蒲田耕二の発言

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沢尻エリカの弁明

2020-02-03 | 社会
随分前のことだが、NHK NW9が沢尻エリカにインタビューするのを見たことがある。大越キャスターがやっていたころのことで、したがって毒にも薬にもならない今のNW9とは異なり、いくらかは番組にホネのある時代だった。

エリカの方は鼻っ柱の強さで有名だったころで、だからNHKなど歯牙にもかけない態度で応じるのかと思ったら、違った。まるで学究の徒か何かのように理路整然とした語り口で、淡々と落ち着いて対応していた。タレント特有のカメラを意識した媚びや突っ張りが少しもなかった。

相手がニュース記者で、いつもの芸能レポーターではないことが多分に関係していたとは思うが、沢尻エリカとは相当に知的な女性なんじゃないかと、そのとき思った。

「復帰を語る資格はない」「非生産的な日々からは何も生まれず、すべては幻で害だった」等々、公判後の声明にもみずからの言葉で語る知性が感じられる。これが弁護士の入れ知恵だったら、世間をお騒がせして申し訳ない云々の空虚な決まり文句で終わっていただろう。

知的な人間にとって、芸能界は生きにくい世界だ。ただでさえ、厳しい上下関係や派閥間の綱引き、パイの奪い合いで理不尽な仕打ちに日常的に遭遇する。同業者は隙あらば蹴落とそうとし、レポーターは粗探しに血眼だ。気の休まるときがない。

そこへもってきて、なまじ知性や教養があると他のタレントからバッシングされる。芸能人は、ほとんどが教養コンプレックスを持っているからね。大体、知的な人間は無知無教養無神経な人間に遭遇すると、それだけで強いストレスを感じるものだ。

エリカが悪名を轟かせた「別に」発言も、先輩女優のハラスメントめいた嫌味がきっかけだったらしい。当時20歳のエリカが、傷つけられた感情を短時間で立て直すのは難しかったろう。

彼女に限らず、これまで多くの歌手や俳優がドラッグに走った裏には、そうでもしなきゃ精神の均衡を保てない状況があったことは否定できまい。

だからといって彼らを弁護するわけじゃないが、やれ映画はお蔵入りだ、取り直しだ、CM降板だ、CDは発売中止だと、こうした事件が起きるたびに繰り返される騒ぎにうんざりする。ここぞとばかり、エラそうに彼らを叩きまくる言説にうんざりする。

タレントの私的行動とその作品とは、なんの関係もないではないか。行動に罪はあっても、作品に罪はない。

話変わって、トランプの弾劾裁判で無罪判決の見通し。大統領選再選が決まったようなものだね。民主党の乱立候補はたがいの足を引っ張るばかりで、安倍一強を許している日本の野党にそっくりだ。世も末。

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