2014/11/15(土曜日) 晴れ
良く晴れてはいるが空気が冷たくて何だか寒い一日だった。
我が家の外回り塗装工事はまだ続いている。
部屋に閉じこもって退屈だ。
退屈紛らわしにジャックボックスをかき回してみたら、こんな部品が見つかった。
ニキシー管・・・・・
ネオン管みたいなオレンジ色の発光で0から9までの数字を表示する冷陰極放電管だ。
盛んに使用されたのは1950年代頃からだというのだからもう六昔も前のことになる。
今時こんなもの・・・・と思ったが、ネットの通販サイトで二キシー管を表示部にした時計などが
何万円もの値段が付けられて売られているの見てびっくりした。
そうだ、これを使って時計でも作ってみよう。
時間を計数するカウンタ用ICも沢山あるし、閑つぶしには好いかもしれない。
↓ ジャンクボックスに転がっていたニキシー管。 前はもっと沢山あったはずだけど6本しか見つからなかった。
まぁ、時間、分、秒を表示するには6本あれば足りる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/2c/0f9c5d6f7eb192660d2228f0dc617995.jpg?random=3b953c69630e13cb2a2fa92b27175853)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/ed/bae8843b127c6fcc79f07db6b82f4bb4.jpg?random=2342df537c7f3a6bb513d17a905e0773)
↓ ニキシー管は放電管の一種だから動作させるのには150Vぐらいの電圧が必要だ。
残念ながらジャンクボックスにはそんな電圧が得られるようなトランスはなかった。
見つかったのは12Vの小型トランス。 これで何とかしよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/4a/3b0c25a05d8ac08ba27d348462d9e29e.jpg?random=d52efa43a3a136d1c16dfe8185a9481c)
低電圧の交流を何倍かの高圧直流に整流する「倍電圧整流回路」なるものがある。
大昔の物理学者がこの倍電圧整流回路で何十万ボルトもの高電圧を発生させて粒子加速器を
作って原子や素粒子の研究をしたとのことである。
よーし、それを真似して高圧電源を作ってみよう・・・・と言ったってオイらの作る電圧は
150ボルトぐらいだから問題外のそとの外のそとのまた外・・・外の何十乗っていうところだ。
だけど、オイらにとっては初めて実験する「倍電圧整流回路」だから興味がわく。
↓ 先ず、ベースになる半波整流回路。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/00/b3e53d8856b983cbac29a7d072ef0ffd.jpg?random=88775ef69b4cb130bbac28a63c039719)
↓ AC12Vを整流した電圧は21Vにもなる。 無負荷だからね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/50/1663bda3f61032d03ed84418ec34d45a.jpg?random=a2b95802674d73387be895255aa1b12d)
↓ 整流器(ダイオード)ど追加して2倍の電圧を得る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/29/3139f32c418d9b81c35fcbae1278254d.jpg?random=ef736c0673bda36448e14b6826645181)
↓ おぉー、確かに2倍(42.5V)になった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/a1/14f0f88ca006dc570f739d3163eff695.jpg?random=ddef184e857949980816c5506fc4ddb6)
↓ ダイオード3個の3倍電圧整流回路。 確かに3倍の電圧になっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/e4/99ca6a152096d203993759c82cd9db06.jpg?random=2d44f058368361a9203b58d97ecd8891)
↓ 更にダイオードを追加。 都合4個のダイオードで4倍電圧整流回路。 電圧は86.5Vになっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/6c/29c92e15390e61d7a537983c0d8e4e67.jpg?random=e018e5656da6ad28c91fb33c74e31fbb)
↓ 6個のダイオードを組合わせた倍電圧整流回路で150V以上に昇圧することができた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/6c/fa1daee089a420dcdb1d604a15c2653d.jpg?random=1933d091502002b185da277ffd4e0d9d)
なるほど・・・・ 倍電圧整流回路は便利でおもしろい。
昔使っていたオシロスコープの高圧回路も同じような回路だったような・・・・
さぁ、これでニキシー管は点灯するかな?
↓ “6”の数字を表示中。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/51/8b83d09dc85c93aab7ce69a32512dcb5.jpg?random=764f4d2ae96ca4aa2ac2deb52dd6dd21)
↓ “8”を表示中。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/ae/82bc36132f96d1ef46a7f9c9fc68aaa4.jpg?random=94148234a6fe36fc559811e2c9d95e05)
一桁の表示は問題なくできる。
だが、この一桁点灯でも電圧は10Vぐらい低下する。
点灯中に流れる電流は1mA程度だが、電圧は低下してしまう。
試しに2桁を点灯してみた。
↓ 2桁は大丈夫だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/a4/84fd9041cc7b17e3d70ccd2121c460e1.jpg?random=c214046078d868a3ea4cfc7760c1c6d9)
6桁を点灯したときに動作電圧が確保できるかちょっと心配だが、まぁそのときは
ダイオードを追加して電圧を高めれば良いかもしれない。
この倍電圧整流回路は発明者の名前をとって、コッククロフト・ウォルトンの回路というらしいが
なかなか便利なおもしろい回路だと思った。