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森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

ポーの一族「青のパンドラ」vol.4

2022-11-30 00:11:51 | 漫画・マンガ・まんが

欄外の「花だより」に

「体調不良の時にお隣の猫のチョビ君が「大丈夫?」と添い寝・・・略・・・。休載してすみません。またがんばります。」とありました。

やはり萩尾望都様は、体調不良だったのですね。

失礼ながら、心の若さは別にしても肉体の方は勝手に弱っていくお年頃なので、そんなに頑張らなくても良いので、細く長く続けて下さいねと思います。

 

さてお話の感想ですが、この「青のパンドラ」は何やら不思議な物語になってきました。

前回の感想で、大老ポーが出て来て、再びゴシックホラーの様相が強くなってきたと書いたのですが、いやもうゴシックホラーではないですね。

私が思うには、半世紀前(なんかその響きも凄い)に「ポーの一族」を産み落としたときには、望都氏はポーの起源や、大老ポーの過去なんかは、まったく考えてなかったと思うのです。それが年月を重ねて、彼女の中のSF脳が起動したように感じました。

私はちょっと、「血の神」の件で、「ジョジョの奇妙な冒険」を思い出してしまいました。

あの物語も最初は吸血鬼の話で、2部になると、なぜその吸血鬼たちが誕生してきたのかと言う話になるじゃないですか。

ただこちら「ポーの一族」にバトルは関係なくて、そこには神話が誕生していました。

 

「影の道」を通って、ヨークのローマ時代の遺跡のマルチングラ塔の地下に向かいます。

(行きたいなぁ、イギリスとかローマとか)

そこに行く道で、大老ポーはまだイオンと言われていた自分の過去を話すのでした。また老ハンナとの出会いと彼女の秘密も分かります。

なぜ彼女たちは永遠の命を持ちながら、老人なのかという謎も判明しました。

まったく描かれていませんが、エドガーは自分を育ててくれた、今は懐かしいハンナの話が聞けて、嬉しかったのではないでしょうか。

 

いっぽう、クロエの所にシルバーが現れて、今の大老ポーの動向を報告します。

クロエはロンドンで逞しく楽しく生きていました。

そんなクロエに

「うれしいだろう? クロエ」「やっと村に帰れるんだ」とシルバーが言うと、ロンドンライフを楽しんでいるクロエは、帰らないと言います。そして大老ポーがフォンティーンやバリーの封印も解かれると言うと、

「大老は村を壊滅させるつもりね。」「そうよ世界の終わりが来るのよ。」と不吉な事を言うのでした。

 

そう、これ、私も前の時に、その不安を感じたのです。

フォンティーンと言う美しき男は、大きな野望を持った人だったでしょう。解放してどうなのって不安に思うじゃないですか。

そこには、何か違う思惑もあるのかしら。

 

そしてマルチングラ塔の地下で、とうとうアラン復活のための儀式が始まります。

正確に言うと、炎の剣を作る過程で、体の中に残っている火を吸い取ってくれる ?

エドガーの手は復活しました。

 

そして以下は次号です。

 

あっ、なんかドキドキしてきました。

そう言えば、昨年作った服でも、10年前に作ったのと言われてしまうほど、シルバーに服のセンスはないらしい(笑)

 

いつも「ポーの一族」しか読まなかった私。

それ反省してるので、徐々に読んで行こうと思います。とりあえず「ミステリと言う勿れ」読みました。

今回の女性にこそ学びの場は必要と、大学に行くことに反対していたおじいさんを説得する整君の話には、凄く共鳴し感心しました。

来年秋の映画も楽しみです。

 

パラパラとめくって奈知未佐子さんの「ポポールポポロのいる窓」も読みました。

ホッとできる良いお話でした。

ネタバレですが、綺麗な人形は傲慢なのかと思ったら、そうではなく優しい寂しい人形だったところも良かったです。

 

 

 

 

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「百鬼夜行抄30」

2022-10-21 01:38:40 | 漫画・マンガ・まんが

Amazonで予約したら、一日早く届いてラッキーな気持ちになりました。

月に一回は実家に帰ろうと思っていて、明日から家を空けるので、読むのが遅くなると思っていたからです。

「百鬼夜行抄」はコミックで読んでいるので、「一年に一回のお楽しみ~」なので、そのお楽しみを後に回すのは、ちょっとの我慢だなと思っていたのですよ。だからちゃんと寧ろ早く読めて嬉しかったです。

って、本当に私、ささやか過ぎる幸せで成り立ちすぎる~(笑)

今回の内容は

「迷い子石」「どうぞお帰り下さい」

「真夏の桜」「その日の前に」

の四編です。

本の紹介の下に書いた感想も、あらすじなどのネタバレもしていませんし、ほんの僅かな事しか書いてはいないのですが、それでもそのほんのちょっとの情報からも何かを感じ取ってしまわれる(飯嶋の遠縁か!?)方には不向きなので、読まれたら是非いらしてくださいね。

 

私的には、「どうぞお帰り下さい」が好みです。

「こっくりさん」はやはり危ない遊びだと思っています。これを読んでいて、昔、友達が話していた、これのせいで狂ってしまって田舎に帰ったその人の知人の話を思い出してしまいました。

ただこの話は、怖いと言うよりも「百鬼夜行抄」の持つしっとりとした世界観が広がっていて、とっても良かったです。

 

他の三篇は、坂元海くんのシリーズ。

とうとう海と律は、リアルに出会います。

海、騙され過ぎと思ってしまうのですが、でも彼は蝸牛の血筋の力を持ってしまっているのに、律が子供の時のように、導いてくれるおじいちゃんも、守ってくれていた青嵐もいなかったわけですから、いちいち惑わされても仕方がないと言う所ですよね。

律の家に来た海は、その家を怖いと思います。

でもお母さんの兄弟たちも、彼らの実家を怖いと思っているのですから、小さな子供が思っても仕方がない事ですよね。

司が海に家の案内をした時、裏庭を「途中からよその土地になるから入ってはダメよ。」というのですが、上手い事を言うものだと思いました。確かに「よその土地」ですよね。^^

気になった言葉は律の「水脈大叔母さんは悪霊化してる・・・・」。

ちょっと驚きですね。今後はどう繋がっていくのでしょうか。

と言っても、また来年のお楽しみでしたね♪

 

なんだかんだと言って、律が良く動く物語の方が、やはり面白く感じます。

また、飯嶋家全員集合みたいなお話がまたあればいいのにと思っています。

他の皆さん、今頃はどうなさっているのでしょうね。もちろんこの物語の中の皆さんの事です^^

たまには会いたいと思ってしまうんですよね。

 

 

・・・

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マンガ日本の古典「雨月物語」

2022-10-10 02:56:19 | 漫画・マンガ・まんが

10月最初に読み終わったのは、この1冊でした。

 

「雨月物語」の9編の中から

「菊花の約」「浅茅が宿」「吉備津の釜」「蛇性の淫」の4つの物語が描かれています。

 

「雨月物語」は高校生の頃に読みました。もちろん原文のままではありません。(^_^;)

登校途中で友人に会い

「昨日『雨月物語』を読んだんだけれど、思っていたような怪談話ばっかりじゃなくて、けっこう良かったよ。なんか泣いちゃったやつもあった。」と言ったら、

「感情豊かなんだね。」と言われたました。

 

あのころと比べたら、感性もかなり衰えたと思いますが、それでも今回もまた泣きました。

いやむしろ、若き日に文章を脳内再生させた映像よりも、木原敏江さんの丁寧で情感たっぷりな描かれ方に、昔よりも心に迫ってくるものがありました。

「雨月物語」で有名なお話は、究極の同性愛の物語と言われている「菊花の約」だと思います。

とっても大好きな物語で、それを読みたいがために、その昔もその本を手に取ったのだと思います。

だけど高校生の私が、思わずハラハラと涙を流したのは、「浅茅が宿」です。

妻の宮木は、本当に健気で心から美しい女性だなと思いました。

秋には帰ると言った夫の言葉を信じて待ち続け、そしてその夫が7年も経った後に帰って来ると、妻はやつれ果ててはいたものの、夫を暖かく迎え入れるのでした。

だけど翌朝、夫が目覚めると、そこはカモガヤなどが生い茂る荒れ果てた家で・・・・・。

日本人は、こういう「怨み」のない、しっとりした怪奇なお話が好きなんだと思います。

 

「吉備津の釜」は、本当にちょっと怖いお話。

だけど何やらいろいろなホラーの原点のような気さえするのです。「耳なし法一」も「牡丹灯籠」も、どちらが先かは、ちゃんと調べなくては分からない事ですが、これを読んでいて、私はこの2つの物語をちょっとだけ思い出しました。

 

「蛇性の淫」は木原さんの脚色がラストに入ります。

あんまりだと思ったからと彼女も言っていますが、私も封印されてしまった大蛇と小蛇が可愛そうに思ってしまいました。

「私だったら封印した蛇を助け出し3人で逃げてハッピーエンドにしてしまう」と言う、木原さんのあとがきに惹かれました。

どんなに愛した過去があっても、異なる者を切り捨ててしまう感覚は、今と昔は違うのかもしれません。

だけど「萩の葉」のような狐の物語もあるので、蛇だったからダメだったのかもしれないなと思いました。

情愛たっぷりの美しい大蛇、真名子と可愛らしい小蛇のまろや。同情を禁じ得ません。

 

 

木原敏江さんが、この「雨月」を手掛けるのは、私には当然のように感じました。何しろ「大江山花伝」の「花伝ツァ」は「菊花の約」がベース。

私にはそちらの方が、原作のような気にさえなってしまっています。

「泣いた」「泣いた」と書いていますが、私は泣き虫なので良作・名作の基準にはならない場合も多々あります。

でもこの私が大泣きした「大江山花伝」の「花伝ツァ」は、本当にお勧めできる名作だと思います。

「雨月物語」の「菊花の約」はかなり真面目に描かれているように感じましたが、それでもジンワリきました。

 

年々、確かに感性は衰えているかも知れません。

だから時々は、このように素晴らしい作家様の手を借りて、自分のそれを高めるのも良いような気がします。

 

 

 

 

・・・

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「百鬼夜行抄 30」の次回発売日は !

2022-10-09 13:07:57 | 漫画・マンガ・まんが

10月7日の金曜日にアマゾンさんから、「出るよ~」とお知らせが来ていました。

あまりメールチェックしないからなぁ(^_^;)

10月22日発売だそうで、早速予約しました。

ささやかな事であっても、楽しみな事はたくさんある方が良いですよね♪

 

 

////

 

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ポーの一族「青のパンドラ」vol.3

2022-09-01 10:10:14 | 漫画・マンガ・まんが

今日から9月ですね。

諸々と頑張りたいと、ついたちと言う言葉マジックで、そう思っています。

※      ※

8月の終わり(30日)。

まだまだ夏そのものの陽気。それでうっかりしてましたが(いつもいろいろな理由でうっかりします。)、雑誌の世界では早くも10月なのでした。

たまたま本屋さんのあるモールで友人とランチでしたので、帰りに買い求めてきました。

 

 

昔、「ポーの一族」は「ゴシック・ホラー」と言われていましたね。

ああ、その「ゴシック・ホラー」という響きを聞いただけで、胸がキューンとなりました。

エドガーの兄弟たちの生き様や、シーラの衣装、アランが人間だった時の制服。なんだか脈絡なく様々なもの幻影が、脳内を通り過ぎて行ったからです。

 

時は現代。

だけれど大老ポーが話のメインに躍り出てから、その「ゴシック・ホラー」的な雰囲気がまた濃くなってきたように思いました。

霧の中、影の道を通ってベニスからヨークに向かおうと言う一行。

馬車に驚くファルカは、現代なのだからせめて自動車でとか言うのですが、そこで大老は現代科学に対してニーチェの言葉「神は死んだ」を引用して批判します。

なかなか読みごたえがありますよね。

だけどいざ出発と言う時、ギリシャ神話にも出てくる怪物の名を持つアルゴスが出て来て、不吉な予言を連発するのでした。

きっとこのアルゴスが、そのギリシャ神話のモデルになったのだと感じさせました。

私には、このアルゴスの予言が、不吉な事ばかり言うろくでもない予言者の言葉には聞こえませんでした。

大老は大老ゆえに、常に上から目線で語ります。

フォンティーンを赦し、語り合う時が来たように思うと言います。だけど果たして1000年の怨みは彼にはないのでしょうか。自由になった彼はどのような行動をすると言うのでしょうか。

壺がきっとアランを治し目覚めさせると、エドガーは甘い夢を見ます。

彼らを愛しているゆえに、私もそうであって欲しい。

だけれども、ホラーの定番だと、そうはならないのよね。

ドキドキドキ

 

そう、そのドキドキが大切なんですよね。

次回も楽しみです。

 

しかしいろいろと大老の過去が分かっていってしまう・・・・・・。

なんだか身近な老人に感じてきてしまいました。

だけどクロエを赦し、フォンティーンも赦すと言う・・・・・

これってさ、「フラグが立つ」っていうんじゃん ?!

 

※   ※

甘酒にはまっているらしい萩尾望都氏。

先生、先生は酒粕派ですか ?

それとも米麹派 ?

 

☆☆ 追記:9月24日。アマゾンで次の号を予約しようとしたら、次の号、11月号では「ポーの一族」と「ミステリと言う勿れ」は休載って書いてありました。ちょっとがっかり。予告に入ってなかったような気がするので、どうしたのかなと、それも気になりました。

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岸辺の唄

2022-08-20 23:38:03 | 漫画・マンガ・まんが

だいたい今頃の季節になると、「今年の『百鬼夜行抄』はいつ頃でるのだろう。」などと思うのです。

調べてみたら、昨年とその前の年は10月に出ているので、ちょっと期待したいと思いますが、来年の3月以降ではないかと予想をしているサイトもあったので、分からない事です。

いつもはイイコにして待っているわけですが(笑)、ふとコミックも置いてある図書館に今市子さんの作品はあるのだろうかと思ったのです。なんと「百鬼夜行抄」は置いてなかったのです。

ちょっと驚き。

じゃあ、何があったのかと言うと、それがタイトルの「岸辺の唄」です。

 

 

何とはなしに期待せずに読んでみました。

ところがこの作品は、その「期待せず」の期待を裏切って、かなり面白かったです。

『「あとふた月もすれば、人は全て息絶えるでしょう」水のない町に下された哀しい予言。皆を救うには水乞いの儀式を行わなければならない…。こうしてエンとスリジャの旅がはじまった。今、はるかな翠湖を目指して――。』←アマゾンのサイトから

短編で綴られていますが、それぞれに繋がっていて、大きな叙事詩を紡いでいるのは「百鬼夜行抄」と一緒ですね。

人と鬼人が共存する世界で、人は時に鬼人に騙され襲われ喰われたりもします。

エンは鬼人の子。優しい人と触れ合って育ったエンは、強い力を持ったカッコいい男なのです。

オリエンタルファンタジー・・・・・。

ほらねっ。如何にも私好みって感じでしょう。

 

水乞いの儀式がどのように行われて、そしてどのように人々に水をもたらすのかと言うのも見ものかも知れません。

 

これは上にリンクした1冊のみを読んだのですが、それでもお話として完結していると感じました。

ところが後で調べてみたら、単行本だと6冊あるのですね。

面白かったので、今市子さんの「百鬼夜行抄」以外の作品を読んでみようかなと思っている所です。

 

 

文庫版だと4冊。こちらだと新品でも買えます。

 

 

・・・

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ポーの一族「青のパンドラ」vol.2

2022-06-30 02:25:45 | 漫画・マンガ・まんが

※ 今回の「月刊flowers」は「もしも東京」展で発表された「海が見える大井町」も掲載されているし、「ミステリと言う勿れ」も掲載で、読みごたえがありそうです。

 

「vol.2 アランが盗まれる」の感想・・・・-。

その表紙の扉絵、にこやかに笑うアランに目が行ってしまって最初は気がつきませんでしたが、笑っているのはアランだけ。エドガーは見守るように優し気にアランを見つめているので微笑んでいるのかと思いましたが、そこは微妙です。そして他の人たちは(ああ、人には非ずでしたが、)皆険しい顔をしていたのです。

夢のように巡るメリーゴーランド。だけどこの扉絵で、胸に迫って来るものを感じてしまいました。ずっと昔に、この「ポーの一族」と出会った頃のように。

 

エドガーが言った印象的な言葉。

「・・・大老は  ”パンドラ”とか”炎の剣”とか 魔法使いのように いろんなグッズを持ってるんだな・・・」

このダークファンタジーは、意外と自由度が高いですね。

バリーは愛する美しい兄フォンティーンを救うべく、大老に「炎の剣」を渡してくれとエドガーに頼んで欲しいと頼む。それを拒めないように、バリーはアランを盗み去って行ってしまうのでした。

バリーも動き、そしてまた一方では大老も動いていました。

 

大老がフォルカの家に行った時、ちょうどフォルカとブランカの家では大きな悲劇が訪れていました。

一緒に生活していた子供が儚く消えて行ってしまったのです。

子供を助ける事は出来ず「幼い子供は早く消えて行ってしまう。」という大老に向かって、ブランカは

「ごたくばっかりしゃべって何も出来ない。 役立たず !」となじります。

このシーン、なんか凄いですよね。

大老ポーは、たぶんこの何千年、こんな風な口を利かれたことはなかったんじゃないかと思います。

なんたって大老ですから。

 

だけど大老は言いました。

「・・・・・アランを助ける方法を示唆するために来たのに」

この「・・・・・」の部分・・・・・、なんか可愛い^^

しかしはっきりと言いましたよね。「アランを助ける方法」と。

 

そして舞台はベニスへ。

ああ、行きたいな、ベニス !!

 

と、ここで終わっても良いのですが、あの夜のフォルカ家で起きた悲劇は凄く印象的でした。ファルカが何人もの子供を失ってきたのは、そういう事だったのですね。

あの二人は、凄く恐ろしい事を自分たちの満足の為にやってきたのですね。

小さな幼き者を、果てのない時間、ずっと慈しみ楽しい時間を持つことが、親と子の幸せではないし子育てでもないと思います。

それはたんに親子ごっこで、時を止められた子供たちは、・・・・と一緒のように感じました。

かつて二人の少年たちもリデルと言う少女を、森の中で育てていました。

だけど二人は(一人はいやいやだったけれど)手放したのですよね。

 

かつてエドガーに起きていた辛い出来事、アランにもまた辛い人間の時代がありました。

それらが彼らを熟成させ、心が既に大人だったから、彼らは姿は子供であっても消えていくことがなかったのでしょうか。

それらの真実は・・・・!?

まあ、それは萩尾先生の頭の中にしか無いと言えることかもしれませんね(笑)

 

そして次回は10月号です。

 

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ポーの一族「青のパンドラ」vol.1

2022-05-28 17:37:25 | 漫画・マンガ・まんが

「楽しみな事は多い方が良い。」と吉田拓郎氏も言っていましたが、この新章が始まるのも楽しみに待っていました。

今度の「月刊flowers」の表紙は、エドガーとアランで、そして二人はとっても幸せそうなのです。

 

巻頭カラーでの冒頭で、アランを乗せて月の舟をこぐエドガー。

ふたりはどこに行くと言うのでしょうか。

時が止まった二人でも、時間は生まれそして流れていくー。

だから二人は、次はベニスにまた行こうとアランが言えば、「良いね」と答えるエドガーで、二人揃ってずっと空間を旅していくつもりだったのでしょう。

ずっと一緒に。

「俺なら治す方法を知ってる。」と言ったバリーを一緒に、エドガーはアーサー卿を訪ねるのでした。

 

バラ水とバラの香油・・・・

それで、トップ画像はマンションの薔薇です。

本の紹介の下は、ネタバレ感想です。

 

副題が付いていましたね。

「冷蔵庫で眠る」・・・・ちょっと要らないような。

だけどエドガーの骨と皮の体が痛々しかったです。

 

バリーは大老ポーなら助ける事が出来ると言いました。

かつて大やけどを負ったバリーの兄フォンティーンを大老ポーは助けてくれたのだそうです。

そこで出てくる「パンドラ」と呼ばれていた青い壺。

果たしてアランは助かる事が出来るのでしょうか。

 

だけど・・・・

バリーは言ったじゃないですか。

大老ポーは我が子たち(自分の血を分けたバンパネラ達)は決して忘れないと。自分の血脈を大事にしていると。だけどその我が子が仲間にした者たちには容赦しないと。アランはエドガーが仲間にした者。それでも大老ポーは助けてくれると言うのでしょうか。

 

そしてその頃ファルカの所に尋ねてきた老人は誰か。

次号が楽しみですね。

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「天は赤い河のほとり」

2022-04-27 08:14:49 | 漫画・マンガ・まんが

※ 画像は、2019年6月12日撮影。「ボアズキョイ」でヒッタイト王国の首都であったハットゥサḪattušaの遺跡名。(「ハトゥシャシュ遺跡」)

                  ☆

この前、自分の記事を探してしまいました。時々そういう時があります。なんでも書いているなと自分では思っているのですが、それでもなにか時間に追われて抜けちゃうんですよね。

何の記事を探していたかと言うと、宝塚の「天は赤い河のほとり」を見た感想です。どうも書いていなかったみたいです。本当に「観たよ。」で良いから書いておこうよ自分、となりました。

トルコ旅行記「赤い川のほとりで」

の中で書いたことですが、ガイドさんの「クズルウルマク川」の説明で「あれは赤い川です。」でピーンと来た私。

あれはヒッタイト、もしくはトルコが舞台なのね。観たいなと思ったのです。

 

たぶん世界は私中心に回っているのだと思います( ̄▽ ̄)

 

観たいなと思って帰国したら、意外とすぐにwowowさんで、その宝塚の「天は赤い河のほとり」を放送してくれたんですよ。

もちろん観るでしょう。だけど2019年の事なので、すでに詳しくは書けないないんです、記憶喪失にて・・・(^_^;)

だけど宝塚は、本当に長い原作をまとめるのが本当に上手なんですよね。

悪役の皇妃の悲しみなども含めて良く描かれていたし、ヒロインを愛してしまった男たちの切なさも伝わって来て、その退場時には涙が出たりして、かなり面白いお話になっていました。

 

しかし原作の漫画は28巻もある長編なんですよね。如何に宝塚がそういう長編を上手くまとめるのが上手いと言っても、やっぱり原作も読んでみたいと思うじゃないですか。でも28巻もあるので、その機会はいつ来るかは分からないなと思っていました。

ところが最近私が、何気なく読んでいる漫画サイトでこの作品が数巻分無料で読めたのです。

じゃあその続きをとなるじゃないですか。

なぜなら漫画はお芝居よりもさらに面白いんですよ、これが。

 

少女漫画のあるあるですが、平凡な少女が何でか分からないけれど、やたらみんなにモテまくり・・・・

確かに最初はそんな感じ。

でもこの中学生だった普通の平凡な少女は、実は非凡なる軍神でもあったのです。

痩せたちっぽけな少女。だけど知恵もあります。勇気もあります。何よりも優しさが、その原動力。皆に好かれる理由に説得力がありました。

 

長いけれどあっと言う間に読めます。

いけにえにしようと、力を持っている皇妃に現代から過去のヒッタイトに引きづり込まれてしまうヒロイン。

これ、何かどうしても設定が、かの有名な作者が生きているうちに完結しないのではと言われている伝説の「王家の・・・・」に被るものがあるような気がしてしまうんです。そして、あっちの男こっちの男が、皆、彼女を欲しがるなんてところも。

見えない誰かを(ファンの方々など)を傷つける事になってしまうかもしれませんので、比較してはいけないなと思います。

ただこちらは完結していて嬉しいとは思います。

 

少女漫画なので恐ろしいシーンはありませんが、それは映画などでも映してないだけと言うシーンで、つまり描いてないだけで、恐ろしい内容のシーンが少々あります。かなり残酷だなと思うシーンも。

処刑の方法とか・・・・。

殺害された方法とか・・・。

証拠になる矢を体に突き刺したまま、砂漠を走りぬくヒロインも凄いなと感心します。

また出てくる男たちがカッコイイですよね。

ヒロインは、ユーリ。本名は鈴木夕梨。その夫になるカイルは後のムルシリ2世で実在の人物なんですよね。

だから弟のザナンザも実在の人で、彼の最後などは史実を組み入れた内容になっているのだと分かります。

エジプトのラムセス一世も魅力的で、カイルと闘う必要もないのに、わざわざどうしてもと命がけで戦ってしまう二人は、絵は綺麗だけれど、少年漫画の趣。

やはり実在のネフェルティティは悪女として描かれていますが、なぜそうなってしまったのかと言う背景が描かれていて憎み切れません。

ヒッタイトが最盛期を迎えていくまでの歴史大河フィクションでもありますが、基本的には、如何に平凡な中学生だったユーリと言う少女が一途な愛を貫いて、資格がない彼女がムルシリの正妃を勝ち取り、そして彼の唯一の妻となっていくというロマンスも含めての冒険活劇(言い方が古いw)です。

読み応えあります。

 

外伝のその後の話、子孫たちの話も面白いです。特にユーリの孫、ラムセスの孫がすべてのしがらみを捨てて東へ向かうシーンには、何かしみじみとするものがありました。いつか彼らの子供たちが、日本に辿り着くかもしれないからです。

ネタバレと言えばそうですが、彼女が帰ってしまっては28巻も続くわけはないので、そこは配慮無しでいかせてください。

親や姉妹、友人、ちょっといい感じになって来たボーイフレンドとも一気に引き離されて、古代ヒッタイトに一人ぽっち。

意外と切ない物語なんですよね。

 

最盛期を迎えたヒッタイトですが、ヒロインたちが去ったその後、大火によって滅び、そして今は風の都です。

私のトルコ旅行記はこちらです。→風の都「ハトゥシャシュ遺跡」

 

 

 

 

 

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マンガ日本の古典「和泉式部日記」

2022-03-29 10:56:21 | 漫画・マンガ・まんが

この本を図書館から受け取った時、思わず

「えっ?」となりました。

前に「吾妻鏡」を読んだ時に、続けて「平家物語」も読みたいなと思いました。ところが、カバーの内側に折り返したところにあった32巻の本の名前の紹介の所に、「和泉式部日記ー萩尾望都」を見つけてしまっては、こちらを先に読みたいと思うのは、私にとっては当然の気持ちだったと思います。萩尾先生は、どんなねっちりした平安の恋愛劇を見せてくれるのかなと、即予約したのです。

ところが受け取ってみると、作者はいがらしゆみこさん。「キャンディキャンディ」を描いた方ですね。

本には編集部から「読者の皆様へ」という、都合により作者変更のお知らせが挟まれていました。

ああ、何があったのかなぁ。編集部と方針が合わなかったのかなぁ。体調が悪くスケジュールが合わなかったのかなぁ。

いろいろと考えても、ネットで調べてもまったく分かりません。

私的には、解けないミステリーになってしまいました。

 

弾正宮を失った後、その弟君である帥宮との愛に萌える和泉式部。

その愛の物語です。

 

冒頭の部分で言葉の言い回しとか、少々引っかかるところもあって、期待値が下がってしまったのですが、それが良かったのか、読み終わってみたらなかなか面白かったなと思いました。

帥宮は、意外と周りを気にするタイプで、遅々として恋の行方は定まらず、また雨の音で門をたたく音がかき消されてすれ違ったりと、そのもどかしさも良かったかもしれません。

帥宮が門があかなかった事で、他の者が来ているのだと疑っても無理はありません。まったく触れられてはいませんが、一体この和泉式部は、何で生計を立てているのだと思ってしまうからです。幾多の男たちが文をよこすと書いてあったけれど、たぶん文だけではなく、その時にいろいろと付けてよこしているのかなと思うのですがどうでしょうか。

彼女は弾正宮の恋の為に、夫からは離縁され実家からは勘当されてしまっているのです。何かにすがらなくては、優雅に生活など出来るわけはないのですよね。

だから乳母や側近の女房達も、その恋は道徳的に如何なものでしょうかなどとは言わないのですよね。

「まったく」以下の事は、私が思った事であって、本編には本当にまったく出てきません。

 

私が一番好きだなと思ったシーンは、帥宮の宮中に招き入れられた和泉式部の為に、本妻である北の方が出て行ってしまいます。

その出て行く時に和泉式部は宮の背後に立っています。その時帥宮は二人が微笑んでいるのを見るのです。

影のせいかと彼は思うのですが、きっと北の方は、折り合いの合わない夫に対して一片の責めを負わずに(みな彼のせい)出て行けるし、和泉式部は正妻を追い出して恋の勝者です。

恐ろしくも、メデタシメデタシの終わりだったと思います。

 

その後の4年、二人は幸せに暮らしました。だけどまたも帥宮は病死。

そしてその後、彼女は藤原道長の娘、彰子に使え、その和歌の才能を存分に生かしたのは周知のとおりです。

その道長の配慮によって、再婚もするのですが、その後も恋のうわさが絶えなかったと言います。

だけれどそれが彼女の和歌を作る才能の原動力だったのでしょう。

 

まぁ、所々で「私は宮様の思うとおりに生きるだけ。」的な事を言っちゃって、責任回避をするので、あまり世の女性たちの人気は高くはならないと思いました。

 

 

だけどいつの世も恋に生きる女性の好感度は、そんなものかも知れません。

これはこれで面白かったし、分かりやすかったし、和泉式部は美しくて良かったのですが、それでも私はやっぱり萩尾氏が描いたものも読みたかったような気がします。

 

 

 

 

・・・・・

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