いま日本の人口はおよそ1億2449万5千人で、世界の人口は73億人。10億とは何ぞやと思っていました。
なのでフリマアプリの出品数とは、「なるほどな~」と思いました。
10億と言う数字の中から見つけ出した、かけがえのない「1」。
セリフはいつもの如く不正確ですが、右京が中野絢子に
「手にしたものの価値に気が付けなかった。」と、そのような事を言ったじゃないですか。
まさにまさに。
ただ私的微かな救いは、転落死をした橋本美由紀が、最後まで絢子の心の中にあった黒い気持ちを知らずに、その出会いの幸運を信じていた事でした。
そして絢子の子供を命がけで助け、満足して死んでいきました。その視点だけで見たら、彼女は幸いな人であったと言えるのかも知れません。だけど絢子はどうなんだと思ってしまうのです。
一緒に見ていた夫殿が
「なぜこの女は捕まらないんだ。」と煩かったです。
「いいんだよ、ドラマなんだから。」と私はいい加減な事を言います。だけど何かそれについてのセリフはあったのでしょうか。セリフでの説明を聞き逃したのかも知れませんが、やっぱり彼女が何も罪に問われないのは違和感を感じざるを得ません。
それでも今回の物語は、なかなか奥深く心に残りました。
やっと出会えたかけがえのない友達を、犯罪の渦に巻き込んでしまったのは嫉妬でした。
彼女のページにはセンスの良い服がたくさん並び、そして「イイね」もたくさんついて、まるで素敵に暮らしている女性のようで、それに比べて絢子の携帯のアプリの中に並んだその品物は、生活感の滲み出た物ばかりでしかも「イイね」は0ばかりでした。
今回のライターさんは、「辞書の神様」の神森万里江 さん。女性ならではの視点で描かれていたと思います。
ネットカフェに残されていたカードの意味。
美由紀の不自然な腕の形。
「母の形見」と言う名前の高額な出品。
なんでも口に入れてしまう子供の具合が悪い理由は。
最初に出てきた目撃者の男の胸についていた赤い色は何か。
フリマアプリの恐ろしい活用法は驚くばかりでしたが、他はだいたい予想が付く点が多かったです。だけどまた、美由紀の不自然な腕の形の理由にも予想外でしたので驚かされました。
そして切なかったです。
ゲストは大和田美帆 、大路恵美。