Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

FAIRCHILD 531A について

2022-05-02 09:33:21 | オーディオ

  FAIRCHILDは米国の航空、光学、電気産業など複数の企業で創始者は1920年代から70社を興したとされるScharman F.。 FAIRCHILD Audioは1931年創業でビートルズなどの録音に採用されたコンプレッサーが名高いがそのほかにもアンプ、レコードプレーヤーなどでも製品を遺している。

 FAIRCHILDのレコードプレーヤーは民生用の412-1Aが知られているが 531Aは検聴に使われた(と思われる)ギアドライブ方式の業務用レコードプレーヤーでPRESTOやRCAにも同様な方式の製品がある。ギアドライブレコードプレーヤーはモーターの高速回転を文字通りギアで減速する方式で蓄音機の駆動方式をゼンマイから電気モーターに置き換えたSPレコード時代の電気フォノモーターでは一般的な方式だった。その後リムドライブ、LP時代になりベルトドライブ、モーター軸直結のダイレクトドライブ方式が開発されたが民生用のギアドライブのLP,SP対応機はほとんど見当たらない。騒音が大きいなど性能面の問題や回転数の切り替えのメカニズムが大掛かりで大型になるなど家庭やブロードキャスト現場でのメリットは全くなかったか。高トルク性能が必要とされるカッティングや検聴用の限られた分野にだけ採用された様子。

 

 現在生き残っているギアドライブレコードプレーヤーをレコード再生に使う意味は何か?スピーカーと同様に機械的な振動を電気信号に変換する(その逆も)場合に方式の違いが音にはっきりと現れるとされる。その場合の主役はピックアップだがターンテーブルの駆動方式のリムドライブ、ベルト(糸)ドライブ、ダイレクトドライブそれぞれに個性がありギアドライブも然り。その違いを聞き分ける楽しみだと理解している。

 FAIRCHILD 531Aはギアドライブと言ってもモーターからの一次減速はタイミングベルトが使われているので正確にはベルト-ギアドライブになる。ベルト部でモーターの振動が軽減され33 1/3  45  78 rpm の切り替え、垂直に立ち上がるギアの出力軸にはフリクションコントロールによるクラッチ、複数のラバーカプラーが組み込まれてモーターやギアが載るボードからの振動が遮断されターンテーブルを駆動する。

 

 

 デッキにはモーターのon,offスイッチ、3スピードの回転数の切り替え、そしてよくわからないダイヤルがあるがこれには回路は接続されていない。アームレスだったが現在は同じFAIRCHILD  MODEL 202 モノラルアームが搭載されている。16inchのターンテーブルにはゴムシートが敷かれているがオリジナルかどうかは不明。このシートにレコードを置くと少し滑る気がしたのでスピンドルには締め付けて固定するタイプのスタビライザー(AUDIOCRAFT SD-600)を載せている。

 

 FAIRCHILD 531Aが拙宅に来て四半世紀以上になるが入手当時に全バラしてメンテナンスを行った以来常用したことがない。他の方式に比べてメカニカルノイズが大きくメカニズムが載る金属ボードの防震、防音をどうするか当時は色々と実験したが結局一番安価だったホームセンターで入手した防震ゴムを使っている。久しぶりに見ると一部オイルが漏れていたがどこからかよくわからない。滲んだオイルを拭いてしばらく稼働させてみましょう。 電源は117V60Hzなので東日本では周波数変換器が必要になる。当地の60Hz100Vで稼働すると33 1/3と45rpmは規定値だが78rpmは少し遅れる。微調整はできないと思われるが115Vに昇圧するとすべての回転数で規定値に収まる。また昇圧しても運転音はほとんど変化ないのでやはり117Vで稼働させるべきかもしれない。出音の差があるかどうかも興味があるところです。

 

雑記

 Amazonで電流計、電圧計を買いました。3個で999円送料込み。

 

 定電圧電源から実験的な電力供給する時に正確な電流が知りたくて適当なユニットを探していた。液晶メーターの電源は通過電力か別電源どちらでもOKで別電源の場合は測定電圧はDC100Vまで測れる。表示電圧、電流とも調整トリマーが内蔵されていて微調整可。通過電力の場合はDC4V〜28Vとなっていて上限は28Vということになる。電流は10Aまでで(シャント抵抗内蔵で外部に設ければ100Aまで可)一応ヒューズを入れてショートに備えたが有効かはわからない。適当なケースに入れてコードの先はミノムシクリップで。メーター以外はすべてジャンク箱から調達した。


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