ARMA2戦場日誌その2 ~ 闇からの死 ~

2010-12-11 12:06:57 | ArmA2



現在、時刻は20時20分を指している。
闇が辺りを包み、灯火管制が敷かれたこの一帯において、
滑走路の誘導灯だけがぼうっと浮き出てここが軍事拠点であることを教えてくれる。

ArmA2の中の時間進行はリアルタイムな為、
あと9時間ぐらいしないと陽の目は出ないだろう。
つまり今日のプレイにおいてはずっと夜戦となることが既に決定されている。
9時間以上の耐久プレイでもしない限りは。


この数メートル先も明瞭でない情景から受けるイメージとは裏腹に、
周囲は意外なほどの騒々しさに包まれている。
走る足音、出撃する車両、何かを輸送するヘリ。
基地とだけあって、大勢の兵士たちの気配が途切れることはない。

みな前線へと征く準備をしているのだ。




部下と共に装備の点検を行なっていると、一台の軽装甲車"ハンヴィー"が目の前に現れた。
ヘッドライトから照射される眩い光に包まれて、すっかり暗闇に慣れた目は一瞬機能不全に陥った。

pes 「いや~、お待たせしました!」

中から調子の良い声をかけてきたのはpesくん。
我がクランのドライバーであり、長らく共に色々な戦場を渡り歩いてきた。
カウンターテロリストとしてC4爆破を阻止したり、第二次世界大戦にいってみたり。
そして今は米陸軍兵士として、東欧のどこかに存在するこの"Chernarus共和国"へと赴いた。

2名の分隊員と共に、このハンヴィーに乗り込む。


 

助手席に座り、地図とコンパスで目標を指示する。
闇に包まれた林道はなかなか怪しい雰囲気を醸しており、
ヘッドライトを用いてもあまり先まで見渡せはしない。


目標に近づくにつれ、敵に発見される可能性を考慮し、
pesくんに無灯火運転を指示する。

pes 「なかなか難しいことを言いますね・・・。」

ただでさえ険しい林道、そしてこの暗闇とあっては、無灯火での運転は安全とはいえない。
しかしここは戦場なのである。
敵に見つからないことこそが安全策なのだ。


 

突如、ハンヴィーの機銃手が射撃を開始した。
敵を視認したらしく、M2重機関銃の赤い曳光弾が闇に吸い込まれていく。
交戦開始だ。

しかし次の瞬間には、敵拠点の方向から激しい砲撃が応射される。
そして乗ってきたハンヴィーや、味方の車両が多数炎上しだしたのだ。
遠くに見える発射炎、その瞬間だけ敵兵器のシルエットが浮かび上がる。

戦車か。
敵軍にはもう戦車が配備されている。


今回はCTIモードというマルチプレイモードの為、序盤において敵と味方の配備兵器が対等ではない。
これはRTSとFPSを組み合わせたようなモードで、陣営のコマンダーが基地に生産施設を建設する。
するとそれに対応したユニットが配備されるので、プレイヤーたちはそれを受領して各拠点を奪い合うのだ。
つまり今回の敵陣営のコマンダーは、戦車を速攻で配備する方針だったということ。
桁違いの火力。




闇と草むらを利用して敵戦車に接近し、携行対戦車弾を敵戦車に命中させる。
瞬間、大爆発が起こり辺りはパッと昼間のように明るくなった。

しかし、活躍はここまでだった。
敵の戦車は1輌だけではない、既に前線に6輌は存在している。
そして"BMP-2"などのロシア製のIFV(歩兵戦闘車)も確認でき、
その中からは歩兵分隊が続々と展開している。
敵の尖兵は完全に装甲化された機械化部隊であった。

我が軍は初動において出遅れたといってもいいだろう。
敵軍の圧倒的質量の前に、ここで俺も分隊員と共に地に伏せることとなった。




その後はナイトビジョンが配備された。
やはり夜戦にはこれがないと満足には戦えない。

まだまだ、激しい戦闘は続いていく。