ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

ELIA FLETAのEP盤

2012年03月03日 | 女性ボーカルF
(SPAIN)CONCENTRIC/6038ZC/ELIA FLETA/TETE MONTOLIU PRESENTA ELIA FLETA/7inch
*この記事は2006年10月のに加筆したものです。

寝ても覚めても探し続けたレコードではないけれど、頭の片隅にはあってそれを店頭でふと見かけた時はやはり買ってしまうものだ。このEP盤もそういう入手経緯だった。期待に胸を大きくときめかせたわけでもないが、ターンテーブルの上に乗せた時には少しずつ期待する気持ちが湧き上がってくるものだ。さほど高価でもないが頻繁に見かける盤でもないのでフレッシュサウンド盤と比べてどうなんだという期待もあった。
このEP盤には4曲が収録されている。FS盤には9曲が収録されているので、もう1枚のEP盤があるのかどうか僕は知らない。別のEP盤を見かけた記憶もないような気がする。まぁそこまで凝らなくても良いのではないかという気もする。再生はFS盤が左右の分離があまりはっきりしないステレオ(疑似ステレオか?)再生で、EP盤の方はモノラル再生。
2枚のELIA FLETAを聴き比べてみた。モノとステレオの針の違いもあるだろうが、結論から言うと再生音はオリジナルEP盤もFS盤もさほど大きな違いが感じられない。EP盤の方が高域がやや強調されたような感じはする。FS盤もこうなると悪くなく充分に満足できる。収録曲の中で僕の個人的好みを正直に言うと、アップテンポで歌うLOVE FOR SALEはちょい苦手で残り3曲は楽しく聴ける。B面の I FALL IN LOVE TO EASILYとLES FULLES MORTES(枯葉)はなかでも好きだ。こうやってオリジナルEP盤を聴いてみると音質にさほど差がないと思えるので、特別にオリジナル性に拘らなければ価格と曲数でフレッシュサウンド盤で充分だとも思える。どちらも同じスペイン盤だから再生音にさほどの差がないのかな?
 付け加えるとオリジナルEP盤は店によってかなり価格にばらつきがあるようでその価格差は自分が知るかぎり約2万円ほどあったのでオリジナルを求める方はFS盤を聴きながら気長を探すのをお薦めしたいと思う。


*以下は以前の文章です。FS盤のジャケ写真は画像が多過ぎて探し切れず載せるのを諦めました。
スペインのCONCENTRIC原盤でELIA FLETAの“TETE MONTOLIU presenta ELIA FLETA”1966年録音・ステレオ
このELIA FLETAというシンガーの事は全く知りません。アルバムのライナーノートも全く読めないのでその内容についても想像もつきません。BATERIAがドラムだという事がやっと分かった私ですから。本来はTETE MONTOLIUが主役扱いのように思えるアルバムですが女性ボーカル主体のブログですので彼女を主役として扱わせていただきました。彼女のボーカルは自然体で捏ねずに歌っていて声質は張りがあって前に押し出してくるのですがどこかに情熱的なものを感じさせます。バックの演奏が彼女に負けないどころか、それ以上の演奏です。アルバムを聴くとやはり主役はTETEですね。本アルバムはFRESH SOUND盤ですが録音が良いのかカッティングも良いのか音も薄さを感じません。これでオリジナル盤となるともう一つ音がいいんでしょうね。

パーソナルは, ELIA FLETA(vo), TETE MONTOLIU(p), ERIK PETER(b), PEER WYBORIS(ds)
収録曲/A面/1, LUSH LIFE/2, THIS CAN'T BE LOVE/3, SATIN DOLL/4, HONEYSUCKLE ROSE/5, MY ROMANCE /B面/1, I FALL IN LOVE TO EASILY/2, LOVE FOR SALE/3, COR INQUIET (MY FOOLISH HEART)/4, LES FULLES MORTES(枯葉)

じっくり且つリラックスして聴けるELLA FITZGERALD

2010年06月19日 | 女性ボーカルF
VERVE/MGV-4004/ELLA FITZGERALD/LIKE SOMEONE IN LOVE/1956年L.A.にて録音

歌唱力に文句をつける人はいないのではないかと思う エラ・フィッツジェラルドの一枚。人によってはサラ・ボーンの方が歌う技法の方が上とか言う評論家もいらっしゃるようだが、そういう順位をつけるのはボーカルを楽しむリスナーの立場では必要もなく、好きか嫌いかを自分の中で己が感じて決めれば良いと考えている。好き嫌いという判断でいえばとエラは大好きです。もちろんサラも好きですから。エラの人気アルバムである“イン・ベルリン”のマック ザ ナイフも有名ですし聴いて楽しくなるタブバム。エラと言えば、彼女のスキャットに魅せられる人も多いと思う。大橋巨泉が昔そのまた昔に“はっぱふみふみ”との流行語を編み出したのも、氏はエラが大好きで彼女のスキャットから連想したと何かの書き物で述べていた(懐かしい)。エラのスキャットも当然素晴らしいと思うが、本アルバムでのバラードでも彼女のボーカルの温かみが余すところなく表現されていて好き、収録曲はどれも良い出来と思うが敢えてお気に入りを言えばタイトル曲のLIKE SOMEONE IN LOVEはであろうか。

本アルバムではスキャットやフェイクを少なめにして曲本来のメロディを大切にしながら且つ歌詞をじっくりと歌い込むという彼女のスタイルは聴き手にヴォーカルの本質を感じさせてくれるアルバム。バックに加わっているスタン ゲッツも聴かせてくれる。

所有のレーベルはトランペットレーベルではなくT字レーベル深溝有ですがあまり不満も感じずこれを聴いている。時々彼女の晩年が恵まれたものでなかった事に思いを馳せますが、太っていた彼女が糖尿病を悪化させたのは残念に思う。本アルバムの裏面にある写真程度の体重だったらさほど悪化させることなく済んでいたのかもと思う。

FRANK Devolの指揮によるオーケストラ伴奏; 主なパーソナルは、ELLA FITZGERALD(vo), STAN GETZ(ts), LOU LEVY(p), LEROY VINNEGAR(b), STAN LEVEY(ds)

収録曲A面/1. There's a Lull in My Life/2. More Than You Know/3. What Will I Tell My Heart?/4. I Never Had a Chance/5. Close Your Eyes/6. We'll Be Together Again/7. Then I'll Be Tired of You/8. Like Someone in Love//B面/9. I Thought About You/10, MidNght Sun/11. You're Blase/12. Night Wind/13. What's New/14. Hurry Home/15. How Long Has This Been Going On/

昔のイメージのCONNIE FRANCISか?

2009年08月05日 | 女性ボーカルF
MGM/SE3893/CONNIE FRANCIS/SONGS TO A SWINGING BAND/

今晩のアルバムは硬派ジャズ通の方には歯牙にもかけられないコニー・フランシスです。皆さんご存知のように、コニーは1938年生まれの米国ニュージャージー州出身のポップ歌手です。本名はCONCETTA ROSA MARIA FRANCONEROという長い名前らしいですが、CONCETTAというと綴りはちょっと違うんですが同じコニーでもSTEVENSのコニー・スティーブンスを思い出します。そのSTEVENSのファースト・アルバムがCONCHETTAで、これのアルバムのタイトルも本名からとったのですが、よく似た名前ですね。
僕の一番古い記憶に残るコニーは物心ついた頃にはラジオの洋楽番組ではいつもトップ10の常連でした。“カラーに口紅”、“WHO'S SORRY NOW?”, “ボーイ・ハント”、“ヴァケイション”いやぁ~、本当によく聴きました。小学生の高学年の頃はローラー・スケート(4輪車配置でつま先にゴム・ストッパーがある代物)に凝っていまして、先生からはスケート場には父兄同伴で行くようにと指導されていたにも係わらず、学校の帰りにはローラー・スケート場で貸靴借りて滑っていました。そのスケート場で彼女の歌がよく流れていました。彼女の曲はアップ・テンポの曲が多く、ゆったりとした歌謡曲よりはスケート場にはよく合っていました。
本アルバムは数年前にボストンのレコード店で買った一枚で, いまだにプライス・タッグがついたままにしています。このアルバム『SONGS TO A SWINGING BAND』は1961年のアルバムでRICHARD WESSのアレンジ指揮によるもので、IT MIGHT AS WELL BE SPRINGやANGEL EYES, GONE WITH THE WINDを歌っています。SWINGING BANDというからジャズっぽいんだろうかと思って買ったのですが、ジャズ味は薄くジャズ・シンガーでよく取り上げられている曲も歌っていますが、やはりポップぽいですね。それと幼少の頃に聴いた彼女は乗りが良いシンガーというイメージが強かった彼女ですが、今になって聴くと相変わらずノリはいいんですが、結構こねた歌い方というか割とネバいボーカルなんだと再認識しました。ポップっぽいアルバムですが、これでも彼女にしてはジャズ寄りのアルバムかなと思った次第。このアルバムの中ではGONE WITH THE WINDが伴奏ボーカルを含めて一番ジャズに近いかなぁ~、でもやっぱりコニー節ですからね。アルバムの内容はいいんですがジャズ・ボーカルとして聴くと期待ハズレかも知れませんね。

収録曲/A面/1, YOU'RE NOBODY 'TIL SOMEBODY LOVES YOU/2, OL'MAN MOSE/3, HOW LONG HAS THIS BEEN GOING ON?/4, MY LOVE, MY LOVE/5, IT' MIGHT AS WELL BE SPRING/6, TABOO/B面/1, LOVE IS WHERE YOU FIND IT/2, I GOT LOST IN HIS ARMS/3, DAT'S LOVE/4, ANGEL EYES/5, GONE WITH THE WIND/6, SWANEE/


ついでに彼女のMGM/SE-4253/A NEW KINDS OF CONNIEのアルバムでの彼女は, MY MAN, THE SWEETEST SOUND. I'VE GOT A CRUSH ON NEW YORK TOWN, LIKE SOMEONE IN LOVEとジャズで取り上げられている曲をコニー節で歌っていますが、こちらはアレンジ指揮がMARTY PAICHでこちらの方がよりジャズっぽい印象がありました。今になってこちらのアルバムを紹介すべきだったかと思ったのですが、もうこのまま投稿します。下にそのアルバムのジャケ写真と収録曲を載せておきます。入手するんだったらこちらのアルバムが正解でしょうか。

収録曲/A面/1, WILL YOU STILL BE MINE/2, MY MAN/3, MORE/4, THE SWEETEST SOUND/5, I'M GLAD THERE IS YOU/6, WHERE DID EV'RYONE GO?//B面/1, MA/2, I FOUND MYSELF A GUY/3, I'VE GOT A CRUSH ON NEW YORK TOWN/4, MY KIND OF GUY/5, YOU CAN TAKE IT FROM ME/6, WHRER CAN I GO WITHOUT YOU/7, LIKE SOMEONE IN LOVE/

ソウルの女王ジャズを歌う?

2009年06月18日 | 女性ボーカルF
COLUMBIA/CL1612/ARETHA FRANKLIN/WITH THE RAY BRYANT TRIO/

アレサ・フランクリンといえば記憶に新しいところでは今年の1月にオバマ大統領の就任式式典で歌うという栄誉を得たシンガーですが、僕にとっては高校生の頃にオーティス・レディングと並んでソウル・シンガーとして当時から双璧の存在でした。レディングの“ドック・オブ・ザ・ベイ”とアレサの"明日にかける橋”はどちらも印象に残っている曲です。日本でもラジオの深夜放送ではよく曲が流れていました。レディングの“ドック・オブ・ザ・ベイ”は今で言うクラブ(昔はディスコと称してしたものですが)でもよくかけられていたように思います。アレサのアーシーで魂を鷲掴みにされるような歌い方にFMラジオで聴き入っていたものです。
          
本アルバムはそういうどんな曲を歌っても立派なソウルになってしまうアレサがレイ・ブライアント・トリオを歌伴にしてジャズ(?)も歌ったアルバムです。1960年と1961年に録音され1961年に発売になった本アルバムですが、彼女のLPとしては2枚目のアルバムとなります。当時の彼女は18歳という事になりますが、すでに風格ある歌い口をしていることに驚かされます。アレサは当初はこのCOLUMBIAからアルバムを出したのですが、それは成功とは言えず後の'67年にアトランティックに移ってから人気が出たわけです。本アルバムは当時のCOLUMBIAがポップ&ジャズ・シンガーとして売り出そうとして企画したアルバムらしく, あまり受けず裏目に出たんでしょうね。いま聴けば決して悪くないアルバムなんですが。
          
ピアノ伴奏は主にはレイ・ブライアントですがアレサ自身も数曲でピアノを弾き語りしています。収録曲の内容ですが、WON'T BE LONGはアップテンポでソウルの味わいの方が強いかなという1曲、OVER THE RAINBOWが本アルバムでの一番の聴きものでアレサの伸びのあるボーカルでスローテンポで前半は抑えながら歌っています、後半はますます伸びやかにゴスペル的味わいも感じられます、僕のお気に入りの1曲です。LOVE IS THE ONLY THINGSとSWEET LOVERあたりはソウルの味わいの方が勝っているようです。WHO NEEDS YOU?/ARE YOU SURE/MAYBE I'M A FOOLの3曲ではアレサ自身がピアノを弾いています。続いてのお気に入りであるRIGHT NOWはアレサの持ち味が存分に味わえる佳曲ではないでしょうか。ARE YOU SURE/MAYBE I'M A FOOL/IT AIN'T NECESSARILY SOあたりはどう聴いてもソウルの女王が歌った曲となっています。BY MYSELFはアレサ節が再び炸裂していますが, こういう彼女ならではのBY MYSELFも良いですよ。最近はニッキ・パロットのようにあっさりとした歌い口が好まれる時代のように思えますが、たまにはアレサのように個性が強く味が濃いボーカルを聴くのもいいもんですね。

収録曲A面/1, WON'T BE LONG/2, OVER THE RAINBOW/3, LOVE IS THE ONLY THING/4, SWEET LOVER/5, ALL NIGHT LONG/6, WHO NEED YOU?/ B面/1, RIGHT NOW/2, ARE YOU SURE/3, MAYBE I'M FOOL/4, IT'S AIN'T NECESSARILY SO/5, BY MYSELF/6, TOAY I SING THE BLUES/

MARIANNE FAITHFULL

2008年05月30日 | 女性ボーカルF
ジャズとは関係ないアルバムで,(英)ISLAND/12MF 100/MARIANNE FAITHFULL/BROKEN ENGLISH/1979というアルバムですが、このアルバムは45回転の12inchシングルとなっています。ジャケット違いの33回転LPもあるようですが僕はこのジャケットの退廃的な写真が気に入って入手したものです。45回転でLP片面にBROKEN ENGLISH1曲がLONG VERSIONでの収録ですから再生音はなかなかに良いのですが、ここでの彼女は暗く枯れた声で開き直ったような声で歌っています、そのイメージはジャケットから受けるイメージそのままであります。彼女の60年台からの生活はどんなものだったのでしょうか?真偽のほどは僕には分かりませんが英国の反社会的女性旗手と言えるぐらいの存在だったのでしょうか?
↑(英)DECCA/LK4688/COME MY WAY/1965 こちらのアルバムはちょうど彼女がミック・ジャガーとつきあっていた頃のアルバムですが、当然のようにまだ若々しいし. まだ表情に輝きというのが感じられますが冒頭のジャケットとなるとその輝きは全く失せて重く投げやりな感じさえ窺えるのが年月を感じさせます。ちなみにこちらのアルバムでは初々しい声で歌っていてHouse Of The Rising Sunは聴ける曲です。僕が学生の頃は彼女の存在は知っていたもののアルバムを入手しようとも思わなかったのですが、どういう自分の気持ちの変化か分かりませんが、この2枚は彼女の人生での変りようと生き様が感じられておもしろいと思って入手して以来、たまに取り出して聴いています。そういう意味あいを考えながら2枚のジャケットを眺め比べていただければ如何お感じになるでしょうか?

NURIA FELIU

2007年10月15日 | 女性ボーカルF
(SPAIN)EDIGSA/CM150L/NURIA FELIU/LOU BENNETT I ELS SEUS AMICS/Stereo

先週は中国へ出張でしたが、彼の国の投資熱は加熱しています。僕が初めて中国を訪問したのが89年ですから、もうかなり前の話でまだ外国人専用通貨である兌換券なるものを否応なく使わされていました。当時のレートが兌換券1元=26円ぐらいだったように記憶していますが、換金しても買うものはなく景徳鎮の硯ぐらいを買うともう自分には欲しいものは中国にはありませんでした。その硯も最近はあまり上質のものはないように思います。最近は冒頭にも述べたように株投資熱は高まる一方で政府が口先介入しても熱はいっこうに冷めません。僕の知っている中国某中小会社のトップは株で儲けて、ベンツと腕時計(ピアジュ)を買いました。結構な事だと思いますが、僕ならそれだけの思い掛けない臨時収入があればブルーノートのオリジナルを買い集めたいところですが(笑)、そんなチャンスは有りっこありません。まぁ~,賭事も株も行きつくところまで行かないと止められないのでしょうね。彼等も賭事は大好き人種ですから。

今晩のご紹介するアルバムは,スペインのNURIA FELIUですが、彼女の事については知りません。ライナーノートを見てもすべてスペイン語なので読めません(笑)。このあたりのコメントはまことに失礼ながら坂田一生氏とほぼ同じ内容です。このEDIGSAというレーベルから彼女のアルバムはLP盤が2枚とEP盤3枚の合計5枚発売されていますが, 本アルバムはそのLPの一枚です。もう一枚のLPはTETE MONTLIU等がバックを務めているアルバムですが、このLPが未入手で歯痒い思いをしています。本アルバムは歌詞を印刷した別紙は入っていますがスペイン語です。共演がオルガンとピアノのLOU BENNETTですが、ギターやドラム・ベース担当などは僕には不明です。全曲をスペイン語で歌っている彼女のボーカルですが、声質はやや太い低い声で力強さと言葉の区切り方に情熱を感じさせながら、やや古くさいような印象を与えつつもあまり耳にした事がないボーカルを新鮮に感じさせる歌い口です。バックのLOU BENNETTのオルガンより彼女のボーカルの方がよりはっきりとスイングしているように思えます。彼が少し引いているのかも知れませんが、彼女の実力が高いという事ではないでしょうか。A-1のGEORGIA ON MY MINDで“ジョルジョ~”と始まるとB-5のAFTER YOU'VE GONEまで一気にアルバム全曲が聴けます。一度は聴いていただきたいNURIA FELIUでした。なおジャケットはこれ以下はないと思えるようなペラジャケです。

収録曲
A面
1, GEORGIA ON MY MIND
2, SPEAKE LOW
3, FROM HEART TO THE ETERNITY
4, I ONLY HAVE EYES FOR YOU
5, SATIN DOLL
B面
1, YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS
2, THEY CAN'T TAKE THAT AWAY FROM ME
3, NATURE BOY
4, PENNIES FROM HEAVEN
5, AFTER YOU'VE GONE

Mary Ford

2007年03月07日 | 女性ボーカルF
COLUMBIA盤/MARY FORD/WARM and WONDERFUL(LES PAUL and MARY FORD)1962年録音

このジャケット写真はあまりパッとした印象がないというのも僕には老人のギター同好会の写真のような印象に思えるのです。彼女が持っているギターもギブソン、隣のレス・ポールのギターも彼の名前を記したモデルがあるくらいですからギブソンですが、彼女の身体の大きさに比較してギターの大きさが目立ちます。でもこのアルバムを聴くとその印象は好ましいものに変わるでしょう。レス・ポールのギター演奏は控えめでその分メアリー・フォードの巧い歌が充分楽しめます。本アルバムでの彼女の歌い口は、低い落ち着いた声でゆっくりと歌います。A面ー1の 'DEED I DOのテンポは今まで聴いたことのないゆったりとしたテンポですが、彼女の低い声とそのテンポがマッチしていて聴けるのです。その他の曲もスローテンポでの展開となっています。こういったエレキギターの音も悪くないですね。聴いていて気持ちを逆なでするところが全くないまろやかな仕上がりのアルバムとなっています。

収録曲
A面
1, 'DEED I DO
2, MAKIN' WHOOPEE!
3, A COTTAGE FOR SALE
4, CLOUDS
5, COME BACK TO ME
6, CHASING SHADOWS
B面
1, IT'S BEEN A LONG, LONG TIME
2, AFTER YOU'VE GONE
3, AM I BLUE
4, YOU BROUGHT A NEW KIND OF LOVE TO ME
5, WRAP YOUR TROUBLES IN DREAMS
6, EAST OF THE SUN(and west of the moon)

Eileen Farrell

2007年02月28日 | 女性ボーカルF
COLUMBIA盤でEILEEN FARRELLの“I'VE GOT A RIGHT TO SING THE BLUES”1959年録音

『著名オペラ歌手ジャズを歌う』
このアルバムは自宅からさほど遠くない所でブラリと立ち寄ったショップにあった一枚です。聞いた事のないシンガーの名前、裏面を見るとジャズボーカルで題材にとりあげられている曲名があります。でもアルバム名が“SING THE BLUES”で, ブルース系のシンガーかと思いましたが、このシンガーの名前を聞いた事がないのです。ファレルというファミリーネームの歌手がいるのは知っていましたが、どうもそれとも違うようです。まぁ~ 安値だし捨てた気になって聴いてみようかと購入したアルバムです。こういう経緯で持ち帰ったアルバムを聴く直前が吉と出るか凶と出るか期待が膨らむ瞬間でもあるのです。

彼女は1920年コネチカット州生まれで、アメリカではオペラ歌手として有名のようです。ワグナー, ヴェルディーの歌曲をバーンスタインやトスカニーニの指揮で収録したアルバムもありますが、ライナーノートには彼女は本業はオペラ歌手であるがポップやジャズその他ジャンルを問わず何でもこなせたマルチシンガーだとのミッチミラー等の推薦文がありました。オペラ歌手かぁ~期待できそうもないかと凶を覚悟しながら聴き始めたのです。聴いてみると想像と違って実に上手いです。声量はたっぷりと溢れんばかりにあります、6000ccのエンジンを積んだ車重1000キロ未満の車をゆったりと駆動していつでも瞬発的に速度を上げる事ができる感じです。歌い上げる時はいくらでも高音と声量が出そうなのを抑えて歌っています。この歌手が上手いと思えるところはそういう本職での場面ではなく、情感を込めて低くゆったりと歌うこともできることで, A-4のLOOKING FOR THE BOYなどは低く抑えた声でジャズテイストあるボーカルを聴かせてくれます。オペラ歌手と言われなければジャズシンガーと思って聴くことでしょう。A-5とA-6のON THE SUNNY SIDE OF THE STREETへと, ユーモアある歌い口も交えて調子が上がっていきます。B面では期待したOLD DEVIL MOONは元気が良くて自分の好みではありませんが、B-2のHE WAS TOO GOOD TO MEやB-4のEV'RYTIMEがこのアルバムの中では一番の出来でしょう。オペラ歌手かと軽んじなかれの一枚でした。

LUTHER HENNDERSONの指揮によるオーケストラ伴奏
収録曲
A面
1, BLUES IN THE NIGHT
2, I'M OLD FASHIONED
3, SUPPER TIME
4, LOOKING FOR THE BOY
5, GLAD TO BE UNHAPPY
6, ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET
B面
1, OLD DEVIL MOON
2, HE WAS TOO GOOD TO ME
3, TEN CENTS A DANCE
4, EV'RYTIME
5, SEPEMBER SONG
6, I GOTTA RIGHT TO SING THE BLUES

Jacqui Fitzgerald

2007年01月30日 | 女性ボーカルF
KIWI PACIFIC盤でJACQUI FITZGERALDの“MASQUERADE IS OVER”1985年発表・レコード重量150g

ニュージーランド出身で現在もオークランド在のシンガーですが、あまり知りません。ライナーノートにも彼女の事は書かれていないのです。仮面舞踏会というアルバムタイトルらしく道化師のイラストようなジャケットですが、彼女の写真が裏に有りましたので載せておきます。このアルバムに収録された曲はマイルスやミンガス等の曲で、シンガーとしては難しそうな曲が並んでいるのですが彼女は自然にさも歌いやすそうに歌っているところに彼女の実力が推し量れると思います。声質は滑らかでややハスキーで私の耳にすんなりと入ってきます。A-2のDRY CLEANER FROM DES MOINESやB-3のSEVEN STEPS TO HEAVENなどはボーカリストにとっては難しい曲と思いますがリズムの取り方やバックと完全に一体になってのボーカルは凄みさえ感じて聴き物です、しかも余裕を持って楽しそうにこなしています。私にはA-1のTHE MASQUERADE IS OVERやB-2のI GOT IT BAD、B-5のGOD BLESS THE CHILS あたりが聴きやすくて好感を感じます。



パーソナルは, JACQUI FITZGERALD(vo), MIKE WALKER(p), ANDY BROWN(b), FRANK GIBSON jnr(ds), BRIAN SMITH(sax), MATIN WINCH(g)

収録曲
A面
1, THE MASQUERADE IS OVER
2, DRY CLEANER FROM DES MOINES
3, TIGHT
4, BE COOL
5, NIGHT IN TUNISIA
6, FAKE
B面
1, GOD MUST BE A BOOGIE MAN
2, I GOT IT BAD
3, SEVEN STEPS TO HEAVEN
4, 'ROUND ABOUT MIDNIGHT
5, GOD BLESS THE CHILS

Ella Fitzgerald

2007年01月03日 | 女性ボーカルF
VERVE盤でELLA FITZGERALDの“ELLA in ROME”1958年録音・レコード重量100g

このアルバムは、副題がThe Birthday Conertとなっていて1958年エラの40歳の誕生日にローマで行われたライブ録音です。彼女の40歳といえば一番乗りに乗っていた時期の彼女でしょう。ライナーノートを読むと本録音がアルバム化されたのはそれから30年後の彼女の70歳を祝う意味で発売されたとあります。A面B面共に冒頭はノーマングランツのイタリア語による紹介があって演奏が始まる形になっています。このアルバムは輸入再発盤ではないかと思うのですが確かな事は確認できていません。エラというシンガーはどんな歌でも硬軟強弱を使い分けて歌いこなす力量があるシンガーで、いつ聴いても上手いと思うのですが、本アルバムではA-4のJUST SQUEEZE MEは色んなシンガーが唄っていますがエラのソフトで芯のあるボーカルが他にはないように思えるし、A-6のTHAT OLD BLACK MAGICのノリノリのスイング感も楽しいし、B-5の I Can't Give You Anything But Loveの三人の声色を使ったボーカルで芸達者振りを披露しています。この三人の声色は一人はルイアームストロングとすぐ分かるのですが、もう一人の可愛い甘えた声色で歌ったものは女性シンガーのRose Murphyらしいです、そしてもう一人はエルビスプレスリを模して歌っています。どれぐらい似ているかは本アルバムを聴いてご判断ください。B-7のSTOMPIN' AT THE SAVOYのみがオスカーピータソントリオのバックですが、このアルバム内では一番の長時間となっていて、ライブならではのエラのスキャットの魅力が堪能できます。

NORMAN GRANZのプロデュース
パーソナルは, ELLA FITZGERALD(vo), LOU LEVY(p), MAX BENNETT(b), GUS JOHNSON(ds), OSCAR PETERSON(p), HERB ELLIS(g),RAY BROWN(b),


収録曲
A面
1, INTRODUCTION by NOMAN GRANZ
2, ST. BLUES
3, THESE FOOLISH THINGS
4, JUST SQUEEZE ME
5, ANGEL EYES
6, THAT OLD BLACK MAGIC
7, JUST ONE OF THOSE THINGS
B面
1, INTRODUCTION by NORMAN GRAZ
2, CARAVAN
3, I LOVE YOU PORGY
4, IT'S ALL RIGHT WITH ME
5, I CAN'T GIVE YOU ANYTHINGS BUT LOVE
6, MIDNIGHT SUN
7, STOMPIN' AT THE SAVOY

Ella Fitzgerald

2006年07月26日 | 女性ボーカルF
VERVE盤でElla Fitzgeraldの“sings the JEROM KERN SONG BOOK”1963年録音・ レコード重量132g
私が最近気に入っているベスト3の一曲がこのアルバムのB面のALL THE THINGS YOU AREです。このアルバムはノーマングランツのプロデュースでネルソンリドルがアレンジ指揮のオーケストラ伴奏ですので、私のお気に入りのパターンとも言えます。

本日分よりトリミングしてアップさせていただきます。まだまだ写真の撮り方やトリミングのやり方は稚拙ですが、これから少しでも上達していく予定(自信ありませんが)ですので、よろしくお願いします。

収録曲
A面
1, LET'S BEGIN
2, A FINE ROMANCE
3, ALL THE THINGS YOU ARE
4, I'LL BE HARD TO HANDLE
5, YOU COULDN'T BE CUTER
6, SHE DIDN'T SAY YES
B面
1, I'M OLD FASHIONED
2, REMIND ME
3, THE WAY YOU LOOK TONIGHT
4, YESTERDAYS
5, CAN'T HELP LOVING THAT MAN
6, WHY WAS I BORN ?

Frances Faye

2006年06月18日 | 女性ボーカルF
CRESCEND盤でFrances Fayeの“CAUGHT IN THE ACT”1956年録音。彼女はN.Y.のブルックリン生まれ。16歳の頃から地元ブルックリンのステージに立ったとジャケットにはあります。さて彼女のライブやパフォーマンスはよほど面白く人気があったのでしょうね。このアルバムのジャケットも新聞のようなデザインとなっていて、見出しが“フランセス フェイ現行犯逮捕その2”というわけですから実に個性的です。それも結構凝っていてラスベガスニュースの号外版ですから恐れ入ります。このアルバムはラスベガスのサンダーバードでのライブ録音です。こちらのアルバムには有名な “I'M WILD AGAIN” は無いようです、それとも分らないのかも知れませんが。彼女のユーモアのセンスというかお遊び精神もなかなかと思います。また彼女はサンセットストリップ新聞の号外版では、ハリウッドでも現行犯逮捕されておりそれが “現行犯逮捕その1” というアルバムです。それにしても彼女のライブは歌いまくり喋りまくりでお客に気をそらせる隙がないかのようです。

収録曲
A面
1, LONESOME LOAD
2, MY BABE
3, PORGY
4, A GOOD MAN IS HARD TO FIND
5, DO NOTHIN' TILL YOU HEAR FROM ME
6, YOU'RE NOBODY TILL SOMEBODY LOVES YOU
B面
1, UNCHAIN MY HEART
2, BLUEBERRY HILL
3, TONIGHT YOU BELONG TO ME
4, I'M GOIN' TO KANSAS CITY


ELLA AND LOUIS again

2006年04月18日 | 女性ボーカルF
VERVE盤でエラとルイの“AGAIN”です。“エラ&ルイ”のアルバムの方を先に投稿しようと思ったのですが写真の関係で続編のこちらが先になってしまいました。この二人は親友でもあり実に息のあった歌い振りですし、エラの暖かい声とルイの苦み走った声がよく合って聴いていると仲の良い二人の感情が伝わってきて、こちらまで幸せな気分にさせてくれるようなそういう優れたアルバムです。もちろんAGAINの方ではなく先に販売されたエラ&ルイの方が本アルバムより少しお気に入り度は高いです。ノーマングランツのプロデュースも辣腕ぶりですね。

収録曲は
A面が
1,I DON'T BE THAT WAY
2,MAKIN' WHOOPEE
3,THEY ALL LAUGHED
4,COMES LOVE
5,AUTUMN IN NEW YORK 
B面が
1,LET'S DO IT
2,STOMPIN' AT THE SAVOY
3,I WON'T DANCE
4,GEE BABY AIN'T I GOOD TO YOU

Ella Fitzgerald

2006年03月29日 | 女性ボーカルF
アルバム紹介100枚目記念です。

VERVE盤ですが、これは国内再発盤ポリドールからのELLA FITZGERALDの“THE GEORGE & IRA GERSHWIN SONG BOOK ”の5枚組BOXです。BERNARD BUFFETの絵をあしらったアルバムとして有名です。伴奏はオーケストラでアレンジ指揮はお気に入りのNELSON RIDDLEです。またの機会があれば他の絵が載った写真も紹介します。

紹介100枚目記念という理由でエラの事を少し紹介します、今更ですがご辛抱下さい。
1917年バージニア州生まれのエラはジャズシンガーとしてビリーホリデイやサラボーンらと並ぶ歴史的なシンガーと思います。少女時代はホームレスとして極貧の十代を過ごしますが、NYのアポロ劇場のアマチュア・ソング・コンテストでの優勝をきっかけに芸能界へ入ったという事です。35年、チック・ウエッブ楽団の専属歌手として活躍、38年にはA-Tisket, A-Tasketのヒットを飛ばし人気歌手としての足がかりを築いた。その後40年代後半のLady Be GoodやHow High the Moonといったヒットによって、エラはジャズ界に揺るぎない地位を占めるようになりました。コール・ポーターやジョージ・ガーシュインの作品ほか、彼女は色々なジャンルの作品を歌ったが、その上品な歌声は変わることはなく広い音域と澄んだ高音は声もステキだし、心の深いところに届く何かを彼女は与えてくれます。
86年から引退生活に入り93年に糖尿病の合併症のため両足の切断手術を受け1996年に残念ながらカリフォルニア州ビバリ-ヒルズの自宅で亡くなりました。

エピソードを一つ。
エラ・フィッツジェラルドはマリリン・モンローのお気に入りの女性シンガーでした。エラがある雑誌で、『真の意味のデビューはマリリン・モンローのおかげです。私は50年代にモカンボ(ロサンゼルスの有名なクラブ)で歌っていました。ある時、彼女は店のオーナーに電話してすぐに私のステージの予約席がほしいと言ってきたのです。もしそうしてくれたら、毎日最前席を取るからと、そうすればマスコミも毎晩やってくるわよと彼女は言ったそうです。本当に彼女は毎晩やってきてマスコミも押しかけたいへんな騒ぎとなりました。おかげでその後私は小さなクラブで仕事をしなくてもすむようになったのです。彼女は稀有な女性です』と語ったそうです。

Jane Fielding

2006年03月24日 | 女性ボーカルF
JAZZ WEST盤の“INTRODUCING JANE FIELDING”です。1955年録音、ピアノがルーレビー、ベースがレッドミッチェルという伴奏です。JAZZ WEST というレコード会社は全てのアルバムが10枚しかないと言うニッチなレコード会社らしいです。彼女はそのJAZZ WEST全ての発売アルバムの内2枚を占めているという事ですが、もう1枚は“JANE FIELDING WITH KENNY DREW QUINTET”です。彼女はこのアルバム以降のアルバムはありません。

録音時は21才だったらしいですが、その唄いっぷりは見事に落ち着いて大人の歌となっています。このアルバムは彼女の深みのあるアルトボイスの魅力がくっきりと浮かび上がっていると評されています。白人ジャズボーカルのよさが味わえるお薦めアルバムと思います。

なおアルバム表の写真はハレーション気味の為分かりづらいですが、裏面の彼女のかなりの枚数のスナップ写真は細身ながら美人であることは間違いありません。