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27日に仙台旅行を終えて、そしてその仙台駅で姉妹と別れました。
仙台まで来たので、せっかくだからずっと行きたかった平泉に一人で行こうと、私は思ったのです。
最近体調が優れないことが多い私。行けるうちに行きたいところに行こうみたいな気持ちになっていました。
だけど今思うと、あれは私の卒業旅行だったような気がするのです。
今年の2月にすべての仕事を辞めました。
なんだかんだとこのお仕事には、単純にアシスタントとして某塾に雇われていた時から含めて25年近く携わることが出来ました。
ある時私は、他の友人と組んで、家で国語単科で家庭教師などをしていました。
「奥の細道」は中三になると必ず学ぶ作品です。
ある時私は、中学三年生の女の子に、句の説明をしようと
「夏草や 兵どもが 夢の跡」
と声を出して読みました。
その時自分でも信じられない感情に、あっという間に支配されて私は次の言葉が出なくなってしまったのです。
簡単に言えば、「感動のあまり」ということだと思います。
大げさに言えば、生い茂る夏草を前に立っている芭蕉さんを感じたと言っても良いかもしれません。
松尾芭蕉はその草の向こう側に、栄華と共に更なる野心に突き動かされた男たちが馬に乗って通り過ぎるのを感じていたかもしれません。だけど過ぎ去った後には、築き上げた館も何もなく、ただ風がその草たちの上を吹いているだけ。
そして私は、その草原の前に立っている松尾芭蕉を感じたのでした。
「ある時」というのは、遠い昔、20年も前のことです。多分その頃の私には、ちょうどそのような感情に支配されるだけの感性が育っていたのだと思います。
ただその後、「奥の細道」に焦がれて山寺を訪れた時、芭蕉記念館なるところも訪れて、彼が知識と推敲を重ねて句を作る人なのだと認識し、少々気持ちが萎えたことがあります。何となく、感性があふれ出て句を織りなしていく人だと思い込んでいたからだと思います。
それでもこの句への感動が消えるわけではありません。
この句に人々が、気持ちが捉われてしまうのは、何も戦の天才だった義経の最後や栄華を誇った奥州藤原の滅亡に心を痛めてのことでは、まったくないと思います。
この旅でも、私は仙台城跡でVRゴーを外した時、思わずこの句が頭に浮かんできたのでした。
VRゴーをつけている時に見える、仙台城の大広間の豪華な襖絵・・・・
「凄いねぇ」と姉妹たちで言い合って、そして外すと、そこにあるのは土台の石だけ。
感じるでしょう、夢の跡を。
歴史なんて、すべてそんなものじゃありませんか。留まることなく過ぎていく時の流れに、生い茂る草の上に吹くような風を感じませんか。
そしてそれは、何も大きな歴史ばかりではなくて、ひとりひとりの人生にも被るものがあるのではないかしら。
煌めいていたあの時代の夢の跡・・・・
もちろん一人一人にこの句が突き刺さる理由は違うとは思いますが、中には私と同じという方もいらっしゃるのではないかと思います。
その20年前。
「ごめんね。」と私は少女に言いました。
「感動しちゃって、口を開くと、言葉より涙が出そうになっちゃって。」と句を読んだ後に、手でちょっと待ってのポーズをしたまましばしの沈黙があったことを詫びたのです。
すると少女は「分かります。」と言いました。
ええっ ?
14歳で分かるのと、私は驚きました。すると少女は続けて言ったのです。
「学校の先生が、まったく同じことを言っていましたから。」と。
過去の話ですが、私がそれを聞いて、なんて良い先生なんだと単純に思ったに違いありません。
さて旅行記なので、軽い旅の話をします。
仙台で泊まったホテルは、ちょっとリッチな雰囲気がしましたが、一ノ関で泊ったのはビジネスホテルで受け付けも、怪しい雰囲気のおじさんが一人だけでした、
何をもって怪しいという失礼な言葉を使っているのかというと、その方がドラマチックだからです。実際は普通の方です。
たった一人、薄暗くて狭い受付に立っている中年のおじさん。前日との格差がありすぎて、思わずこう言う言葉になってしまうのですが、実は私、こういうビジネスホテルが好きなんです。安いからです。
確かにお部屋にはお茶のティーパックしか置いてなかったし、フロントに通じる電話もなかったです。だけどこの部屋は意外と快適で、深い眠りを得ることが出来ました。部屋でパソコンなどを使って仕事をする人にはとっても良いのではないかしら。そして駅から近い。それはベストですよね。
その日の夕食。
ひとりになった途端にこれかって感じですが、私的には寧ろこれが良いという感じ。
朝はさすがに写真なども撮りませんでしたが、前日にコンビニで買っておいたサンドイッチでした。(美味しかったです。)
一ノ関駅は、今ポケモン押しなのですか?
でも私が乗ったのは
すこぶる普通^^
朝が早かったし、始発なので空いていました。
平泉まで、快適な電車の旅でした。
そして平泉に着きました。
仙台から一ノ関までの車窓の旅の動画をXに載せたので、こちらにも載せておきます。
5月27日、仙台から一関に向かう新幹線の中から撮った風景。
— 霧島花子 (@kiriy2009) June 7, 2024
青の景色に心惹かれました! pic.twitter.com/srZRzig6NU