雨夜の品定めのあと、雨もやみ、源氏の君は久しぶりに左大臣邸
(つまり葵の上のところ)へ行かれるのですが、
その夜は方角が悪いとのことで、
どこかへ方違え(かたたがえ)しなければいけません。
*方違えとは、陰陽道に基づく風習のひとつです。
外出のとき天一神のいるという方角をさけ、いったん違う方角へ出かけて一夜を過ごし
わざわざ違う方角から目的地に向かったそうです。めんどくさ~
それで紀伊の守の邸へ行きます。
そこにいたのが紀伊の守の父、伊予の介の若い後妻。
その前の話の中で、中流の女性がいいなどという話を
聞いていた源氏の君は興味津々。
とうとう、その若い後妻の寝ている場所を探しあてます。
驚いたのはその後妻。
しかし、相手が源氏の君とわかり、抗うこともできませんでした。
しかし、これってひどい話ですよね
当時はこんなこと、当たり前だったのでしょうか。
方違えで泊めてもらったお宅の、若い奥さんを寝取っちゃうなんて!
かわいそうなのはこの女性。
年の離れた伊予の介の妻であることに不満は持っていたかもしれません。
でも、半ばあきらめながらも妻として平穏な日々を送っていたであろうに、
突然、若く美しい源氏の君を知ってしまったわけです。
う~ん、残酷・・・。
身分も違い、年上で、器量もそれほどよくない自分なのに、
源氏の君とこんなことになってしまって、と思い乱れます。
せめてまだ結婚する前であったならと悔やみ、
こんなことが人に知れたらどうしようと心配します。
そして、源氏の君が恋しいがゆえに、
二度とこんなことにはなるまい、と決心し、
この後も頑なに源氏の君を拒み続けるのですね。
あっぱれです(笑)
この女性、身分は低いとはいえ、
かなりプライドの高い人だったのでしょうか。
何もかも捨てて恋(源氏の君)に溺れる、
ということができなっかたようです。
よからぬ噂がたったり、そのせいで夫から見捨てられたり、
そういう惨めな自分になることが許せなかったのでしょう。
でも、そのくせ心身ともに若い源氏の君が忘れられず悶々としています。
このあたり、とてもリアルに女性の心情が描かれていて、
紫式部の鋭い洞察力に驚きます。
彼女にもこういう経験があったのかなあ、と思ってしまうほど。
そんな女性の気持ちも知らず、
ここまで拒絶された経験のない源氏の君は、
かえって忘れられなくなってしまうんですよね。
おまけに、この女性の弟を小君と呼んで側におき面倒をみます。
もちろん下心あってのこと(笑)
この小君に手引きしてもらい、再び伊予の介の邸へ忍んで行きますが、
やはり拒まれ、あきらめざるをえませんでした。
ちょっとショックだったのは、拒まれたあと、
源氏の君はその小君といっしょに寝ちゃうんですよ。
えっ、これって・・・17歳の源氏の君に、そういう趣味があったの!?
それとも、武家社会においての殿様と小姓のように、
貴族社会でもこういうことは一般的だったのでしょうか?
今回読んで初めて気づき、とても驚いてしまいました。
巻名にもなっている帚木(ははきぎ)というのは、
源氏の君が詠んだ和歌に出てきます。
一体何の木なのだろう、と広辞苑で調べてみると、
<信濃の薗原にあって、遠くから見るとあるように見え、
近く寄ってみると形が見えないという伝説の木>
ということでした。
せっかくそばに寄っても見えない(会えない)女性を
この帚木にかけた、うまいタイトルのつけかたです。
(つまり葵の上のところ)へ行かれるのですが、
その夜は方角が悪いとのことで、
どこかへ方違え(かたたがえ)しなければいけません。
*方違えとは、陰陽道に基づく風習のひとつです。
外出のとき天一神のいるという方角をさけ、いったん違う方角へ出かけて一夜を過ごし
わざわざ違う方角から目的地に向かったそうです。めんどくさ~
それで紀伊の守の邸へ行きます。
そこにいたのが紀伊の守の父、伊予の介の若い後妻。
その前の話の中で、中流の女性がいいなどという話を
聞いていた源氏の君は興味津々。
とうとう、その若い後妻の寝ている場所を探しあてます。
驚いたのはその後妻。
しかし、相手が源氏の君とわかり、抗うこともできませんでした。
しかし、これってひどい話ですよね
当時はこんなこと、当たり前だったのでしょうか。
方違えで泊めてもらったお宅の、若い奥さんを寝取っちゃうなんて!
かわいそうなのはこの女性。
年の離れた伊予の介の妻であることに不満は持っていたかもしれません。
でも、半ばあきらめながらも妻として平穏な日々を送っていたであろうに、
突然、若く美しい源氏の君を知ってしまったわけです。
う~ん、残酷・・・。
身分も違い、年上で、器量もそれほどよくない自分なのに、
源氏の君とこんなことになってしまって、と思い乱れます。
せめてまだ結婚する前であったならと悔やみ、
こんなことが人に知れたらどうしようと心配します。
そして、源氏の君が恋しいがゆえに、
二度とこんなことにはなるまい、と決心し、
この後も頑なに源氏の君を拒み続けるのですね。
あっぱれです(笑)
この女性、身分は低いとはいえ、
かなりプライドの高い人だったのでしょうか。
何もかも捨てて恋(源氏の君)に溺れる、
ということができなっかたようです。
よからぬ噂がたったり、そのせいで夫から見捨てられたり、
そういう惨めな自分になることが許せなかったのでしょう。
でも、そのくせ心身ともに若い源氏の君が忘れられず悶々としています。
このあたり、とてもリアルに女性の心情が描かれていて、
紫式部の鋭い洞察力に驚きます。
彼女にもこういう経験があったのかなあ、と思ってしまうほど。
そんな女性の気持ちも知らず、
ここまで拒絶された経験のない源氏の君は、
かえって忘れられなくなってしまうんですよね。
おまけに、この女性の弟を小君と呼んで側におき面倒をみます。
もちろん下心あってのこと(笑)
この小君に手引きしてもらい、再び伊予の介の邸へ忍んで行きますが、
やはり拒まれ、あきらめざるをえませんでした。
ちょっとショックだったのは、拒まれたあと、
源氏の君はその小君といっしょに寝ちゃうんですよ。
えっ、これって・・・17歳の源氏の君に、そういう趣味があったの!?
それとも、武家社会においての殿様と小姓のように、
貴族社会でもこういうことは一般的だったのでしょうか?
今回読んで初めて気づき、とても驚いてしまいました。
巻名にもなっている帚木(ははきぎ)というのは、
源氏の君が詠んだ和歌に出てきます。
一体何の木なのだろう、と広辞苑で調べてみると、
<信濃の薗原にあって、遠くから見るとあるように見え、
近く寄ってみると形が見えないという伝説の木>
ということでした。
せっかくそばに寄っても見えない(会えない)女性を
この帚木にかけた、うまいタイトルのつけかたです。