koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

9/14 宇部定期開院

2019-09-16 | おもちゃ
9月度の宇部おもちゃ病院定期開院日でした。
この日も、宇部工業高校の子たちが3人来ました。就職試験の子が何人かいるということで、今まで来てた子が2名、新しい子が1名でした。

ぼくの直接対応は2件。1件目、ベネッセの英語教材?かな。CDプレイヤーを模したようなおもちゃです。

同じ所を繰り返すとか、ボタンを押さずに勝手に鳴るとか、傾けるとリセットするとか…。これは全部、電池消耗による誤作動(勝手にリセット)と思われます。
それと、電源SWが「音量:小・大」切り替えの、小の方だと鳴らない、との事。

電池は、やはりやや消耗してました。電池替えたら誤作動しないことを確認して貰いました。
電源SWの部分は分解。

うたの絵本等でよくある、基板パターンに三角状のリン青銅板を押し付けるタイプのSWでした。
基板側・端子とも、サビ等は見られませんでしたが、基板側が削れてちょっと荒れてたので、軽くペーパーでならした所、ちゃんと小の方も鳴る様になりました。

2件目、夢の子メルルちゃんです。「電源が入らなくなっただけ」という訴えです。

服を半分脱がせて後ろのチャックをあけてビックリ。多分新型です。今までいつも修理してきた子とかなり違います。
今までの子(以後、旧型と呼びます)は、BOX部が結束バンドで留めてあって、口を塞いでる糸を切った後、結束バンドを切らないとBOX部は触れなかったけど、今回の(以後、新型)は、チャックあけたらBOX部がすぐ出せる作りです。
BOX部にネジは見えていない。電池を外すと中に4本。首を留めてるネジ:両側2本を外すとケースが分解できますが…、ケース分解と同時に首が取れた~!

旧型は、BOX分解した後、首を取るにはまだいろいろと外さないといけませんでしたが、かなり簡略化されてます。基板もずいぶん小さくなって、すっきりしてます。

旧型は、スピーカーはたしか顔の部分についてたけど、新型ではBOX内、胸のあたりに付いてます。

さて、会場にて今日から来た高校生の子といっしょにチェック。電池を入れても、基板の「BAT+、BAT-」に電圧来てない。電池端子の直に付けてある、収縮チューブを掛けたガラス管ヒューズが切れてました。手持ちの抵抗型ヒューズに取替え。
基板まで電圧は来ましたが、まだうんともすんとも言わない…。

次に、電池BOXの蓋を閉めると押されるSWを疑って、その周辺をごそごそしてみる…。
(電池を替えてる途中は動作しない様に、又は、電池を替えてる間はバックアップ電池から電源供給する様に?電池BOXの蓋を開けると動作しないような作りになっている。)
しかし、特に異常は見られないし、相変わらず動作しない…。
これは…、パターンを追って電源電圧がどこまで来てるかとか、水晶は発振してるかとか、難航を予感して入院としました…。

さて持って帰って一晩考えてみると、「電源が入らない」という訴えでしたが、電源はちゃんと入ってマイコンも起動してるけど、音が出ない&目が動かないだけかもしれない。まずはスピーカーのチェックをしよう。
基板側からあたってみると、音が出ない…。外して直で確認する。

スピーカーは、旧型はφ50の普通のスピーカ(紙コーンの厚型)でしたが、新型はφ50のフィルムコーンの薄型でした。胸の「とんとんセンサー」は相変わらず、φ20の圧電センサでした。
φ50の薄型は手持ちがなかったので、元々プリモプエル&夢の子用に秋葉原で10個買ってた、普通の厚型スピーカーを繋いでみると、ちゃんと音が鳴りました。
目もちゃんと動くようです。旧型はかなり頻繁に目をぱちくりしてましたが、新型はあまり動かない様です。特に、最初の起動時の初期設定の時にはほとんど動かない様なので、スピーカ不良で音がしない状態では、起動が確認できなかった様です。

スピーカーですが、Aliで薄型注文しよっかなぁ…とも思ったのですが、せっかく結構安く10個も仕入れたφ50の厚型スピーカの使い道がなくなるので、押さえ板を改造して、厚型を設置する事にしました。
スピーカの上には基板を固定する台が付くのですが、これが厚型スピーカだとジャストな寸法。
そこの干渉が無い事を確認してから、押さえ板の改造。
なんか程よく穴が明いてます。この穴の部分をニッパーで切って、あっという間に押さえ板改造終了。

めっちゃ丁度よくバッチリです。高さといい、押さえ板に丁度いい穴といい、もしかしたら、厚型スピーカの予備品がいっぱいあるサービスセンターとか用に、厚型スピーカに取り替える事を考慮した作りになってるんじゃないかしら…というくらいw。
胸の「とんとんセンサー」は、例によってつぶれてましたが、マイナスドライバーでケースの変形を直したら、作動自体はするようだったので、今回は取り替えませんでした。

さて、動作確認ばっちりだったので、これから仕戻しですが、仕戻しは分解よりはめんどうでした。
分解時に首がスポっと取れたので、そのまま簡単につけれるかと思いきや、首の所が結束バンドでくくってあって、仕戻しは結束バンドを外さないとできそうにない。

ホットボンドで留めてある共布を剥がすと、結束バンドの頭が出ます。チャックの上の部分は手縫いで綴じてあるので、糸切って完全に開いて、首の仕戻しをします。
今回は、結束バンドは切らずに外せたのですが、仕戻しは結局長さが厳しくてつっこめなかったので、途中を糸で延長しました。

今回は不具合無いので分解しませんでしたが、頭・顔の部分はどうなってるのでしょう?

後頭部の首上の生え際の部分に、布を貼ってある所があります。結束バンドの頭が出てそうです。この結束バンドを外すと、かつらの様に頭皮の部分がパカっと外れるのかな、と思います。
よく線が切れる手のSWの補修性はどうかというと…、旧型はBOXを外すまではちょっとめんどうですが、BOX外すとあとは直接綿になってて、綿を抜けば手のSW行きの配線の補修はすぐにできます。新型はBOXは簡単に外れますが、その後が内袋になってて、SW・配線補修には、内袋の切開が必要かも。
胸のセンサーは、旧型は布袋に入ってお腹のあたりに縫い付けてあるので、取り替えて仕戻しするには、綿をかき分けて布袋の縫製をしないといけないのに比べて、新型は作業性がはるかに改善されてます。
全体の補修作業性については…、良くなった所もあり、逆に面倒になった所もあり…ぐらいの評価かな…w。

参考までに、基板を載せておきます。

SMD部品の多用で、ずいぶんコンパクトですっきりしてます。
電池交換時のバックアップに、旧型は電池BOXの下にボタン電池を入れてましたが、新型では基板上のホルダに何やら黒い太鼓状の物が…。10.22Fと書いてある大容量キャパシターが載ってます。これで電池交換時の設定保持を担保してる様です。

起動させて設定すると、年月日の設定の所で「今、2千何年か教えてね~。16年…」と、2016年以降で設定が聞かれるので、おそらく2016年発売の新型と思われます。
旧型は「OKなら頭をなでてね~」と言われるのですが、頭のセンサーが不作動になると設定できなくなる。新型は「頭をなでたらとりあえずの設定をするよ。OKなら両手を同時に握ってね~」なので、頭のセンサー不作動でも設定はちゃんとできる。
夢の子シリーズも出てからだいぶ経ちます。その間に高齢化が進んで、最近また売れ行きが良くなって、モデルチェンジしたのかもしれませんね。

とりあえず、直接対応はこの2件。最近、高校生の参加も含めてドクターが増えたので、ちょっと対応件数が減ってますが、うれしい悩みという事にしておこうw。
来院は全部で10件、他の人のにも口出しして、忙しかったです。

・ペンでタッチして単語がいっぱいの絵本:音が割れて聞きづらい→スピーカ確認するも異常なし、取り替えても状況変わらない。カップリングコンデンサの容量抜け?と思うも、両面基板でパターン追いづらいので、手持ちのジャンクから4.7μFの電解コンデンサを直列に入れてみた→ちょっと音が小さくなったけど、音はだいぶ良くなった。
・メリーが回らない→「D〇〇〇」のトランジスタ不良で、何か持ってない?との事で、何か手持ちの2SC何とかに取り替えた。(Iceぐらい確認しておくべきだ!)(メリーが回らなくて、トランジスタが断線故障だったのは、経験のないパターンだなぁ。)
・ベイブレードのシューターで、紐の戻りが悪い→高校生の新人君がだいぶがんばった。ぜんまいブロックは分解したくなかったんだけど、「分解するとビヨ~~~ンとぜんまい出ちゃうけど、大丈夫よ、組み立てできるから」と助言して分解してみると、ぜんまいの付け根の付近で2か所ぐらいぜんまいが折れてて、それが引っ掛かって戻りが悪くなっていた。折れ目が付いた所を切り取って巻き直したらバッチリになった!(高校生君ががんばってくれたおかげで、勉強になった!)

といった口出しをしました。
今回も有意義な定期開院でした~。


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