ユッコ姉の日記

日々思うことをタリラリラン♪っと・・・。

グループホームの範囲って?・・・

2012年06月04日 10時12分45秒 | お仕事・・・
このブログにも書いたけれど、4月の初めに、ウチの施設で入居者さんがお亡くなりになりました。
あれ以来、ずっと疑問に思っていたことがあります。
私が務める施設は、いわゆるグループホーム。
グループホームって、どこまで面倒見るの?と言う疑問ー

あの4月の初めに亡くなった入居者さん、お亡くなりになり、ご家族を呼んで、お医者様を呼んで死亡確認した後、
その日丸一日、その方のご遺体はウチの施設にありました。

ウチの施設の職員二人がかりで、体を死後の処置(清拭)をしました。

(ここから下は、想像するとちょっと気持ち悪いかもしれないので見えないように書きます。見たい方はドラッグして下さい。)

末期の水(死水)の準備をして家族にその儀礼を行う。
手の平で胃部を押さえて胃の内容物を吐かせ、
下腹部に両手をあてて恥骨に向かって圧迫して膀胱や腸の内容物をできるかぎり出し、
全身を消毒液で清拭し、
割り箸を用いて鼻、口、耳、肛門、膣の順に綿を詰め、
新しい着物に着替えさせ、髪を整え、胸に手を組ませ、顔を白布で覆う。


この死後の処置、
病院などで亡くなった場合、看護師がやります。
自宅などで亡くなった場合、葬儀屋さんか、専門の方(映画で話題になった『おくりびと』)がやります。
ウチの職場には、看護師の資格を持っているスタッフがいるので、その方ともう一人のスタッフが手伝いました。

ええ~~~~~、グループホームって、そこまでやるのお~~~~~~!!!

ビックリしました。
だって、グループホームって言ったら、比較的元気なお年寄りが、皆で楽しそうにイベントに参加したり、趣味に打ち込んでたり、
なんてイメージ、ないですか?

お恥ずかしながら、私の介護施設のイメージは、
多少認知なども入ってきてるけど、まだお元気な方は、「通所介護(デイサービスセンター)」「通所リハビリテーション(デイケアセンター)」などに通う。
時々は、「短期入所療養介護(ショートケア)」「短期入所生活介護(ショートステイ)」を利用。
自宅などでは、訪問介護を受ける。
段々、自宅での一人の生活が難しくなってきたら「ケアハウス」などで見守られながらの自力生活に入所。
それも難しくなってきたら、「グループホーム(認知症対応型共同生活介護)」での少人数共同生活に入所。
そこから更に重度化すると、「介護老人保健施設(老健施設)」「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」などに入所。
後は、そこで亡くなるか、病気になれば病院に入院して病院で亡くなる。
こんな風に、その人の状態によって、入所する施設は変わって行くのだと思ってました。

だから、私の考えで行くと、グループホームは、中程度の認知症の方が行く所で、
重度になったら特養とか老健とかに変わる物だと思っていたんです。
でも、なんだか私が思っていたのとは、ちょっと違うような・・・

恥ずかしながら、ヘルパーの資格を取って一年3ヶ月。
今の職場で一年も働いていながら、こんな基本的な事が分かっていない私・・・
自分の思い込み?勘違い?自分が働いている職場の受け入れ範囲が分からないとは・・・

そこで、グループホームの受け入れ範囲を調べてみたんです。
調べた結果、驚くことが判明!

なんと、グループホームの受け入れ範囲には、限度がない・・・

本来グループホームは、指定地域密着型サービスに該当する認知症対応型共同生活介護の事業であり、
要介護者であって認知症であるものについて、共同生活住居において、
家庭的な環境と地域住民との交流の下で、介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、
利用者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことが出来るようにするもの。
つまり、認知症高齢者が家庭的な環境と地域住民との交流の下、住み慣れた環境での生活を継続できるようにすることを目指すものです。

グループホームとは、「地域の中」にある「普通の暮らしの場」。
簡単に言えば、グループホームって「家」なんですよ。
ただ普通と違うのは、共同で生活し、世話をしてくれるのが家族じゃなくて職員。
入所するのには多少の条件が在るものの、「家」だから期限はない。
つまり一度入居したら、
家族が他の施設に変わらせるか、病気になって病院に入院したりしない限り、死ぬまでいられる場所

私が調べたところによると、グループホームは現在、全国でおよそ11000軒ほどあるようです。
もともとグループホームは、かつてはある程度自立している集団生活に支障がない認知症患者を対象としていましたが、
その後国の方針として重度認知症患者も受け入れなければならなくなっています。
そのため比較的軽い認知症患者と重度認知症患者が共同生活を営むことになるため、介護者側の負担も大きくなってきています。
また、施設が小規模で、その設置が容易であることから、沢山の企業が運営しています。
その為、グループホームの退去基準はそれぞれの企業が決めています。
少し古いデーターですが、平成15年の時点では、退去基準を定めてあるホームは全体のおよそ84%。ないホームが12%位だったそうです。
また、その退去基準の内容は、ホームによって大きな格差があるそうです。


う~ん、、この内容からすると、
私が思ってたグループホームのイメージって、古いイメージだったのねえ~。

私の勤めるグループホームは、運営者は一企業。
入所契約の際に、退去基準があるかどうか・・・ この一年勤めてきて思うのは、”ない!”だなあ~。
だから、上の青い文章の4行目の意味が、よ~く分かる!
1歳未満の赤ちゃんと、幼稚園児を一緒に遊ばせるのがムツカシイように、
軽度認知症の人と重度認知症の人を両方とも楽しませる行事は、ものすごーく大変。と言うか、無理がある。
また知能だけではなく、身体的にも、
もう立つ事も話す事も自分で出来ない人と、元気に歩けて話せて会話も出来る人が一緒に生活している。
私達職員は、どうしても重度の人に手がかかるから、何をするのも重度の人が基準になってしまう。
すると軽度の人は楽しくないし、機能も衰えがちになってしまう。
軽度で、歌を歌ったり手芸をしたりという機能があっても、それを少しでも衰えないようにしてあげるのが仕事なのに、
そういった事まで手が回らないのが現状・・・
本当に入所してくる高齢者の方のことを思うのなら、ちゃんと基準を決めるべきなんじゃないか?と私は思う。


✩今回、グループホームについて調べていて思い出したことがある。
 それは、オシメが昔通っていた中学の特別支援学級のこと。
 あれも、ある意味、グループホームと同じだった。
 公立の学校だから、医療に関わらない限り、家族の希望で入れる。
 だから、重度障害の子から軽度の子までごちゃ混ぜで、「一人一人に合った教育をします。」なんて言ってたけど、嘘ばっかり。
 やっぱり重度の子に手が掛かるから、基準が重度の子になっちゃって、
 軽度のオシメは、小学校時代に頑張って維持してきた知的力を低下させられてしまった。
 私は、当時先生たちとよく意見がぶつかったけど、今思うと、
 あの先生たちも、きっと今の私と同じようなジレンマがあったのかもしれないなあ~。