一般的に振動論の常識としてQ値が上がれば、高くなれば精度は高くなる・・・
この常識を当時メカ時計に採用した!!!一般的に腕時計の振動数は、5.5~6振動/秒というのが多い・・・
この程度の振動数では高精度の腕時計を造り上げるのにかなり困難を伴っていた。
先にも書いたようにメカ時計の場合、動力源のゼンマイ、テンプの重り取り、ヒゲゼンマイの巻き込み角と温度係数、それに脱進器誤差等考えるとかなり苦しい!
依って精度を上げる為にハイビート時計の採用が検討され出した!!! 8振動、10振動時計だった。
高振動化を狙うのもイイが、これとてそう簡単なものでもない!!!
強引に高振動化させるにはそのエネルギーであるゼンマイのパワーアップを図らねばならない!!!
手巻きなら兎も角自動巻きともなると回転錘の捲き上げ能力不足等が発生し、また、持続時間が減るマイナス要因も起こり匆々簡単なものでもなかった。
しかし、「グランドセイコー」で10振動化に成功し一頃流行?ブームになった時期があった。 持続時間は4~5時間に減りこういう面で苦戦した記憶も新しい!!!
そしてそして、この時代が過ぎるとクォーツ全盛時代に入って行く・・・
水晶発振器を発振させ、その超高振動を精度に反映させるという代物だった。 マスコミを上げ高評価されたのは言うまでも無い!!!
この頃、yは、後神を曳く思いで時計技術から去って行く・・・ 新事業のプリンター事業への配属転換命令が出たのだった・・・
腐肉なもんで時計産業に憧れ時計会社に入ったのだが志半ばにして全く異種業務へと転換させられてしまった。
不思議なもんで職種が変り月日が経って行くと愛着はプリンター事業へと変わって行った。 しかし、そこには計り知れないプレッシャーがあり、正直苦戦の連続だった。
新事業を構築するという事は生易しい心構えでは成就出来ず毎日心臓が破裂しそうな日々を送っていた・・・
月日が経ち、時計事業の魅力はさっぱり抜け去り職種転換後は傍で見ている傍観者となりつつあった・・・
そして、13年ほど経った或る日、まともや会社命令が起き、時計事業へ戻れ!!!という辞令が!!!!!
サラリーマンに悲劇?
事例には従わざるを得なかった・・・
そこには時計事業の大集積という新たな難問が控えていた・・・
しかし、この業務も2年と持たず、又もや新規開拓中のメモリー事業へと事例が飛んで来た!!!
その後何だかんだで色々な事業を経験させて貰い、定年を迎える事になる・・・
現在は老後の生活を送っているが、世の中不思議なものであれほど注目を極めたクォーツ時代が去り、今ではメカ時計が再復活をしているという!!!
クォーツの利点は言うまでも無く時間制度抜群という超メリットがあるが、電池が切れると唯の見世物? 糞の役にも立たずこれが癌となり大衆が離れ出しているという!!!
実に皮肉な現象である!
しかし、そこが流石SEIKO!!!、スプリングドライブという新しいメカニズムを開発してこれが世界でもTopを走るメカ時計であり、しかも精度抜群のクォーツ機構を托しているという代物を開発してしまったのだ!!!
これは凄い代物で電池レスといい、精度抜群といい腕時計の最高峰に君臨すること間違いナシ!!!!!
惜しむらくは生産数が少なく超高値!!!!!大衆商品になり得ていない事だ。
今では専門家でもないのでその詳細について言える筋合いも無いが、原理的に考え極めて卓越した機構を採用していると呻らざるを得ない!!!
そして、惜しむらくは「グランセイコー」のデザインが、半世紀前のモノズバリで新鮮味に欠ける。これイイという客層が多いというが・・・
人の趣向は人夫々で中々難しいものだがこの商品はデザインを覗けば極めて優れたメカニズムを托していると言える!!!
実は、お金があればSEIKOの「ソムリエ」とか「ピューリッツアァー」を手元に置きたい所だが到底貧乏人が果たせる代物ではない!!!
それにしても魅力ある商品が世の中にはあるもんだ!!!と時計好きの老い耄れ爺・・・・・・
昨今の雑誌や新聞記事を見ていて興味深々。。。。。。。。 これ等がコマーシャルレベルで購入出来るようなればと・・・