京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

アサヒビール大山崎山荘美術館

2018年09月16日 21時43分03秒 | 日記
今日、9月16日は「まいまい京都」の企画"天王山に佇む英国式洋館「大山崎山荘」へ、眼下に広がる絶景パノラマ〜関大明神、離宮八幡宮、睡蓮の池・・・風光明媚に惹かれた山荘と名刹めぐり〜に参加しました。
ガイドは気象予報士の資格をお持ちの吉村晋弥さんです。



まず最初の案内は、すぐそばを流れる桂川が氾濫した場合、ここまで浸水するだろうと考えられる標識の説明でした。さすがに気象予報士らしい案内から始まりました。



まずは、離宮八幡宮です。かっては荏胡麻(エゴマ
)の製造、販売を独占し座を組織化し栄えました。





しかし、やがて菜種油が出て、次第に衰退しました。

次に関大明神。古代摂津国と山背国の境にあった関所、山崎の関跡と考えられています。
JRの線路の下を通りアサヒビール大山崎山荘美術館へ。





大山崎山荘は大正から昭和初期に、実業家・加賀正太郎が別荘としてみずから設計した英国風の山荘です。その後、加賀家の手を離れ、取り壊しの危機あいましたが、アサヒビールが買い取り京都府、大山崎町と協力して復元整備され、1996年春に「アサヒビール大山崎山荘美術館」として蘇り、一般にも解放され、企画展も行われています。この日は「谷崎潤一郎







美術館として整備される過程で安藤忠雄さんの設計で二つの施設が建設されました。ひとつは「地中の宝石箱」で緑豊かな周囲の景観に溶けこむよう、地中に埋め込まれています。円柱形のギャラリーでは、クロード・モネの「睡蓮」が展示されています。



もうひとつの建物は「夢の箱」と名付けられ、山荘時代に使われていた蘭の温室へと続く通路の先に造られています。四角形を基調にし、円柱形の「地中の宝石箱」と対照をなしています。

本館は加賀自ら設計した、英国式のチューダー・ゴシック様式です。



本館二階には、喫茶室があり屋内、テラスでカフェ、アルコールを頂けます。
テラスからはの景色は素晴らしく、木津川、宇治川、桂川の三川、背割堤、石清水八幡宮のある男山が一望できます。改めて、京都と大阪を結ぶ三河、西国街道が通る交通の要所だと感じます。

信長が本能寺で明智光秀に討たれたのちに、秀吉が中国大返しを敢行しこちらまで戻って光秀軍を破った山崎の合戦跡でもあります。光秀軍1万5千、秀吉軍3万とも4万とも言われ劣勢がわかっていた光秀は山崎の沼地を利用して秀吉軍を迎え撃つ作戦でしたが、主君の仇を討つ意欲に燃えた秀吉軍の士気は高く、沼地を物ともせずに突き進み勝利しました。秀吉はその後、約2年間、天王山に城を築いき本拠としました。
秀吉の天下人への第一歩だった地です。

近くには利休が作くり現存する唯一の茶室「待庵」があります。もちろん、国宝です。

大徳寺 真珠庵 特別公開

2018年09月16日 21時41分14秒 | 日記
今日、9月12日は大徳寺 真珠庵に特別公開に行ってきました。東門から入るといつもは閉まっている勅使門が開いていました。何かお寺の行事があるのでしょうか?







大徳寺真珠庵はとんちで有名な一休宗純を開祖として、一休和尚が亡くなられた10年後の延徳3年に堺の豪商、尾和宗鑑によって建立されました。

桃山時代に御所の化粧殿を移築した書院「通僊院」は重文。また、二畳代目の茶室「庭玉軒」は江戸時代初期の茶匠・金森宗和好みで屋根に覆われた内蹲踞あり、北陸出身の彼が雪の日でも茶席が楽しめるように工夫した茶室と蹲踞が一緒になった珍しい茶室として有名です。

方丈東庭は、村田珠光作庭と伝わり、「七五三の庭」になっています。





方丈障壁画は、曽我蛇足、長谷川等伯ですが、傷み、劣化が進み今回の修復を機に新しい障壁画のプロジェクトが立ち上がり、完成したお披露目の特別公開です。







漫画家の北見けんいち氏、映画監督の山賀博之氏、アートディレクターの上国料勇氏など、現在第一線で活躍されているクリエイターの方々6名が手掛けられました。

室中 16面は北見けんいち氏の「楽園」
鹿児島県与論島に魅せられた北見氏が島民と過ごした情景で、みんなが笑顔なのが印象的です。
カラオケ会場ではマイクを手にした山田ご住職も描かれています。



檀那の間8面は、山賀氏の作品で、同郷の長谷川等伯を意識し、日本海が描かれています。



衣鉢の間4面は濱地創宗氏の「寒山拾得」の水墨画です。



仏間4面は、山口和也氏の「空花」で襖絵の紙を氏自ら漉くところから始められました。



大書院5面は、伊藤孝之氏の「オトナの一休さん」です。樹の下でカラオケに興じる一休さん、楽しそうです。左には一休さんと仲が良くなかった兄弟子の方が木の陰からその様子を見ています。一休さんが羨ましかったんでしょうね!



最後は礼の間8面です。イラストレーターの上国料勇さんが手掛けました。観音世菩薩、風神、雷神、不動明王、茶枳尼天(だきにてん)、龍王、弁財天が描かれていて、写実感を求めてモデルさんを使ったそうです。左上には、幻の宗教都市と雲海のもとに広がる大地を表現しているそうです。



最後に感想ですが、メディアの写真を見た限りでは「由緒ある一休宗純のお寺にアニメ、現代アートが合うのか?きっと、浮いた感じを受けるだろう。」と思っていました。しかし、実物を方丈で拝見すると全く違和感がないんですね!
特に、室中のアニメは「絶対に合わない」と思っていました。与論島の島民の皆さんがみんな笑顔で楽しそうな姿を見ていると「一休さんの理想郷が描かれているように感じて来ます。舞台では山田ご住職が楽しそうにカラオケをされています!
伊野孝之さんの大書院「オトナの一休さん」と連動しているのでしょうか?
上国料勇さんの「浄土」は、本物のモデルさんを使っているためか、実に写実的で素晴らしいです。思わず「自分もこの様な観音さまに導かれて浄土に行きたい」と思いました。(まだまだまだ精進が足りませんが、、、)

こちらには何度か坐禅で伺っているので山田ご住職さんとお会いしたので、僕の感想などをお話しさせて頂きました。「室中にアニメは絶対に浮いて見えると先入観を持っていたが実施に室中にはまった絵を見たら、先入観とは全く逆で、すごく馴染んでいた。」などをお話しました。山田ご住職は「いろんなご批判があったけど、そんな人達に、ここに来て、実施にはまった絵を見てほしい。それから、どう感想が変化するのかを感じて欲しい」とおっしゃっていました。それと「50年後にはもっと馴染んで見えると思う。しかし次の住職が気に入らずに外してしまうかもしれんけど、、(笑)」とも言われていました。

オリジナルの曽我蛇足も長谷川等伯も当時は最先端のアーティストだったんですから、、、

そのオリジナルの襖絵の修復のために、今回、クラウドファンデングで資金を集めておられます。
僕も賛同して少しばかり寄付させて頂きました。

長いブログになってしまいましたが、皆さまもお時間が許せば一度ご覧になって欲しいです。拝観もひとつの寄付であり、お寺にとっては貴重な収入源になり、文化財の保存、修復に役立っているのです。