ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

やっと2枚目で心落ち着いたHELEN MERRILL

2012年02月17日 | 私的Rare盤
伊CETRA EPD46/HELEN MERRILL/JAZZ IN ITALY N.8/7inch

このCETRA盤のJAZZ IN ITALYシリーズは最初にN.4のFATIMA ROBINを渋谷JAROで入手したのが最初。お店へ行き始めて数回目だったかにEP盤の中に混じって置かれていたのを入手したのが最初で持ち帰って聴くと録音が非常に良い盤だなぁと感じた。と同時にスリーブのデザインもさすがイタリアで白黒基調に真っ赤なアクセントとお洒落な感覚が気に入っている。当時からN.8のHELEN MERRILLも求めていたが全く入手までに至らなかったEPだった。一度も見かけたことすらない年が続いたのだ。N.4のFATIMA ROBINを入手してからこのN.8を入手するまでに少なくとも5年以上はかかったと思う。それからここに掲載のHELEN MERRILLは実は2枚目なのだ。つまりどの廃盤店でもネットでも縁もなく出会いもない中で、ある日海外から入手できたのが最初の1枚目。しかしその入手したものはスリーブの状態が良くなくどうしようかと随分と悩んだが入手欲には勝てなかった。しばらくは聴いていたもののやはりスリーブ状態に我慢できなかった。縁というのは不思議なもので一度入手するとまた出会いが続くことになる。という流れで海外オークションで2枚目を入手した。それでやっと納得できる所に落ち着いた。今更だがこの経験以降は状態の良くないジャケや盤には二度と手を出さなくなった。結局追い銭が要って高くつくという事になるからだ。もはや新たに購入する余力はないが本EPがもしスリーブも盤もピカピカという状態で東京の廃盤専門店の壁に飾られている場合はいったいいくらの値がついているんだろうかと余計な事を考えてしまう。それからFATIMA ROBINにしてもHELEN MERRILLにしてもこういう発売枚数が少量のEP盤はもうコレクターの棚に収まってしまい世に出てくる事がますます少なくなるのだろうか?それともコレクターが年老いてもう聴けなくなった時には家族が売りに出すのだろうか?僕の友人は自分が聴けなくなっても手放すな蔵に納めておいてくれと奥さんに伝えてあると言っていた。僕はどうしたいのだろうかまだ考えも決まっていない。
パーソナル;HELEN MERRILL (vo), GIANNI BASSO (ts), DINO PIANO (tb), RENATO SELLANI (p), GIORGIO AZZOLINI (b), FRANCO TONANI (ds) 
(収録曲)A1. EVERYTHINGS HAPPENS TO ME /A2.THE MORE I SEE YOU /B1. I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN
さて彼女がイタリア滞在中に録音された本盤、当然のように彼女のボーカルのバックを受け持つのは当時のイタリアを代表する面々だがそれぞれのメンバーについて僕は詳しくない。本盤のHELEN MERRILLのボーカルだが収録順にEVERYTHINGS HAPPENS TO MEから聴き始めるのが絶対のお薦め。というのは本曲は彼女がまず歌い始めてからバックがついてくるのだが、その彼女の静かな歌い出しとボーカルには聴いた瞬間に鳥肌物というか秒殺されるんじゃないかと思う言いようの無い魅力が濃縮されている。そのボーカルを活かしきるバックの演奏も見事。EVERYTHINGS HAPPENS TO ME とTHE MORE I SEE YOUで彼女のボーカルをじっくりと味わって、I'VE GOT YOU UNDER MY SKINではそれに加えてバックの演奏を更に楽しむ事ができる。録音も良くEP盤とはおもえないほどの輪郭くっきりの再生音でたとえ音量を上げてもいささかの崩れもない。なお本EP盤の収録曲を収めたCDもあり僕も以前に入手したが再生音はアナログ盤と比べられない。

追記)あくまで僕の所見ですが本ドーナツ盤は一般的ドーナツ盤より中心部のホール径が気持ち大きい(0.5ミリちょい大)ので、手持ちのドーナツ用アダプターではやや径が不足の場合もある。この点に無頓着だと中心がブレて再生に悪影響があると思う。僕は大昔から使っているアルミのアダプターと7年前に買ったアダプターと2個あって新しい方が気持ち径が大きい。この二つあればどのドーナツ盤に対してもどちらかが適切に合うので助かっている。大昔から使っているからすり減ったなどという事はないと思うが、なぜ径が幾分でも違うのかは不思議に思う。

やっと思いがけずパッと入手できたLILIAN TERRY

2012年02月14日 | 女性ボーカルT
(伊)RCA-ITALIANA/LPM10010/LILIAN TERRY/ROMANO MUSOLINI con NUNZIO ROTONDO e LILIAN TERRY (以前のに加筆しました)

以前は再発盤で聴いていた本アルバム。探してはいたが見かける事はなくイタリア盤のオリジナルを入手するのは難しいもんだと諦めてはいないがくじけそうになった頃だった。3年前か5年前かちょうど昼食後ぐらいに大阪梅田の冗談伯爵へ寄った時だ。どこの廃盤店へ入ってもまず見るのは壁でその時も挨拶もそこそこに壁を見た時に本LPが掛けてあった、しかも同じように探していたCGD1013のLILIAN TERRY PRESENTA ABITO DA SERAと並んで掛けてあったのだ。躊躇もせずすぐに壁から2枚を外して確保し値段を訊ねるとアルバイトの女性が店番していて値段は分からないという。店主殿はどちらと訊ねると食事へ行っているので電話しますと言う。急いでないから電話しなくてよろしいですと答えたのですが、お客の来店時には連絡するようにと言われているのでという事で彼女は電話した。10分もしない間に店主が帰ってきて無事購入なったアルバムです。彼女のLP2枚と他に数枚のLPを一緒に購入したのでそれぞれの価格は実は聞いたかも知れないが覚えていない。本LP2枚とも店主がイタリアのコレクターから譲ってもらったアルバムでホテルへアルファロメオで迎えにきてくれたらしく店主もよく覚えていたLPだったというのは後日談で聴いた。店主殿その後の体調回復具合はいかがでしょうか?早く元気になられて蘊蓄あふれる話を聞かせていただきたく願っております。
↑こちらがジャケット裏の写真。
↑こちらはインナー・スリーブの写真。写真入りのインナー・スリーブには演奏者の紹介文が書かれているがイタリア語のため僕は全く分からない。こんなに凝ったつくりのインナー・スリーブは初めて見た。
本アルバムでLILIAN TERRYは3曲を歌っている。Nunzio Rotondoが数曲で参加している。要するに本アルバムはROMANO MUSSOLINI TRIOにLILIAN TERRYとNUNZIO ROTONDOが参加したアルバム。NUNZIO ROTONDOのトランペットも楽しめるという1枚で3種の味わいがあるアルバムだ。ここでもう一度オリジナルと再発盤の音の違いを強調するのはくどいのでやめておく。ちなみに冗談伯爵で見て以後、本アルバムを見かけたのはYオクで一度出品があったような気がする。

以下は以前からの文章です。
僕はロマーノ・ムッソリーニのレコードを初めて聴いたのは、東京の廃盤店で ITALIAN RCA ORIZINAL LP COLLECTIONの特典盤EP“ROMANO MUSSOLINI TRIO”を安さに釣られて購入し自宅で聴いたのが最初です。全曲トリオ演奏している4曲収録のムッソリーニのピアノ演奏を聴いてリズム感に溢れメロディアスな彼の演奏に聴入りました。その後も続いて今日の本アルバムのオリジナルLPを探し続けているのですが、未だに縁なく出会いは一度もありません。所有のアルバムはオリジナルの入手を半ば諦めてBGMビクターから発売された復刻シリーズともいうべき本アルバムを入手して聴いているわけです。LILIAN TERRYはトミー・フラナガンとの共演盤でも有名なSOUL NOTE/A DREAM COMES TRUEを聴いていたので歌のうまいシンガーという印象はあったものの、そのジャケットのデブった彼女の写真があまりいただけなかったので、その後しばらくは大して興味も涌きませんでした。その頃は同じイタリアのシンガーであるJULA DE PALMAの方に興味を持っていました。そのJULAのアルバムや生い立ちなどを調べているとLILIAN TERRYの事も目にする事が多くなり興味がまた湧き上がってきたという経緯もあります。彼女LILIAN TERYYはイタリアのジャズ界でも大物で単なるシンガーとしてではなくジャズ振興に尽力した女性としても認められていて、ジャズ・ピアノ奏者であるフランチェコ・クロサラは彼女の息子としても知られています(来日もしているようです)。彼女のアルバムで本アルバムともう一枚同じ伊盤CGD1013/LILIAN TERRY PRESENTA ABITO DA SERAの2枚は何とか入手したいと未だに探しているアルバムですが、探し始めて数年になろうというのに未だにただの一度の出会いもない僕にとっては幻のアルバムです(他にも幻のアルバムは多々あるのですが、苦笑) ジャケット裏の彼女の顔写真も載せておききます。ケンブリッジで学び, 5ヶ国語を話したという彼女ですがしっかりした顔をしています。
本アルバムが彼女の初録音でその時に6曲を歌ったが、内3曲は本アルバムで聴く事ができるが残りは未発表となっていると高田敬三氏はライナーで述べておられます。そのアルバムに収められた3曲はB面後半で聴く事ができます。それら以外はムッソリーニのインストものですが、A-1のGONE WITH THE WINDとA-2のTOPSYはベースとのデゥオとなっていてベースの音がまことに力強く入っていてムッソリーニのピアノ旋律がそのベース音を取り囲むように奏でられます。A-6のTHERE WILL NEVER BE ANOTHER YOUはNUNZIO ROTONDOのトランペット・ソロも楽しめます。彼女のボーカル無しの面も十二分に楽しめて僕のお気に入りです。彼女のボーカル入りはB-3のI'VE GOT IT BAD AND THAT AIN'T GOOD、B-4のST.LOUIS BLUESやB-5のHE'S FUNNY THAT WAYですが、この3曲とも彼女の初録音と知って聴いても初めてとは思えぬほど落ちつきがありしっかり且つしっとりと歌い回しています。よくコントロールされたややハスキー・ボイスは当時から魅力的ですね。何とかオリジナル入手したいアルバムです(この一文再々度失礼しました)

パーソナルは、LILIAN TERRY(vo), ROMANO MUSSOLINI(p), NUNZIO ROTONDO(tp), CARLO LOFFREDO(b), ROBERTO PODIO(ds)

収録曲/A面/1, GONE WITH THE WIND/2,TOPSY/3, YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC/4,LINE FOR LIONS/5, MEDOLEY~~YOU TURNEDTHE TABLES ON ME~~POLKA DOTS AND MOONBEAMS~~LAURA/6, THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU/B面/1, THAGANOGHI/2, NOGHITONGHI THANGANI/3, I'VE GOT IT BAD AND THAT AIN'T GOOD/4, ST.LOUIS BLUES/5, HE'S FUNNY THAT WAY/

美空ひばりもアナログが宜しいかと・・

2012年02月12日 | 女性ボーカルH
日本COLUMBIA JPS-5058/美空ひばり/HIBARI sings JAZZ SONGS/ (これは以前のものに加筆した記事です)

コロンビアオリジナル盤の美空ひばりだ。本当はコロンビアではなく正確にはコロムビアと同社では今でも呼称している。そのコロンビア、多摩川下流の六郷橋の下手の川崎市港町に工場があった。その工場の屋上に設置された巨大な音符入りのネオンサインが夜には大変に目立った。残念だったが平成になって川崎工場は外資系に売却されそのネオンサインも撤去された。そのコロンビアの専属歌手でもあった美空ひばりだが彼女が亡くなってからコロンビアも大黒柱を失ったかのように元気をなくしたように思える。

美空ひばりがまだ若かった頃、祖母が“美空はほんまに歌が上手いのぉ~”とテレビで歌う美空を見ては感心していたが、小中学生の頃の僕に歌謡曲の良さは理解できず美空のどこがえんじゃろう、歌う表情も自慢げにしてからにと思っていたし、当時は美空よりポップシンガーであるコニー・フランスのカラーに口紅や可愛いベイビーやルイ・アームストロングのペットとボーカルの方がよほど良かったわけです。美空ひばりもいいなぁと思い始めたのは彼女が大病から回復なって再度歌い始めた頃かな、愛燦燦や川の流れのようにを聴いた頃だから彼女に対しては奥手の僕だった。それ以降に江利チエミや美空のレコードを探したがレコードは見かけなかったのでCDを買って聴いていた。その1枚が一番下に記事にしたCDだった。

本アルバムの再発盤が発売になった時は早速大阪の店に予約注文した。欲しかったオリジナルというべき本アルバムを最初に見たのは新宿の廃盤店で新品同様のピカピカだったが値段も相当に高かったし他にもっと入手欲をそそるレコードがあったのでその時は購入をあきらめた。それから数年は美空のORIGアルバムを見ることはなかったが今から3年ぐらい前に東京のレコード店で見かけて入手した1枚。値段も最初に見た時よりかなり安かったように思う。
オリジナルと再発盤の音がかなり違う事がオリジナルを入手して聴いてから初めて分かった。オリジナルは中域がしっかりしていて土台がある再生音で聴ける。美空の歌声も本来の骨太さで聴けるのだ。それに比べると再発盤は中域が抜けて歌音にも芯が感じられないような物足りない再生音になっている。再発盤とCDの音はあまり変わらない。どちらも美空のボーカルだけが浮き出てバックの演奏が妙に奥に引っ込んで遠慮がちに聴こえる。
こちらのジャケ写真が再発盤のであるがジャケ写真が再発らしい複写独特の鮮明さがないものとなっている。美空の顔もハレーションを起こしたような状態でドレスの色や鮮明さも違う。両開きのジャケットは基本的にオリジナルも再発も同じような作りではあるがオリジナルはペラジャケの両開きである。昔のオリジナルが手安く入手できる状況でないのは承知しているがもし機会があればORIGで聴いてもらえれば美空ひばりの魅力が更に味わえると思う次第です。


↓以下は、以前のCDをアップした時の内容
これはLPではありません。日本コロンビアからのCDでアルバムタイトルは“HIBARI sings JAZZ SONGS”副題がナットキングコールをしのんで 発売日1998年となっています。初版のLPはもっと以前だったのでしょうか?よく知りません。しかし、このCDでの収録が嬉しい事にコロンビアより重量盤LPとして発売されることになりました。予約限定販売で第一回販売日が10月中旬です。それが再発盤にあたるのだろうとは思いますが、美空ひばりのLPが一枚くらいあってもよかろうと申し込みをしています。このCDの録音は伴奏が原信夫とシャープス アンド フラッツ及びコロンビア ストリングスですが、ヒバリの歌は彼女の持ち味を生かして歌っているのですが演奏(録音が?)がヒバリに気がねして完全に引いてしまっているのが惜しいアルバムです。多分LPも同じ味付けとは思いますが、多少は味付けを変えて発売してくれるかなという淡い期待もあるのですが如何なるでしょうか。それから美空ひばりの英語発音は悪くないですよ。青江三奈は発音はあまり良い出来とは思いませんでしたが。このアルバムの中ではkuirenは“ペーパームーン”が一番好きです。録音は1965年のようです。

収録曲/1, スターダスト/2, ラヴ/3. 魅惑のワルツ/4, 歩いて帰ろう/5, トゥ・ヤング/6, ペイパー・ムーン/7, 恋人よ我に帰れ/8, プリテンド/9, 月光価千金/10, 慕情/11, ロンリー・ワン/12, 夕日に赤い帆


下記の2つのリンクも参考になります。興味のある方はどうぞ!

岩浪洋三氏による美空ひばりの感想


↓訪問と同時に彼女の“スターダスト”が聴けます。
美空ひばりの公式サイト

SILVIA TELLESの3番目のアルバム

2012年02月11日 | 女性ボーカルT
BRAZIL)PHILIPS/P-630.419 L/SILVIA TELLES/AMOR EM Hi-Fi/1960年
今日は昼ご飯たべてからボサノヴァを色々と聴いている。ところで以前は女性ボーカル主体にブログ記事をアップしたがここしばらく女性ボーカルが途絶えてしまった。が本当に久し振りの女性ボーカルの記事になる。僕自身しばらく女性ボーカルから離れていたのでボーカル盤をアップしようという新しい意欲が湧かなかった為だが、本アルバムは最近時々お邪魔している大阪の廃盤店へ立寄った時にインスト関係を見てコレッというのがなかったので、首を巡らしてブラジル・コーナーを見ると最初に目にとまった1枚のアルバム。アレなんでこんなのがあるのと少し驚きもした。ブラジル盤ORIGそれもSILVIA TELLESのが有るとは予想もしてなかったものだから。こういう嬉しい誤算というか出会いがあるからレコード店巡りはやめられない。レコードを手に取り一応試聴して購入するかどうか決めようと思った。自分でいうのも気恥ずかしいが以前であれば僕が試聴するはかなり珍しかった。試聴すると購入を躊躇ったりして買わずに数年して後悔するという事が多かったから試聴もせず入手するようにしていた。が最近は試聴する事にしている。というのもボーカルはかなり所有しているのでただ珍しいから集めるのは置き場所にも困るし最近はできるだけ気に入ったアルバムしか買わないように努めている。それでターンテーブルに乗せてもらった。聴き始めて数秒で入手しようと決めた(笑)アルバム。彼女のアルバムを僕のブログで取り上げるのは多分これで3回目。最初は'07年4月29日のSYLVIA TELLES、そして2回目が’'08年9月7日のSILVIA TELLESの10inchですが、SYLVIAだったりSILVIAだったりブラジルでも姓名判断でもあるのかという感じです。ジャケ写真を眺めると彼女の若々しさが溢れてますねぇ~太ももあたりに・・(失礼しました)。
本アルバムは12インチとしては彼女の3枚目となるアルバム。10inchから数えると4枚目のLPという事になる。1958年のSILVIA、1959年に出たAMOR DE GENTE MOCAの翌年'60年に録音なったのが本アルバム。SILVIAは未聴だがAMOR DE GENTE MOCAよりお気に入りだ。ボサノヴァ主体の彼女のアルバムの中でもよりジャズ味が混在されているアルバムだと思う。B面に収録されているDINDIはよく知られている事だがこのDINDIは彼女のPET NAME(愛称)で、彼女の恋人だったジョアン・ジルベルトがそう呼んでいた。
収録曲は最下部に列記したがA面最初のSANBA TORTOを聴いただけでそのカワイイ声に悩殺されて聴いた誰もが入手を決めてしまうんじゃないかと思いつつ自己満足している僕。英語メドレーで歌われるALL THE WAY~THE BOY NEXT DOOR~THEY CAN'T TAKE THAT AWAY FROM METHEも軽快で楽しめる。CORCOVADOはもちろん聴いて欲しい1曲だしTETEも情感を感じる1曲。A面最後のSE E TARDE ME PERDOAは明るいで軽快な1曲でいかにも太陽輝くブラジルのボサノヴァっていう感じがお気に入りで聴けば心が明るくなる。B面-4のカルロスジョビンの大ヒット曲SAMBA DE UMA NOTA SO(One Note Samba)やしっとりと歌われるPOR CAUSA DE VOCEもお気に入りであります。

収録曲A面/1,SAMBA TORTO/2.ALL THE WAY/THE BOY NEXT DOOR/THEY CAN'T TAKE THAT AWAY FROM ME/3.CORCOVADO/4.TETE/5.SE E TARDE ME PERDOA/B面/1,.CHORA TUA TRISTEZA/2,DINDI/3,OBA-LA-LA/4,SAMBA DE UMA NOTA SO/5,GARDEZ MOI POUR TOUJOURS/6,NAO GOSTO MAIS DE MIM

ベイシーでこのBASIEを聴いてから

2012年02月10日 | この1曲が好き
昨年の4月に一関のベイシーに行った時に聴いた後に入手したレコード。一関ベイシーと全く同じ盤のつもりですが、レーベルまで確認したわけじゃないのでどこか違うかもという気持ちは残ったまま。入手した盤はPABLO LIVEレーベルでCOUNT BASIEのCOUNT BASIE JAM MONTREUX'77・レコード番号は2308-209。本盤をベイシーにいるような気分で目一杯の音量で聴いていると5分も経たないうちに家族からボリュームを下げなさいと指導を受けたアルバム。PABLOレーベルの事は相変わらずの勉強不足でよく知らずこれがオリジナルか再発かも分からないのです。PABLOにはPABLO・PABLO LIVE・PABLO TODYと3種のレーベルが有りドイツPABLOと米国PABLOの音質の違い等が当然あるようだが聴き較べしてないので不詳です。元来はドイツがオリジナルって事でよろしいんですかね?独盤でも米盤でも高価格ではないが独PABLO盤のサラ・ボーンのように入手難なアルバムもあるらしい。が集めてないので今のところそういう感覚には乏しいです。このアルバムは同じPABLO LIVEレーベルから1977年のMONTREUX JAZZ FESTIVALシリーズとして発売された内の1枚でPABLO LIVEレーベルで僕が所有しているのはコレ1枚だけ。ベイシーは好きなので別アルバムでBIG BANDも聴いてみたいと思っているがまだ購入してません。いつでも買えると思っている内に入手した方が得策とは分かっているのですが(笑)。なおPABLO TODYもジャケデザインの野暮ったさに敬遠気味のアルバム。
このアルバムを録音が良くないという事を言う方もいるが、僕は録音は良いアルバムと思ってます。ただ部分的にトロンボーンがマイクから外れたりして音が遠く感じるのはあるしSHE'S SUNNY THAT WAYの途中では5秒ほど再生音量が変調するところもあるが(僕の盤だけの症状かな)あまり気にならない。まぁライブではあり得る事なので気にしてないとも言える。ところで僕が好きなのはA面のBOOKIE BLUESで本アルバムはこの1曲が僕にとってベストの聴きモノです。ベイシーを聴くとやはり音量を上げて音のシャワーを浴びるつもりで聴くと良さと爽快さが増すと思う。できれば大型スピーカーで聴くと更に良しでしょう。ベイシーのようなビッグ・バンドを敬遠する向きもあるようですし昔のジャズ喫茶ではお客に帰って欲しい時はビッグ・バンドをかけたもんだという話も聞きましたが、カウント・ベイシー素晴らしいジャズ・ピアニストです。あのピアノの1音がたまりません。

サテンドールに痺れる

2012年02月04日 | この1曲が好き
IMPULSE/AS-39/McCOY TYNER/NIGHTS OF BALLADS & BLUES/

このレコードを最初に買ったのは高校3年か大学1年生の頃はっきりしないが大学になってからかな、高校時代も大学時代も渋谷~横浜を走っている東横線沿線に住んでいた僕が遊びに行くのは渋谷辺りと決っていた。時々新宿に行く時はコマ劇場隣のビル2階か3階にあったビリヤード場に他流試合に行くぐらいだった。ビリヤードには当時それなりに凝っていて自分のキューを持って通いゲームをやりとりしたもんだ。銀座は滅多に行かず秋葉原は僕にとってはオーディオ用品を買いにいく必要がある時だけの町だった。当時はまだレコードを集めるという明確な考えも小遣いもなく平均すると1ヶ月に1枚程度を買うのがやっとぐらいだった。そういう学生時代だったがレコード店には毎週のように行って試聴させてもらっていた。このMcCOY TYNERの国内盤を確か渋谷南口の東急プラザ(40年前当時はパンティオンという名称だったような気がする)内のレコード・ショップで見た時はジャケに惚れて試聴もせず予備知識もないままに即購入した記憶がある。これが本LPの最初の1枚目買いであった。買った後で同ビル地下のお好み焼き“ぼてじゅう”で豚玉のお好み焼きと焼きそばを食べアパートへ帰り早速聴いたときの感激は今でも思えている。とにかくカッコいいッ!だった。繰り返し数度を立て続けに聴いたのがこのレコードだった。振り返ればこれ以降徐々に更にジャズ奥ノ細道へ進んでいったようだ。
このアルバムを聴いてピアノ・トリオはエエもんだとばかりしばらくピアノ・トリオやソロを買って聴いたが耳がついていけないアルバムもあって入手を後悔した盤もあった。毎月1枚がせいぜいだから吟味して間違いがなく自分の好みにあった演奏が選べれば良いのだが自分の好みすら自覚しておらず誰がどういう演奏スタイルかも無知な僕だったので試行錯誤状態だったのだ。ジャズ喫茶へ行って聴いてから購入すれば良かったと今になって思うが当時はジャズ喫茶よりは新宿で怪しげな初見の親父さん(893だったかも笑)と4つ玉ビリヤードやっている方が楽しかったのだろう。
それから十数年以後にオーディオ装置を全面的に改めた頃に本アルバムのオリジナルmono盤を入手した。ドラムの音は更に鋭く切れ味抜群に耳に入ってきてORIGは違うと大変満足したもんだ。そうこうしている内にモノラルだけでなくステレオでも聴いてみたいと思いステレオを海外から通販で入手したが、これが大失敗で届いたステレオ盤は風邪引き盤でどうにもならなかった。がっかりしてしばらくは本アルバムを聴かなかった。ある日に上京した時、新宿のHAL'Sへ寄り店内を物色してもコレッというLPがその時はたまたま無かったので手ぶらで帰ろうかと思いながらも箱を探していると本アルバムがあったのでこの際だと思い入手したのが今日の1枚、且つ都合4枚目のアルバムでもあります。
ステレオ盤の満足できるのを入手してしばらくはステレオ盤を優先的に聴いた。ステレオの方がマッコイのピアノとドラムの音が分離するのでそれぞれの音を聴くのはステレオの方が当然聴きやすく楽しめた。ブログにアップしようと久し振りにモノとステレオを聴き較べたらどちらも甲乙つけがたい。ピアノもドラムももっと個別に楽しみたい場合はステレオがお薦め、より分厚い演奏音を味わいたいならモノラルと言いたいところだが、DL102とSHURE-V15/TYPE3の針の違いや特性差もあるので一概に言い切るのは憚られる。

本アルバムは全体的に聴きやすく誰しもスッと入っていける演奏。STAR EYESやDAYS OF WINE AND ROSESも好きだけど何と言っても、B面ならBLUE MONKそしてA面ならSATIN DOLLが好きでデューク・エリントンに敬意を表してSATIN DOLLを一番好きな演奏にあげたいと思う。本アルバムピアノだけでなくドラムの音が印象に残るアルバムです。これは是非アナログで聴いていただきたい1枚です。ってCDで聴いた事ないので無責任発言ですが。そしてまたもや昔話の方が主となってしまいました。ご勘弁を(笑)

McCoy Tyner (p) Lex Humphries (ds) Steve Davis (b) のトリオによる演奏で曲目は1. Satin Doll/2. We'll Be Together Agai /3. 'Round Midnight/4. For Heaven's Sake/5. Star Eyes/6. Blue Monk/7. Groove Waltz/8. Days Of Wine And Roses

黄昏~か或いは円熟かぁ~?

2012年02月01日 | この1曲が好き
PRESTIGE/ RED GARLAND/ WHEN THERE ARE GREY SKIES/PRLP7258

寒い日が続きます。皆さん風邪など召されませんようにご留意ください。僕はこの数年風邪やインフルエンザで寝込んだ事はありません。風邪気味かなっていう程度で済んでいたのですが今年はどうでしょうか?寝込む事がないよう願っていますが、こればかりは予防接種受けて気をつけるべき事は気をつけて後は睡眠を充分とるぐらいしか予防法を知りませんが。

レコード収集の話。僕もレコードを聴くのが好きで且つレコードを買うのも好き。例えば1ヶ月間何にもLPを買えないと何か忘れ物をしたような気がしてしまう。ところで今、大阪ではJAZZオリジナル盤を専門に扱っているレコード店はなくなってしまった。もしどこかにあるとご存知の方がいらっしゃれば教えて下さい。田舎暮らしの僕にとっては東京へ行かないと豊富なオリジナル盤に出会えないという不便な時代になって淋しい。ネット購入という方法もあるが検索で探せるネットは入手できた満足感はあるものの店頭で店主の蘊蓄を聞きながら購入した1枚とは同じレコードではあっても思い入れが違う。今までに国内一軒の店で10枚以上をまとめて買った事はないが(N.Y.ではまとめ買いしましたが)昔に某氏がBLUE NOTEのコレクションをまとめて買ったという話を聞いて当時は羨ましく思ったりもしたのだが今は全く羨ましくもない。何度も味わえるだろう入手の喜びを他人のコレクションを一度買いしてもったいないと思う。新宿の某廃盤専門店の店主氏が「1枚づつ買いながら千枚集めれば千回の喜びがあるが、他人が集めた千枚のコレクションを一度に買っても喜びは1度だけ。加えてそういう買い方をすると得てして聴き込まないもの」というような趣旨を語ってくれた。御意!
今晩の1曲はレッド・ガーランド彼のPRESTIGE時代の最終録音でもあるWHEN THERE ARE GREY SKIESは1962年10月9日の録音で彼はこの後休止する。ちょっと話題がバラバラに脱線するが本LPを入手する以前は日本ビクターの盤を聴いていた。本LPは長女がミシガンにいた頃に遊びに行き娘と一緒にN.Y.まで足を伸ばした一日に娘の友達と事前に調べたレコードショップで入手したアルバムの1枚。購入してホテルへ持ち帰る途中で大雨となりタクシーはつかまらず全身が濡れながらもLPを守リ抜いたという懐かしい思い出があるアルバムでもあります。またそのショップがFREDERICK COHENのJAZZ RECORD CENTERでもあったのを確信したのは彼がBLUE NOTEガイド本を出版してからだった。このCOHEN氏は日本人と見ると日本まで送るか?と必ず尋ねてくれる親切な店主でもある。それだけ日本人客が多いというわけですけどね。
本アルバムから1曲を選ぶという事になると難題である。SONNY BOYからなんとも言えないテンポで弾かれるピアノに聴き惚れるし、ST.JAMES INFIRMARYもNOBODY KNOWS THE TROBLE I SEEも大好きでどれにしようかともう3巡目を聴いている。ST.JAMES INFIRMARYの右手のきらめくようなピアノ演奏も良いしドラムのブラシが始まる部分にもゾクゾクする。日本ビクター盤には残念ながらこのきらめき感とブラシの切れがなかったし聴く機会も消滅したので先日処分した(買う時は確か千円以上はしたと思うが売る時はパン一個ぐらいの値段にしかならないのが趣味の世界)。で本アルバムを3巡聴いたけど僕には甲乙つけにくいので上記の3曲を好きな曲にします(笑)。NOBODY KONOWS THE TROBLE I SEEの何とも物悲しい風情を連想させる演奏も聴けば聴くほど心落ち着く名演奏。このアルバムを聴いてGARLANDの右手が繰り出すピアノ音の素晴らしさに文句をつける人はいないはずと信じてます。

手持ちのBERGENFIELDレーベルでオリジナルと思うっていうか、確かコーエン氏も「YES, IT'S THE FIRST ORIGINAL」と言ったと思う。まぁ~、1957年以降は446WではなくBERGENFIELD N.J.で良しでしょう。なおジャケット裏の曲紹介には, I AIN'T GOT NOBODYが表記されてないけれどBERGENFIELDレーベルではそうなっているのか未だに知識不足です。ジャケットの話が最後になりましたが本ジャケットも気にいってます。当時40歳直前だったはずのガーランドですがすでに引退を考えていたのだろうかと思わせる写真。だけど人生の黄昏を感じるには到底早過ぎる。少し休もうかなと思う事もアーティストにはよくある事だと思う。セミリタイアして休息しながら更に円熟味を深め創作意欲を取り戻すことを考えているような写真だと思って眺めている。ジャケ上部分が僕のパソコンでは紫色に見えるが実物は赤に近いピンク色です。