか、ひょっとすると再発盤かもとか思ったのですが, 深溝もあるし多分オリジナルだろうと思っています。このアルバムが再発盤を重ねたとも考えにくいとも思いますし、美盤のオリジナルと思って眺める事にしています。雨降りが続くと洗濯物も乾きませんし散歩も出来ないので明日は晴れて欲しいと願いながらお天気姉さんに“お休みなさい”です。

収録曲 /A面, 1, SEPTEMBER IN THE RAINE 2, LILACS IN THE RAINE 3, COME RAIN OR COME SHINE 4, BLUE RAIN 5, JUST WALKING IN THE RAIN 6, CRY LITTLE RAINCLOUD/B面 1. GARDEN IN THE RAIN 2, IT LOOKS LIKE RAIN 3, WITH THE WIND AND THE RAIN IN YOUR HAIR 4, RAIN 5, ISN'T THIS A LOVELY DAY 6, INTO EACH LIFE SOME RAIN MUST FALL

BEA ABBOTT

2008年02月13日 | 女性ボーカルA
WESTMINSTER/WST15027/BEA ABBOTT/JAZZ IN HI-FI/stereo

今日のビー・エイボットというシンガーですが彼女の事はよく知りません。ライナーノートにはPROVIDENCE(N.Y.とボストンの中間あたりだと思います)生れで中学校の時に歌い始め、ニューヨークへ出てプロになりホテルや劇場で歌ったという事が書かれている程度で生年も不詳ですが、本アルバムを収録したのが27~8歳のように見えますが(?)。同じレーベルから“THE TOO, TOO MARVELOUS BEA”というアルバムがあり以前に僕も聴いているのですが、その時はなぜか印象が薄かったのです。ところが、本アルバムで彼女は4曲を歌っていますが、このアルバムのB-1のALMOST LIKE BEING IN LOVEを聴いた時に以前に聴いたアルバムでの彼女の印象とは違って情感があってやさしい色気のあるボーカルだなぁ~と感じ本当に数年振りに“THE TOO, TOO MARVELOUS BEA”を聴き直させてくれたキッカケになった本アルバムです。最初に聴いた時は僕の感受性が今よりさらに鈍かったんでしょう、未だに研ぎ澄まされておりませんが。伴奏はどちらのアルバムもHAL OTISが担当していますが、本アルバムの方はQUINTETでの演奏となっています。このアルバム本来はHAL OTIS QUINTETのアルバムであるのです。彼の事は例によって知識がない僕ですが、バイオリン奏者らしくバイオリンでのジャズ演奏です。バイオリンの音色も楽しめますね。ジャケット写真が刺激的ですが演奏内容は刺激的ではありません。このジャケット写真はモデルでの写真ですよね、まさか彼女の写真とかという事はないと思いますが、ご存知の方に教えていただきたいと思います。レーベル番号から言えば本アルバムの方が少しだけ若いのですがほとんど同時期に収録されたか、全く同じように収録されたものが2枚のアルバムに分けられたのではないでしょうか。彼女の収録曲が重複していないので4曲だけですが僕には嬉しいアルバムでした。何より彼女の良さを再認識できたのは本アルバムのおかげです(感謝)。本アルバムはSTEREO盤ですが録音も良く不満に感じるところはありません。このアルバムの4曲はどれもお気に入りですが、僕の好みで最も好きなのはALMOST LIKE BEING IN LOVEでしょうか。

収録曲
A面
1, I CAN'T GIVE YOU ANYTHING BUT LOVE *
2, OUT OF NOWHERE
3, MOUNTAIN GREENERY *
4, BACK HOME AGAIN IN INDIANA
5, TEA FOR TWO
6, SWEET GEORGIA BROWN
B面
1, ALMOST LIKE BEING IN LOVE *
2, LOVE IS JUST AROUND THE CORNER
3, JUST YOU, JUST ME *
4, OH LADY BE GOOD
5, I GOT RHYTHM
6, DINAH
*印の4曲で彼女が歌っています。



LOREZ ALEXANDRIA

2008年01月31日 | 女性ボーカルA
KING/542/LOREZ ALEXANDRIA/THIS IS LOREZ/1957

このアルバムを入手したのはつい最近なんですが、そのキッカケになったのがGoldmine JAZZ Album Price Guideという本で、この中に本アルバムが写真付で載っていて価格が$100~200となっていたので価格の高さに驚きましたが、そのせいもあって覚えが良かったんでしょうね。しばらくして国内の某オークションで見かけたので応札したのですが片手に届かずに入手できたアルバムです。日米の人気の違いとそれに伴う価格の差をちょっぴり感じたのでした。ただ本盤は少し反りがあります。聴けない事はないのですが、DL102のカートリッジ本体が盤をこすりそうなので例の修正器で直そうと思うのですが、フラット・エッジの盤の為に修正できるかどうか分かりません。修正器の説明書にはフラット・エッジの盤は修正できないとありましたから無理かも知れませんね。

本アルバムは1957年, KINGレコードに彼女が吹き込んだ初アルバムです。ゴスペルの影響を受け学生時代は教会で歌い込んできた彼女ですが、黒人くささが薄く歌い口はクリス・コナーのような感じも受けます。ジャケットの印象と聴いた時の印象の差がかなりあるアルバムです。ゴスペルかブルースを聴かされるような, このジャケットで売上げにも悪影響したのではと思いますが実際はどうだったんでしょうか。バック・コーラスがつくA-1のTHOUGHT ABOUT YOUは少し落ち着きませんが彼女の若々しいボーカルで幕開けします、この曲だけバック・コーラスがあるのですが、バックコーラス無しの方が良いのにと僕は思います。B-2の I'M GLAD THERE IS YOUはオーボエがバックで聴こえますが、これが落ち着いた雰囲気をさらに高めてバラード調にはよく合います。B-3のTHOU SWELLは曲もお気に入りの一つで彼女もスイングしながら楽々と歌っている感じで初アルバムの緊張など微塵も感じさせません、このあたりは大物ぶりを感じます。フルートの音色が際立つA-5のPENTHOUSE SERENADEや, しっとりと歌われていA-6のAND THERE YOU ARE、期待を裏切らない軽快なタッチで歌われるB-2のYOU MAKE ME FEEL SO YOUNG、B-3のI'M MAKING BELIVEあたりの曲が僕はお気に入りです。またB-4のBALTIMORE ORIOLEを聴いて声質は違いますが前述のクリスにすこし似ていると感じました。

パーソナル:LOREZ ALEXANDRIA(vo), KING FLEMMING(p. arrg), RUSSELL WILLIAMS(b), VERNEL FOURIER(ds), WILBER WYNN(g), RONALD WILSON(fl. oboe), AUDREY JONES(bongos)

収録曲
A面
1, THOUGHT ABOUT YOU
2, I'M GLAD THERE IS YOU
3, THOU SWELL
4, SNOWSTORM
5, PENTHOUSE SERENADE
6, AND THERE YOU ARE
B面
1, THE SKY IS CRYING
2, YOU MAKE ME FEEL SO YOUNG
3, I'M MAKING BELIVE
4, BALTIMORE ORIOLE
5, YOU STEPPED OUT OF A DREAM
6, NECESSITY

CLAIRE AUSTIN

2007年08月23日 | 女性ボーカルA
GOOD TIME JAZZ/GTJ L-24/CLAIRE AUSTIN/SINGS THE BLUES/10inch/1954

クレア・オースティンはブルースシンガーなのですが、以前に記事にしたCONTEMPORARY盤の“WHEN YOUR LOVERS HAS GONE”が好印象だったので何枚かを買い求めた内の一枚が本アルバムです。レーベルがGOOD TIME JAZZとなっているのですが、内容はアルバムの表題のとおりコテコテのブルースです。後で知ったのですが彼女のブルースアルバムの内でも評価されているアルバムらしい。ブルースとして聴くと彼女のこのアルバムはかなりネットリとしています。ブルースの事はほとんど知らないのですが、ずーっと聴いていくとB-3のNOBODY KNOWS YOU WHEN YOU'RE DOWN AND OUT辺りからは乗れる自分があるわけです。たまにはバーボンでも飲みながらブルースを聴くのは如何でしょうか(グビっと1杯)。

パーソナル:CLAIRE AUSTIN(vo), KID ORY(trb), DON EWELL(p), ED GARLAND(b), MINOR HALL(ds)
収録曲
A面
1, THE WORLD'S JAZZ CRAZY
2, DOWN HEARTED BLUES
3, SEE SEE RIDER
4, GOOD TIME FLAT BLUES
B面
1, CARELESS LOVE
2, NOBODY KNOWS YOU WHEN YOU'RE DOWN AND OUT
3, MECCA FLAT BLUES
4, 'FORE DAY CREEP

APRIL AMES

2007年04月13日 | 女性ボーカルA
GNP盤/APRIL AMES/STRIKE A MATCH

彼女は1933年にカリフォルニア州生まれで本名は, APRIL STAHLですが、HARRY JAMESのバンドで歌っていた時にハリーから名前をつけてもらったのがAPRIL AMESというわけです。彼女はそれ以前12歳の頃からアリゾナ・フェニックスのKOY局で歌い始めたのですが, 当時得意として歌っていたのは“SENTIMENTAL JOURNEY”でした。彼女は幼い頃より歌手志望だったという事で, 自身で“他の友達は何をしたいかとまだ考えついていない頃から、自分の目標はシンガーになることだった, その他には何も望みがなかった”とも語っています。彼女の声質ですがややビブラートを効かしているのかそれとも自然なのか(多分自然だと思いますが)若干ビルラートしながらよく伸びる声でしっとりとした中庸の声です。A-1のアルバムのタイトルにもなっているSTRIKE A MATCHはハープの前奏で始まり彼女がSTRIKE Aと歌ったところでマッチを擦る音が入ってMATCH~と歌い綴りますが, この出だしのアレンジも粋なものです。ところで収録曲を見ていただければお判りと思いますが、このアルバムはSMOKEに関係する曲が多く選ばれています。今なら喫煙に対する風当たりが強いご時世ですからこういう選曲もなかったかもと時代の違いを感じます。ジャケット写真も彼女がシガレットを持って火をつけてもらう場面の写真となっているのが、現代の感覚で見ると余りあり得ない感じでまた良いのであります。A-6のWHERE THERE'S SMOKE THERE'S FIREなんかは甘くて味わいのある仕上がりとなっていて本アルバムでは一番のお気に入りです。B-5のTWO CIGARETTES IN THE DARKもロマンチックに歌われて好きですね。

HAL HIDEY ENSEMBLEによる伴奏
収録曲
A面
1, STRIKE A MATCH
2, KISS IN THE DARK
3, I DON'T WANT TO SET THE WORLD ON FIRE
4, UNDER A BLANKET OF BLUE
5, ROMANCE IN THE DARK
6, WHERE THERE'S SMOKE THERE'S FIRE
B面
1, SMOKE RINGS
2, MY OLD FLAME
3, WHISPERS IN THE DARK
4, MOONLIGHT LOVE
5, TWO CIGARETTES IN THE DARK
6, I'M BEGINNING TO SEE THE LIGHT

India Adams

2007年03月06日 | 女性ボーカルA
RCA-VICTOR盤でINDIA ADAMSの“COMFORT ME WITH APPLES”1958年録音

彼女のことは、僕が今まで見たボーカル本にも載っておらずライナーノートに書いてある事以外は知りません。彼女はカリフォルニアに生まれ後にニューヨークっ子となったのですが、彼女が注目されるようになったのはMGM映画“TORCH SONG”でJOAN CRAWFORDの吹き替えを演じてからだったのです。このアルバムを吹き込んだ時に彼女は25歳と記してありますから1933年生まれという事になりますね。50年近く前のアルバムにしてはジャケットもキレイで盤の状態も非常に良いアルバムです。彼女のボーカルですがジャケットの印象のように茶目っ気もありますし、ややハスキーな声質でちょっぴりセクシーな歌い回しで、バックもスイングして楽しめるアルバムとなっています。ところでB-6のEVIG EVOLの曲は意味がお分かりでしょうか? 僕は最初分からなくて新語みたいなものかと思ったのですが、これは単にGIVE LOVEを右から読んだだけだったとノートにありました(笑)、知らなかったのは僕ぐらいかも知りませんが。アルバムのタイトルにちなんでジャケットの写真もリンゴ風呂に入っている彼女の写真で楽しいものになっています。

RAY MATIN指揮によるオーケストラ伴奏
収録曲
A面
1, COMFORT ME WITH APPLES
2, IT'S AMAZING
3, SELL ME
4, IT'S SILK
5, LOVE ME FOR MYSELF
6, WHAT YOU DO TO ME
B面
1, A GOOD GIRL CAN'T
2, A MAN IN MY POCKET
3, TAME ME
4, TABASCO
5, ONCE MORE WITH FEELING
6, EVIG EVOL

Gayle Andrews

2007年02月15日 | 女性ボーカルA
STERE-O-CRAFT盤でGAYLE ANDREWSの“LOVE'S A SNAP”1960年録音・レコード重量170g

アルバムのジャケット写真はたくさん出されていると思いますが、このように右を完全に向いているのはIRENE KRALやPREDA PAYNEのアルバムにもありますし, LOREZ ALEXANDRIAやDONNA FULLERのアルバムも右を向いているのですが、少しこちらへ振っているので先の三人のアルバムを私的右向きジャケアルバムシリーズとしたいと思います。

今晩の紹介のアルバムの主人公であるGAYLE ANDREWSの事は例によって判かりません。ライナーノートにはこのアルバムが初アルバムであること。彼女が舞台のプロデューサーであったDICK KALLMARが経営していたクラブ“THE LEFT BANK”に出演していた時に, 本アルバムのレコーディングの機会を得たという事です。またその後にはニューヨーク市内に彼女自身のクラブ“NIGHT N' GAYLE ROOM”を経営しました。彼女はクラブ経営を始めた後も各地のクラブで歌っていたという事ですが、アルバムはどうもこれ一枚のようです。彼女のボーカルはよくコントロールされた情感を感じさせるもので、やや低く抑えた声で歌っているのですが、まるで話しかけているように感じさせる歌い口で, 声を張り上げることなく静かに深みを感じさせながら語りかけてきます。とても温かみのあるボーカルで、私の好みの範疇のボーカルです。アルバムがこれ一枚というのが残念です。なお個人的好みではA面が断然好きであります。

STU PHILLIPSのアレンジ指揮によるオーケストラ伴奏
A面
1, LOVE'S A SNAP
2, EASY DOES IT
3, THE NEARNESS OF YOU
4, SOMETHING'S GOTTA GIVE
5, TIME AFTER TIME
6, THE VERY THOUGHT OF YOU
B面
1, I LIKE THE LIKES OF YOU
2, YOU, YOU ROMEO
3, YOU'RE MY THRILL
4, SUDDENLY
5, EASY TO LOVE
6, YOU'RE THE GREATEST

Lola Albright

2006年11月03日 | 女性ボーカルA
KEM RECORDS原盤でLola Albrightの“LOLA WANTS YOU”録音年不詳・レコード重量135g

本アルバムはFRESH SOUND盤です。彼女はシンガーとしてよりも女優としての方が有名ですが、オハイオで生まれた後に長じてシカゴでモデル業をした後に映画入りしました。ヒットしたTVシリーズPETER GUNNにも出演したらしいのですが、私はそのシリーズを知りません。彼女のアルバムとしては3月12日に紹介しているDREAMSVILLEもよく知られていますね。ライナーノートによると本アルバムが彼女の初アルバムだそうですが、安定した中域で柔らかい優しさあふれる声質はとても好感がもてます。表ジャケットのカラー写真はTOM KELLY撮影、ジャケット裏のモノクロ写真はSID AVERY撮影という事なのですが、私はモノクロ写真の方が気に入っているのです。本アルバムではA-2のCANDYが彼女の雰囲気によく合って一番の出来と思っています。再発盤ゆえかどうか若干音が薄いレースのカーテン越しに聴いているような感じなのが残念であります。






DEAN ELLIOTTのアレンジ指揮によるオーケストラ伴奏
収録曲
A面
1, A MAN, A MAN, A MAN
2, CANDY
3, PUT YOUR ARMS AROUND ME
4, GOODBYE MY LOVERG
5, ARE'T YOU KINDA GLAD WE DID
6, I'VE GOTA CRUSH ON YOU
B面
1, HERE 'TIS
2, ALL OF YOU
3, THER'S A MAN IN MY LIFE
4, THINK OF ME
5, DO WHAT YOU GOTTA DOD
6, HE'S MY GUY

Eden Atwood

2006年08月01日 | 女性ボーカルA
GROOVE NOTE盤でEden Atwoodの“WAVES THE BOSSA NOVA SESSION”2002年録音・レコード重量190g
彼女は1968年テネシー州メンフィス生まれで、両親と共にモンタナへ引っ越しそこで長じたようです。彼女の祖父は名の有る歴史小説家だったらしいです。彼女はテレビにも出演し、20歳代にはモデルとしての仕事もこなしていたようです。

このアルバムは2枚組となっていて、一枚が33回転盤もう一枚が45回転盤です。この盤に限らず私はLPの45回転盤が音質が良いという点で大いに気に入っております。通常の33回転盤を45回転盤にした場合は当然一枚では収まらず2枚組となってしまい、その分価格も高くなりますが、33回転と45回転では情報量が45回転のほうが多いわけですから高音質になるのは当然でしょう。本アルバムの45回転盤のWAVEを時々聴きますがボーカルの良さという事だでけなく、それぞれの楽器の音色も楽しめます。

パーソナルは, Eden Atwood(vo), Bill Cunliffe(p), Darek Oles(b), Joe La Barbera(dr), Anthony Wilson(acoustic guitar), Pete Christlieb(ts. flute), Scott Breadman(congas. percussion)

収録曲(二枚組)
A面(33回転盤)
1, He's a Carioca
2, O Pato
3, Meditation
4, Girl From Ipanema
B面(33回転盤)
1, Once Upon a Summertime
2, Don't You Know I Care
3, Fool on the Hill
4, Brazil
5, It's a Quiet Thing

C面(45回転盤)
1, Meditation  
D面(45回転盤)
1, Waves (Caminos Cruzados)
2, How Deep is the Ocean

Julie Andrews

2006年07月08日 | 女性ボーカルA
RCA盤でJulie Andrewsの“JULIE ANDREWS sings”1958年録音。レコード重量145g 彼女は1935年英国生まれ。彼女は教師の父とピアニストの母との間に生まれましたが、その後両親は離婚し母親の再婚相手が旅芸人だった影響で旅興行の舞台に立ち12歳で子役として舞台デビューしました。その後も舞台で活動を続け1954年に渡米し、ブロードウェイでマイ フェア レディ等の主役で注目されたという事です。映画デビューは1964年の映画メリー ポピンズ,この作品でアカデミー主演女優賞を獲得し映画界でもミュージカル トップ スターとなりました。そして次作サウンド オブ ミュージック(1965)も大ヒットしたのはまだ記憶に残っています。この2本の映画とも学校推薦で鑑賞に行きましたが懐かしいです。彼女の歌はよく伸びる声とハッキリとした発音が気持ちいいですが、ジャズ味は薄いのが少し残念です。


IRWIN KOSTALの指揮によるオーケストラ伴奏
収録曲
A面
1, IT MIGHT AS WELL BE SPRING
2, FALLING IN LOVE WITH LOVE
3, WE'LL GATHER LILACS IN THE SPRING
4, HE LOVES AND SHE LOVES
5, I'M OLDFASHIONED
6, YOU'RE A BUILDER-UPPER
B面
1, LITTLE OLD LADY
2, MY SHIP
3, CHEEK TO CHEEK
4, COME TO ME-BEND TO ME
5, SO IN LOVE
6, MATELOT

Leda Annest

2006年06月06日 | 女性ボーカルA
こういうアルバムもあるという事で紹介させて下さい。

COLUMBIA盤でLeda Annestの“PORTRAIT OF LEDA”1958年録音。このLeda Annestという歌手の事もわかりません。ライナーノートにはthis monster abstract vocalistとか紹介されているようです。アルバムの副題は“Adventures In Sound'”となっています。ネットで調べるとアメリカで評価の高い元祖アブストラクト・ エキゾ・ジャズ・ヴォーカルと紹介されていました。アルバムだけで選んだのですが聴いてもよくわかりません。声は悪くなくボーカルの基本はしっかりしていますが、なにぶんにも“あ~う~い~え~お~”の単語で全編歌っています。脱帽!完敗!kuirenには良さを理解する力量がありませんでした。セシルテイラーやアルバートテイラーも苦手ですがボーカルで彼等を上回る苦手が出現したというところです。これは日本風に言うとオカルトジャズじゃないでしょうか?  バンザーイという感じです。

オーケストラ伴奏で編曲指揮はPhil Moore
収録曲
A面
1, PART ONE
2, PART TWO
B面
1, PART THREE

Claire Austin

2006年04月29日 | 女性ボーカルA
CONTEMPORARY盤でClaire Austinの“When your lover has gone”1955と1956年の録音です。彼女はスウェーデン系移民の家系で1918年ワシントン州生まれ。その他の経歴等はよくわかりません。このアルバムはスタンダードナンバーが多く馴染みやすく聴きやすいと思います。彼女の声はしっかりとして力強くゆったりと聴かせます。アルバムの写真を見た感じでは北欧系の美人歌手のようですが歌唱力もある本格的ボーカリストです。また伴奏陣もBOB SCOBEY(tp),BARNEY KESSEL(g),STAN WRIGHTSMAN(p),MORTY CORB(b),SHELLY MAN(ds)と伴奏陣の演奏も充分に楽しめます。もしどこかで見かけたら躊躇せずに購入されても後悔はしないと思います。

収録曲は
A面が
1.When Your Lover Has Gone
2.Can't We Talk It Over
3.My Melancholy Baby
4.I'll Never Be The Same
5.Remind Me
B面が
1.The House Is Haunted
2.I'm Thru With Love
3.Someone To Watch Over Me
4.Come Rain Or Come Shine
5.What Is This Thing Called Love?

Lorez Alexandria

2006年04月24日 | 女性ボーカルA
SING再発盤でLorez Alexandriaの“Singing Songs Everyone Knows”1959年録音です。彼女は1929年シカゴ生まれ。黒人歌手ですが黒人らしさのない歌い方,声でモダンな歌い回しです。ややハスキーな声ですが声量豊かです、個人的には高音で声を張り上げる時よりも低音で声を抑えた時にハスキー度が強くなりますがそういう時の声に魅力を感じます。彼女のアルバムはこのアルバム以外の“THE GREAT” や“MY ONE AND ONLY LOVE”が評判が高いと思いますが、それらはまた後日に紹介させていただきます。このアルバム写真はちょっと見ただけでは黒人とは思えない写真となっていますが装う意図があったのでしょうか。

収録曲は
1. Just One Of Those Things
2. Then I'll Be Tired Of You
3. Lush Life
4. Sometimes I'm Happy
5. Long Ago And Far Away
6. But Beautiful
7. I'm Beginning To See The light
8. I Can't Believe That You're In Love With Me
9. Spring Is Here
10. Angel Eyes
11. Better Luck Next Time
12. I Didn't Know What Time It Was

Lola Albright

2006年03月12日 | 女性ボーカルA
COLUMBIA盤でLola Albrightの“DREAMSVILLE”1958年発売
彼女は1925年オハイオ州生まれ。1948年に映画“ザ パイレイト”でデビュウーしました。その他の映画にもたくさん出演したようです。このアルバムではヘンリーマンシーニがサポートし甘さが感じられる中声域で聴かせてくれます。彼女も結婚離婚を3回しています。最後の相手はBill Chadneyというピアニストでしたが1975年に離婚しそれ以降は公式な結婚はないようです。

収録曲
B面
1, TWO SLEEPY PEOPLE
2, DREAMSVILLE
3, WE KISS IN A SHADOW
4, BRIEF AND BREEZY
5, YOU'RE DRIVING ME CRAZY !
6, THEY DIDN'T BELIEVE ME
B面
1, SOFT SOUNDS
2, SLOW AND EASY
3, IT'S ALWAYS YOU
4, STRAIGHT TO BABY
5, JUST YOU, JUST ME
6, SORTA BLUE