森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

土の中の孤独な妖精たちは

2019-10-08 00:54:21 | 梢は歌う(日記)

夕方の5時半くらいにちょっと作ってあったカレーを食べたので、今日はもう夜は食べないようにしようと思っていました。

だけど夜の短いバイトのストレスが半端なくて、夜遅くに食べてしまいました。なんだかそれをちょっと後悔したりするならまだしも、そんな事はどうでも良くて、過食に走ってもそれでも心の重さが取れません。

お布団の上に転がってゴロゴロしていましたら、夫殿が

「お風呂に入っちゃうね。」と言いました。

なぜ許しを請うかのように言う ?

と、そんなくだらない事を考えながら、更にくだらない事を考えてしまいました。つまりそれは、なんだか横たわる体の上にバサッと土などを掛けて頂きたいような、そんなイメージの衝動にかられたのです。

もちろん本当になったら困ることです。それは恐ろしい事で、マジにサスペンスです。

だからイメージです。

身体はどんどん土の中・・・・・・・。

 

ああ、そう言えばさ、ちっとも涼しくならなかった今日この頃。この前子供がセミの鳴き声を聞いたってね。

 

「今でもセミは居るのですか。」と聞かれたけれど、

「いつまでたっても暑いですからね。勘違いしていたセミもいるかもしれませんよね。」と私は言いました。

そしてまた、きっと死ぬタイミングを逃したのかもなと、私は密かに思いました。もちろん子供には言いませんけれど。

 

それでまた思い出したのですが、以前中学生とセミの幸せについて話したことがありました。

「蝉は地上に出て1週間の命って言われてますが、1か月くらい生きるのもいるらしいですよ。」と中学生が言いました。さらに「3年から長いものは17年も土の中にいるらしいですよ。それなのに長くて1か月だなんて割に合わないとおもいません?」

「あらッ、だって、幼虫の時だって、セミはしっかりセミなのよ。成虫になった時がセミの本当の人生で、幼虫の時は仮の人生と認識することが間違いで、長さから言ったら、セミの本来の姿と言うのは幼虫の姿なんじゃないかしら。何の義務もなくただ成長して行けば良いのだからむしろそっちの方が幸せじゃないかな。それにしっかりと3年から17年生きるわけだから、短い人生の儚さみたいなのを感じる事もないのよね。」と何気にセミを擬人化させ、なかなか面白い時間だったのでした。

 

だけど今日、イメージの土の中に埋もれながら、ふと思いました。

 

もしも土の中の奥底に、セミの幼虫が通る道があり、そしてそのまた奥に、セミたちの交差する空間があるのなら、長い幼虫の時代もそれなりに楽しい時間に違いないと思えるけれど・・・・・・

例えばモニョモニョと土の中のセミの道を歩いて行くと、向こうから同じようなセミの幼虫がやって来て

「はーい、君はそろそろ地上に行く頃ですか。」

「いやいや僕は、あと2年ばかりはダメだと思うよ。それよりもあちらの方の木の樹液は最高らしいよ。一緒に行かないかい?」

「うん、それ良いね。行く行く。」

 

だけど実際は、卵から孵化したセミの幼虫は、その木の上から土の中にもぐって行くのです。きっとその木の樹液を吸って、何年も土の中で暮らすのでしょう。

セミには寂しさや喜びを感じる「心」と言うものはあるのでしようか。

もしもサミシイと言う感情があったならば、それこそ残酷な長い時間と言えるでしょう。

 

虫だからそんなものはないのでしょうー。

いや、だけどあの地上に出たセミたちのマックスの鳴き声を聞いていると

「僕はここにいるよ。僕はここにいるよ。」と待ちに待ったその時を謳歌しているように感じます。もちろんそれは雌たちに向けてのアピール。

だけどそれだけかしら。

「僕はここにいるよ。君はそこに居たんだね。みんなそこに居たんだね。」

孤独と言う鎧を脱ぎ捨てた、種族の雄たけびかも知れないじゃない。

ここまで読んで下さっている方に馬鹿らしいって、すでに思われていそうー。

だけど本当の事は分からない事なのよね。

だってそれ、セミに聞いたことないでしょう ?

 

そして再び私はイメージの土の中。

なんでかセミっていつも擬人化しちゃう。

「君、寂しくないの ?」と私は聞きます。

まだ地上に出ない人間の幼虫。それだとちょっと気持ちが悪いから、妖精さんにしておきましょう。彼らは人型だから「心」があるのよね。

「僕は分からない。自分の声を聞いたことが無いから。」と彼らは言う。

「僕も分からない。どこに向かったら地上に出る道はあるのだろう。」

「どうしていいのか分からない。」

「だから僕たち、すべて分かっているふりをしているんだ !!」

 

ああ、分かった。

今日の私の失敗がー。

すべて分かっているふりを一生懸命にしている、どうしていいのか分からない寂しい子供たち。彼らを前に同じように、どうして良いのかさっぱり分からなかった私ー。

大人はやっぱり、時々見栄をはってでも、子供たちの前では大人でいようねって事だよね。

 

 

というわけでバサーッと土を払いのけて、地上に出てきました。

日付が変わってしまったので、もう今日ですが、今日も一日頑張ろうっと♪

 

 


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2 コメント

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セミの一生 (ヤマザキ)
2019-10-08 16:35:54
kiryiさんこんにちは、お久しぶりです。セミの話、興味深く拝読いたしました。少し前ですが、民放ドラマで「セミ男」というのをやっていて、結構楽しくて観ていました。そういうことも思い出したりしました。

私も最近、どうしていいのかわからないことがたくさんあります。いろんなことが、どうかいい方向につながるよう、祈るばかりです。

また台風が近づいていますね、どうぞお足元などお気をつけてお過ごしくださいね。

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ヤマザキ様 (kiriy)
2019-10-09 12:25:04
「セミ男」、タイトルは知っていましたが、見てなかったです。楽しかったのですね。見れば良かったなあ。
>私も最近、どうしていいのかわからないことがたくさんあります。

いろいろな事が分からない私ですが、その事だけは分かります!!
ひとつひとつ目の前の事に取り組んで、そして考え解決して行かなければなりませんよね。
でもそれは仕事も含めて自分のエリア範疇での解決法。

ヤマザキさんの記事のような事では、心が重くなると言うものです。
私の家の近くでも、人手不足が原因でファミレスがつぶれたのですよ。この国では今となっては外国人の労働力を当てにしないとやっていけないのですよね。
そちらのブログ記事に書くべきコメントをこちらに書いて申し訳ありません。
だけど本当に、本当の嘘つきは消えて欲しいと、私も願っています !!
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