一日一生 内村鑑三著より
まことに彼はわれわれの病を負い、われわれのかなしみをになった。
しかるに、われわれは思った、彼は打たれ、神にたたかれ、苦しめられたのだと。
しかし彼はわれわれのとがのために傷つけられ、われわれの不義のために砕かれたのだ。
彼はみずから懲らしめをうけて、われわれに平安を与え、
その打たれた傷によって、われわれはいやされたのだ。(イザヤ書五三・四~五)
最も偉大なる事は、人に勝つ事にあらず、人に負けることなり。
彼にわが場所を譲る事なり。その下に立つ事なり。喜んでその侮辱を受くる事なり。
つばきせられて十字架につけらるる事なり。
かくなし、かくなされて、われは初めて神の心を知るを得るなり。
まことに高き者は低くせられ、低き者は高くせられる。
われら、神に高くせられんと欲すれば、人にひくくせられざるべからざるなり。(信八・一三三)