ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

EDYTHE AYMES

2008年09月30日 | 女性ボーカルA
NRC/NRS-LPA4/EDYTHE AYMES/SONGS FOR A RAINY DAY/

ここ最近は我が晴れの国岡山でも台風の接近か気候変動の影響か雨降りが多くて夜の散歩(盛り場散歩ではありません、それは卒業させられました)ができずに身体がなまっています。雨降りの時にはこの一枚と取り出したのは、タイトルもそのものずばりの“SONGS FOR A RAINY DAY”というのですから、これ以上雨降りの夜に聴く音楽で最適のものはないというまさにしっとりしたというよりも, しっとりし過ぎたアルバムです。

と知った風に書いていますが実は入手したのは最近で、しかも友人にこんなアルバムもあるよと見せられたのが最初です。友人にそのアルバムを借りて聴いた後に探し当てて入手したものです。アトランタのNRCレーベルで思い出すのは.ZILLA MAYS/THE MAN I LOVEですが, そもそもこのNRCレーベルというのがかなりマイナーレーベルなんでしょうか?(よく知らずに感想を述べているだけですが)ZILLA MAYSも本アルバムも結構出回っていないようです。

本アルバムの主人公であるEDYTHE AYMESは主にピッツバーグ周辺を主に活動していたようでラジオで自分のショー番組も持っていたそうです。テレビのコマーシャル・ソングによってその名が全米に知られるようになったそうです。本アルバムの内容ですがタイトルどおり雨にちなんだ曲が収録されています。彼女のボーカルはゆったりとした歌い口でそれはアルバムを通して歌われますので正直なところやや中弛みの感があります。収録曲に変化を持たせればもっと彼女の魅力が出せたのではと残念に思えますが、雨降りにちなんだ曲という事であれば長雨のようなイメージになるのも止むを得ないのかも知れません。それにしても本アルバムのジャケットはかなりお洒落なデザインになっていて気に入っています。ジャケットも盤も新品同様でこれでオリジナルだろうか、ひょっとすると再発盤かもとか思ったのですが, 深溝もあるし多分オリジナルだろうと思っています。このアルバムが再発盤を重ねたとも考えにくいとも思いますし、美盤のオリジナルと思って眺める事にしています。雨降りが続くと洗濯物も乾きませんし散歩も出来ないので明日は晴れて欲しいと願いながらお天気姉さんに“お休みなさい”です。

収録曲 /A面, 1, SEPTEMBER IN THE RAINE 2, LILACS IN THE RAINE 3, COME RAIN OR COME SHINE 4, BLUE RAIN 5, JUST WALKING IN THE RAIN 6, CRY LITTLE RAINCLOUD/B面 1. GARDEN IN THE RAIN 2, IT LOOKS LIKE RAIN 3, WITH THE WIND AND THE RAIN IN YOUR HAIR 4, RAIN 5, ISN'T THIS A LOVELY DAY 6, INTO EACH LIFE SOME RAIN MUST FALL

菅野邦彦 ライブat倉敷

2008年09月24日 | ライブ
今月の11日に倉敷で行われた菅野邦彦のライブの一コマ写真です。ちなみに倉敷でのライブは初めてという事でした。九州からの演奏旅行の帰り道でもあるし9月の10日か11日に倉敷でライブをしたいと菅野から連絡があったと主催者から聞かされたのが8月20日頃ですから、もう日にちも押し迫っているし寝耳に水の話で会場の段取り等の心構えも全くないので、一時はどうなるんだろうとか思いましたが、思いつくままに行動する菅野の事ですから、何とか希望をかなえてあげたいの一心で八月の後半は会場探しでバタバタでした。主催者からすべて手書きの文字通り手作り案内状が届いたのが8月の終りでしたので案内が行届く時間も少なく、聴き手は何人集まるだろうかという心配をしていましたが、友人や知り合いの協力もあって約30名の集まりとなり主催者も僕も何とか格好がついたと安堵したライブでした。前日に新しい木製フラット鍵盤ピアニカ(特注)が僕の家まで届きそれを菅野に渡せたのが当日の夕刻で菅野はぶっつけ本番に近い形でその木製ピアニカをライブのところどころで演奏しましたが、たかがピアニカといえ菅野が奏でるといい音で鳴るんですね、これが。菅野自身はこの木製ピアニカに対する馴れが充分でないところに不満があったのだろうと思いますが、そんなに気にしなくても充分楽しめましたよ、菅野さん。ライブ中盤で演奏された“月の砂漠”はよかったなぁ~。ライブ前日の迎え翌日の見送りと3日間の短い時間をトリオのメンバーと過ごしましたが菅野の話がおもしろかったです。ボリビアで苦労した話、坂本九から買ったサンダーバードの話(この車は彼のアルバムポートレイト2に写真が使用されています)。ライブ翌日に岡山駅へ送っていく間じゅう木製ピアニカにより慣れるために、ずっと吹いたり鍵盤を触っていた菅野ですが、72歳になりました。本人もあまり時間は残されていないと言いますが、これからも元気で菅野節を聴かせて欲しいと願っています。当日お集まりいただいた皆さんありがとうございました。またベースの小林さん、コンガの山中さんありがとうございました。菅野さん本当に有難うございました。

EVE BOSWELL

2008年09月20日 | 女性ボーカルB
英PARLOPHONE/PMC1105/EVE BOSWELL/FOLLOWING THE SUN AROUND/

本アルバムはイブ・ボスウェルのアルバムの中では彼女のバンド・シンガーとしての魅力をタップリと味わえる内容になっています。ジャケット裏の写真を載せておきますが、この写真からも当時の彼女のバンド・ボーカリストの様子が窺えるのではないでしょうか、僕はこの写真を見てHEAT WAVEを歌っているんじゃないかと勝手に想像してます。彼女のボーカルはベルベット・ヴォイスと言われていますが、滑らかでスムーズな歌い口は正にベルベットと表現されるべきと思います。滑らかでスムーズ過ぎて聴く人によっては面白みが足りないと感じる人もいるかも知れませんが(実は僕がそのように思っていた時期もあったのですが)、聴き込んでいくうちに彼女の歌のスムーズさと上手さに感心させられます。このアルバムは彼女にしては弾けた(と言っても彼女のことですから落ち着いた範囲に収まってはいますが)曲もあったりしてアルバムのタイトルどおりに太陽の日差しを感じるがごとく明るく楽しめます。個人的にはA-1のFOLLOWING THE SUN AROUNDがビッグ・バンドとシンガーの魅力が発揮されていてダンスしたくなる感じで好きですし、明るくスペイン語で歌うA-2のME YOY PA'L PUEBLOもお気に入りです。ことさらにゆっくりと歌うA-4, ON THE SLOW BOAT TO CHINAも良いです、これほどスローテンポで歌って聴かせるのは実力がある証拠でしょう。フランス語で歌うLA MERも好きです、彼女はフランス語もスペイン語も上手いですね。元祖バイリンガル・シンガーでしょうか(笑)B面ではB-2のMELODIE D'AMOURが曲も元々好きなものですからつい聴き入ってしまいます。その他の曲も楽しめるアルバムです。
ところで最近感じるのは一般的に英国のレコードは傷みが少ないのが多いですね。よく傷んでいるのが多いのは米国盤ですが、これは英国は古いモノを大切にして使うのに対して、アメリカは消費文化ですからそういう違いもあってレコードは米国では扱いが荒く英国では大事に扱われれるのかなと感じている僕です。

TONY OSBORNE(p)と彼の指揮によるオーケストラ伴奏
収録曲/A面/1, FOLLOWING THE SUN AROUND/2, ME YOY PA'L PUEBLO/3, EAST OF THE SUN/4, ON THE SLOW BOAT TO CHINA/5, LA MER/6, CUBAN LOVE SONG/ B面/1, HEAT WAVE/2, MELODIE D'AMOUR/3, JAN PIEDEWIT/4, QUIZAS.QUIZAS.QUIZAS/5, 'NA VOCE.'NA CHITARRA E 'O POCO'E LUNA/6, ARRIVEDERCI ROMA/

JOAN REGAN

2008年09月18日 | 私的Rare盤
LONDON/LL.1512/JOAN REGAN/JUST JOAN

レコード棚に長く眠っていたアルバムですが、昨晩ジャズ批評をパラパラと読んでいると坂田氏が彼女を紹介していたページに目がとまったので記事をもう一度読みながら本レコードを聴いた次第です。聴けばやはり坂田氏が書かれているとおりに彼女の歌い口はそうとうに可愛いです, どう可愛いのかと言うとSWEETでちょっぴりハスキーなところもあるのですが、それに加えて歌も上手いのが更に可愛いです。本アルバムを久し振りに聴いて実に心地良い余韻が残りました。ジャズ批評で坂田氏があいにく手元にないと書かれていたアルバムが写真のアルバムと思いますが、僕の所有盤は残念ながら本家本元のDECCA/LK4153ではなくLONDONレーベルのJUST JOANです。ちなみに英DECCAの同アルバムは国内でも英国でもめったには見かけることができません。国内オークションで一度見かけましたが相当な高額で落札されたように思います。英DECCA盤、今でも見かけてもし手が届けば入手したい気持ちが満々です。英DECCAの彼女の10inch盤THE GIRL NEXT DOOR(12inch盤と同じ音源と思います)も未所有ですがこれも出来れば入手して聴いてみたい一枚です(でも, これも滅多に見かけませんね)。ジャケットは12inchのJUST JOANの方が魅力があります。あれも欲しいこれも聴いてみたいという欲惚けオヤジの独り言からアルバムの話に戻りますが、A-1のIT COULD HAPPEN TO YOUを聴くと彼女の高音まで滑らかにきめ細やかに歌い切る実力はただの可愛く歌うだけのシンガーでないことは明らかでしょう。B-1のSINNERのOR SAINT 冒頭の導入部からの彼女の語り始めの可愛さ甘さ儚さと五味すべてが味わえるような切なぁ~いボーカルに聴き入ってしまうと思います。

収録曲A面1, IT COULD HAPPEN TO YOU/2, WHEN I GROW TOO OLD TO DREAM/3, I KNOW WHY(AND SO DO YOU)/4, I'VE GOT A FEELIN' YOU'RE FOOLIN'/5, DEEP IN A DREAM/6, HOME B面 1, SINNER OR SAINT/2, THAT OLD FEELING/3, ALL THE THINGS YOU ARE/4, SOMEONE TO WATCH OVER ME/5, NEVER IN A MILLION TEARS/6, FOR ALL WE KONOW/

SILVIA TELLES

2008年09月07日 | 女性ボーカルT
(BRAZIL) ODEON/MODB-3076/SILVIA TELLES/CARICIA/10inch

このアルバムはネットでいろんなアルバムを眺めていた時に目にとまったアルバムです。彼女は1956年か57年のデビューと聞いていますので、1957年発売の本アルバムは多分彼女のデビュー・アルバムと思います。1957年というと彼女が1934年生れですから23歳ごろという事になりますね。彼女はこの後に10年ほどで事故で亡くなってしまうわけですが誰も想像だにしなかったことでしょう。本アルバムでもANTONIO CARLOS JOBIMと共演しています。アルバムのタイトルであるCARICIAは“愛撫”とか“かまいたい”という意味に近いと思いますが、このアルバムではボサノヴァ・ブームが始まる直前かボサノヴァ・ブーム黎明期の録音ではないでしょうか。そういう時期のアルバムで彼女の初々しさや少し硬い蕾のようなところも感じられるのですが、静かな語り口のなかにも彼女のかわいらしい魅力もあるそういうアルバムです。ジャケ写真は彼女のバレリーナ姿ですがなんとも魅了的なジャケでこれだけで入手してしまう1枚です。最初期のアルバムという事でなかなか出会う機会のないレアなアルバムでもあります。

収録曲/A面 1, POR CAUSA DE VOCE /2, SUCEDEU ASSIM /3, TU E EU /4, SE TODOS FOSSEM IGUAIS A VOCE/ B面 1, CANCAO DA VOLTA /2, CHOVE LA FORA /3, DUAS CONTAS/4, FOI A NOITE

MARJORIE LEE

2008年09月06日 | 女性ボーカルL
BEAU MONDE/BR-100/MARJORIE LEE/REMEMBERING WITH/

最近になって入手できたアルバムです。アルバムジャケットが物思う彼女の写真で飾られていてイイ出来のジャケで気になっていたのですが満足できる状態のアルバムにやっと出会えました。海外から送られてきたのですが、下がセンターレーベルの写真です。
ところがもう一枚だけセンターレーベルらしきものがアルバムの中に入っていました。最初はレーベルが剥がれているのかと思いましたがそうではないようです。このレーベルはなんなんだろうと思いますが、プロモーション用か何かが一緒に入っていたのでしょうか、よく分かりませんがそのレーベルらしきものの写真も掲載しておきます。

彼女のボーカルはソフトで真面目な歌い口です。注目したいのは今となっては映画音楽の親分であるジョン・ウイリアムスがバックを務めていてジャズピアニストとして活動していた頃の演奏を楽しめます。このアルバムで彼女は8曲を歌っていて、4曲はインストでの録音ですが収録曲紹介にsaxとかpianoと記しているのがそれぞれのリーダーでのインスト演奏となっています。

パーソナル:MARJORIE LEE(vo), JOHN T. WILLIAMS QUINTET, TED NASH(sax)
収録曲
A面
1, BOULEVARD OF BROKEN DREAMS
2, THESE FOOLISH THINGS
3, I LET A SONG GO OUT OF MY HEART-(Sax)
4, ALONE TOGETHER
5, ONE LOVE- (Piano)
6, GOOD FOR NOTHING JOE
B面
1, LULLABY OF THE LEAVES
2, I GOT IT BAD THAT AIN'T GOOD
3, OUR WALTZ- (Piano)
4, BEWITCHED
5, SOMETHING TO LIVE FOR- (Sax)
6, MAYBE YOU'LL BE THERE

BETTY BLAKE

2008年09月04日 | 女性ボーカルB
BETHLEHEM/BCP 6058/BETTY BLAKE/SINGS IN A TENDER MOOD/

このアルバムは最初は再発盤で聴いていたのですがオリジナルが欲しくなり後日に入手したものです。彼女のヴォーカルは結構クールな印象を受けるものでクリス・コナーに少し似ているような気がしますが僕の感じでは艶があってもう少し親しみやすいヴォーカルと言う印象です。彼女は16才の頃からANNY RUDEY楽団の専属歌手として活動をしていましたが、アルバムはこれ一枚だけのようです。こういう一枚だけのアルバムを残したままセカンドがないシンガーというのもかなりいますが、決して実力がなかったわけではなく色んな事情が有ったのでしょうし, 運も左右したのでしょうね。 
このアルバムでは彼女の実力を感じさせるヴォーカルにZOOT SIMSやKENNY BURRELLそしてMAL WALDRON等のミュージシャンが共演しています。そういうメンバーとの共演もあってか、相当に人気があるアルバムで店頭で売られていれば結構高値がついているようですがあまり見かけないアルバムでもあります。また海外や国内のオークションでもあまり出品のないアルバ厶で出れば高値がつけられているように思います。僕のはモノラル盤ですが、このアルバムのステレオ盤というは見た事がありません。もっともこのアルバム自体をさほどの回数見かけているわけではないのですが。再生音は色と艶が感じられて実に聴き心地のよいアルバムです。ベツレヘムのボーカル物はヘレン・カーなどもそうですが色艶が充分に感じられ且つ存分にスイングしているアルバムが多いように感じてしまう僕です。

パーソナル: BETTY BLAKE(vo), MARCUS BELGRAVE(tp), ROLAND ALEXANDER(ts, fl), ZOOT SIMS(ts), TEDDY CHARLES(vib), MAL WALDRON(p), KENNY BURRELL(g), ADDISON FARMER(b), EUSTIS GUILEMENT(b)), CHARLIE PERSIP(ds), ED SHAUGHNESSY(ds)

収録曲, A面/LET THERE BE LOVE/ I'LL BE AROUND/ MOON AND SAND/ TROUBLE IS A MAN/ LOVE IS JUST AROUND THE CORNER/ LILAC WINE/ B面/ IT'S SO PEACEFUL IN THE COUNTORY/ WHILE WE'RE YOUNG/ BLUE FOOL/ ALL OF YOU/ DON'T SAY LOVE HAS ENDED/ OUT OF THIS WORLD