知っているんだ、あたし。

横浜は故郷だけど、もうあたしの街じゃないって。


夏の短期予備校に通っていた高校の同級生、高校三年生のあたしたち。相鉄ジョイナスの窓ガラスにへばりついていたよね。
あたしたちは不安でサ、来年の自分なんて全く見えなかったね。
「横浜って言ったって、田舎よね。だって拓けていると言ったって、目の前のこの風景だけなんだよね。」と友人が言った。
横浜駅の周辺は、その頃だってちょっとは拓けていたわけで。
「天下の横浜が田舎か。じゃあ、日本全国東京以外みんな田舎ってことなの。」
「こうなると、東京が都会と言うのも怪しい。テレビに映っている所だけじゃないの。」
「日本全国田舎。日本人はみんな田舎もん。」
「ほんまもんの都会人に会いたかぁ」←これは嘘。女子高校生はこんなことは言わない。
でも、この時、ちょっとだけ東京と言う街に憧れと言うものを抱いたような気がしたんだ、あたし。
横浜は横浜人が造る街。さらに拓けて行ったけれど、決してプチ東京にはならなかったように思う。
なんて綺麗な風景。
この美しさを見ろと、まるで建物たちが言っているような気がしてしまう。
でも、この街、あたしの街じゃない。
あたしはよそ者の目で、この美しい風景にため息をついているんだから。
横浜駅の周辺は、その頃だってちょっとは拓けていたわけで。
「天下の横浜が田舎か。じゃあ、日本全国東京以外みんな田舎ってことなの。」
「こうなると、東京が都会と言うのも怪しい。テレビに映っている所だけじゃないの。」
「日本全国田舎。日本人はみんな田舎もん。」
「ほんまもんの都会人に会いたかぁ」←これは嘘。女子高校生はこんなことは言わない。
でも、この時、ちょっとだけ東京と言う街に憧れと言うものを抱いたような気がしたんだ、あたし。
横浜は横浜人が造る街。さらに拓けて行ったけれど、決してプチ東京にはならなかったように思う。
なんて綺麗な風景。
この美しさを見ろと、まるで建物たちが言っているような気がしてしまう。
でも、この街、あたしの街じゃない。
あたしはよそ者の目で、この美しい風景にため息をついているんだから。

変化なきものなきかな。
でも、この変わらぬ風景を見よ。
本当は、このポプラは4本あったのに。
私たちは、この木に「ビートルズ」って名前をつけたんだよね、おねえちゃん。
4本の木はビートルズ、そして私たち。
2本になってしまったから、私たちって言うのは止めておこう。
だけど今日、父が言っていた。
「あのポプラは切っても切っても伸びるんだよ。」
「あたしたち、あの木のようにまっすぐにまっすぐに天を目指して伸びていきたいね。」
夜の公園を歩きながらそんな事を、語り合ったね。
でも、この変わらぬ風景を見よ。
本当は、このポプラは4本あったのに。
私たちは、この木に「ビートルズ」って名前をつけたんだよね、おねえちゃん。
4本の木はビートルズ、そして私たち。
2本になってしまったから、私たちって言うのは止めておこう。
だけど今日、父が言っていた。
「あのポプラは切っても切っても伸びるんだよ。」
「あたしたち、あの木のようにまっすぐにまっすぐに天を目指して伸びていきたいね。」
夜の公園を歩きながらそんな事を、語り合ったね。

あの時と同じように、木々は風にざわめいて・・
変わってしまったのに変わらない街。
私は、この階段の夢を良く見る。

両脇に建つ家々も、そこに住む人々も、みな違ってしまったっと言うのに、やっぱりこの坂道の夢も見る。
