何でも実習生の実習日誌

電子工作、模型スチームエンジン工作など、何でも工作が大好きです。
手持ちの工作機械は卓上ボール盤だけ、全て手作りです。

ひと昔も、ふた昔も前の部品で工作してみよう

2014-11-15 18:41:49 | 電子工作



2014/11/15(土曜日) 晴れ


良く晴れてはいるが空気が冷たくて何だか寒い一日だった。
我が家の外回り塗装工事はまだ続いている。
部屋に閉じこもって退屈だ。
退屈紛らわしにジャックボックスをかき回してみたら、こんな部品が見つかった。
ニキシー管・・・・・
ネオン管みたいなオレンジ色の発光で0から9までの数字を表示する冷陰極放電管だ。
盛んに使用されたのは1950年代頃からだというのだからもう六昔も前のことになる。
今時こんなもの・・・・と思ったが、ネットの通販サイトで二キシー管を表示部にした時計などが
何万円もの値段が付けられて売られているの見てびっくりした。

そうだ、これを使って時計でも作ってみよう。
時間を計数するカウンタ用ICも沢山あるし、閑つぶしには好いかもしれない。



↓ ジャンクボックスに転がっていたニキシー管。 前はもっと沢山あったはずだけど6本しか見つからなかった。
   まぁ、時間、分、秒を表示するには6本あれば足りる。







↓ ニキシー管は放電管の一種だから動作させるのには150Vぐらいの電圧が必要だ。
   残念ながらジャンクボックスにはそんな電圧が得られるようなトランスはなかった。
   見つかったのは12Vの小型トランス。 これで何とかしよう。



低電圧の交流を何倍かの高圧直流に整流する「倍電圧整流回路」なるものがある。
大昔の物理学者がこの倍電圧整流回路で何十万ボルトもの高電圧を発生させて粒子加速器を
作って原子や素粒子の研究をしたとのことである。
よーし、それを真似して高圧電源を作ってみよう・・・・と言ったってオイらの作る電圧は
150ボルトぐらいだから問題外のそとの外のそとのまた外・・・外の何十乗っていうところだ。
だけど、オイらにとっては初めて実験する「倍電圧整流回路」だから興味がわく。



↓ 先ず、ベースになる半波整流回路。



↓ AC12Vを整流した電圧は21Vにもなる。 無負荷だからね。 



↓ 整流器(ダイオード)ど追加して2倍の電圧を得る。



↓ おぉー、確かに2倍(42.5V)になった。




↓ ダイオード3個の3倍電圧整流回路。 確かに3倍の電圧になっている。



↓ 更にダイオードを追加。 都合4個のダイオードで4倍電圧整流回路。 電圧は86.5Vになっている。




↓ 6個のダイオードを組合わせた倍電圧整流回路で150V以上に昇圧することができた。



なるほど・・・・ 倍電圧整流回路は便利でおもしろい。
昔使っていたオシロスコープの高圧回路も同じような回路だったような・・・・
さぁ、これでニキシー管は点灯するかな?



↓ “6”の数字を表示中。 



↓ “8”を表示中。





一桁の表示は問題なくできる。
だが、この一桁点灯でも電圧は10Vぐらい低下する。
点灯中に流れる電流は1mA程度だが、電圧は低下してしまう。

試しに2桁を点灯してみた。


↓ 2桁は大丈夫だ。



6桁を点灯したときに動作電圧が確保できるかちょっと心配だが、まぁそのときは
ダイオードを追加して電圧を高めれば良いかもしれない。
この倍電圧整流回路は発明者の名前をとって、コッククロフト・ウォルトンの回路というらしいが
なかなか便利なおもしろい回路だと思った。






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4 コメント

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なんと懐かしい!!! (JANJANJAN)
2014-11-16 22:46:38
懐かしい物が出てきましたね。ドライバーもありますか???
僭越ながら高圧を得る方法の一案をご提案。
コッククロフト・ウォルトンでは簡単に高圧が得られますがレギュレーションが悪いのが難点です。そこで低圧トランスを2個背中合わせに接続し(100V-12Vー12V-100V)整流するとDC140Vの比較的良好な出力が得られます。⇒この前ST管を使ったラヂヲを作った時に使いました。
最近は毎週3回くらい水遊びに出かけています。気温が下がってきたのでスチームアップに時間がかかりますが煙突からの蒸気が綺麗に見えるようになってきました。今月の学習成果は貴兄の実験結果を参考にガスボンベを加熱することと自作ボイラーの燃焼室の空気取り入れ穴の増設です。(効果絶大です)
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ニキシー管で時計工作 (団塊工房)
2014-11-17 09:33:27
 懐かしいニキシー管を使って時計を作るとのこと、面白そうな事を始めましたね。 倍電圧整流で150Vを作るとは、始めて知りました、ビックリです。 この調子で、カウンター回路をどのように構成するか楽しみです。

私のほうは次の船外エンジンに向けて、ボイラーを作り始めました。
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グッド・アイデア!!! (実習生)
2014-11-17 19:23:42
JANJANJANさん、こんばんは。
退屈のあまり、こんなことを始めてしまいました。
ネットの情報を見ていたらニキシー管表示の時計が案外高価な値段で売られていたので
作り始めました。 コッククロフト・ウォルトン回路も興味があったので実験を兼ねて始めました。
確かにレギュレーションは悪いでしょうね。 容量が少なめ(耐圧は高い)コンデンサーを
何個も直列に接続するんですから想像がつきます。

トランスを2個背中合わせに接続する・・・これは素晴らしいアイデアです。
これで商用電源から絶縁された高圧電源が手に入るようになります。
私には全然思いつかないアイデアです。 流石に工夫家のJANJANJANさんですね!

コッククロフト回路もおもしろそうなので、実験を続けますが、具合が悪いときは「JANJANJAN式高圧電源」に乗り換えます。

アイデア、ありがとうございました。 私も真空管式の「ラヂヲ」を作ってみたいです。

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何万ボルトでもできるそうです (実習生)
2014-11-17 19:36:45
団塊工房さん、こんばんは。
このコッククロフト・ウォルトン回路では段数を増やせばいくらでも増圧できるそうです。
回路発明者は70万ボルトを発生させて粒子加速器を作ったそうです。
私も一度は実験してみたかった回路ですのでそのついでにニキシー管を使ってみました。

カウンターは昔の(TTL-IC)10進カウンターを使います。
クロックは商用電源(50Hz)を分周して1秒パルスを作ろうと思っています。

新しいボイラーはどんな型式ですか? 楽しみにしています。
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