ドイツプレイ(14) - バルバロッサ作戦

2010-06-03 19:05:57 | HoI3

HoI3AAR、前回分からの続き。
前回分 → ドイツプレイ(13) - 新たなる夜明け
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我々はついに将来の領土獲得政策へ移行する。
我が民族の子孫の為、領土獲得は権利ではなく義務である。
この世界で最も神聖な犠牲は土地の為に流される血である。

ドイツは世界の強国となるのか、あるいは滅亡するのか、
そのどちらかである。
我がドイツ民族は植民地ではなく、ヨーロッパのふるさとの大地に
その力の源を求める。

今日、我々がヨーロッパで求める新しい領土、それはロシアである。
それに従属する東ヨーロッパの衛星諸国である。

──アドルフ・ヒトラーの「我が闘争」より



1941年7月22日午前3時、黎明の静けさを破り、国境線から一斉に火の手が上がる。
轟音と共に東に飛ぶ爆撃機の大群、撃ち込まれる砲弾・ロケット弾の下を、
戦車が、トラックが、歩兵が、列をなして進行していく。
長大な独ソ国境全体でバルバロッサ作戦 が開始された。




本当は史実通り6月22日に開始したかったのだけども、
対英戦が長引いた影響で一ヶ月延期してしまった。
これにより、軍隊の身動きが取れないほどに厳しいロシアの冬が近づいた為に、
雪が降り始める11月や12月までにいくらほどロシアの中枢部に進行できるか。
時間との勝負という側面が現れた。

また現実のドイツ軍が145個師団約300万人でバルバロッサ作戦を開始したのに対し、
今回のプレイでの77個師団約150万人での作戦開始というのはいかにも心細い印象を抱くかもしれない。
これは今回のドイツプレイが史実よりも海軍の増強に何倍もの力を入れており、
そのしわ寄せが陸軍に来ているということだ。

現在のドイツ海軍:
巡戦 2隻
戦艦 2隻 +1隻
空母 2隻 +1隻
重巡 6隻 +3隻 -5隻
軽巡 7隻 -4隻
駆逐艦 11個 +3個 -5個
潜水艦 14個 +5個 -4個
輸送艦 8個 -6個
(+はさらに建造中のもの、-はそれまでの海戦で喪失した数。)


また陸軍は、アメリカの欧州参戦に備えて西部フランス・イギリスに22個師団が、ノルウェーには6個師団が展開されている。
これと東部での77個師団がこの時のドイツ陸軍の全兵力である。

ちなみに戦線全体で装甲師団は19個ある上に、新兵器として
8.8cm砲を搭載し100mmもの重装甲を持つ50t級重戦車
陸軍の生産リソースの大半を割いて量産準備中の為、
歩兵師団との割合を考えれば戦車重視といってもいい陸軍に育った。
ふふふ、しかしこの新型重戦車が戦線に投入されれば、
ソ連の保有するT-34中戦車やKV-1重戦車などものともせずにあっという間に戦線を押し上げることだろう。
来春には投入可能な予定である、お楽しみに。




8月に入る頃になると、戦線各所で包囲網が形成される。
3個軍集団それぞれに攻略目標があるが、まずは敵軍兵力の野戦撃破に注力する。
ソ連軍の無限とも思える兵士を減らさねば、たちまち数の洪水に飲み込まれてしまう。

ドイツ軍のお家芸電撃戦により、戦線のあちこちで突破・包囲戦が展開され、
9月も終わる頃になるとソ連軍の100個師団近くは殲滅されたものと推定された。
諜報網によると、特に戦車の数が開戦時よりもほぼ半数になっているらしい。
普通ならば、これはいうまでもなく決定的大勝利である。

しかし、まだまだソ連軍には220個以上もの師団が生き残っている。
77個師団で攻め込み、2ヶ月で100個師団を撃破し、しかしまだ220個師団も残っているという現実。
これがソ連軍の圧倒的物量なのだ。
質で勝っている今のうちに部隊を殲滅していき、この絶望的な兵力差をなんとか埋めないと、
もはや鉄の濁流に飲み込まれベルリンまで押し流されることは明白だろう。

兵力差だけではない、時間の問題もある。
かつてモスクワを占領したナポレオンはロシアの冬に負けて敗退した。
厳寒の訪れは道路を凍結させ、銃も戦闘機も戦車も、そして兵士も、
平常通りの働きを期待できなくなってしまう。
我が軍は攻め手に欠け、その間にソ連軍は回復してしまうだろう。


冬将軍が到来するまでに決定的勝利を得られるか。
これがまず1941年における戦争の行く末を占うキーポイントとなった。


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