
『ヒストリアン』
エリザベス・コストヴァ
この夏休み、図書館の中高生向けお薦めリストの中にあった作品です。
古書、竜の絵、ドラキュラ伝説、父の恩師の失踪、
そしてその話をしてくれた父の突然の失踪・・・。
それだけでワクワクして、思わずリクエスト。
あとになって調べると、読み応え充分という感想から
イマイチと書いてあるものまであり、これは早まったかな、
とあまり期待せず読むことになりました。
しかし、しかし。
実は、私が一週間近く悩まされた眼の疲れの原因になったのは
この本なのです。
ついつい最後を一気に読んでしまい、
気がついたら夜中の1時をまわっていたのでした。
それ以来、眼痛、頭痛、肩こり。
自業自得とはいえ、かなりつらい一週間でした

つまり私個人としては、けっこうはまってしまったわけですよ。
ドラキュラものなので、なんとなく結末はわかります。
しかも、ドラキュラが今も生きているという設定。
(はっきり言えば結末は、えーっ、これだけ引っ張っといて これー!?
って感じですが)
ストーリーが、父の恩師の手紙、父の話(手紙)、現在と
絡み合って展開し、頭が混乱してきます。
おまけに舞台が馴染みの薄い東欧で、しかも私のほとんど知らない
トルコや東欧の歴史が出てきます。
要するに、あまり読みやすい作品ではありません。
それなのに、なぜか?
ドラキュラが今も生きている、という非科学的なことを、
どうやって読者に納得させるんだろう、という興味もありました。
また、父の恩師はどうなったのか、そして主人公の父親はどこへ消えたのか、
という謎解きももちろん気になりました。
でも一番の理由は、まるで旅行のガイドブックのように
ヨーロッパのあちこちの名所旧跡が出てきたことでしょう(笑)
それも美しいアドリア海からエキゾチックなイスタンブール、
古い歴史を持つ東欧の国々。
教会に遺跡に古い街並み、もう行きたくてたまりませんでした。
以前読んだ『風の影』も過去と現在が絡み合って展開するストーリーでしたが、
若き日の主人公の両親(特に気の強そうな母親)がなかなか魅力的で、
私としてはこちらのほうが好みでした。
ドラキュラ、つまり実在した15世紀のワラキア(現ルーマニア)の君主
ヴラド・ツェペシュが後半で登場(!)しますが、
どこか中途半端な感じがして残念です。
残忍だけど本をこよなく愛し、オスマン帝国から怖れられた人物として、
もっと存在感を出してほしかったなあ。
最後もあっけなかったし。
古書や本好きがたくさん出てきて、
彼らの本に対する情熱には親しみを持てました。
ヒストリアン(歴史家)というよりも、
本好き、旅行好き向きの作品かもしれませんね。
多分2年ぐらい前に読んだと思うのですが、かなりはまりました。
ちょうど海外旅行に出ているときに旅先で買って、毎日持って歩いて読んでました。
しかし最後まで行くと、『結局ドラキュラは自分専用の司書が欲しかったのか?? 』とか、なんか疑問がぐるぐる巻きに残ったような気がします・・・・
え~と、誰があそこにあの本を置いたのかとかね、よくわからないところがあり、いつか読み返そうと思っていたのでしたが、忘れておりました・・・・
く~~ 詳しくくっちゃ寝さんと突っ込んで話したいのに、よくおぼえてない!
読み返さなくては・・・・
ところで、娘さん、頑張られたのですね♪
遅ればせながら入賞、おめでとうございます!
海外では話題になった作品なんですよね。
>なんか疑問がぐるぐる巻きに残ったような気がします・・・・
そうそう、私も最後まで引っ張っといて、結局はぐらかされたような気がしました。
もう一度読み返そうと思っていたのに、眼の調子がわるくなり、読まずじまいで図書館に返却。
母親の行方不明(事故死とされた?)も、なんか説得力に欠けるというか・・・。
でも、細かいことを気にしなければ楽しめる本でしたよね。
旅行先で読むのにはぴったりかも。
海外で洋書片手に旅するjesterさん、素敵♪