何も起こらないことはわかってる。
いつも何も起こらないからね・・・
でも、今日はもしかしたら誰かが俺を呼び止めてくれるかもしれない。
ファンの女の子が俺のサインを求めに駆け寄ってくるかもしれない。
そして応援してますと言いながら、ワンドやマジックアイテムなどをプレゼントしてくれるかもしれない。
昔はそういうこともよくあったんだけどなぁ・・・
でも、この日は何かが起こりました。
ヘイブンの広場に、なんかF行きの赤いゲートが出てたので気になって飛び込んで見ると、そこはカオスアンク。
[Sig]というギルドの青ネーム、男女2人がいた。
男のほうに挨拶される。
しかもけっこう馴れ馴れしい。
俺様を誰だと思ってやがる。
君は俺のことを知ってるのかもしれないが、俺は君のことを知らない。
しかも無礼な上に女連れ・・・これは気に入らない。
よし決めた、しばらくまとわりついてやる。
しばらく無言でまとわりつき、会話を傍聴していると、どうやら彼らの家へ行くことになったらしい。
当然一緒にゲートに突入、無言でつきまとう。
着いた場所がここ。
なかなか大きい家だ。俺の島には全然かなわないが。
しかしこのカスタマイズはいわゆる豆腐ハウスってやつか。
味気も何もないぜ。
なんかフレンド登録された。
クク、俺のことを誰だか知っているんだろう。
いいのかなそんな無用心で。
一階の内装はこんな感じ。
機能美ってやつかな、たぶん。
さっぱりしてるがやはり、外装と同じく味気も面白みもない。
ちなみにMiki [N*T]というやつがさっきのMack [Sig]である。
キャラをチェンジしてきたようだ。
その後、二階に移動し、
altemis「おお こんなにありがとねー」
と、男のほうが女のほうに何かプレゼントしたようだ。
たくさん渡したのか・・・何がプレゼントされたのか非常に気になる。
高級品かもしれない、それともgp的な価値などない愛の結晶かもしれない。
もらった直後の今なら保険がかかってる可能性は低い、数が多いならなおさらだ。
ということは ・・・いざ!!
女がはしゃぎながらアクアリウムの話をしてるときに、男のほうに襲い掛かる。
BAN権限を持ってるのはこいつだ。
BANする隙を与えないように!
所要時間2秒ほどで、BANで対処する暇なく文字通り秒殺し、
間髪おかずに女のほうにも襲い掛かる。
女のほうも始末し、速やかにルート態勢に移る。
バッグの中に、テンプラ粉が合計7個もあった・・・。
なるほど、プレゼントしたのはたぶんこれか。
なかなか実用的な贈り物だな。
だが俺が使わせてもらおう。
全てのルートを終えた頃、階下にJoeBlack [Sig]という名前が見えた。
女のほうの幽霊はここにいるので、おそらく男のほうがログアウトしてキャラを変えてきたんだろう。
そして俺は家からBANされた。
だが一足遅かったな、もうそこには用無しだ。
近場で戦利品を確認。
テンプラ粉7個と、転送バッグ2つと、マジックがそこそこと少量の秘薬とPOTなど。
テンプラ粉は嬉しいな、俺生産キャラいないからな。
しかしまぁ、これであの男も、Fを女連れで歩くことがどんなに危険な行為か理解したと思う。
この授業料は喜んで預かっておくぜ。
ファンや女の子からプレゼントがもらえなくなったとき、どうすればいいか。
他人のプレゼントを奪えばいい。
とてもシンプルで俺らしい答えを見つけた。
これが生き方、俺の道。
しかし、これで満足・・・なのかな。
違う気がする。
とても虚しい・・・。
誰か愛のこもったプレゼントください。
そうすれば少しは俺も、良い子に過ごすかもしれない。
ちなみに、
以前からカウント既に4でした。
この殺しの件が殺人報告されてれば、2増えてカウント6になり赤ネームになるところだった。
俺はこんなところで運がいい、殺人報告されずなんとか青のままだ。
こういう部分でのバクチには勝てるんだよなぁ。
はぁ~。