森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

江~姫たちの戦国/最終回

2011-11-29 10:23:25 | ドラマ (大河)

そう言えば・・・・

おとといの朝、大河ドラマが最終回であることを思い出しました。これと言って感想を書くとも思っていなかったのですが、最終回だしどうしようかなと迷ってみたりしました。初回と最終回は書こうと言うのは予定した事だったからです。初回感想は何を書いてあったのか、自分の記事を読み返し、ついでなので昨年の「龍馬伝」の感想も読み直してみました。

そして再確認。「龍馬伝」はいろいろ気に入らない方もいらしたかも知れませんが、私にとってはここ数年の中で一番の思い入れのあった作品だったと思います。過去の感想を読んでもその感動が蘇ってきます。

まあ、やっぱり最終回だから書こうかな・・・・・と、その「龍馬伝」の感想を読みながら、そう思ったのでした。

 

だけど・・・。この「江」、終わってくれてホッとしました。

この「江」のファンだった皆様ごめんなさい。これだけの俳優様たちを揃えておきながら、どうしてこんなドラマが出来上がっちゃうのだろう。

それは、・・・

それは皆さんが自分で考える事です。

ああ、ごめんなさい。「家政婦のミタ」を見ていなければ、上のボケは分かりませんね。

 

思うに、テレビの影響力って凄く大きいと思うのです。まして歴史のある大河ドラマではその信用度も高いはずです。

それなのにこのドラマは作家様の大暴走にしか思われない内容ではなかったかと思うのです。歴史に興味を持ち始めた子供がこれを見たら、どういうイメージで戦国時代を見るようになってしまうのだろうかと考えてしまったりもした「江」でした。

ここに登場してくる女性たちの意識や行動はとても奇妙なものが多かったです。

例えば戦国の世に現代の女性の意識を持ち込んで物語は進められたように私には感じてなりませんでした。意識だけではなく、その行動も変です。近所に住んでいたわけでもない姉の初が、まるで車を飛ばして来たような軽さでやって来ては少々しゃべっては帰っていく所などは、見ている者を馬鹿にしてるのかなと思いました。

戦国セレブのこの三姉妹の結婚には、恋愛の愛が必須でした。その違和感ったらなかったです。

日本の女性にとって自由恋愛の歴史は実は浅いと思うのですね。確かにどんな時代であっても恋をしてその想いを遂げていった人たちは多数いると思います。でもこの戦国時代の姫たちはそんな恋愛をして嫁いだ人は稀であると思うのですね。だけど結婚する時にはなかった愛でも、その後には深い情が生じてきて良い結婚を送った者も大勢いたと思います。

 

それでは行って参りますとひとたび嫁いで行けば、おいそれと里帰りも出来ないこの時代の結婚です。この時代の女性にはそれなりの覚悟があったはずです。
江は命じられるまま三度も嫁いで行き、その後はその三人の夫とそれぞれ深い情によって結ばれたように思います。だから江の結婚については、最初の夫の離縁、二番目の夫との死別は胸を打ちました。

だけど最終回には最初の夫が訪ねてきました。

その時の江には、何で今更と言うような雰囲気が漂っていませんでしたか?

なんか余所余所しくて、ちょっとがっかりしました。もしかしたらあれは上野さんが歳を取ったので落ち着いたと言う演技をしていたのでしょうか。

そう言えば彼女はまったく最後まで老けないし、言葉を話すスピードが遅くなっただけ。

そう言う演出も如何なものかと思いました。

このシーン、私は「篤姫」の尚五郎との江戸城での再会のシーンを思い出してしまいました。共に昔を語り合う二人。凄くシミジミと感動しました。同じライターだと言うのに、この違いはどうしたものだと思ってしまうのです。

この「江」が始まる時に「篤姫」と同じ人のシナリオだと知って、嬉しく思ったものです。期待もしました。でも余りの違いに首を傾げるばかりです。ところがある時、美容院で見た週刊誌にその裏話が書かれていました。週刊誌に書かれたことを鵜呑みにするわけではありませんが、「篤姫」の時には、協力するゴーストさんが居たのだそうです。

今度も書いてもらえば良かったのにって、申し訳無いのですが、本当にそう思いましたよ。

じゃあ、見るのを止めれば良かったじゃないかと言われそうです。

確かにそう言う選択肢もあったんだなと、最終回を見ながらそう思いました。気付くのが遅すぎました。

不満に思いながらも見続けたのは、登り始めた山は途中で降りたくなかったと言うような感覚に似ていると思います。

それと好きな俳優さんが多数。

良いシーンや俳優さんが頑張ったシーンもたくさんあったように思います。

それから前に何かのドラマ纏め記事に書いたような気がしますが、常に茶々しか注目されてこなかった、戦国三姉妹の話に興味もあったのでした。

私自身、ひとり多いのですが4姉妹で育ち、この戦国時代を共に生き、最後は敵味方の妻になってしまった姉と妹、その間に立ったもう一人の姉の気持ちには、自分の中の妄想で充分泣けました。

 

このドラマの中で一番、何言ってるんだ、こいつと思ってしまったのは茶々と秀吉の恋愛話です。徐々に秀吉に恋をしてしまう茶々。二人は愛し合って結ばれた・・・・

それを見守る、茶々に恋する気持ちを心の奥底に封じ込めている三成。美しいシーンでした。
でも、美しければ良いというものではありません。

 

これは私の私見ですが、茶々の中には最初から天下人の妻、もしくはそれに匹敵するような男の妻になる事こそ、自分に相応しいと思っていたのではないでしょうか。以下大河の感想をちょっと離れます。

戦国の姫には戦国の姫の覚悟と戦いがあったはずです。彼女たちの戦いは剣を持つ事ではなく、自分たちが受け継いだ血の系譜を絶やさぬ事であったと思うのです。

ゆえに天下人の妻になって子を産めば、その子が天下人になるかもしれないのです。

茶々が時代の風を読み我が子と豊臣の家の存続だけを願い家康にもへつらえば違う道もあったかもしれませんが、そんな事は茶々には何も意味のない事だったと思います。

落城で散った浅井の血、天下目前でその想いを断たれた伯父、信長の無念。そう言ったものを彼女は胸のうちに秘めていたと思うからです。

大阪落城の折、茶々は千姫や初を城の外に出しますが、命乞いの為の使者と言うのは何処までの期待をしていたか分かりません。要は彼女たちの命を守ったのだと思います。大切な妹の子供。大切な妹だったのですから。

宮沢りえさんが光り輝いていた、落城の回は泣けました。

 

でもこの時、思わず自分の姉妹で妄想してしまいました。さしずめ私は初と言った所で、姉が(絶世の美人かは置いておいて)茶々。その姉が私に頼むと言ったなら、私は逃げ延びて千や江を守ってくれと理解したでしょう。私の姉妹は一人多いので一番下の妹が千で、すぐ下の妹が江。まあ、配役はどうでも良いのですが。
そして姉は心の中で妹、江に頼むと念じます。その頼むは浅井・小田の血を守り、そして天下を取れと言う願いの継承なのでした。

敵味方に分かれてしまった姉妹のように見えても、その底辺で想いはひとつで繋がっていたのです。

茶々の死を知った江は涙の川に溺れるほど泣きたかったと思います。でもそうしてしまったならば夫を責める事になってしまう。きっと初と密かに抱き合って泣いた事でしょう。

だけど姉妹の、戦国の姫の戦は勝ったと思います。その系譜を見れば分かります。

と言うのが、私の見たかったドラマなのでした。

 

我が夫殿は、このドラマの最後を見ていて

「なんだかんだと言っても、徳川の血は浅井の血なんだな。」

正確に言えば「浅井の血でもあった」と言うのが本当の所だと思いますが、戦国の姫の野心・野望。その戦いを綺麗ごとを並べる江のセリフを減らして描いて欲しかったと思います。

 

最終回の感想になっていないようなので少々付け足しますが、

江の功績と言ったら、血の系譜を守る為の大奥を作った事だと思います。そこに行き着くエピソードは良かったです。でもそれが最終回エピソードなのは勿体無かったなと思うのです。彼女のドラマなのですから、もっとした事に光を当ててもらいたかったと思うのですね。その苦労話とか入れても良かったと思いました。

いきなりお福とも和解し従えて歩く姿は、ドラマの「大奥」を見慣れたものにとっては新鮮な映像でした。

子供たちも仲良しこよし。きっと将来は支えあって徳川を盛り立てる事でしょう。←嫌味

 

遠い京都ではすっかり弱っている高台院が、竜子様から江の近況報告を聞いています。
入内した娘が姫皇女を生んだ話をし、江が上り詰めたサクセス女性と誉めそやします。

すると

「こうなる事は、なんとのう分かっていたな。」と言うようなことを大竹さんが言わせられるのですが、
「どこで~?!」って、私は思ってしまいました。凄く説得力がありませんでした。如何に演技達者な大竹さんでも駄目でしたよ。

説得力が無いなと思ったのは、最後の秀忠が
「そなたは私の希望だ。」と唐突に言う所。

なんとなく時間延長でこれか~と萎えました。

 

そして、NHKお約束の幽霊。
馬で走り去っていく横を、母の市が共に走り優しく見守っていると言うシーンで終わったのでした。
でもここでも私、不満です。

市と共に茶々も出して欲しかったと思います。

市と茶々、二人顔を見合わせて、そして江を見守る・・・
それだけで、私、今までの不満を封印して感動したかも知れません。

 

このドラマにほとんど興味を示さなかった夫殿が、最後に
「死ぬ所までやらない所が暗くなくていいね。」と言いました。

何と言う善意の解釈。

「そうね。」と言いながら、死ぬ所までやると、もうドロドロが見えてきちゃって、綺麗事じゃ済まなくなってくる事が出てくるからやらなかったんだなと思いました。

 

昨年の「龍馬伝」の最終回と余りにも違いすぎて、なんか「大河ドラマ」自体から気持ちが離れそうです。
とりあえず「坂の上の雲」で気持ちを立て直したいと思います。

但し、これもどこかに書いた事ですが、「江~姫たちの戦国展」は本当に良かったです。
本物=歴史の重みを感じましたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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2 コメント

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おっしゃるとおりです。 (くみ)
2011-11-30 00:00:20
わたしもkiriyさんと同じ考えです。
一番このドラマで気になったのは
「現代の価値観」
を、戦国時代に持ってきたことでした。

下々のものだったら、お互い好きで結婚したものもいたでしょう。
また、低い出自であれば、そう描いても違和感はなかったはずです。
例えば、秀吉とおね、利家とまつ、一豊と千代、
であれば、まぁぶっちゃけどんなくっつきかたをしようと気にならなかったはず。

でも、浅井三姉妹は、戦国時代においても
「生粋のセレブ」であり、
そんな描き方を決してしてはいけない女性たちであったはずです。

「思うがままに生きる」
のをテーマにしたいのなら、
当時の価値観のなかで精一杯に生きた女性たちを描いて欲しかったです。

当時の価値観をないがしろにした描き方に
、怒りさえ覚えました。

過去の歴史を尊ぶということは大事だと思うんです。

あ、細川忠興とガラシャは一瞬だけいいシーンがあったと個人的には思います。

あそこだけ別の人が書いたんでは・・・?
と思ってしまいます。
返信する
くみ様 (kiriy)
2011-11-30 11:07:21
こんにちは~。
歴女でもあるくみさんなら、私の考えに共鳴してくださると思っていました。

>当時の価値観をないがしろにした描き方に
、怒りさえ覚えました。

過去の歴史を尊ぶということは大事だと思うんです。

私もそう思います。これが民放の「大奥」なら少々の脚色も良いかなと思うのですよ(でもあれは傑作ですよね)。
でも大河では、犯してはならない禁があると思ってしまうのですよね。

>あそこだけ別の人が書いたんでは・・・?

ふふふ・・・

懲りない人なので来年も「大河」は見ると思います。でも今から疑心暗鬼です(笑)
返信する

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