ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

ERIC CLAPTON

2011年05月29日 | ジャズ以外
今晩は補足報告版です。2007年11月にERIC CLAPTONのUNPLUGGEDをアップしたのですが、最近になって(今年の2月頃と思う)そのUNPLUGGEDが再発売されました。しかも2枚組です。僕も思わず購入したのですが、今回のもドイツ盤です。2枚組ですが収録曲数は2枚組が15曲、最初のLPは14曲の収録です。ROLLIN' AND TUMNBLIN'の1曲が追加されているわけです。しかしなぜ2枚組かと言うと溝がゆったりと彫られている。曲間のエリックのトークがカットされずに入っているようです。したがってライブの雰囲気をより感じられます。最初発売のLPはグリーンとイエローのREPRISEレーベルで、今回の発売盤はマルーン色のERIC CLAPTONレーベルです。音はどちらも変わりないように思います。ライブの会場の雰囲気に浸りたければ再発と言うべきか今回発売の2枚組は買って損はないアルバムと思います。宣伝しているわけではないのですが米国では34ドル程度で売られています。また近頃米国ではアナログ盤が見直され若い人もレコードを買い求める人が増えつつあるようで嬉しい現象です。アナログ回帰はアナログの音の良さが見直されているとの報道がありました。

以下2007年11月17日の記事です。
REPRISE/WX4800/ERIC CLAPTON/UNPLUGGED/

このアルバムはエリックのファンの方にとっては金字塔のようなレコードで、ギターの音色の好きな方にとっても堪らないアルバムだと思います。僕もこのアルバムを聴くまではクリーム時代の彼の印象はあったのですが、その後の彼のアルバムを聴いていなかったので、本アルバムを最初に聴いた時は正直に言うと身体が痺れるような感動がありました。このアルバムは世界で1000万枚以上が販売されたと言われていて記録的大ヒットをしました。このアルバムのお陰もあって一時不調だったマーチンも息を吹き返したのです(?) もっともマーチンが息を吹き返したのはこのアルバムだけのお陰ではないと思いますがその話はとりあえず置いときます。エリック・クラプトンというと伝説のスローハンドと表現されますが、その私生活の末に辿りついた悟ったかとも思えるような魂のギター演奏に聴きほだされます。彼自身の話は興味がつきないぐらい恋の話や子供の不幸や薬やアルコールで様々な山坂があったのですが、それは僕などが、ここで述べても中途半端にしかならないのでもっと詳しい人にお任せします。本アルバムはテレビ番組でのライブ演奏を収録したものですが、何と言っても録音が良いですし生ギターの素晴らしい音が身体に伝わってきます。アルバムの出だしで観衆の熱狂的な拍手から始まって音合わせの最終確認をした後にエリックが“WELL, ARE YOU READY ? OK ? ” と声をかけてから始まる瞬間から鳥肌が立ちそうな高揚感があります。UNPLUGGEDのアルバム・タイトルどおり電気的増幅を使用せず生ギター1本で演奏しているわけですが、最初からギターの音が素晴らしく生ギターの音がこんなに深みと厚みとキレ込みの鋭さなどその多重な味わいがこちらの感性を直撃するのも圧巻です。僕が所有しているアルバムはジャケットを見ると、FRANCE:WE391というような表記もあるのですが、下の方にMADE IN GERMANY BY WARNER MUSIC EUROPEという文字もありますのでドイツ盤なのでしょう。このアルバムには愛しのレイラも収録されていますし、最愛の息子を事故で失った彼がその子供に捧げた曲で, 彼はこの曲を歌う時は何も考えずに歌うというTEARS IN HEAVENも収録されていますので、ある意味彼の集大成アルバムともなっていると思います。僕が特に好きなのはA-1のSIGNEやA-2のBEFORE YOU ACCUSE MEやB-3のALBERTAなのですが、それはギターの音を聴いている為で角度を変えて聴けば他のお気に入りもあるはずです。僕のブログをご覧になっている方でこのアルバムを未聴の方がもしいらっしゃれば是非一度聴いていただきたいと思いますが、まずお聴きになっているでしょうね(笑)。クリスティーズにおいて1億2千万円で競り落とされた彼の愛用のブラッキーはどなたが落札したのでしょうか?

収録曲
A面
1, SIGNE
2, BEFORE YOU ACCUSE ME
3, HEY HEY
4, TEARS IN HEAVEN
5, LONELY STRANGER
6, NOBODY KNOWS YOU WHEN YOU'RE DOWN & OUT
7, LAYLA
B面
1, RUNNING ON FAITH
2, WALKIN' BLUES
3, ALBERTA
4, SAN FRANCISCO BAY BLUES
5, MALTED MILK
6, OLD LOVE

自宅

2011年05月28日 | 世間話
スキャナーを買って、古い写真をスキャンしまくりデジタルとしても保存する作業をヒマをみつけては続けています。レコードの紹介がすすまないので、自宅を公開です。この写真は昭和35年頃に撮影された一枚。この写真の家は最終的には45年には取り壊され、後に住宅ではなく事務所が建ちました。43年頃から社宅住まいをしながら47年頃に新築なった今の建物に引っ越しました。新築の家は旧自宅から近い場所に建てられました。社宅から新築の家に戻った時は子供ながら嬉しかったものです。父母は借金して自宅を建築したらしく、ある晩寝つかれず居間が明るいので行ってみると父母が算盤で金銭の計算をしていました。私と妹2人の3人ともが東京の学校へ行きそれぞれへの仕送りや自宅建築の借金返済で苦労してるんじゃないかと思い至った晩でした。

BASIEでJAZZを聴く

2011年05月01日 | 世間話
一ノ関のベイシーへ初めて行きました。先月の後半から盛岡⇨山形⇨盛岡という日程で出張があったのですが、その山形から盛岡への途中で立寄る事ができました。ベイシーの公認ホームページを見ると、5月連休前には営業再開する予定ですとありましたが、実際行ってみないと営業しているかどうかは分からないのがベイシーという事で、ちょっと心配だったので山形のオクテットに行った時に相沢氏にベイシーの事を訊ねてみると大地震で被害がかなりあり、なんでもスピーカーの一部多分ホーンスピーカーと思えますが、それが落っこちたりしたらしい、それで現在営業再開しているかどうかは不明との事でした。盛岡に到着した日にベイシーに電話してみたのですが応答なく営業していないのかもと思いました。津波の被害は一ノ関はなかったものの地震の揺れは一ノ関はかなり強かったらしく盛岡より激しく揺れがあったようです。盛岡のダンテにも行きたく電話してみましたが、こちらは最後まで応答がなかったので諦めました。さてベイシー、最初の日に電話した時は応答がなかったのですが、次の日にもう一度電話すると通じました。電話からはいきなりジャズが流れている音がはっきりと聞こえます。おぉ営業していると分かったのですが電話を切るわけにもいかず、営業されていますか?と訊ねると “してます!、ガチャン(電話を切る音)” と2秒で電話での確認は終わりました。菅原さんは大変お忙しそうです。しかし営業していれば問題なしで翌日には訪問するように計画を練り直しました。

山形での用事を終えて車で山形道を抜けて東北道を北に走ります。東北道は先の地震の影響で路面の凹凸がかなり表面化して残っており速度は80キロ制限されています。路面の損傷の激しい部分はすでに補修がされていますがその補修の部分の数も相当なものでした。

午後になって一ノ関インターを出て場所がよく分からなかったのでインター近くの本屋さんで場所を訪ねると若い男性の店員さんが丁寧に教えてくれました。おまけに“いまの時間は店が開いているかどうかわかりませんよ”と教えてくれました。一ノ関ではほとんどの人がベイシーを知っているようです。インターを出て10分も走らぬ内にベイシーへ到着。入り口前の門灯に明かりがともっています。おぉ、営業してる!と嬉しくなりました。入り口近くには菅原さんの車と思われる一台が停まっています。車は国産ではなく米国車この車はひょっとして。かつてベイシーが乗っていたからそれと同じ車にしたのかなと思いましたが確かめるまで至りませんでした。

入り口のドアを開けて中へ入ると更にもう一枚ガラス戸がありそれを開けて店内に入りました。まず目にはいったのは中央の席に座って肘かけて頭に手をやりタバコを燻らせているオーナー菅原さん、お客はいないのかと思うとスピーカー正面のやや右端に学生服を着た高校生が一人、学生帽子をテーブルの上にキチンと置いて飲み終えたカップを前に腕組みして聴きっています。その時流されていたのはART PEPPERのMEETS THE RHYTHM SECTION, 入店した時はA面が始まったばかりだったようです。高校生の隣に腰を落ち着けました。と菅原さんが立ち上がり右手のカウンター席へ行き水を持って来て注文を取りにきました。といっても別に“ご注文は?”などとお伺いはたてないと言うより先にこちらがコーヒーお願いしますと注文しちゃった。ウンとうなずいて菅原さんは奥にさがる。

いろんな雑誌でも紹介されているベイシー。どんな再生音なのかと楽しみだった、その音はとにかく再生音量が巨大レベル。しばらくすると耳が慣れてくるが、最初は耳の許容限界寸前のように思える音量。不思議なものでレコード片面分も聴かないうちにその音量に慣れてくる。と同時にドラムの音やピアノの音やベースの音を聴き又味わい始めている。ドラムはシャン・シャン・ドスンドスンと体を揺らす迫力満点充分、ピアノの高いキーの音は脳にプスプスと突き刺さってくる、ピアノの低い音はバーンと腹の奥で爆発する、ベースはビューンとうなり音を上げて弦がふるえている。まさにライブとは違うけれど、ジャズLP再生音のシャワーを全身にあびている感じです。これだけの音量で再生していながらどの音も粗いところがなく破綻していないのが他にはないと思う、これがベイシーの音なのだろう。高音をより再生する為に色々と試行を重ねた末かどうか天井板を一部抜いていたが、あれは音を少し逃がす為だろうか、もしくは先の地震の爪跡だろうかと思って後で訊ねてみようと思ったが、知りあいのお客が来てカウンターで話込んでいたので訊ねることは出来なかった。

となりで座って聴いていた一ノ関一高の学生さん(学帽で分かる)今からこういうレコードを聴けるとは羨ましいですなぁ。このおじさんも近くに住んでいれば、コーヒー一杯千円ですから毎日行っても一ヶ月3万。自分でオリジナルレコードを買いオーディオ装置を揃えるより、毎日聴きにくる方がよほどリーズナブルな気がする一時でした。

帰宅してから、休みの今朝10時過ぎからART PEPPERのMEET THE RHYTHM SECTIONを今まで上げた事がない音量で、つまり自分が我慢できる限界近くまで音量上げて聴いてみたが、残念ながら高音と低音がベイシーと比べると自分のは足りないと妙に納得していると、嫁さんがすっ飛んで来て“ご近所さまの迷惑になるから、すぐボリュームを下げて”と叱られた。とこういう事なので一般家庭ではベイシーのような再生音は音量レベル一つとってもまず困難です。どうしてもという事なら、家から建築し直さなければならないようです(苦笑)

ベイシーで当日聴いたLPは、1, ART PEPPER/MEET THE RHYTHM SECTION 2, COUNT BAISE /MONTREUX '77 3, JOHN COLTRANE CANNONBALL/CANNONBALL & COLTRANE 4, JOHON COLTRANE/LIVE AT VILAGE VANGUARD とここまで聴いた時点で花巻空港発大阪行き便に乗る為に店を出る。が一度では足らず二度三度と行きたい店でした。最後にコーヒーもおいしかったであります。