koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

2/23 リユース出張開院

2019-03-02 | おもちゃ
恒例の、宇部市子ども用品リユースでの出張開院です。
ドクター1名(とナースさん)での対応だったので、「簡単なヤツが程よく来るといいな~」と言いながら受付開始。

まず来院頂いたのが、赤外リモコンのバイクで「まっすぐ走らない」との話でしたが、試運転してみるとぼちぼちちゃんと走るので、そのままお帰り頂きました。(後ほど再来院されたので、そちらで詳しく説明します。)

改めて1件目・2件目と、同じ人の簡単なヤツww。1件目、バスです。

よくある、上に4つ程ボタンがあって、サウンドが鳴る。車軸にギア・はずみ車が付いてて、押すと「ガイーン」と惰性で走るタイプです。「電池を入れても鳴らない、左後輪が取れてる」との事でしたが、電池入れたら音はちゃんと鳴ったので、後輪の取付のみ。
先々週のアイサイトと同じく、ローレット付きの軸が甘くなって抜けてるので、またちょっとニッパで噛んでから、エポキシ塗って突っ込み。ちょっと強度心配ですが、これで様子を見てもらいます。

2件目、同じくサウンド付きの消防車。

これも「音が出ない」とのことでしたが、電池を入れたらちゃんと鳴りました。念のため開けてみました。

断線気味のような箇所も特になく、何もせずお返ししました。

3件目、今度は修理らしい修理(ww)。アンパンマンの知育おもちゃです。

電源入れると、アンパンマンの鼻のLEDは光るけど、後は全く反応なし。
スピーカー・配線共にOKで、基板を確認。

お父さんが分解して清掃したとの事。(表面実装部品の角に、ちょっとティッシュの欠片が付いてる箇所があるww。)
基板はきれいなものです。困った…。COBの左上の「104」のプリントのある積層チップコンデンサ変色してて、ちょっと怪しい。めんどくさいけど、やるしかない。
ハンダごて2本使って、チップ部品取り外し。チップの0.1μFは、家にはあるけど持ってきてないので、古めかしくてで~っかいセラミックコンデンサで取替え。
動くかな…ちゃんと鳴る様になった~! で、無事終了。

4件目、ラジコン(赤外リモコン)のヘリコプターです。

下のローターの回転が遅くて、ちゃんと上昇できないとの事。
普段の定期開院時には、ラジコンに詳しいドクターが居るので、大抵おまかせするのですが、今日はやるぞー。

分解して中を確認すると、モーターピニオンがズレてる。隙間からドライバー突っ込んで修正して、組み戻して動作確認してみるも、やっぱりダメ。またズレちゃってます。(そもそも、ドライバーでちょっと押したぐらいで修正できる様じゃ、ダメに決まってるよね。)

先日AliExpressで、ウォームギアと一緒に、ヘリ用のm=0.3、7Tのピニオンを、10個200円ぐらいで仕入れてたんです。出番です!

写真は取替後ですが、下に転がってる黒いのが、取り替えたピニオン。矢印部にかろうじて見えてる?白いのが、取り替えたピニオンです。ばっちりm=0.3、7Tでした。
取り替えて組み戻して試運転。ばっちり!! やっぱり予備品手持ち、大事だね~。

5件目、リカちゃんのレジです。

バーコードリーダが効かないとの事。断線と思われます。
「どのくらいで見に来たらいいですか?」と聞かれて、「う~ん…20分後に!」と言ったのですが、分解大変でした…。

やっとコードに辿り着いて、ドクター始めたころに秋葉原で買っておいた白シールド線に取替え。ちゃんと動作する様になりました。
組み戻すのもなかなか大変で、全部で1時間ぐらい掛かっちゃいました。「コイン」のボタンがいまいち作動不良ですが、時間切れでこれでお返しとなりました。

6件目、アンパンマンのおふろスライダー。

水中ポンプ、電圧掛けても回りません。隙間からドライバーで突くも、羽根がやや固い。ナースさんに手伝って貰って、電圧掛けながらしばらくドライバーで手回ししたら、回る様になりました。

これで、接続しても回る様にはなりましたが、お風呂で実際に使ってみると、上まで水が上がらない可能性もあります。
3~4年前頃に、アンパンマンのおふろ水中ポンプを、送料下げるべくストレート3個・L型1個まとめ買いしたののL型の最後の1個が残ってます。(アガツマでポンプ1個500円。でも、1個でも4~5個でも送料が500円掛かる。)
その旨説明して、パワーが足りない様なら再来院をお願いしておきました。

7件目、おやすみホームシアター。

光る・音も出るが、回転しない、との事。分解して、モーター確認。

モーター渋りでした。電圧掛けても回らなかったので、ギアボックス分解して電圧掛けて手回ししたら、回る様になりました。
(これで取りに来られた際に試運転したら「回ってない?」と思われたので、入院扱いで持ち帰っちゃいましたが、回転がすっっっごく遅くて、よ~~~く見ないと回ってるのが確認できないせいで、勘違いしました。取りに来られた時点で、ちゃんと回ってたのではないかと思います、お手間取らせてすみませんでした。)

8件目、朝一で持って来られた、赤外リモコンのバイクです。

仮面ライダー鎧武のバイクの様です。お孫さんのおもちゃで「まっすぐ走らない」との事でしたが、試運転してみると、ちょこっと右にそれますが、そこそこちゃんと走ります。で、そのままお帰り頂いたのですが、午後再び来られて、「車輪が空回りして進まない」との事。(よく、他の人から頼まれたとか、孫のなので、とかで、症状が分からず持って来られる方がおられますが、どこが不具合で直してほしいのかは重要です。)

時間遅かったので、持ち帰って検討。時々「ガガガガ」と鳴って、空回りして進まなくなります。朝もちょっと症状見られたのですが、ちょっと前後に動かしたりしたら復活するので、気にしなかったのですが、やっぱり不具合…。ギアの割れとかかしら…?
分解ちょっと悩みました。

右側の後輪部分、部品の下にネジが1本あります。こちらは、左側に出てるネジを外したら、白い部品がポロっと取れたので、すぐ分かりましたが、見えてるネジを全部外しても、まだ分解できない…。
右側、矢印付けてる部分についてた白い部品が、外れそうな気配。しっかりはまって、手だけじゃ取れないので、目立ちにくい下面から精密ドライバ突っ込んでコネたら、なんとか外れてネジが出ました。

やっと分解。

ギアボックスも分解。

特に不具合ない…。分解時にギアがバラけて、組み戻しに苦労しました。写真の状態が、正しい状態です。
しいて言えば、モーターに刺さってるクラウンギアと、最初の小径ギアとの距離がちょっとあき気味かな?と思って、0.5mm程詰めてみて試運転してみましたが、やっぱり空回りする…。

ケーシング片側外した状態で、手でホイール押さえて試運転すると、ちゃんと回るし、トルクもしっかりかかるのに、組んで走らせると空回りする…。
しばらく悩みましたが、空回りする時は、クラッチが外れたごとく、タイヤが完全にフリーになってる…。これは結局、最終の軸とタイヤの空回りでした。

軸側の切れ目とホイール側の出っ張りとが噛んで回るのですが、車軸を止めてるビスにちょっと余裕があって、左右のスイングアームの間隔が、組んで走らせるとちょこっと広がっちゃって、噛みが外れちゃうんですね。
車軸を止めてるビスにスプリング&平ワッシャ入れて、あっという間に直りましたww。(ネジ先端削って短くしようとしたのですが、ネジ硬い!無駄でした…。)
ギアボックス分解・確認等でだいぶ無駄に時間がかかっちゃいましたが、これも勉強ww。

9件目、よくある知育おもちゃ。

これは、来院頂いた方のおもちゃではなく、リユースのおもちゃですが、「電池を入れても鳴りません」と貼ってあって、誰も引き取り手がないヤツ。かわいそうなので、修理します。

会場で電池入れてみると、一旦はちゃんと鳴りましたが、次にSW入れたら鳴らない…。メインのスライドSWの不良と思われます。

このタイプは、スライドSWがプラスチックを溶かして付けてあるので、外しにくい。前回は、頭突っ込んで、なんとかつけたままスライドSW分解したのですが、だいぶやりにくかったので、今回は5角形の側面の板をバラしてからスライドSW分解。しかし、側面バラすの大変でした…。

案の定、SW接点黒くなってたので、ペーパーで磨き。ちゃんと音が鳴る様になりました。

せっかくドクターが診るので、ほかの不具合も確認・修正しておきます。
上の全体写真の右側側面に見えてる、くるくる回すと曲が流れる部分、表の歯車は飾りで、実際は中の歯車で噛んで連動してますが、表の飾り歯車の頭が当たっちゃって、スムーズに回らない。
中の歯車のかみ合わせを、歯:2枚分ずらして、外の歯車の位置を微調整。

パチンコの玉が上まで上がらない。バネ外して、手で「ビヨ~~~ン」と伸ばして、バネ強化。
「音楽再生」の面の「速度:遅く-早く」のボリュームが効かない。ボリューム線の片側が断線だったので、基板側・ボリューム側共に切り縮めて繋ぎ直し。
上面にテープ?の糊の跡がついてたので、アルコールで綺麗に除去。(スピーカ周りにべったりついてた。音が大きすぎて、テープで蓋をしてた跡かな?)
これで、気づく限りばっちり修正終了です。

最後10件目、いつものIWAYA、今日はネコちゃんです。

一番大きな故障個所は、右後ろ脚の骨折。自分で直そうと、後ろ足の縫製をほどいた状態で来院です。

分解してみると、鳴き笛が取れちゃってます。(お預かりの時点で鳴かなかったし、頭押さえても鳴かないので、予想してました。)

左後ろ足の軸がない!これは、依頼者さんに「ありませんか?」と電話してしまいましたが、モーターの磁力でくっついてました。そうそう抜けるはずは無いのですが、レバークランプで、しっかり圧入しておきました。

首を動かす部分と頭蓋を固定しているところが割れてしまってます。とりあえず、エポキシで付けといてみました。

問題の右後ろ足は、こんな感じで骨折。

ゼムクリップを骨にして、表裏貫通で、がっちり固定を試みます。

これでバッチリでしょう。これで、上からエポキシ盛って完全固定。

ぬいぐるみ被せる前に試運転すると、鳴き笛がちゃんと鳴ってくれません…。
IWAYAの犬は、「キャン!キャン!キャン!」といった感じで、勢いよく鳴き笛が押されるのですが、IWAYAの「ネコ」は「キューン!キューン!」といった感じに、ゆっくり鳴き笛が押されるので、元々鳴りがあまりよくない。

見ると、定位置にセットした状態で、鳴き笛がだいぶぐしゃぐしゃと潰れてます…。作り直した方がいいかなぁ…。

で、トレーシングペーパーで作り直し。バネでMax広がった状態で、前よりちょっと狭くして、セットした状態であまりつぶれない幅で作成。
ゆっくり押してもしっかり鳴る様になりました!

さて、エポキシでつけてた頭蓋の固定ですが、ぬいぐるみ着せる時に、やっぱり取れちゃいました。

(写真は、本体側にエポキシの残骸が残った状態。)
どうしようか悩みましたが、貫通穴開けて、SUS番線でくくる事にしました。
距離長くて、穴あけ大変でした…。細ドリルの歯を2本も折ってしまいました。大打撃…。
なんとか鼻の上に貫通穴2つあけて、SUS番線でくくりつけました。

これでバッチリ。ほどいてあった両後ろ足を縫い戻して、ぬいぐるみ着せて、完成です!
(ぬがしてひっくり返した状態で縫う方が、はるかに簡単なので。)

いや~、10件ばかし(内、入院3件)ですが、忙しかったです。やっぱりドクター1名で対応は大変。しかし、年末に過去実績を集計したところ、ほぼ毎年100件前後修理してました。定期開院だけじゃ、とても年間100件になりません。イベントに出てこれくらいの数は修理しないとね~ww。
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