山頂から見た北ノ俣岳
寺地山(1996m)は、飛騨と越中の国境にあり、北ノ俣岳の前衛の山である。
神岡町山之村の登山口へは、公共交通機関の便がなく、高山市街地から車で2時間以上もかかるので、ここまで登りに来る人は少ないようだ。
登山道は、倒木が横たわり、熊笹が両側から覆いかぶさって、足元や周りの視界も遮られるようなところもあったが、湿原や池溏も点在し、木立ちに囲まれた明るい草原は、さながら自然の庭園のようであった。
一面のミズバショウの中を、鶯の声を聞きながら登っていけば、前方が程なく開けて頂上に着く。
立山連峰と右の三角錐が剣岳
山頂からの眺望は雄大で、正面に北ノ俣岳が聳え、北から立山連峰、剣岳、薬師岳、黒部五郎岳、笠が岳などが連なっていた。
景色も良いし、天気も好かったので、2時間ほど山頂の風景を楽しんでいたが、登ってくる人は誰も居なかった。
飛騨の秘境山之村の奥にある寺地山は、人跡が稀な静かな山であった。