NHKカルチャーの現地研修で滋賀県にある園城寺(三井寺)の法明院に来ました。
桜井敬徳阿闍梨の像とお墓です。
法明院は性慶義瑞が開基の天台宗寺門派の寺院です。
園城寺から派少し離れた地にある為、今まで拝観の期間がありませんでした。
園城寺は、智証大師円珍(814-891)により天台別院として中興され、現在まで連綿と法灯を受け継いで来ました。
当時の園城寺は三院制(北院・中院・南院)を敷いていましたが、法明院はその北院に位置する場所で先程述べたように性慶義瑞(1667-17347)により中興されました。
文化行政に携わるフェノロサと法明院第九世住職桜井敬徳阿闍梨とを結び付けたのは町田久成を介した岡倉覚三(天心)でした。
桜井敬徳は上京時には向島小梅の町田の別邸に止宿し、仏法の聴聞会を開いていました。
この聴聞会に来ていたのが若き文部官僚だった岡倉覚三とふたりのアメリカ人でした。
桜井敬徳に傾倒した受戒し、岡倉は天心、フェノロサは「諦心(たいしん)」、ビゲローは「月心(げっしん)」の法号を授けられています。
本堂にはフェノロサとビゲローの写真と位牌とがお祀りされています。
フェノロサのお墓です。
彼は母国アメリカで亡くなりましたが生前の遺言により法明院に埋葬されています。
ビゲローのお墓です。
フェノロサのお墓より立派です。
と言うのもビゲローはかなりの資産家でフェノロサの活動資金は彼が出していたようです。
桜井敬徳阿闍梨の像とお墓です。
日本の文化や仏教を学び、師のもとで眠っているおふたりは羨ましくもあります。