『 凄い、環境適応能力・・・④ 』

　　　　　　　　　　　　　


このシリーズでヘボちゃんの超能力について縷々述べて来た・・・　驚くではないか！！！　　
こんな小さな蟲に学習能力が備わっているなんて！！！　　
ｙが国民学校1年生の時覚え出した「スガレ追ひ」、親父さんからの教えだったが、その頃の親父さんは既にこういうヘボちゃんの習性を知り尽くしていた！
そして、長い長い月日が流れ、定年間近になって焼けボックリに火が付き幼い頃不思議と感じていた分野へノメリ込んで行った・・・

さて、昆虫といえば其処らそん所にザラザラいる！！！
無理もない。　この地球上の動物の3/4は、昆虫だと言う！！！！！その種200万種とも300万種とも言われている・・・
昆虫といえば、頭部、胸部、そして腹部からなり、頭部には1対の複眼と単眼、そして1対の触角、そして口器を持つ。胸部には1対の翅を持ち、下側には3対の脚を、そして腹部には消化器官と生殖機能を要している・・・
高校受験の理科で学んだ初歩的知識でこの位の事なら誰でも知っている。
もう何年前になるだろう？　更に、蟲：昆虫の事を知りたく朝倉書房の「昆虫学大辞典」を購入した。　＠50000円もした！！！
後にも先にもこんな事までして蟲の事を学ぶ人はいないだろう？
聞く所に依ると、大学の農学部で昆虫学を学ぶ学生達はこの本を教科書に使っていると言う・・・
蜂狂では文献に興味を持ち学り捲ったドクちゃんですらこの本は知らなかった！　そして、ヘボちゃんの体を知るべくこの系統の本から膜翅目の項をコピーして貰った学術書をドクちゃんに貸した事があった。　ドクちゃんは凄い！！！幾ら掛かったか？知らないが数日後コピーして、そして、自分で製本し見せてくれた！　ドクちゃんならではの根性で恐れ入った事を今でもよく覚えている。
匆々、「昆虫学大事典」といえば、足助の故安藤啓二さんがお持ちで彼の文献欲にも頭が下がって事を覚えている。　こうした大偉人、両安藤さん、今ではこの世に居ない！！！　
yもどちらかと言うとノメリ込む方でヘボちゃんに関する文献は大概のモノは持っていて、一通り目を通して居る・・・
しかし、ヘボちゃんの学習能力に触れた文献は未だ過ってお目に掛かっていない！！！
yの親友のOさんが或る時「昆虫・・・驚異の微小脳」という本を紹介してくれた。
小さな文庫本で＠500円そこそこの本だがその内容の濃いのに驚かされた！！！　内容は実に難しく、難解そのものだった。
その頃、立て続けにyにとって素晴らしい文献に遭遇する・・・　普後さんの「昆虫の知恵」、山口さんの「昆虫はスーパー脳」、ダニレフスキーの「昆虫・光周性」等がそれだった。
こういう文献とyの長年かかって観察して来た経験則と結び付けるとヘボちゃんに代表される「スズメバチ」類の学習能力の何たるかが見えて来た・・・
そして、国民学校1年生の時抱いたヘボちゃん：「スガレ追ひ」の術の裏付けが徐々に解明されて行くのだった・・・
この辺は、yの駄洒落本：「 shy・・・、 the Vespula　」（続編）で詳しく解説している・・・　お持ちの方は紐解いて見れれるといいだろう・・・

昆虫の脳、神経系は実によく出来ていて、梯子状の神経節から成り立っている・・・
頭部、胸部、腹部等の夫々の器官は、梯子状の神経節でダイレクト・コントロールされ、各器官との相互作用複合作用は脳に当たるキノコ体で集中制御され目的である各々の作業連結が達成される・・・
例えば、
多くのスズメバチ類が死んだと思ってうっかりスズメバチの腹部に触ろうものならブスリと刺され痛い目に逢う！！！　腹部の毒針をコントロールする神経節が、まだ、生きているからである！

昆虫の中でもスズメバチや蜜蜂の脳はそのニュウロン数も多く、且つ、キノコ型したキノコ体と言われる脳は実に質的レベルが高く、マス量の少なさを除けば人間の脳細胞にも匹敵していて此処に学習能力が出来る秘密が存在している！！！

先にも述べたようにこの学習能力は猿：チンパンジーの脳にも匹敵する程の質の高さを持ち合わせているが故にあの「スガレ追ひ」が出来るのだ！！！

ミツバチと猿、能力パターンを追跡して行くとその質の高さが理解できるだろう・・・
yはんこの学習能力をフンダンに活用して「スガレ追ひ」を堪能している。　「尺取り虫手法」等はそのいい例だろう・・・
また、晩秋から初冬にかけて遣る「交尾蜂捕獲作戦」も彼女等の学習能力を巧く活用しているのだ！！！

こうして見て来ると小さな小さな蟲だがその秘めたる潜在能力の高さには驚かされる・・・