宇部おもちゃ病院の定期開院でした。
1件目、ドローンの充電コード。
3回目の来院です…。1回目は充電池接続側のコネクタ断線、2回目はUSB側、今回はまた充電池接続側の断線です…。
PHコネクタなのですが、家にはあるけど持ってきてないので、1回目の接続はハンダ付けして繋ぎましたが、今回また断線…。今度もまたハンダ付けで繋ぎました。
USB側もまた断線してた、パターンも少しはげ掛けてる…。本来、携帯ゲーム機の充電コードの様に「繋げたまま使う」ような事がないので「普通に使ってれば切れないでしょ?」と思うのだけど「下の2歳の子と取り合いしたりとかするので…」との事…。
「PHコネクタコンタクトなら家に何百個もある」と言ったのですが、このコネクタはPHのオス…。PHのオスコネクタは、ネットで探しても国内では見つからない…。「ハンダで繋いだんじゃ、またすぐ切れてまた来るに違いない…」と、AliExpressで結構苦労して探して購入しておきました。
2件目、ジョイコン2つ。
「SR・SLが効かない」との事。SR・SLスイッチって「普通は使わない」もんだと思ってるのですが、使いたいゲームがあるんでしょうね…。
普通なら「Amazonで買うんで入院です」になるのですが、少し前に買った余りがあったので、3個持って来てたのの2個はその場で修理、1個は「買っておくので、また次持って来て下さい」としました。
取り替えは楽勝、1個10分程度。switch本体持って来てもらってたので、修理しては動作確認して貰って、トントンと終了。
3件目、「PENCHAN」と書いてある、スマホを模したような音の出るおもちゃ。
動作確認したら、普通に動く…。「あれ?おかしいなぁ、動かなかったんだけど」との事。「まあ、病院に持ってきたらどうもなかった」って事はよくあります、と言いながら、電池BOX端子に少しくすみがあったので、一応磨いておきました。
4件目、アンパンマンの、同じく音が出るだけのおもちゃ。
φ27mmスピーカ不良で取り替え。
ここからは、当日修理しかけて入院だったり、最初から入院の物たち。5件目、アンパンマンのデジカメ。(正式名称は「アンパンマンはじめてデジカメにこにこ写真館」だそうです。)
「撮った写真が見れない」との事…。「導電ゴムSW不良による操作不能かなぁ…」と思って分解して整備してみたんだけど、変わらない…。
4件目と同じ人のなんだけど、就学前ぐらいの兄弟が(兄ちゃんと妹)が、なんでもかんでも手を出す子達で、ひっきりなしにお母さんが「ダメ!」と叱ってて、全く落ち着いて作業できない…。めっちゃ疲れた…。どうにもならなくて持ち帰り。
家に持って帰って確認。写真を撮ろうとすると「メモリーがいっぱいです」と出て撮れない。とりあえずパソコンに繋いだらどうなるか確認してみたら、フォルダに240枚ぐらい写真が入っていっぱいになってた。ピンボケだったり真っ暗だったり顔の半分どアップだったり、明らかに不要と思われる写真をだいぶ消したら、カメラ側でも普通に見れるし写真も撮れるようになった。その旨説明して返却。(いっぱいにならない様に&もしまたいっぱいになって動かなくなったら、パソコンに繋いで消す様に)
6件目、プリキュアのステッキ(正式名称は知らないw)
これも、4,5件目と同じ人。家に帰って確認したら、電池消耗のみ。これなら会場で即決なんだけど、だって悪ガキどもがうるさ過ぎたんだもん…。(若い頃から子ども相手のボランティアとか長年やってきてるんだけど、そんなに子供好きじゃないかもw。)
7件目、ぜんまいで歩く恐竜。
会場で分解してみたけど、よく分からない、どこも悪くない…。
家で再度チャレンジしてみるけど、やぱりよく分からない…。とりあえず足とか全部分解して、摺動部を全部グリスアップで、なんとかカツカツ歩くようになったかなぁ…。この大きさの4本脚を、この小さなゼンマイブロックで駆動するのは、少し無理があるんじゃないかなぁ…。
ボチボチ歩く様になったので、これで返却としよう…。
8件目、この辺から大変なヤツを。夢の子ユメル。
一度ウチで修理したらしい、両手ともスイッチが効かなくなったとの事。会場では何もせずに入院。分解して確認、左手から。
これは、ボクの修理跡ですね。断線を、タクトスイッチの所だけ取り替えて、途中で繋いで熱収縮チューブ掛けして、同じようにぶっとい熱収縮チューブの角で断線しないようにビニールテープ巻きしたものですが、繋いだ所で切れてました…。
右手は、いつもの様に熱収縮チューブの角で断線。
今回は途中で継がず、マジメに基板から新品のビニール線で引き換えました。(ネルル&ユメルの基板はかなりゴチャゴチャなんで、配線の取り替え面倒なんだけどね…)
9件目、ダンシングサンタ。(写真は修理後)
当日は他のドクターがやってたのだけど、液漏れで全てがボロボロ…。ちっちゃいCOB付き基板に「電池からの線をどこに繋ぐのかも分からん…」と言うのを、「電源平滑の電解コンデンサが付いてる。これなら簡単にわかる。電解コンデンサのプラスとマイナスに電源を繋げば、ほぼ間違いない」と助言して、電池直結して貰ったら、音楽は鳴ったので、これなら全体も直せるはず。
ところが、モータ不動で分解までして貰って、「液漏れのブラシを磨こうとしたら、片方折れた…。もう無理」と、後はボクに丸投げ…。預かったのはこの状態。
う~ん、面倒だねぇ…。とりあえずまず、モータからやるしかない。
モータはマブチの140と同じサイズっぽいけど、巻き線の仕様が違う可能性もあるので、やっぱりブラシを作りましょう。片方はギリOKっぽいので、リン青銅板を切って片方作成したのだけど、組んでも回らない…。もう片方の導通が無い。
ブラシは「一体物」じゃなくてL字に折ったブラシとグサっと刺す端子とに分かれてて、その2つの部品間での導通不良だった。端子を抜いてサビを除去。
(モータはやっぱり、定電流低回転のモータだったっぽい。)
本体のスライドスイッチも、液漏れで当然ダメで分解して整備。ダメだった配線も全部繋いで、構造も想像しながら全部組み戻し。「多分これで完璧!」と思うように組み戻したんだけど、動きが悪くて途中で引っかかる…。
(先に担当のドクターが「モータについてたコンデンサがもげた~」→「なくても大丈夫よ~」と言ってあったのだけど、動かすと音楽にパチパチと相当ノイズが出たので、モータ端に0.1uFのセラコン取付。「モータに付けてるセラコン」って、重要なのねw)
分解からやってないのでよく分からないけど、「ベースに向きがあるかも」と左右入れ替えてみたけど変わらない…。「ギアに不具合あるのかも…再分解してみようか…」と思ったけど、回転に「向きがあるかも…逆回転にしてみたら?」と、モータ線をプラマイ反対にしてみたら、だいぶ良くなった。時々引っかかるのだけど、とりあえずこれで返却にしてみよう。
(人形部分、首をちゃんとはめて組み戻すのが大変だった…)
10件目、また来た、コストコのクリスマスオブジェ。
ここ1年でたしか3台目っす。「12VAC」の特殊なACアダプターで交流駆動のシンクロナスモータを回す作りですが、今回は時計付きのタイプで、その「時計が動かない」らしい…。
「らしい」のだが、家に帰ってなんかコチコチ音がすると思ったら、時計がちゃんと動いてる…。見ると、電池BOX端子にちょっと液漏れ跡があり、電池入れたり出したりしてたまたま導通復活したのかもしれない。
「何もせず返却か?」と思ったのだけど、上部に窓があって、無理矢理開けるとサンタが出てくる。時計が「〇時ちょうど」で、接点が入るような「カチっ」という音がするし、時報で「ハト時計」の様な構造になってるっぽいんだけど、何も起きない…。ネットで検索すると「ファンファーレが鳴る」との事。預かった時に直接話を聞いてないのでこれも不具合の訴えなのかどうか分からないけど、とりあえずファンファーレが鳴るようにしなくては…。
時計の電池は単3一本。これでは、ハトとファンファーレを駆動するのは無理…。他に電池を入れる所はなさそうなので、電源は…ACアダプターから供給してるのかしら…。
結論は「どこも悪くなかった」のだけど、苦労して分解。
時計側にはネジが何もなく、接着止めされてた裏ブタを何とかこじ開け。
側面にごちゃごちゃ配線の塊みたいな物が突っ込んである。引っ張り出したら、宙ぶらりんの基板が出てきた。
時計周辺のLEDがたくさん繋がれてて「配線の塊」みたいになってる…。基板も宙ぶらりんでロクに固定されてないし、ボクが作るPICで換装基板みたいな作りだなぁ…。
調べたら、やっぱり電源が供給されてないので、下側も確認する。
下側も、テープやホットボンドで固定しただけの基板がある。(写真ではちょっと分かりにくいけど、中央部の白いテープで止めてある所のちょい右側)
これも配線の塊みたいな基板で触りたくないけど、結局、ACアダプターを繋いで、LED・回転・クリスマスソングが流れる電源SWをオンにしないと、ファンファーレ駆動基板にも電源が供給されない作りになってた。
つまり、どこも悪くなく、時計は乾電池1本で動くんだけど、ACアダプターを繋いでSWオンにして、LEDが全部点灯して、列車が回ってクリスマスソングも流れ続ける状態にしないと、時報のファンファーレは鳴らない作りなんすね…。「年中時報の鳴る時計」として常設で使うのは無理なんだろうね…。(クリスマスソングにはボリュームがあるので、流れ続けてうるさいならボリュームをゼロにすればいい)
本体スイッチを無視して電源を取って、常時ファンファーレ駆動を生かす改造も考えられたけど、ちゃんとした「時報メロディ付き時計」は、普通は明るさセンサーが付いてて、部屋が真っ暗な間は鳴らない様に作られてるけど、このクリスマス時計にはそんな機能が付いてないので、ファンファーレを鳴る様にしてると、裏の「ファンファーレ音の入り/切スイッチ」を入れっぱなしにしてれば夜の間も毎時鳴り続ける事になる。
頼まれたわけでもないので、明るさセンサーを追加する程の改造をするいわれも無いので、状況を詳しく説明して、「調査はしたけどどこも悪くない」でこのまま返却としました。
(これはそもそも、「クリスマス期間だけ出す」使い方を想定した時計なんじゃないかねぇ…。)
さてあと1件、11月のサンパークでの出張開院で預かってたおもちゃの手直し。
サンパークの時のも写真撮り忘れてたのですが、今回も写真撮ってなかったw。トーマスのプラレールですが、後ろの電池車に、上も底も蓋が無い…。上はいいけど、下にも1本電池を入れて、計電池3本入れる構造なんだけど、底の蓋は無いと、走ってる間に電池が落ちて動かなくなってしまうでしょう。
電話して「蓋探して下さい」とお願いしてたのだけど、その日のうちに返事がなかったので「時間切れです」と蓋無しのまま一旦センターに預けてましたが、「やっぱり蓋を作って欲しい。1/5に取りに行きます」という電話があったと、センターから連絡がありました。仕方ない…作ろう。
適当なプラ板を切って作ろうかと思ってたのだけど、3Dプリンターで作ろう。
今まで、買ったときにサンプル作成用に付いてたPLAフィラメントを細々使ってたのだけど、今回初めて、3Dプリンタ買ったときに同時に買ってあった、ASAというフィラメントを使用。(ABSとほぼ同じプラスチックだけど、耐紫外線性能をアップしたプラスチックらしい。)
まず試しで、コプエルのスイッチ改造用のベースをASAで作ってみる。
最初、温度設定がPLAのままになっててぐちゃぐちゃになっちゃった。
ABSは積層剥離が起きやすくて、ノズル・ベッドの温度設定や全体の保温に気を遣うらしいけど、ちっちゃいものなので問題なく造形終了。
そっか、ABSはベッドへの密着が低くて「スカート」じゃなくて「ブリム」になったのかな?
(てっきり白かったつもりだったのだけど、白が無くて違う色を買ったらしいw。「ダイヤモンドブルー」という色を買ったらしいけど、そのせいでラメ入りになってる…。いまいちだw)
これで、採寸して3D-CADで書いた蓋も印刷。
ブリムをカット。
ブリムのカット、ちょっと面倒だった。コプエルのスイッチ程度ならブリム無しでもいけそうだなぁ。今回作った蓋ぐらいの面積になると、厚さは大したことないけどブリムはあった方がいいかもしれませんね。
採寸が甘かったので棒ヤスリでちょっと修正。ネジ穴はいまいちだったので、ドリルでさらい直し。
バッチリだな。3Dプリンタじゃなければ「これ、どうやって作るの?」という出来ですw。
さて、記事を書いてるのはもう年の瀬ですが、12/21に休みを取って修理全部終わらせて、その日中にセンターに持って行ったので、クリスマスに間に合ったでしょう。(すぐ取りに来てくれたら)
「今年の修理今年のうちに」と「今年のブログ今年のうちに」、何とかブログまで書き終えましたw。