わたしたちが道に外れた悪人どもから逃れられるように、と祈ってください。テサロニケの信徒への手紙二、三章二節
理性と意志の力で悪を避ける、ということもあるでしよう。しかし、すべての悪を、というわけにはいきません。 ちょうど空気の悪いところで呼吸ができなくなるように、理性も意思の力もマヒしてしまう地点があります。 そのとき人間は、羅針盤を失った船のようにただよい始めます。 船の外からの風が――――祈りが船を方向づけるということが起こります。 「祈っていただく」そのことなしにだれも、使徒さえも、信仰の道を歩むことはできません。
小島誠志著 「疲れたものに力を・聖句断想3」より