臨済宗相国寺派大本山の相国寺本坊は通常非公開ですが、春と秋に一般公開されます。
今回の公開では法堂、方丈、開山堂が公開されています。
秋の公開は開山堂の代わりに"浴室"が公開されそうですら。(過去の例からこのパターンが定着しています。)
受付で拝観料を納め、先ずは法堂からです。
戦乱や失火で何度も焼失していますが、現在の建物は豊臣秀頼に寄進により慶長10年(1605)に再建され、国内最古の法堂建築です。
ご本尊の釈迦如来坐像と脇侍の阿難尊者と迦葉尊者像は運慶作と伝わっています。
また、天井の蟠龍図は狩野永徳の孫にあたる光信作で須弥壇の横で手を打つと反響して聞こえる為に「鳴き龍」とも呼ばれています。
次に方丈へ。
方丈も幾たびの火災にみまわれ、現在の方丈は文化4年(1807)に開山堂と庫裏と共に再建されたものです。
方丈南庭は白砂だけの庭園ですが、裏方丈庭園は趣きがガラリと変わります。
土地の傾斜を生かした深山幽谷の世界が広がっています。
次に相国寺で最も神聖な場所の開山堂です。
今の開山堂は江戸時代末期に桃園天皇皇后恭札門院の黒御殿を賜り移築された建物です。
中央には開山・夢窓疎石の木像が安置されています。
足利義満の時代には境内の東南の地に高さ109mを誇る七重の堂が建っていたようです。
現在は礎石などの痕跡は残っていませんが「塔之段」の地名のみが残っています。
受付時にお願いしていた御朱印です。
開山である夢窓疎石をお祀りする開山堂内を「圓明塔」とも呼ばれているそうです。