小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

遍路日記‥‥二日目‥‥3  

2015-05-06 | 四国遍路
「六番」バス停から歩くこと5分で安楽寺に到着。
私たちの足で歩けば二時間かかるところを10分で着くのだから車ってすごい。

六番札所 温泉山 安楽寺
ご詠歌 かりの世に知行争うむやくなり 安楽国の守護をのぞめよ



四国を巡礼していた弘法大師によって創建された。温泉を見つけた大師は病魔から人々を救う薬師如来とゆかりの深い土地であると感じて堂を造り薬師如来をを刻んだ。
温泉山という号の通り温泉が湧いていて宿と食事ができる宿坊のはしりとなっている。
ここの宿坊は今も人気が高く、一地番札所から歩き通すと丁度ここで夕刻になることもあってなかなか予約がとれない。
境内は広く新緑が美しい。





立派な本堂に回遊式の庭園の中の松が美しい。「厄除けのさか松」として有名。
これは松の木の下で大師が念仏を唱えていると猪と間違えた漁師の矢が当たったのだが松の枝が揺れて矢を受けてくれたという逸話が残っている。大師は身代わりになった松を逆さまに植えて「この松が芽を出して栄えることがあれば、後にこの地を踏む者は災厄を逃れるだろう」と諭したとか。それが厄除けの寺となった由縁、とある。



古い宿坊は茅葺き屋根でなかなか風格があるが、新しい方は旅館みたい。
玄関にバスツアーご一行様の名前があって満室と言われた意味がわかった。



本堂と太子堂の前に種田山頭火の句碑が建っていた。
山頭火の「遍路日記」を読んで出てきたので今さらのように懐かしく眺めた。

   


門前の売店に喫茶コーナーがあったので熱い珈琲を飲んだ。本日初めての一杯。
ここで何度か一緒になったり、すれ違った人たちと再会。
「あれ?ずいぶん早い到着ですね」と一様に驚かれる。
ははは。ずるしちゃいました、バスなんです。
その中の長野さんと名古屋さん(いずれも仮名)の男性二人は一番札所で出会って以来、ずっと一緒に歩いているそうだ。
すっかり意気投合している。歩き遍路の不思議なところ。
ご夫婦遍路の浜松さんとも話をした。「私の足が遅いので叱られてばっかり」と奥さん。
こちらはここの宿坊で泊まるとか。
徳島港からのバスで一緒だった足の悪い玉川さんも見かけた。
次の十楽寺の宿坊に予約を取ってあるのでここではかなりのんびりできた。
バスのお陰だ。十楽寺まではゆっくり歩いても20分足らずで着く筈。
 
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