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IEAの要請に対応、初の国備原油放出も 経産省、来年4月末で民備協調放出を終了

2023-08-16 06:54:57 | 日記
経済産業省は10日、2024年4月末で国際エネルギー機関(IEA)加盟国による民間石油備蓄の協調放出を終了すると発表した。
現在実施している民備協調放出は、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う石油市場への影響をふまえ実施していたもので、IEAでは有事や災害時などで原油の供給途絶が懸念される時に協調放出を行っており、これまでは1991年の湾岸戦争、2005年に米国メキシコ湾岸を襲ったハリケーン・カトリーナによる被害、2011年のリビア情勢悪化の計3回行われた。
日本に割り当てられた1500万バレルの追加放出にあたっては、民備基準の引き下げ以外に1978年の制度開始以来初めて国備原油の放出が行われたことでも話題となったが、IEAが協調放出を決めた当初は、エネルギーを盾に西側に強い姿勢を示すロシアへの牽制という要素もあったが、あくまで消費側の対応であり、産油国の生産調整に比べると需給へのインパクトは弱いとの指摘もあり、今後は今回の協調放出の検証と、日本における国備、民備の協調放出への対応について再検討する必要がある。

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