koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

6/25 リユース臨時開院

2022-07-17 | おもちゃ
いつもの宇部市の子ども用品リユース活動の「譲渡会」での臨時開院です。忙しかったですw。

まず1件目、何やら音の出るおもちゃwです。

分解して確認の結果、φ27mmスピーカの不良で取り替えたのですが…音がすごく小さい。(手持ちのスピーカは全部8Ωで、おもちゃでそれ以上インピーダンスの小さいスピーカを使ってるのは、あまり見ませんが…)
手持ちの中では、φ29mmの薄型スピーカの方が大きな音が出たので、それに取り替えました。

2件目、トミカの何か…の様です。

何か大きなおもちゃの一部で、上のハンドルを回すと台座が上下するエレベータの様です。巻いても片側が引っ張られて斜めになって上がらない。「もしかして、紐は左右両方にあったものが片方だけ切れたのでは??」と思ったのですが、上部を分解して確認したけど、紐が2本ついてたような形跡はない…。
「滑りが悪いだけか?」とレール部にシリコングリスを塗ってみたら、これが効果てきめん!
あっという間にスムーズに上がる様になりました。(これなら入院の必要なかったw。)

3件目、プーさんの…歩行器に付ける何か…らしいですw。

「右側の『ティガー』の部分、押したら音が出ると思うのだけど押せなくなってる。中央部のボタンも音が出ない」との事で、分解。

「ティガー」の部分は…泣き笛のようなものがついてますが…ピストンが横向きにはまってます…。誰か分解したのでしょうか。ちゃんと押せるように縦向きにセットし直しました。
あと、φ29mmスピーカ取替と、サビサビだった電池BOXのマイナス端子1個取り替えました。

4件目、ガラガラ…のようなものらしいですw。

「貰い物で最初から動かなかったので、ちゃんと動くとどうなるのか不明」との事。中央部にスイッチの様なものがある。下部(カエルの部分)の裏側に音が出る用の穴があけてあるので、電池が入っててスイッチを押すと音が出るおもちゃと思われるけど、電池を取り替えるようにできてない。
分解して確認すると、LR44×2だけど、電池自体入ってなかった。(液漏れ跡もあり)

電池を入れてみても音が出なかったので、φ27mmスピーカ取替。
これで中央部のスイッチを押すと音が出るようになったのだけど…なんか「フードプロセッサーを回してる」みたいな「ガ~~~」という不快な音で、鳴っても全くありがたみがない…。
依頼者さんに確認して「こんな音なら鳴らなくていい」という事で、スピーカも戻して電池も入れずに返却なりました。(カウント的には「完治:〇」にしておく…)

5件目、CASIOのキーボード。

依頼者さん曰く「おもちゃじゃないかもしれませんが…」との事でしたが、分解してみると、基板は「おもちゃクオリティ」程度でしたw。
症状は、「ボリュームMAXで弾いてても、音が小さくなる」との事で、特に「ジャ~ン」と全鍵盤を押したりするとなりやすい、との事…。電源系統不具合による電圧不安定とかが原因かなぁ…。

ところが、家に持って帰って確認してみると、症状発生しない…。確かに会場で確認した時にはそんな感じだったんだけど…。一応中あけてみる。

(ということで、「おもちゃクオリティ」な基板…。)
不具合発生しないと、不具合状態での電圧変動測定とかできないので、やることが無い。一応後々の為に3端子レギュレターの写真だけ撮っておく。

UTC社の「LD1117」で、多分5V固定の3端子レギュレータですね。不良ならば、普通に7805で代用できそうです。

鍵盤たくさん押していっぺんにたくさんの音を出そうとすると、多分かなり電流食うと思う。今は新品のアルカリ電池が入ってるけど、電池が弱ってくると起こる可能性がある旨を伝えて、結局何もせずに返却としました。

6件目、いつものIWAYAで、今回は「ネコ」です。

右後ろ脚の骨折で、写真がまっすぐ撮れないw。分解して骨接ぎします。

下の部分に貫通穴開けて、長めのクリップ針金を突っ込んで添え木。これに多めにエポキシ盛って完了。動作確認・組み戻し、最後に電池BOX周辺をホットボンドでとめて再度動作家訓して終了。

7件目、ミミクリーペットのウサギです。(これが、難航してブログ更新が遅くなった原因ですw。)

左のクマ?の方は、会場で別の初心者ドクターに「手取り足取り」して、電源のスライドスイッチ整備ですぐ直ったのですが、ウサギの方は、別のベテランドクターが、多少の確認だけして「IC不良、修理不能!」と決めつけたので、「いや、その判断はまだ早いんじゃない?」と、預かって帰ったのですが、結局IC不良の結論となりましたw。

基板はこんな。

クマの方はノーブランドっぽかったですが、ウサギの方はタカラトミーアーツで「ミミクリーペット」のタグの付いた、「擬き」ではない純正のミミクリーペットでしたw。
16PINの方のICは「TR16F064B」と書いてある。PICと名前が似てますが、型番でヒットはしませんでした。PIC相当品でしょうか…。8PINの方はモータが繋がってるので、モータドライバーと思われます。(正逆の必要な無いと思うのですが…。「RA9118A」と書いてあるけど、これも型番ではヒットせず。)
裏にリミットが付いてます。リミット位置検出とか蹴った回数検出とかは必要ないと思うのですが、「必ず頭が下がった位置で止まる」といった為に、リミット付けられてると思われます。

スピーカ・モータ共、単体では問題なし。マイクは手持ちに付け替えて動作確認したけど、全くうんともすんとも言わず。
マイク電源はICのポートから出てる様ですが、マイクに電圧掛かってない。(オートパワーオフする為には、マイク電源をポートから出すのは常套手段。)
ICには電源電圧来てるけど消費電流は0.0μAで、デバイス動いてる気配もない、といった辺りから、IC不良の判断としました。

これだと、めったに来ない「マイコン換装案件」です。
忙しいのであまりやりたくない…。けど、この為にしばらく前に勉強して、PIC・Attinyのプログラマー作ったり、ミミクリーの試作品作ったりしたので、ここでやらねば何のために勉強・準備したのやら、になってしまう…。重い腰を上げてマイコン換装しなくては。

調べたら、3年前の2019年のゴールデンウィークに、ミミクリ試作品作ってました。いつもお世話になってる先輩のプログラムを使わせてもらうのですが、ちょくちょく更新されてて、どれを使うのがベストなのか、よく分からない…w。
3年前に試作して動作確認できてるプログラム・回路をそのまま使う事にしました。
理由(言い訳)は、
・3年の間にパソコンのWindows再インストールしてるので、プログラム開発環境が消えてしまってる…。
・ので、「BTL出力/シングル出力」選択等のカスタマイズが入ると、プログラム開発環境入れ直して、自分でコンパイルしないといけない。(前と同じプログラムを使うなら、HEXファイルを書き込むだけでいい。)
・電源電圧が4.5Vなので、シングル出力でもそこそこの音量になるだろう。
・オートパワーオフは、あまり必要性を感じない。(「切り忘れ防止」にはなるけど、置いといてパワーオフすると、多分電源SWを入れ直さないと再起動しないので、例えば「常時リビングや玄関に置いといて、常時話しかけたら反応する」といった、プリモプエルの様な使い方は出来ない。)
といった理由で、最新版のプログラムを使わなかったのですが…、これが難航の一因でしたw。

3年前に試作したときの回路図再掲。

今回故意に変えたのは、モータードライブをAO3400→SS8050に変更:電源電圧が4.5Vと高いので、電圧降下のほとんどないFETだとモータが早く回りすぎるかと思い、程よく電圧降下のあるTrに変更してみた、ぐらいかな…。

この回路で、同じ大きさの万能基板に収まる様に、基板設計します。

こんな風に、手書きで基板設計するのですが…めんどくさいw。(まあここが、腕と経験値の見せ所なのですがw、今時もっとスマートなやり方があるのかも…。電子工作趣味のみなさんはどうしてるのかしら?)
SOP8を、1.27mmピッチ基板で直接使った方がコンパクトに出来ますが、なんとかスペース足りそうなので、SOP8→DIP8の変換基板を使いました。
回路図は、Attinyと24FC256が、「頭を突き合せた」様な向きで書かれてますが、ICは頭の向きをそろえた方が、Vcc・GNDラインが引きやすいと考えて、今回は図で頭を下に向けた方向でそろえて並べてます。(そのせいで、信号線はちょっと長くなってしまう。これが難航の一因だったかも…。信号線はビニール線で引っ張るので、手書きの設計図には記載してませんね。)

これで、最終完成の基板はこんな感じ。

本体にセットして、裏面はこんな感じ。

こうなったのですが、すんなり完成せずにだいぶ長らく難航しました…。

3年前にコンパイル済みのHEXファイルを書き込んで、3年前に作った基板に刺してみて動作確認。ちゃんと動くことを確認して本チャン基板を組んだのに、ちゃんと動かず…。と~きどきちゃんとオウム返しするけど、成功率が非常に低く、5回に1回ぐらいしかちゃんと再生してくれない…。ちゃんと再生できないときは、1秒程度「ザ~」というノイズが再生されるという状態…。

Attinyと24FC間の通信に問題ありだろうと、目を皿のように基板確認して、怪しい所は何度も再ハンダ付けするけど、全然改善しない…。
オシロで信号測定して、プログラムを作った先輩に何度も質問のメールを送って、最終的に「村上さんが使ったバージョンにはバグがある」との事で、修正したバージョンを送って頂いた。これが先週末の話。
で今週、簡単にICSPできる仕様になってないので、足をハンダ付けし足したり、切り離したいものを切り離したりして、何とかHEXファイル書き込みしたけど…、まだちゃんと動かない…。(前よりヒドくなって、しゃべりかけても「ポツッ」という音が再生されるだけ。)
「ほんとにちゃんと動くプログラムなのかしら?」と、使ってない変換基板に付けてあるAttiny13Aに書き込んでみて、3年前の試作基板に刺してみたら、ちゃんと動く…。やっぱり今回作った基板に何か不具合があるとしか思えない…。

今週もオシロ引っ張り出して信号観測してみるけど、悪いように思えない…。(というより、改良版のプログラムで、SCL幅等は改善されてる。)
また今週も、目を皿のようにして基板確認して頭を抱えてたのだけど、ふとした拍子にちゃんと動き始めた!
「何もしてないのにふとした拍子に動き始めた」だと困るんだけど…(という事は「何もしてないのにふとした拍子にまた動かなくなる」可能性が十分考えらえるので)
とりあえず動くようになったので、組み戻して動作確認。

頭の「ぴょこぴょこ」が時々引っかかって動かない時がある…。
ギアボックス分解して確認したけど、ギアの割れは無く、やはりベルトの滑りと思われる…。ベルトはそこそこのテンション。プーリー・ベルト共にアルコールで拭いたけど、完全には良くならない…。
頭が上がった位置で止まると、次が動き出しづらい。これを防ぐために「定位置でストップする」為のリミットとプログラムが組んであるのかも。ちょっと頭を押したら次はまた動くようになるので、依頼者さんにその旨伝えて返却としました。

いや~、3週間連続で毎週末頭を抱えて難航しました…。2019~20年頃にはPIC換装やプログラミングを頑張ってやってたのですが、2021年4月に「プリモメンテ」での全国からのプリモプエル修理の受付を始めてからは、主に「いつも通りの作業」のプリモプエルの洗濯と修理に追われるばかりで、凝った事をごそごそする余裕もないし、必要性もあまり無いまま、PIC換装に関しては随分退化してしまいましたw。
プリモメンテは相変わらず「追われる一方」で、これを続ける限り、PICつついて遊ぶ余裕は無いままかもしれませんね…。
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