ヘボのアルバム (続編)

四季折々の戯言を・・・
そこから何が読めて来るか?

     『 高精度時計の思い出・・・ ① 』

2015-12-18 09:36:00 | 日記

               


新聞情報等に依ると景気の回復?等も手伝い高級時計が売れに売れているようだ!!!
それもメカ時計だというから恐れ入る!!!
何故こんな馬鹿げた事象が起こるのだろう? 

オイドンは子供の頃から機械弄りが大好きでへっポコ大学の工学部機械工学科を卒業して腕時計メーカーに就職した。 主任教授の勧めもあり時計造りに関心があり情熱を燃やし出していた・・・
指折り数えるともう半世紀も前、60年もの昔の話である・・・
時計メーカーは日本トップクラスの一流メーカーだった・・・
入社すると一流メーカーと雖も社屋は木造造りの珍奇な建物で其処で造っている腕時計はマーベルという男向けの腕時計たった1機種で情けない位貧弱な規模だった!
嬉しい事に貧弱な規模会社だったが腕時計の技術部門、最終組み立てのまとめ技術を担当する部署に配属され、そこで苦も経て技術を勉強することになった・・・
タッタ1機種しか持たない情けない小規模群団だったが、兄貴会社である亀戸の工場は流石一流で女物腕時計を中心にクロノス、ストップウォツチ、懐中時計等幅広く生産しこの業界の先端を走っていた。
腕時計の精度を司る組立生産技術は、まだまだ町工場の術程度で、先輩達の言い伝えを伝承する口伝えの親方主義術でこれから日本を背負い立ちこの業界を牛耳って行くには程遠い低レベルの生産技術力だった!!!
しかし、マーベルという腕時計は設計の狙い所に非凡なものがあったと見え、職人さん達が特殊な手を加えると日差1~2秒位まで追い込める精度を発揮しこれが超脚光を浴び「ロード・マーベル」と称し、売れに売れていた!!! 当時の名称品となりつつあった!!!
y等大卒組は口伝え伝承の親方丁稚小僧的生産方式を何とか標準化技術に集大成し何時でも誰でもが技術標準初を覗けばある制度の腕時計が組み立てられる!!!というレベルに持ち上げるべく伝承技術を工業化できる水準に持ち上げられるべく懸命に日夜努めていた・・・
そんな過渡期に高精度腕時計「ロード・マーベル」ベルトコンベアーで流され、精度調整はロット化するという画期的生産方式を確立させた!!!
夢のような話だった。
時同じくして、「マーベル」の廉価版「ローレル」が大量に組み立てベルトラインで何本も流されるようになり、会社は飛躍的に生産規模を拡大して行った・・・ 
造れば飛ぶように売れる時代へと・・・  
当然の事ながらボーナスは年間9~10ヶ月も支給され従業員は遣る気に充ちていた!!!
そして、「クラウン」という腕時計をベースにした超高級時計「グランドセイコー」が陽の目を見るようになり日差1~2秒を争う高級時計が200~300個/日生産されるような時代を迎える・・・
時同じくして、超薄型自動巻き腕時計「セイコー・マチック」が開発生産され毎日物凄い繁忙時期を迎える・・・
確かこの頃を期して毎月のように新製品が発売され、繁忙を極める・・・
腕時計全盛期の幕開けだった!!!

本論に戻ろう!
腕時計の精度確保は非常に難しく、基本設計技術は基より、精度確保には色々なノウハウがあり、この確立は一朝一夕には出来上がらない大変な作業だった・・・
歯車の精度、動力源である、ゼンマイの出力平準化技術、回転運動を一方向回転に転換する脱進機:ガンギ~アンクル器誤差、回転運動を一定化するテンプのアンバランス除去、ヒゲゼンマイの温度誤差等党、数え上げれば限がない程の要因で構成されていた!!!!!
これ等を町工場的親方伝承志向の方式から大量生産方式工業化への転換はそれほど生易しい作業ではなかった・・・
今でこそ昔懐かしい「ウランド・セイコー」が40~50万円もの高値で飛ぶように売れているという話が伝わって来るが、この出発点はこうした町工場的伝承技術の集積が成し得た技と言えよう!!!

オモロイ話がある!!!   

( つづく・・・ )
コメント (2)
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