今年の大河ドラマ「光る君へ」、おもしろいですよね~
大河ファンでもありますが、『源氏物語』が好きなので
「あの世界観が映像になる!」と、わくわくしながら待ち続けていたのです。
期待半分、不安半分で・・・
実は、1~2年ほど前から藤原道長の生涯を描いた永井路子の『この世をば』を読みたいと思いながら
絶版になっていたのかネットでは買えず、図書館にもなくて(書庫にあったらしい)
諦めていたのですが、今年に入って再販されたのを見つけ早速購入。
これが面白くて、おかげで「光る君へ」にもすんなり入ることができました。
というのも、最初キャストを知ったとき、道長を柄本佑さんが演じるのに少し違和感を
持ったからです。
権力者、道長のイメージかなあ?と。
でも、『この世をば』での道長は、三男坊で権力欲はなくおっとりしたタイプ。
それが、だんだん藤原家を背負って立つ意識に目覚めたころ、タイムリーにも
兄たちの死によって自分に番が回ってきて、次第に頂点に上り詰めていくという役柄。
このキャスティングになるほど~と納得しました。
和歌なんぞ詠んで優雅に見える平安時代ですが、公卿たちの間では熾烈なポスト争いがあり、
過酷な格差社会だったようです。
そのあたりドラマでも描かれていましたが、戦国時代とはまた違った権謀の渦の中で
生き残っていかなければならなかった公卿たちも必死だったことでしょう。
そんな陰謀や策略が、今回のドラマの見どころのひとつでもあるようで楽しみです。
ドラマと違って本では、紫式部のことは清少納言と共にさらっと出てくるだけですが、
替わりにというか、道長の妻となる倫子や姉の詮子、娘たちなど、道長を支える女性たちの
物語にもなっている点で興味深く感じました。
天皇を中心としたこの時代、権力を手に入れるためには、娘が生まれること、その娘が天皇に嫁ぎ
男子を生むことが非常に重要になってきます。
『源氏物語』に出てくる女性たちは、自分で自分の人生を決めることができない
受け身の女性として描かれることが多かったけれど、この作品の女性たちは自らの考えで行動し、
主体的に夫や子どもを支えようとしている姿が描かれていて共感できました。
ドラマでは、道長の姉で東宮の母となる詮子を吉田羊さんが演じていますね。
美しく凛としていて、この先天皇となる息子のためにと道長をサポートし、
自らも力を持ち始めていく・・・
道長も詮子も、今後どんなふうにかわっていくのでしょう。
そして、紫式部はどんな女性として描かれるのか。
結ばれるのことない道長との関係はどう描かれるのか。
『源氏物語』に出てくるような場面が描かれるのか。
見どころがたくさんあって楽しみです